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2017年04月21日

【仕組み化】『自分とチームの生産性を最大化する 最新「仕組み」仕事術』泉 正人


自分とチームの生産性を最大化する 最新「仕組み」仕事術
自分とチームの生産性を最大化する 最新「仕組み」仕事術



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日に続いてノウハウ系の仕事術本。

著者の泉さんが書かれた前作は、「シリーズ累計30万部」のベストセラーとなっているそうです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
仕事に「仕組み」を取り入れることで仕事量と労働時間を減らし、さらに安定した成果を上げることを提唱した前作の『「仕組み」仕事術』が刊行されたのは2008年。
このたび、最新のIT・クラウド事情に合わせて、9年ぶりに「最新版」として帰ってきました!
仕事に「仕組み」を取り入れることで得られるものーーそれは、毎日定時に帰ることができ、自由な時間が増え、さらに年収も増えるといういいことずくめの世界です。
今こそ、増えつづける一方の仕事を見直し、「仕組み」を最大限に取り入れる「究極の仕事術」を身につけましょう!

なお、同時発売のKindle版は、「20%OFF」と新刊にしては大変お買い得となっています!





Manual / Tanja de Bie


【ポイント】

■1.メール処理を素早くこなす10のルール
1) 「ショートカットキー」を登録する
2) 1回しか読まない
3) 即答できるものはその場で行う
4) 返信時の判断に5秒以上かけない
5) 20行に収める
6) 返信するときは、件名を絶対に変えない
7) CC扱いなら、基本的に読まない
8) 一目でわかる件名をつける
9) 複数の受信トレイを使い分ける
10) 音声入力を使う

(詳細は本書を)


■2.メールサーチ機能で、受信トレイをTO DOリスト化する
 黄色いスター(黄色フラグ)を立てたものは、Gmailのサーチ機能を使って一覧表示させます。黄色いスターの検索は「has:yellow-star」、青いスターの検索は「has:blue-star」と検索窓に入れると、一覧で表示させることができます。
 それをGmailの「クイックリンク機能」で画面左下に出しておくことで、ワンクリックで検索することができるようになります。
 さらに私は普段、Gmailを使うブラウザで、複数のタブの立ち上げを行うとお伝えしましたが、そのうちの1つは「送受信されたすべてのGmailの中で、黄色いスターかついたメール」、1つは「送受信されたすべてのGmailの中で、青いスターがついたメール」に設定しています。
 こうすることで、タブをクリックするだけでより早くその一覧が表示され、かつ「近々やらないといけないTO DO」「返信を待っているTO DO」がリスト状になって表示されるのです。


■3.「ミス撲滅委員会」をGoogleドライブで作る
「ミス撲滅委員会」とは、具体的には週に1回開かれている定例会議の名称です。
 委員会というくらいなので社内チームは存在しますが、大事なのはそのチームメンバー自体ではなく、クラウド上で全社員に共有している、たった1枚のファイルです(Googleドライブの表計算シート)。
 そのファイルに現場のスタッフたちは、自ら起こしてしまったミスや、現場で直面したトラブル、判断に困った出来事などを、どんどん書き込んでいくのです。
 具体的に書き込むのは、「報告者」「事案が発生した日付」「当事者名」「ミスの概要」「ミスの詳細」、そして「そのときとった対応」までです。
 ここに集積されたミスは定例会議で議題として上がり、必要であればミスを犯した当事者も交えながら、ミスの再発を防ぐ「仕組み」を全員で考えます。
 そして、社内のマニュアルのアップデートといった具体的な形で、会社の「仕組み」に落とし込んだ時点で、その案件は「完了」となります。


■4.完璧なチェックシートがつくれるたった2つのコツ
●概要と詳細に分ける
 普通、チェックリストというと、やるべきことが簡潔に1行ずつ書かれていることが多いと思いますが、それでは具体的な行動まで表現できません。
 実行者が絶対に迷わないことが条件なので、まず「TO DO」に概要を書き、その隣に「詳細」の欄を設け、そこには「細かすぎるかも」というレベルまで書き込むのが実行者の手を止めさせないコツです。
●数字を使って、判断基準を明確にする
「状況に応じて」「できるだけ早く」「臨機応変に」「丁寧に」――こういうた言葉がチェックシートに紛れ込まないように注意します。
 これらは、すべて実行者の「現場の判断」にゆだねることにつながり、一度ゆだねてしまうとミスが起こりやすく、かつレストランでのデザートサービスのようにクオリティに差が出てしまいます。


■5.「ストック(蓄え)型の仕組み」をつくる基準
 今日行う仕事が、もう2度と行うことのない仕事だとわかっていたら、「仕組み」をつくっても2度と使えないのでストック型とはなりません。それでは「仕組み化」する意味はないでしょう。(中略)
 そこに明確なルールをつくれば、判断に迷うことはありません。私の場合は、「月に1度以上行う業務」「今後5回以上同じことをやる業務」のいずれかに当てはまれば「仕組み化」を行う、と決めています。
 たとえば、一般的な業務であれば、「月末に経費精算を行う」「毎月15日に○○のマーケッ卜情報リサーチを行う」というものが、「月に1度以上行う業務」に当てはまります。月末の経費精算であれば、その申請用紙のある場所や、提出の仕方までをまとめるだけで「仕組み」ができ上がり、次月からは頭を使わずにその業務が行えるようになります。
 また、「毎年3月になったら評価制度を見直す」「PCの単語登録のバックアップを行う」などは、「今後5回以上同じことをやる業務」に当てはまります。


