2017年02月01日
【コミュニケーション】『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』リー・ウェイウェン
成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、アマゾン徘徊中に発見したコミュニケーション本。著者のリー・ウェイウェン氏は、広報・広告のスペシャリストであり、あのディック・チェイニー元副大統領の側近にまでのぼりつめたという経歴の持ち主です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
★著書累計100万部突破の「人づきあい」のエキスパートが説く、人間関係の教科書!
★「付き合うべき相手」と「そうでない相手」の見極め方がわかる!
★「一流になれない人」が見落とし続けている、究極のビジネススキルがここに!
なお、本書は新刊ですが、Kindle版なら「21%OFF」とお買い得になっています!
Relationship / JD Hancock
【ポイント】
■1.人生は幼なじみと遊ぶ中で得たものに左右されるたかが子どもの遊びとはいえ、効果は大きい。ニューマンは言う。「人生の最初の数年間をどう過ごすかで、一生の命運が左右される。この時期の、忘れがたい感情や貴重な出会いが、私たちの性格を決定づける」
十数年にわたる追跡調査の結果、分かったことがある。7歳のときに戦争ごっこで毎回ただの兵士役を務めていた子は、30歳のときには小さな会社のヒラ社員になっている。一方、毎回隊長役だった子は、28歳で会社を辞めて起業し、30歳のときには自分の会社を経営している。
中国とアメリカで20万人近くにアンケート調査をおこなった結果、この法則にあてはまる確率は80パーセント近くに上った。1つのコミュニティに隊長役の子が何人もいるわけではない。せいぜい2人か3人だ。だが、ただの兵士は大勢いる。これが何を意味するか分かるだろうか。
■2.上司に対して「小さなことは服従する」
最近、多くの職業訓練セミナーなどでは「どんな場面でもしっかり自分の意見を主張しなさい。そうすれば大きな誤解が生じることはない」と教えているそうだ。
だが、現実は違う。相手が間違っていると感じ、それを正直に指摘しても、相手が素直に聞き入れ、意見を変えてくれるとは限らない。むしろ腹を立てることのほうが多いかもしれない。特に、相手が上司の場合、たとえ自分が間違っていると知っていても、あなたの指摘に感謝することはないだろう。
だから、上司に対しては何でもかんでも率直に言えばいいというわけではない。上司に認められるのは容易ではない。服従するか反抗するかというのは、難しい選択であると同時に、重要な試練でもある。
私の提案はこうだ。小さなことは絶対服従する。大きなことは慎重に話し合う。
■3.「正しいパートナー」を見極める6つのポイント
(1)連絡手段が公開されているか、問題への対応は早いか
(2)利益を顧みずに人に手を貸せるか
(3)協力の動機は何か
(4)利益の拡大を目指すのは双方のためか
(5)自分以外のパートナーの存在を気にするか
(6)最後はあなた自身の直感で
(詳細は本書を)
■4.本物の友情に利害関係はない
友情とは何のためのものか。ビジネスとは切り離して考えなくてはならない。ビジネスの成功のために行動をともにし、交流を続けているのなら、それは友人とは呼べない。そんな関係の中から、利害を超えた親友を見つけようというのは見当違いだ。
まず、友情は試すものではない。相手が自分にとって友人に値するかどうか試したいと思うなら、何もする必要はない。そんなふうに思う時点で、その人はあなたの友人ではないのだから。
次に、友情を都合よく利用してはならない。あわよくば相手を利用してやろうと考えているなら、それは友人関係ではなく、利害関係だ。
そして、友情はあなたの不正を許さない。あなたが違法な行為や倫理的に問題のある行動をしようとしたときに手を貸す人は、親友どころか友人ですらない。
■5.真の成功者は性格がいい
