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2017年05月19日

【問題解決】『問題解決で面白いほど仕事がはかどる本(超解)』横田尚哉


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問題解決で面白いほど仕事がはかどる本(超解) ―――「分析」「創造」「洗練」のステップで未来に向かう解決策を生み出す


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「Kindleビジネス書・自己啓発書フェア」にて思わず買ってしまった「問題解決本」。

今までは買っては積読の繰り返しでしたが、最近は可能な限り、セール期限までにレビューするよう心掛けている次第です。

アマゾンの「出版社のコメント」から。
ビジネスベーシック「超解」シリーズ第8弾。
GEで生まれた手法「ファンクション・アプローチ」を活用した問題解決スキルは効果抜群。
この管理技術をベストセラー著者が初めて入門書として解き明かす。
この「面白い」問題解決スキルなら生産性がぐんぐん向上する。

現時点で中古が定価と同額ですから、このKindle版が600円弱お得な計算です!





__FUNCTION__ / Milian Wolff


【ポイント】

■1.問題に合わせてやり方を使い分ける
 問題解決ができる人とできない人の決定的な違いは、問題の捉え方です。問題をクエスチョンと捉えてしまうところからすべての間違いが始まります。(中略)
 問題解決のできる人は、目の前の問題がクエスチョンなのか、プロブレムなのかを見極めます。つまり、問題に合わせてやり方を使い分けられるということです。
 クエスチョンであれば、それは問題解決とは呼ばず、単なる解答作業としてToDoリストに入れるだけ。プロブレムであれば、解決するために考える必要があるので、クリエイティブな活動として取り組みます。
 こういう人たちの口癖は、次のようなものがあります。
「そもそも何が問題なのか」
「それは本当に問題なのか」


■2.「4M」で改善点を特定する
【マン】人や組織に関する改善点はないか
【マテリアル】材料やデータに改善点はないか
【メソッド】やり方や流れに関する改善点はないか
【マシン】ツールや装置に関する改善点はないか
 改善点を感覚で決めつけるのではなく、論理的に決めていくことです。問題を早く解決したい気持ちはわかりますが、冷静に考えましょう。
 もしかしたら、講師の教え方のスキル不足かもしれません。あるいは、受講生の学習意識が希薄なのかもしれません。または、教育効果を発揮する場面の不足かもしれないし、動機づけの欠如かもしれません。
 結局、その企業の改善点は、教育プログラムにあるのではなく、運営の仕方にあることが特定できました。
 このように4Mを使うことで、問題が早く特定できます。ほかにも優れたフレームワークがあります。それらを使って、ロジカルに改善点を特定することがコツなのです。


■3.ファンクションはカタチに優先する
 ファンクショナル・アプローチの発案者であるローレンス・D・マイルズ氏は、ファンクションについて、次のような言葉を残しました。
「冷蔵庫が本当にほしいという人はいない。貯蔵された食品がほしいのだ。人の要求や要望は、カタチに対してではなく、ファンクションに対してなのだ」
 この考え方が、ファンクショナル・アプローチの根幹をなしています。たとえカタチが変わっても、ファンクションを達成することが、何よりも優先されるという考え方です。
 人が求めているのがファンクションなら、ファンクションから議論し、ファンクションから発想するのが理にかなっているというものです。だから、「ファンクショナル・アプローチ」というのです。


■4.言葉にするには名詞と他動詞の2語で表現する
 たとえば、メガネだと、「メガネ」が、《視力を補う》となります。メガネは、カタチの世界での表現です。言ってみれば、呼び名です。「メガネ」という代わりに、《視力を補う》モノといっても同じ対象を説明していますね。
 人が本当にほしいのは、メガネではなく、《視力を補う》モノということになります。
 だから、カタチで考えてカタチで議論するのではなく、ファンクションで考えてファンクションで議論するほうが、理にかなっているのです。
 前項のファンクションは、こんな表現になります。
「マンホールの丸」が、《方向差をなくす》
「つり革のブラブラ」が、《横移動を許す》
「キャップのギザギザ」が、《摩擦力を増やす》


■5.定量的な名詞を使う
 名詞をより具体的にするために、定量的な名詞を使う方法があります。定量的な名詞は、測定が可能です。測定が可能ということは、ファンクションの達成を程度で確認することが可能になります。
 たとえば、《部屋を明るくする》を《照度を上げる》のように変えてみます。
 そうすると、役割の対象が「部屋」というぼんやりとしたものから、「照度」という測定可能なものに変わります。
 どこまで照度が上がっているかが明確になるので、その役割が達成しているか、していないかがはっきりします。
 コツは、形容詞を使わず数詞で表現することです。形容詞は、その人の感性に依存します。同じ照度でも、明るく感じる人もいれば、暗く感じる人もいます。
 一方、数詞は、人の感性に依存しません。共有の尺度で表現できるため、違いが生じることがありません。


