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2017年05月09日

【仕事術】『小さな会社でぼくは育つ しごとのわ』神吉直人


小さな会社でぼくは育つ しごとのわ
小さな会社でぼくは育つ しごとのわ



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「GWに読みたいビジネス書セール」の対象となっていた仕事術本。

あるレビューを読んで、物語形式かと思ってスルーしかかっていたのですが、いざ読んでみたら、全然そんなことはありませんでした。

アマゾンの内容紹介から。
小さいからこそ身につく「働く力」!日本の99.7%を占める中小企業で働く、すべての人へ。自分と周りを活かす「仕事の基本」。経営学の先生がやさしく教えてくれました!

なお、中古に送料を加味すると定価を超えますから、セール期間内である5月11日までなら、Kindle版が800円弱お買い得となります!






nearly done just some small things! / Ashley Basil


【ポイント】

■1.中小企業は責任ある仕事を幅広く体験できる可能性がある
 携わる業務の数と幅(担当範囲)も、会社の事業内容や取引先の数などさまざまな要因に応じて変化します。中小企業の中でも多様ですから、大企業と中小企業の比較としては論じられません。
 ただ、中小企業は従業員の数が少ないので、1人にかかる負担が大きくなりやすいのはたしかです。実際、「やることが盛りだくさんで大変」という声は多くの方から聞かれました。
 ですが、これをポジティブに捉えるならば、いろいろなことを経験できると言い換えられます。
 後で詳しく述べますが、経験は成長にとって一番のチャンスです。大企業よりも早くから、責任ある仕事を幅広く体験できる可能性があることは、若いうちに中小企業に身を置くことの、最大のメリットと言えるでしょう。


■2.一気に覚えたり身につけようと努める
 集中的に取り組み、短期的に何かを修得することは決して容易くありません。
 ですから、つい諦めの芽が顔を出します。実際、一気にマスターすることはおろか、そのような心構えを持つことすら、難しいと考える人が多いのではないでしょうか。
 ぼくが関わる大学生の多くは、読書や語学、資格の勉強など、自らに必要な課題を口にします。また、就職活動を筆頭に、それらが必要になるときが案外目前に迫っていることにも気づいています。しかし、そのことについて彼らと話すと、しばしば「ゆっくりやります」という言葉が返ってきます。
 そのような構えの学生が、設定した課題を在学中にクリアすることは、ほとんどありません。それらに本腰を入れて臨む日は、残念ながらやってこないようです。


■3.仕事の全体像を把握する
 新人研修などの機会に、会社全体の業務内容について教える企業が多いのは、全体像の把握に関心を持たせることを意図しているとも考えられます。
 また、影響範囲を理解するには、仕事を知る前に、同僚を知ることも有効です。一緒に働く人たちに興味を持ち、その人たちの役割を知ることから、自分の仕事との関連の理解に入っていくのです。
 この点に関して、中小企業、特に規模が小さい会社は相対的に有利です。従業員の数が少なく、全員の顔と名前は問題なく一致するというケースも少なくないでしょう。中小企業では、各人の仕事内容を把握しやすく、全体像を描きやすいのではないでしょうか。


■4.当事者意識を持つ
 たとえば、先輩からコピーを頼まれるとします。そのときに、「その内容は見てはいけない」ということはないはずです。ぼんやりとコピー機に向かうのではなく、自分がその書類を作るつもりで、読みながら作業をおこなうのです(読み込みすぎて遅れないように)。(中略)  
 他には、先輩とペアになって取引先を訪問する際に、自分が中心となってプレゼンをするつもりでセリフなどを準備したり、相手のことを調べたりしておくことも考えられます。こうしたことを心がけておくと、先輩が不測の事態で来られなかったとしても、その代わりを務めることができるかもしれません。(中略)
 多くの会社の人が口をそろえて言うように「自分で考えて動ける人と、そうでない人は全然違う」。その間には、まさに雲泥の差があるのです。


■5.信頼は2つに分けて捉える
 仕事を振ることは、任せることです。案件を後輩に任せる際の信頼は、心理学や経営学では2つに分類されています。
 1つは、その後輩は"パスする仕事をきちんと履行することができるはずだ"という能力への信頼です。これは、仕事の内容と後輩の実力の理解から生じる信頼といえます。
 もう1つは、その後輩が「やります」と言ったことを本当に実行する気概を持っているという、相手の意図への信頼です(中略)。
 信頼を2つに分けて捉えることの利点は、もしどちらかが欠けていたとしても、仕事をパスした後のフォローやケアの仕方をそれぞれに応じて具体的に考えることができるという点にあります。もちろん、この2つの信頼に足る後輩に対しては、迷わず仕事を振ることができるでしょう。


