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2017年03月30日

【オススメ】『誰も教えてくれない 質問するスキル』芝本秀徳


誰も教えてくれない 質問するスキル(日経BP Next ICT選書)
誰も教えてくれない 質問するスキル(日経BP Next ICT選書)



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「Kindle本 春のフェア」にて人気だった仕事術本

著者の芝本秀徳さんが日経BPから出されている、「誰も教えてくれない〜スキル」シリーズからの1冊になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書のテーマは「質問するスキル」。質問するスキルを習得すると、次のようなメリットがあります。
良い質問ができると「(1)情報を引き出す」ことができます。
自分・他者にかかわらず「(2)思考を促す」ことができます。
周りとの「(3)関係を築く」ことができます。
単なる質問テクニックではなく、「質問するスキル」として、学び方をお教えします。

なお来月2日までなら、このKindle版はセール価格ですから、送料加味した中古よりも700円以上お買い得です!





GK, introducing ideas.JPG / goldjiann


【ポイント】

■1.「仕様」と「要求」の関係
 このカフェゾーンには、「丸テーブル」がたくさん並んでいます。なぜ丸テーブルなんでしょう?
 パソコンを使ったり、ノートに書いたりするには、丸テーブルではなく四角いテーブルのほうが使いやすいと思います。でも、あえて丸テーブルを使っています。
 この丸テーブルというのは「要求─仕様─指示・作業」の関係でいえば、「仕様」です。この仕様の奥には「要求」、つまり意図があるはずです。わざわざ丸テーブルを使う理由です。なぜ丸テーブルにしたと思いますか?(中略)
 少し考えてみると、仕様の奥にある「要求」が見えてきます。この思考回路を身につけると、何かが目に入るたびに、「この仕様の要求はなんだろう?」と考えるようになります。習慣になります。仕様の奥にある「要求」を知ることが、仕事においては非常に重要です。


■2.ロジックの違いに注意する
 要求を出すオーナーと、それを受けるリーダーで認識のそごが出る一番の理由は、このロジックの違いです。オーナーは「抽象と具体」のロジックで話をしているのに、リーダーは「全体と部分」だと思って聞いている。お互いにそれに気づいていないケースです。
「プロモーションイベントもいいね」とオーナーが言っているのは、「例えば」で言っているわけです。つまり、仕様(カタチの世界)の姿をした要求です。それは「認知度を高めたい」という要求を伝えるための「例えば」にすぎません。「認知度を高めたい」という抽象的な要求を、「プロモーションイベント」という具体的な仕様で表現しただけ。つまり、「抽象と具体」のロジックです。
 でも、聞いているほうはそれを「全体と部分」のロジックで聞いている。オーナーはあくまでも「抽象と具体」のロジックで話しているのに、「プロモーションイベントをやらないといけない」と、タスク全体の一部だと捉えてしまう。「例えば」で言っているのに「全体と部分」のロジックで捉えると、そこで意思の疎通ができなくなります。


■3.日報でリアルタイムに状況を知る
 日報は、部下やプロジェクトの毎日の状況をつかむのにとても有効なツールです。なぜ、週報でも、月報でもなく、日報なのかというと、情報が生々しく、リアルタイムだからです。(中略)
 週報や月報は必要です。それは「ストック」の情報として必要です。ストックの情報とは「あらゆる活動が蓄積された、ある時点での『結果』」です。会社の財務諸表でいえば「BS(貸借対照表)」です。(中略)
 一方で、「PL(損益計算書)」は「フロー」の情報を扱っています。会計期間中のビジネス活動(取引)で、いくら売り上げたのか、何にいくら使ったのかという「動き」を表しています。日報はこのフロー、動きの情報を集める役割を持っています。


■4.問いかけで部下の思考を深める
「どうしたい?」と聞いて返ってくるのは、根拠はあっても「なんとなく」なんですね。「なぜそうするのか」には答えられないことが多い。それでは前提が崩れたときに次の手段を考えられない。場当たり的、手当たり次第のモグラ叩きになってしまいます。だから、その意図を問うわけです。
 さらに「そうしたらどうなると思う?」と聞くのは、これはリスクに対する質問です。意思決定の質を高めるために大切なことは「それをしたときに次に何が起こるか」を考えることです。難しくいうと「潜在的問題分析」です。何かをすれば、必ず反作用が起こる。その反作用にまで対処しておかなければ、どうしても後手に回ってしまいます。だから「そうしたら、次にどうなると思う?」と聞くわけです。
 部下が持ってきた提案に「穴」が見えるときがあります。そのとき、「これは考えたの?」「あれは考えたの?」と言うと、単なる突っ込みでしかありません。でも「そうしたらどうなると思う?」と聞かれたら考えますよね。質問によって考えるようになるわけです。


■4.具体的な質問から始める
「お仕事は何をされていますか?」
「仕事でやりがいを感じるときはどんなときですか?」
(中略)
 このように、まず具体的な質問をして、徐々に抽象度が上がっています。これが逆だとどうでしょう?
「あなたにとって仕事とはなんですか?」
「あなたが仕事で大切にしていることはなんですか?」
(中略)
 これだと答えにくくてしょうがないですね。
 具体的な質問をすれば、相手は答えやすいし、話をすることで会話が温まってくる。具体的な質問をすることで、「私はあなたに関心がありますよ」と意思表示をすることになります。相手とのラポール、心の架け橋を築くことができるのです。開口一番「あなたの仕事の問題はなんですか?」とか聞かないようにしてくださいね。