【感想】

◆冒頭の「出版社のコメント」では、「ファンクション・アプローチ」とありますが、「ファンクショナル・アプローチ」を意図しているのでしょう。

実際、やたら長いアマゾンの内容紹介(本書の「はじめに」からの引用)では、
本書は、1947年に開発された「ファンクショナル・アプローチ」をベースにしています。
との記述アリ。

そしてこの「ファンクショナル・アプローチ」は、著者の横田さんが2010年頃、あの「情熱大陸」に出演されていますから、ご存知の方も多いことかと。

横田尚哉(改善士): 情熱大陸

当時の横田さんの著作に関して、私もこんな記事を書いております。

問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門
問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門

参考記事:【必読】『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』横田尚哉(2010年08月18日)


◆一方今回の作品は、上記の本と比べても、図解が多めで分かりやすい印象。

実際、冒頭の引用部分でも「初めて入門書として解き明かす」と言っていますから、かなり噛み砕いてくれているのでしょう。

その辺が、タイトルのカッコ書きにもある「ビジネスベーシック『超解』シリーズ」の特徴なのかもしれません。

私はKindle版で読みましたから気がつきませんでしたが、単行本のページ数は160ページですから、やはり薄めの「入門書」という位置づけなのだと思います。


◆とはいえ内容的には、さすが「ファンクショナル・アプローチ」の伝道者(他の方の著作では読んだ記憶がないです)だけあって、ツボはしっかり押さえているかと。

上記ポイントでは割愛したものの、決まり文句である
「誰のため?」
「何のため?」
が、繰り返し本書内では登場しています。

この問いかけに対して、「答えがすぐに出なければ、問題となる可能性が高い」とのこと。

さらに、「答えが出たとしても、違和感があったり、みんなと違う答えだったりすれば、問題となるかもしれない」ワケです。


◆もし問題の存在に気づいたら、それを掘り下げ、改善点を特定すべし。

そこで上記ポイントの2番目の「4M」が登場します。

実はこの引用部分の前に前提のお話があるので、それを捕捉しますと、「ある企業から、教育効果が上がらないので改善したいという依頼」があり、彼らいわく「自社にあった新しい教育プログラムを開発したい」とのこと。

しかし
「そもそも教育プログラムが問題なのですか」
「教育プログラムは、本当に問題なのですか」
と質問すると、その答えはあやふやなものだったという。

それゆえこの「4M」にて分析すると、上記にもあるように「運営の仕方」に改善点があった次第。

……私自身、「ファンクショナル・アプローチ」を知らなかったら、普通に「どんな教育プログラムがよいか」を考えてしまいそうですが。


◆実は上記で抜き出したのは、こうした「ファンクショナル・アプローチ」の導入部分でして、上記ポイントの5番目でさえ、まだ第2章の半分辺りという(スイマセン)。

もっとも第3章では、具体的な解決策を生むための「アイデア発想技法」等が述べられているので、むしろ「アイデア本」としての性質も帯びてきます。

さらに第4章では、それらをブラッシュアップ(「洗練」)する手法等が登場。

そして最後の第5章では、これらを「実際の活動」にあてはめる……って、超簡単にまとめてしまいましたがw

いずれにせよ本書は、「ファンクショナル・アプローチ」をまったく知らない方にとっては「入門書」として、ご存知の方にとっては「復習」ないしは「実践」に役立つ1冊だと思います。


お求めになるなら、セール期間内である21日までに!

B01N9YPSTZ
問題解決で面白いほど仕事がはかどる本(超解) ―――「分析」「創造」「洗練」のステップで未来に向かう解決策を生み出す
第1章 わかってしまえば問題解決は「面白い」
~面白くないのは、問題の種類が間違っているか、解決の方法が間違っているかだ。
第2章 今の状態を知るための「分析」
~問題を細かく分解し、深く理解し、うまく解析する。
第3章 新しい方法を生み出すための「創造」
~優れたアイデア発想のために、脳のメカニズムを理解する。
第4章 確実に解決させるための「洗練」
~丁寧に欠点を見つけ出し、根気よく欠点を克服する。
第5章 ワンランク上の「問題解決」
~目的を達成する道具は、常にピカピカに磨いておく。


【関連記事】

【必読】『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』横田尚哉(2010年08月18日)

【問題解決】『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』鈴木鋭智(2016年08月13日)

【問い】『Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法』ウォーレン・バーガー(2016年06月30日)

【コンサル流】『本質思考: MIT式課題設定&問題解決』平井孝志(2015年01月26日)

【オススメ!】『インサイドボックス 究極の創造的思考法』ドリュー・ボイド,ジェイコブ・ゴールデンバーグ(2014年05月15日)


【編集後記】

◆なかなかメイン記事としては紹介しにくいものの、こんなKindleコミックのセールがスタートしております。



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この辺が面白そうな気が……。

おひっこし (アフタヌーンコミックス)
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先生の白い嘘(1) (モーニングコミックス)
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あそびあい(1) (モーニングコミックス)
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なお、最後の作品は、なぜか「極東ブログ」さんでレビューされているという(セールでは無料です)w

[書評]あそびあい(新田章): 極東ブログ


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