スポンサーリンク

       

2017年05月08日

【読書術】『夢をかなえる読書術』伊藤 真


夢をかなえる読書術
夢をかなえる読書術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった読書術本。

著者は以前、当ブログで勉強本等をレビューしたことのある伊藤真先生です。

アマゾンの内容紹介から。
本を汚せば汚すほど、あなたの人生はひらけていく。司法試験界の「カリスマ塾長」が実践する、膨大な本から「選び、学び、力をもらう」方法。

なおKindle版は「23%OFF」と新刊にしては大変お得です!





Read/Review / Wiertz Sebastien


【ポイント】

■1.ゴールから逆算して読む
 夢をかなえるために大切なこと。それは「ゴールからの発想」です。
 ゴールが明確になっていなければ、どこに向かって走ればいいのかわかりません。やみくもに走り出して、途中で疲労困憊してあきらめてしまったり、いつまでたってもゴールにたどりつけなかったりします。
 伊藤塾では入塾者に、先輩たちの「合格体験記」を読むことをすすめています。それは、ゴールを明確にするためです。
 いつ、何を、どんなふうに勉強したのか。ゴールからさかのぼって、合格者のノウハウを知るのは、まさに「ゴールからの発想」といえるでしょう。合格を目指し勉強している人にとってはひじょうに実践的で効果があります。


■2.本をコピーして持ち歩く
 本の使い方でおすすめなのは、「コピーして持ち歩く」方法です。
 伊藤塾では、テキストはその日の授業に使う分だけコピーして、それを教室に持って行き、コピーは思い切り「汚す」よう指導しています。そして家に帰ってから、書き込みやアンダーラインがたくさん引かれたそのコピーを見ながら、テキストに整理をして、重要箇所をマーキングしていくのです。
 そうすることで授業の復習になりますし、テキストが自分なりに整理されて、サブノートのようになっていきます。
 テキストや参考書を読むとき以外でも、私は、本を本格的に読み込みたいときは、重要な箇所をコピーして持ち歩いています。コピーなら、心置きなく印をつけたり、書き込みをしたりして、汚せるからです。


■3.本を主体的に読む
 私が本にマーキングやページ折りするのは、「主体的に本を読む」ためです。本は、ただ「受け身で読む」のではなく、「自分に引き寄せながら読む」ほうが、自分のものとして蓄積できるので、より夢の実現に役立ちます。
 書いてある内容をたんに情報や知識として受け止めるだけでなく、一度自分の頭というフィルターを通して、考えたり、想像したり、自分の意思に反映させたりするのです。
 それがきっかけで具体的な行動まで起こせれば、人生における読書の意味が際立ってきます。たとえそこまでできなくても、本に書いてあることを自分自身に引きつけて、落としこむだけでも、読んだ内容の蓄積が違ってきます。
 といっても、「自分の頭で考えて読め」といきなり言われても、どうしたらいいのかわからないかもしれません。
 だからまずは、自分の感想や思いを、本や紙に書き出してみる、ということから始めたらいいでしょう。

 
■4.スイッチを切り替える儀式を持つ
 伊藤塾の塾生は、講義を受ける前に「スマホの電源を切る」のが規則になっていますが、これも自分の中のスイッチを切り替える儀式のひとつです。ほかには、「勉強する前に顔を洗う」のを儀式にしたり、「机の前にきちんと姿勢正しく座る」のをルールにしている人もいます。
 本を読むときも、何か自分なりの儀式を持ったり、ルールを決めておいたりするといいでしょう。
 たとえば、通勤や通学のときの行きの電車はスマホでニュースを見たりメールをチェックしたりするとしても、帰りの電車では本を読むと決めておく。寝る前の30分は携帯を切って、読書の時間にあてると決める、などです。
 私の儀式は、クラシックのBGMをかけることです。バロック音楽の静かな曲をかけると、本を読むスイッチが入ります。何も音がない静かすぎる環境だと、かえって落ちつきません。


■5.読むという行為と過程にも意味がある
 本を読んで自分が何か考えたり、「いいな」「すごいな」「大変だな」「かわいそうだな」などと感じたり、ましてや涙を流すことがあれば、その涙の意味を自分で言葉や文字にできなくても、涙を流したというだけで立派に著者と対話したことになります。
 たとえ、「ああ、よかった」と思ったそのことを、アウトプットできなかったとしても、それと本を読んで自分が変わったことは別の問題です。(中略)
 さらに言うと、読んだことをアウトプットできないまま、そのうち忘れてしまっても、それでいいとさえ、私は思っています。読書はけっして勉強だけが目的ではないのですから、読んだ内容をちゃんと覚えておく、あるいは忘れまいと思う必要はありません。
 必要なことは、自然にその人の血となり、肉となっているはずです。読んだ内容は忘れてしまっても、読んで得たものは形を変えて、自分の中に残り、自分自身をつくり上げているのです。
 