【感想】

◆スペースの都合上、いつもどおりポイントとしては5つしか挙げていませんが、本書もハイライトをしまくりました。

ただ、類書と比較すると「どう質問するか」の「How」的なものよりは、「何を質問するか」「何で質問するか」の「What」「Why」的なお話が多い印象。

結果、当ブログのように断片的に内容を抜き出すスタイルだと、少々分かりにくくなってしまうのが残念でした。

たとえば上記ポイントの1番目で言えば、「指示・作業」が「How」、「仕様」が「What」、「要求」が「Why」に該当します。

そしてここでは割愛しましたが、「要求」には「階層」がある一方、「仕様」には「階層」がありません。

「丸テーブルを使いたい」という「要求」の上には、「向きをそろえなくてもいいようにしたい」「多様な人数に対応したい」等の「上位要求」があり、その上にさらに「利用者の使い勝手を高めたい」という「上位要求」があるワケです。


◆この考え方説明する他の例として、本書では「六本木ヒルズを歩いているとき、旅行者と思われる人から『大江戸線の六本木駅はどこですか?』と聞かれた」ケースが挙げられていました。

このとき具体的に、「前の大きい道を右方向に300メートルほど行ったら、地下鉄の入り口がありますよ」と答えても間違いではありません。

ただしこれが仕事ならば、この回答ではダメ。

なぜなら、大江戸線の駅に行きたいのであれば、それは地下鉄に乗りたいのであり、であるなら、どこかに移動するハズだからです。

もしそれが渋谷だったとしたら、六本木ヒルズからバスで渋谷に出れますし、タクシーで行っても1500円くらい。

つまり「大江戸線の六本木駅に行きたい」の上位にある要求である「渋谷に行きたい」を知ることで、もっと適切な回答を導き出せるワケです。

……「どう質問するか」よりも、もっと大事なことがある、というのがご理解いただけたかと。


◆また上記ポイントの2番目の「ロジックの違い」もありがちなお話です(本書で言う「ロジック」とは「原因と結果」のような「関係」のこと)。

「例えば」の話として出されたものを、そのまま「最終目的」として捉えてしまうことがあるのも、こうしたロジックが違うから。

ちなみに、この「ロジック」の種類については、芝本さんの過去の著作である『誰も教えてくれない 考えるスキル』に詳しいのだそう。

誰も教えてくれない 考えるスキル(日経BP Next ICT選書)
誰も教えてくれない 考えるスキル(日経BP Next ICT選書)


……この本も今回のセールで「50%OFF」とお買い得ですが(小声)。

本書では他にも、お客さんに「中目黒に住みたい」と言われて物件を探した不動産屋が、後日物件が出てきて連絡したところ「吉祥寺の物件に決めた」と言われるお話がありましたが、まさにこれも「ロジック」の違いかと。

ここで「なぜ中目黒なんですか?」と問わないと、相手の本当の「要求」は分かりえないんですね。


◆以上は本書の第3章からありで、主にお客さん相手のお話がメイン(一部、上司相手もあります)でしたが、第4章はずばり「部下」の育て方。

「部下に成果を上げさせる6つのステップ」として、順番にまとめられていますので、「質問」によって部下を育てたい方は、ぜひこちらをご覧ください。

さらに、部下から返ってきた回答を深堀りさせているのが、上記ポイントの4番目。

ビジネスでは、「これをしたら何が起こるのかを常に考える」必要があるわけで、この「そうしたらどうなると思う?」という質問により、部下の思考力は高まる次第。

……ってこれは部下だけじゃなくて、自分自身でも意識したいところですがw


◆一方第5章では、議論におけるファシリテーションの仕方を指南。

本書では実際の会話(発言)例が収録されていて、かなり分かりやすかったです。

なるほどファシリテーションこそ、適切な「質問」を用いて、議論を導いていく必要があるな、と。

さらには、ファシリテーションで使うと便利な12個の図が、具体的な使用例とともに解説されているのもポイント高し!

マトリックス型、ピラミッド型等々、どれもなじみの深い図なんですが、どういう時にどの図を選ぶべきかが腑に落ちますから、ここも要チェックだと思います。


ワンランク上の「問いかけ」をするために読むべし!

誰も教えてくれない 質問するスキル(日経BP Next ICT選書)
誰も教えてくれない 質問するスキル(日経BP Next ICT選書)

第1章 質問するスキルの効用
第2章 質問するスキルの4要素
第3章 問いかけで「要求」を引き出す
第4章 問いかけで「人」を育てる
第5章 問いかけで「議論」を深める


【関連記事】

【文章術】『誰も教えてくれない 書くスキル』芝本秀徳(2016年06月26日)

【質問力?】『しつもん上司術』松田充弘(2016年12月18日)

【質問】『「良い質問」をする技術』粟津恭一郎(2016年10月05日)

『パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術』アンドリュー・ソーベル,ジェロルド・パナス(2013年03月25日)


【編集後記】

◆上記で「ファシリテーションで使うと便利な12個の図」のお話をしましたが、芝本さんが図解の練習に「非常に役立った」と言われているのがこちらの本。

[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術 (中経出版)
[カラー改訂版]頭がよくなる「図解思考」の技術 (中経出版)


図解でおなじみである永田豊志さんのヒット作です。

ちなみにこの本、今日までとなるカドカワのKindleセールの対象で、「50%OFF」とお買い得。

絶版ゆえか、中古が2000円以上しますから、この機会をお見逃しなく!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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