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2017年03月29日

【禅】『整える――心のストレスを消す練習』枡野俊明


整える――心のストレスを消す練習
整える――心のストレスを消す練習



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「春満開!2300タイトル一挙50%OFFフェア」でも人気だった自己啓発書

著者の枡野俊明さんは、「禅」をテーマにした作品を数多く書かれてらっしゃる方です。

アマゾンの内容紹介から。
仕事、人間関係、健康……社会人の日々のストレスをなくす「禅の知恵」があります。禅僧にして、庭園デザイナーの顔も持つ著者が、「実社会を生きるヒント」を紡ぐ。読むだけで不思議と、心と体が整っていきます。

中古が意外と高いので、お求めになるならセール期間内である今日明日までかな、と。





Always Welcome / Big Mind Zen Center


【ポイント】

■1.自分でどうにもならないことは放っておく
 自分(自社)以外にも何社かが加わってすすめてきたプロジェクトで、頓挫した原因が他社にある場合は、そのまま受けとめる以外にはありません。自分たちだけの努力ではいかんともしがたく、解決策を見出しようがないのですから、できるかぎり損失を少なくすることにつとめ、気持ちを切り替えて次のプロジェクトに取り組むべきでしょう。
 自分でどうにもならないことにいつまでもとらわれていては、ストレスは嵩じるばかり。ちょっと厳しいもの言いに聞こえるかもしれませんが、自分に原因がない場合、「ダメなものはダメ」なのです。
 世の中には解決できない問題がいくらでもあります。
 それは放っておくしかないわけですし、放っておけばいいのです。プロジェクトの頓挫も「そうしたもののひとつ」と考えるのがいいのではないでしょうか。
 「放下著」という禅語は、何もかも捨てなさい、と教えています。頓挫したプロジェクトへの思いを捨てる。それが心をラクにする、整えていく、最良の手段だということを胸に刻んでおいてください。


■2.ソリが合わない相手でもほめる
 人は誰でも、ほめられて嫌な気はしません。当初、ソリの合わない相手は戸惑うかもしれません。「なんでこいつからこんなほめ言葉が……」というわけです。
 しかし、3回ほめたら、必ず、心に響く。すると、相手からもほめ言葉が返ってくるようになるのです。"ほめ合い"は人間関係をあたたかいものにします。おたがいに"決めつけ"が外れ、別の姿を発見することで、マイナス感情が薄れていく。ストレスがグッと軽くなるのはいうまでもないでしょう。
「あらゆるものには仏性がある」
 禅ではそう考えます。決めつけを外すということは、おたがいのなかに仏性(やさしさ、おもいやり……など)を認め合うこと、といってもいいですね。


■3.「いま」「それ」を一所懸命にやる
 禅語に「身心一如(しんじんいちにょ)」というものがあります。
 身体と心は一体のものである、というのがその意味です。仕事に取り組んでいるその身体と心が一体になっていれば、自然に集中力も生まれ、失敗をすることもなくなるのです。
 仕事では常に、いくつもの懸案事項を抱えているのでしょう。これをやりながら、あれを思い、こちらに手をつけながら、あちらのことも考える、ということになりがちなのはわからないではありません。
 しかし、どんなときも、実際にできることは、「いま」「それ」を一所懸命にやるという、そのことだけなのです。
 いくら思いをめぐらそうと、考えを向けようと、先のことには手のつけようがない。そのことに気づいてください。


■4.心配事は前向きにとらえる
 仏教には「布施」という言葉があります。
 布施をするというと、みなさんは葬儀や法事の際にお坊さんに金銭や品物を包むことだ、と思っているのではありませんか。しかし、それは違います。
 布施は「布施行」という「行」なのです。
 行は修行の行ですから、自分のためにするものです。つまり、布施とはお寺やお坊さんに対して「する」ものではなく、自分のために「させていただく」ものなのです。
 心配事と向き合うのも、この布施と同じです。
 自分のために心配事を「解決させていただく」「解決のためにひとがんばりさせていただく」。その思いを持つか持たないかで、受けとめ方はまったくちがったものになるのではないでしょうか。