【感想】

◆引用量の関係で、上記ポイントは最低限に抑えたため、いくつか捕捉を。

まず上記ポイントの1番目の「4) 返信時の判断に5秒以上かけない」というのは、「5秒以内に返信する」わけではありません。

泉さんは、5秒以内に決断できない場合、「検討させていただきますので、○日お時間をください」と即座に返信し、そのメールに「黄色いスター」をつけて、「TO DO化」するのだそう。

また、「8) 一目でわかる件名をつける」というのは、類書でも言われていることではありますが、泉さんの会社の場合、「日付」「内容」に加え、先頭に墨付きカッコ(【】)で社内で決めたルールに基づいた「ラベル」を入れています(【提案】【議題】等々)。

これは内容がひと目でわかるだけでなく、後でメールを検索する際にキーとするため。

ちなみにこの「墨付きカッコ」でのラベルは、メールの件名だけでなく、本文でも別のルールに従って入れて「Gmail式プロジェクト管理術」として活用しているのですが、ここだけでも結構なボリュームになるので割愛させてもらいました(詳細は本書を)。


◆さらに「9) 複数の受信トレイを使い分ける」というルールは、上記ポイントの2番目の「メールサーチ機能で、受信トレイをTO DOリスト化する」にて掘り下げられています。

そのポイントでは割愛して触れていないものの、黄色いスターをつけたメールが「近々やらないといけないTO DO」で、青いスターをつけたメールが「返信を待っているTO DO」であり、これらはGmailの「クイックリンク機能」で画面左下に出しておく、とのこと。

……その肝心の「クイックリンク機能」というのを知らなかったのでググってみたのですが、このサイトが分かりやすかったので、ご確認ください。

よく見るメールや検索結果に 1クリックでアクセス | Gmail の使い方

私も2週に1度の未読本記事を書くとき、気になった本のアマゾンのページを自分のアドレスに飛ばし、それにスターをつけて管理しているので、今度この機能を使ってみようと思います。


◆同じく上記ポイントの3番目も、Googleのサービスを利用したもの。

こちらではクラウド上の表計算シート(Googleスプレッドシート)を使用しており、本書には見開き2ページで具体例が掲載されています(著作権の関係で、ここには画像が載せられませんが)。

確かにこのシートが全社員に共有されていれば、ミスが起きない仕組みが徹底されそうな。

一方、やはりGoogleのサービスを用いたものとして、Googleドキュメントを用いた「共同編集型会議」というTIPSが、第4章にありました。

これは会議に集まった面々が、その場でそれぞれGoogleドキュメントにアイデアを同時入力するものであり、従来は順番に発言して、その都度誰かがホワイトボードに手書きで書いていったハズです。

それが「同時にキーボード入力」してしまうのですから、時短効果大。

泉さんの試算によると、8割程度の時間がカットできるそうです。


◆そして、前作をお読みの方にもおなじみであろう内容が「マニュアル」と「チェックシート」。

たとえば上記ポイントの4番目に「『細かすぎるかも』というレベルまで書き込む」とありますが、実際に本書に収録されたチェックリストの例から一部引用すると、こんな感じです。
「TO DO」
「配布物の帳合を作る」
「詳細」
教養スクールアンケート:教養スクールの場合毎回配布。(アイボリー)
アンケート用紙(アイボリーの紙):最終回(短期集中コースの場合は毎回配布)
講師用にも1部準備し、講演台に置いておく。
分からない場合、運営担当者もしくは講師の指示に従うこと。
こんな感じで、TO DOが17個時系列に列挙されているという……。

なるほどこれなら、新人でも迷うことなく作業がこなせるワケですよ。

さらには、上記ポイントの5番目の基準に従って、こうした仕組みを構築していく次第。


◆ところで前作をお読みの方ならお気づきだと思いますが、本書は前作に比べて、かなりITネタに特化しています。

ちなみに前作の出たのが2008年の3月で、実はこの年に日本で初めてiPhone(3G)が発売されたのでした。

なお、Dropboxがサービスを開始したのも2008年ですから、当時は「クラウド」などという概念はほとんど知られてなかったでしょう。

ですからその頃と比べると、泉さんの仕事のやり方も大幅に進化しており、おかげで本書も、当初は前作の改訂で済ます予定だったところが、すべて新たに書き下ろすことになったのだそう。

そういう意味でも、本書はタイトルにあるように、「最新」の「仕組み」を活用した「仕事術」なんですね。


生産性を高めたい方なら、要チェックの1冊!

自分とチームの生産性を最大化する 最新「仕組み」仕事術
自分とチームの生産性を最大化する 最新「仕組み」仕事術

序章 なぜ仕事に「仕組み」が必要なのか?
1章 時間をつくるための「仕組み」
2章 ミスをなくすための「仕組み」
3章 人に仕事をまかせるための「仕組み」
4章 最少の労力で最大の成果を出すための「仕組み」
5章 成長し続けるための「仕組み」


【関連記事】

【マニュアル術?】『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』工藤正彦(2015年03月13日)

【超仕組み化?】『無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』松井忠三(2013年07月14日)

マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)

【効率化】「テンプレート仕事術」信太 明(2010年04月21日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

乗ってはいけない航空会社
乗ってはいけない航空会社


昨秋の作品ゆえか、中古価格自体がほぼ定価並みという。

おかげでKindle版が1100円以上もお得な計算です。


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