【感想】

◆以前から何度かお話したこともあったように、私が新卒で入社した会社は、一部上場のテレビCMも出しているような電機メーカーでした。

本社には何千人もいて、関連子会社も含めるとグループ数万人という規模。

ただ、ホントに私が入りたかった会社は、実はもっと小さな「知る人ぞ知る」お菓子会社で、結果的に色々あって私の方で辞退したのですが、今でもあそこに勤めていたら、自分の人生はどうなっていたのかな、と思う事があります。

一方で、私が今、顧問先として関与している会社は、全部が中小企業であり、むしろ今ではそちらの考え方や働き方に馴染んでいるという……。


◆大企業と中小企業の違いは、待遇、特に生涯賃金等がよく言われるものの、それだって一概には言えないでしょうし、それこそケースバイケース。

オーナー一族だけ、給料をごっそりもらって、他の社員は低めなところもあれば、私の顧問先でも、大企業と比べてもそれに負けないというか、むしろ多めのところもあります。

とはいえ、本書で指摘されていたように、一般的に大企業が「新人研修」が長いのは事実で、私もタイピングやらマナーやらを3か月くらいかけて教わりました。

要はそれくらい、じっくり(もしくはのんびり)教える余裕があったということなんですが、そんな暇は中小企業にはありません。

ですから自分自身が、上記ポイントの2番目にあるように、「ゆっくりやります」という気構えだと、中小企業だと難しいと思われ。


◆同様に、上記ポイントの4番目にあるように、「当事者意識を持つ」ことも、中小企業では必要です。

本書では「仕事とは誰かに指示されたことをおこなうものである」という受け身姿勢の人を、「指示待ち地蔵」と呼んでおり、まさにそれではやっていけない、ということ。

中小企業はとにかく人が少ない以上、本書の表現を借りると「個々の仕事に対して新たな意味を見出すほどまで思考し続け、主体的に臨む姿勢」でいなければなりません。

そしてこれは、「最近の若い世代がよく口にする、『〜しとけばいいですか』という言葉に表れる態度」とは、まさに真逆。

ただ、何もこれは、中小企業でだけ必要なワケではなくて、大企業で働く人にとっても必要なことでしょう。

私自身、自分のことを思い返してみて、そこまで突き詰めてやっていたかというと疑問ですし、本当はもっとできたはず。

他にも「どの規模の会社でも大事な働き方」が散見されましたが、むしろそれによって、大企業にお勤めの方(かつての私を含めて)にとっても、本書を読む意義があると感じました。


◆そういえば本田直之さんは、新卒時にあえて中小企業に入って、IPOに携わる経験をした、というお話を以前著書で読みましたが、その分、仕事量も相当だったことでしょう。

本書では、こうした中小企業の傾向を「いろいろできるのが楽しいし、いろいろありすぎてしんどい」と表現しています(実際に働かれている方の言葉だそう)。

これはまさに、上記ポイントの1番目で触れていることでもありますし、同時に上記ポイントの2,3.4番目を意識していくべきことなのだな、と。

学生さんは当ブログの読者さんには少ないと思いますが、転職先が中小企業となることは多々あるでしょうから、本書を読むべきであろう方は、少なくないと思います。

もちろん、大企業にお勤めであっても、本書に書かれたことを意識して働けば、出世につながるかも。


お勤めの会社の規模に関わらず、「一読の価値アリ」です!

小さな会社でぼくは育つ しごとのわ
小さな会社でぼくは育つ しごとのわ

第1章 「小さな会社で働く」と決めた
第2章 「基本の姿勢」と言われても……
第3章 「仕事が遅い」のを、なんとかしなくちゃ
第4章 忙しい先輩たちと、うまくやれるのか?
第5章 みんなに迷惑かけたくないな……
第6章 慣れてきたときが落とし穴!
第7章 いつかは、ぼくも先輩になる


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【編集後記】

◆土井英司さんのメルマガで知ったのですが、『ハイパワー・マーケティング』(絶版でプレミアが付いています)で知られるジェイ・エイブラハムが、久々に新刊を出す模様。

マネー・コネクション あなたのビジネスを加速させる「戦略」の見つけ方
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土井さんいわく「ひさびさに読み応えのある、人に教えたくないマーケティング書」とのこと。

Kindle版が安くないのが、ちょっと残念ですが……。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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