■5.夫婦は「一心同体」ではなく「二人三脚」
 夫婦は「一心同体」──そのように、理想として語るのはかまわないとしても、現実には、それは幻想にすぎないことを知ってください。
 夫婦は「二人三脚」と考えるのがいい。片足は結ばれていて、もう一方の足はおたがいに自由になっている。それが配偶者との関係のちょうどよい頃合いなのです。 「夫婦は向き合って生きる」というのも、ちがうような気がします。
 いつも正面から向き合っていたら、疲れませんか。二人三脚のように触れ合いながら、心を寄せ合いながら、おたがいが前を向いていく。並走しているのですから、前方に広がる視野に少々のちがいがあって当然です。
 ちがいを認める。ちがっていて当たり前だと割り切る。それが夫婦間にストレスをためないコツでしょう。なんとか相手に合わせていこうという気持ちは、大切なことだと思います。相手を思って少しがまんすることも必要です。


【感想】

◆上記のようにポイントを列挙してみたものの、その前に触れておかねばならないのが、本書の立ち位置について。

実は自分でセール記事を書いた時点で気が付いていなかったのですが、この本、アマゾンの内容紹介にもあるように、過去に出た新書を再編集して改題したものです。

ととのえる 心のストレスを消す禅の知恵 (角川oneテーマ21)
ととのえる 心のストレスを消す禅の知恵 (角川oneテーマ21)


……すでに中古が底値なんですが(涙目)。

ですから、どのくらい再編集されたかはさておき、単に「安い方を買う」という趣旨であれば、本書は特に読む必要がありません。

しいて言うなら、古い新書版の方はKindle化されていないので、「Kindleで読みたい」という方だけご検討いただければ、と。


◆さて、内容的には、いわゆる「自己啓発書」の流れに沿うもの。

TIPSや考え方も、類書とそれほど違うわけではありません。

ただし、その根拠に「禅の教え」があることが、一般的な「自己啓発書」との違うところ。

ちなみに当ブログ内を検索してみたのですが、今まで当ブログでは「禅」を扱った作品はレビューしていないようです。

それだけに本書の内容は、個人的には結構新鮮でした。


◆たとえば、上記ポイントの2番目の「ソリが合わない相手でもほめる」などは、「ホメ本」辺りで目にした記憶が。

ぶっちゃけ、その考え方に抵抗がなかったわけではないのですが、その理由として「『あらゆるものには仏性がある』から」と言われると、なるほど、そういう考え方もあるな、と思うワタクシ(単純)。

また、上記ポイントの3番目の「『いま』『それ』を一所懸命にやる」というのも、集中力を高めるTIPSとして、表現や形を変えて何度も見たことがあります。

「過去や未来にとらわれない」というのは、「禅」の世界でも常識だったんですね。

逆に上記ポイントの4番目の「布施」の考え方は、全然知りませんでした。

今後は、トラブルも前向きに「とらえさせていただく」ようにしなくては。


◆……と、「禅」初心者の私にとっては、一読の価値があったこの作品なのですが、当ブログでは過去のセールでも「禅」を扱った作品を結構お求めいただいていましたから、「禅」にお詳しい方も多そうな。

さらには、著者の枡野さんご自身も、かなり著作を出されていますから、過去の作品とのねたかぶりもあるのかもしれません。

とはいえ私のような「禅」初心者でも、自分ごとに置き換えて読めた本書は、自己啓発書好きなら一読の価値はあるかと。

ただ、旧版の中古が底値な時点で、スルーされている方もいらっしゃるかとは思いますが。


お求めになるなら今日明日中に!

整える――心のストレスを消す練習
整える――心のストレスを消す練習

序章 なぜ、ストレスは“連鎖する”のか→「しんどい循環」から抜け出すために
1章 仕事の悩みを「見切る」「区切る」→「なんだか、うまくいかないな」と思ったときに読む話
2章 他者への苛立ちを「手放す」法→「人間関係にモヤモヤした日」に読む話
3章 心を“忙しく”していませんか?→「抑えきれない感情がある」ときに読む話
4章 自分で不安をつくる人、消せる人→「心がクヨクヨした」ときに読む話
5章 呼吸を整える。すると身体が…→「どうも調子が悪い…」ときに読む話
6章 家族関係が円満になる一日一話→「気が休まる場所がない!」ときに読む話


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【オススメ】『「悩むこと」が「楽しいこと」になる本 悩む技術 完全マスター』伊東 明(2013年01月12日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)
書くことが思いつかない人のための文章教室 (幻冬舎新書)


偶然(?)、今日の本同様「中古が底値」なのですが、下記レビューはブクマ400超の大人気でした。

本日限りでKindle版なら300円弱なので、送料考えたら中古と大差ないかと。

参考記事:【文章術】『書くことが思いつかない人のための文章教室』近藤勝重(2011年10月02日)


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