【感想】

◆本書は伊藤先生にとっての、いわゆる「読書術」本なのですが、タイトルに「夢をかなえる」とあることによって、その方向性を定めているというか。

要は、何かしらの目標があって、それを達成するために、読書をどう活かすか、というお話につながってくるワケです。

ということで、上記ポイントの1番目に登場するのが「合格体験記」。

なるほど、受験生にとってこれを読めば、ゴールは明確になりますよね。

ただ、本当は伊藤先生は、ご自身の塾ではもっと踏み込んだことをされていて、それが「合格体験記の執筆」です。

この本によると、司法試験受験コースの授業初日に、受講生に執筆させているらしく。

夢をかなえる勉強法
夢をかなえる勉強法


参考記事:「夢をかなえる勉強法」伊藤 真(著)(2006年06月21日)


◆また、勉強つながりで言うと、上記ポイントの2番目にあるようにコピーを持ち歩き、それにマーキングや書き込みをする、というのは、私のように本を汚せない者にとってはありがたいこと。

ただし、上記にもあるように先生の場合、コピーを元にして、結局オリジナルも同じようにマーキングしてしまいます。

そもそも本書の内容紹介の詳細版では、「テキストがきれいなままの人が、司法試験に合格できるでしょうか?」と言われているくらいですから、むしろ先生は「本は汚してナンボ」というスタンス。

今回は割愛したものの、「重要なところに線を引く」「キーワードを塗りつぶす」「○をつける」「?マークを書く」「ラインマーカーを色分けする」「ページの端を折るときは、『上折り』と『下折り』を使い分けている」等々、物理的に本を活用するTIPSには事欠きませんでした(詳細は本書を)。


◆本来、こうした部分もポイントとして抜き出そうとも思ったのですが、私自身が紙の本でできない以上に、こういった物理的なアクションは、Kindleだと少々難しくて。

もちろん、「線を引く」だけなら「ハイライト」で代用できます。

「〇」や「?」のマークは、「メモ」機能を使えばいいのやら?(私は現在「メモ」は使っていませんが)。

逆に「ラインマーカーの色分け」は、ハイライトが4色あるので、それで対応できそうな感じ。

また、「コピーを持ち歩く」というのは、ハイライト部分をテキストで抜き出せますから、それをプリントアウトすれば対応可能でしょう。

ただ、私はページは折らないものの、付箋の位置(高さ)で中身を区別していたのが、Kindleだとブックマークが1種類しかなく、Kindle中心でレビューするようになってから、結構苦労しているという……。


◆結局この辺の対応策が丸ごとスルーされているというか、そもそも本書では、Kindleのみならず電子書籍に関して、言及がされていません。

他の読書術の本では、お茶を濁す程度に電子書籍のメリット(「大量に持ち運べる」等)に触れることが多かったように感じていましたが、その点は潔いというか。

これは先生の読書術が、従来の読書術の延長線上にあり、下手に電子書籍に触れるわけにもいかなかったのかもしれません。

それゆえ上記ポイントの3番目以降は、「それ以外の部分」を中心にしてみた次第。

他にも割愛した中には「選書法」や「速読法」等々、Kindleユーザーでも活用できる部分がありますから、ご安心を。


読書好きなら要チェックな1冊!

夢をかなえる読書術
夢をかなえる読書術

第1章 夢をかなえる本の「選び方」
第2章 夢をかなえる本の「使い方」
第3章 夢をかなえる本の「学び方」
第4章 本をもっと楽しむために
第5章 読書で夢をかなえる


【関連記事】

「夢をかなえる勉強法」伊藤 真(著)(2006年06月21日)

【読書術】『「読む」技術〜速読・精読・味読の力をつける〜』石黒 圭(2017年04月14日)

【読書術】『本をサクサク読む技術 - 長編小説から翻訳モノまで』齋藤 孝(2015年08月08日)

【読書術?】『アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書"』赤羽雄二(2016年05月27日)

【読書術】『戦略読書』三谷宏治(2015年12月25日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

全思考
全思考


おなじみ北野武さんのエッセイ集。

普通にレビューの評価も高いですし、文庫版のセールということで、中古の送料以下ですから、お気軽にどうぞ。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「読書・速読」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。