スポンサーリンク

       

2017年04月13日

【説明術】『「いまの説明、わかりやすいね! 」と言われるコツ』浅田すぐる


「いまの説明、わかりやすいね! 」と言われるコツ
「いまの説明、わかりやすいね! 」と言われるコツ



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

かならずしも「説明がうまい」とは言えないであろう私自身も、読んでみたかった作品でした。

アマゾンの内容紹介から。
「考えがまとまらない」「言いたいことが伝わらない」「仕事が進まない」…そんな悩みを一挙に解決する“ヒミツ”。ポーズをとる、見せる、指さす。『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』の著者が明かす新メソッド。

なお、中古にプレミアが付いているのに、Kindle版が「23%OFF」とお得なので、私もKindle版をゲットしました!





Explanation. / adactio


【ポイント】

■1.「動詞表現」ではなく「動作表現」にする
 いったいどうすれば、「目的を意識する」ことができるでしょう?
 しばらく時間をとって、ご自分なりの答えを用意したうえで、次のページに進んでください。

 さて、いかがでしょうか。  
 答えはいろいろと考えられますが、ここではシンプルに、次のようにしておきましょう。
目的を紙に書いて、繰り返し見る
 ポイントは、この表現を見聞きした相手が「行動」できるか、「実践」できるか、「習慣化」できるかです。すなわち「動作」に移せるか。
 ふだん、研修などの際にこのワークをやっていただくと、およそ8割の受講者が、こういった「動作」レベルの回答をすることができません。


■2.「網羅性」ではなく「代表性」を優先する
 説明が苦手な方の大半が、「代表性」ではなく「網羅性」優先で説明してしまっているために、うまくまとめて伝えることができないのです。
 どういうことか、もう少し具体的に説明しましょう。
 試しに、紙を1枚用意し、そこにあなたが扱う商品やサービスの特徴を書き出してみてください。まずは、できるだけたくさん書くようにしましょう。
 ひと通り書き出したら赤ペンを持ち、こうご自身に問いかけてみてください。
「このなかで『3大特徴』を選ぶとしたらどれだろう?」と。
 該当するものを丸で囲む、あるいは複数の言葉をまとめられる別のフレーズが浮かんだら、その言葉を余白に書き出すようにしてください。
 いずれにせよ、最終的に「この商品・サービスの特徴は次の3つです」といえるところまでまとまったら、あとはすべて捨ててOKです。


■3.「3つ」を徹底的に使いこなす
 一般的にいわれる「ポイントを3つにまとめなさい」といったアドバイスは、2つ目の「考えをまとめる」で行われる作業を指しているものがほとんどです。
 たしかに、この段階でいかにうまくまとめられるかによって、わかりやすさの度合いは変わってきます。ただ、私自身は「わかりやすい説明」のすべての過程で「3つ」を軸にするべきと考えています。
 具体的にいうと、まず「3つの視点」から「情報を整理する」。続いて「考えをまとめる」際には、「3つの構造」にはめてみる。そして相手に「伝える」ときは「3つの動作」を基本にしていく。
 このように、すべての段階で「3つ」を柱に実践していくのです。


■4.「アタマ・ココロ・カラダ」で情報を整理する
 たとえば「新しい企画のプレゼンテーションがいつもうまくいかない」と悩んでいるとしましょう。
「どうしてうまくいかないのか」という疑問に、やはり「3つの視点」を当てはめて、解決の手がかりを探ることができます。
(1)アタマ……相手に「理解」してもらえる内容になっているか?
(2)ココロ……相手の「感情」に訴えかけているか?
(3)カラダ……相手から信頼を得られるような「行動」をとっているか?
 私自身はふだん「理解」「共感」「信頼感」という表現で活用していますが、この3つの視点で整理すると、自分のプレゼンテーションの欠点がより具体的に見えてきます。漠然と「どうしてうまくいかないのか?」と悩んでいるときより、問題解決に向かって、一歩も二歩も前進できるのです。


■5.「Why・What・How」で考えをまとめる
 じつは、ここで挙げた3つの場面には共通点があります。
 それはどの場面においても「なぜ?」「何?」「どのように?」という切り口が求められている点です。
 人が何か疑問を解消しようとするときの質問は、ほとんどの場合、この「なぜ?」「何?」「どのように?」に集約されます。
 これは言い換えると、説明を聞く側は基本的に「Why(なぜ?)・What(何?)・How(どのように?)」を知ってしまえば、「わかった」という感覚になりやすいということです。

 よって、この3つの疑問を解消できるような内容をポイントごとに3つずつ伝えれば、それは聞き手にとって自然と「わかりやすい説明」になるのです。


【感想】

◆本書で言っていることはシンプルなのですが、1つひとつが納得できるものでした。

まず、上記ポイントの1番目の「動詞表現」ではなくて「動作表現」という指摘は、この本で言うところの「アクション言語」に近いかな、と。

人を動かす言葉の技術 中経出版
人を動かす言葉の技術 中経出版


参考記事:【アクション言語?】『人を動かす言葉の技術』黒川裕一(2016年10月11日)

結局「意識する」と言われても、具体的に何をすればいいのか分からないワケで、その点「紙に書いて、繰り返し見る」という「動作」レベルに落とし込むべし、というのはその通りだと思います。

ただ、現実問題として「お客様目線で考える」とか、「危機感を持て」といったフレーズは良く見かけますから、そこまで考えていないケースは多そうな。


◆また、上記ポイントの2番目の「網羅性」ではなく「代表性」というのは、「わかりやすさ」という観点からは、大いにうなずけるもの。

これが「MECE」が絡んでくる話ですとまた違いますが、いずれにせよ、ある程度丸めてしまった方が、相手にとってわかりやすいでしょう。

それに関連するのが上記ポイントの3番目で、本書はとにかく「3つ」に当てはめることをかなり意識しています。

しかもよく見かける「ポイントは3つあります」レベルの話ではなくて、その前後(「情報整理」&「伝達」)にまで「3つ」を意識しているという……。


◆その「前」段階である「情報整理」においても、「3つ」は活躍します。

そのうちの1つが上記ポイントの4番目の「アタマ・ココロ・カラダ」。

本書ではほかにも、「3C」や「時間・空間・人」といった視点でも整理していますから、事例ともども詳細は本書にてご確認ください。

また、実際に整理する際には、「エクセル1」と呼ばれる整理シートが活躍するのですが、これもフレームワークだけここでご紹介してもわかりにくいですから、やはり本書で直接見ていただいた方が腑に落ちると思います。


◆一方、「情報整理」に続いて行うのが「考えをまとめる」こと。

ここでも「3つの構造」に従ってまとめるのであり、そのうちの1つが上記ポイントの5番目の「Why・What・How」になります。

さらに他のまとめ方としては、「過去・現在・未来」「松・竹・梅」等々が。

なお、これらも「エクセル1」のフォーマットにまとめるのですが、上記の「情報整理」のものとは多少違うので、気になる方は本書をご覧いただければ、と。

……ホント、画像を貼ってよければ、ペタペタ貼りまくりたいところなのですが(著作権的な問題ゆえ)。


◆ちなみに本書は、その画像によって理解を補っているため、ある程度は仕方がないとはいえ、正直、文字数的には少なめです。

単行本で205ページですから、もともと厚い方ではないのですが、この図解とポンチ図的なイラストによって、かなり軽快に読み進めることができました。

もっとも、「5W1H」でも数が多すぎるとして、「3つ以内」を主張する本書ですから、メインテーマと関係のない、余計な情報を織り込みたくなかったのだと思われ。

……個人的には、TIPSが沢山ある中から、自分が好き、ないしは実践できるものを選ぶスタイルが好きなんですけどねw(小声)


相手に理解される説明をしたい方なら要チェックです!

「いまの説明、わかりやすいね! 」と言われるコツ
「いまの説明、わかりやすいね! 」と言われるコツ

PART1 なぜ、うまく説明できないのか?

PART2 「わかりやすい説明」の条件とは?

PART3 どうすれば、説明上手になれるのか?


【関連記事】

【アクション言語?】『人を動かす言葉の技術』黒川裕一(2016年10月11日)

【説明スキル】『学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール』木暮太一(2011年04月19日)

【説明】『わかりやすく説明する練習をしよう。』リー・ラフィーヴァー(2013年12月03日)

【説明術】『複雑なことでもスッキリ伝わる 〈超入門〉説明術』木山泰嗣(2013年08月22日)

【池上流知的生産術】『<わかりやすさ>の勉強法』池上 彰(2010年11月10日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

臆病者のための株入門
臆病者のための株入門


さすがに昔の作品だけあって、中古は底値ですから、このKindle版はお買い得ではありませぬ。

ただ、100円ちょっとの差ですから、Kindleで読みたい方はこういった機会にぜひ!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。