1999年5月、ウォーレン・バフェットとビル・ゲイツがワシントン大学に招かれ、幸運な350人の学生たちが2人の講演を聞いた。
ある学生が質問した。「あなたたちはどうやって、お金持ちになれたのですか?」
バフェットはこう答えた。「答えは単純だよ。IQの問題じゃない。賢い人でも、つい仕事の効率を下げるような行動をとってしまうのはなぜだと思う? 原因は習慣と性格、気質にある」。ゲイツもこのバフェットの回答に深く賛同した。
たとえるなら、性格のよさは鉄骨、知識や学問は成型されたコンクリートだ。あなたというビルの建設には、性格も学問も欠かせない。
モルガン財閥の創始者であるジョン・ピアポント・モルガンは、晩年に受けた取材の中で、「あなたの成功を決定づけた要素は?」という記者の質問に対してこう答えている。「性格だ。資本も重要だが、もっとも重要なのはやはり性格だと思う」
【感想】
◆普通本書を見たら、まずタイトルにある「7人」というのが、どういう人なのかが気になると思います。私の場合、てっきり「参謀」とか「ITオタク」みたいな「役割」をそれぞれが持っている、いわゆる『7人の侍』的なイメージを抱いていました。
そこでとりあえずアマゾンの内容紹介を全部見ても、どういう「7人」かは書かれておらず。
……と思ったら、なんのことはない、第1章から第7章までの章タイトルにある「幼なじみ」「メンター」「同僚」「上司」「ビジネスパートナー」「親友」「結婚相手」が、その「7人」だったという(本書の「はじめに」で明かされています)。
つまり、これらの「カテゴリー」(という表現が正しいのか?)において、どういう人を選べばよいかが、本書では指南されているわけです。
◆では、とばかりに本書を読み進めていくと、これがかなりの「ビジネス書仕様」(?)。
数字を取り入れた小見出しが多く、グイグイと読み手の興味を引っ張っていきます。
たとえば第1章は「幼なじみ」についてなのですが、小見出しからいくつか拾っても
●あなたの「幼なじみ」にふさわしい2つの要素といった感じ。
●「初めての人づきあい」が持つ4つの役割
●尊敬されたければ「5つの分別」を持ちなさい
●いい関係を続けるための「たった1つの原則」
「『2つの要素』ってなんだよ!」「『4つの役割』が気になる!」とばかりに、目次を見ただけで、本文をチラ見したくなってしまいます。
実際、各章からそういうところだけ拾って、今回の記事書いても良かったのですが、全部が全部そういう形式なのもしつこいので、上記ではポイントの3番目のだけにした次第。
◆しかもこの「7人」のカテゴリーは、それぞれで本が1冊書けるくらい掘り下げることが可能ですから、今回、ハイライトもかなり引きました(Kindle版なので)。
昨日付箋を貼りまくった本をご紹介したばかりなのですが、本書のハイライト箇所もそれに負けないくらい。
すると、どうしてもプライオリティの観点から、結論部分が中心となってしまい、エピソード部分は割愛せざるを得ず。
上記ポイントでは5番目だけがエピソードを含んでますが、実際には興味深いエピソードが他にも色々ありました。
中でも第5章にあった「有名外科医にたてついた研修医」のお話は、ネタバレしたくなくてあえて挙げなかったものの、ぜひお読みいただきたく。
……ページ数が分からないのがKindle版のツライところで、リアル書店で確認する際は、「"金魚のフン"のまま人生を終えないために」という小見出し部分を探してください。
◆また、この「7人」とは直接関係ないので割愛したのですが、どうしても触れておきたいのが、エピローグにあった「感情コントロール法」です。
……ちなみに本書のエピローグは、普通の本の「あとがき」とは違って、他の章なみにボリュームがありますので、あらかじめご留意をw
なんでも、もし何らかの理由で、怒りを爆発しそうになったら、仕事の手を止めて、人のいない場所に行き(無理ならその場でも可)、周囲を見渡しながら「色」を見つけるのだとか。
「クリーム色の机がある」「あれは緑のキャビネット」といった感じで、「30秒で12色」が目標。
これには科学的な根拠があるそうで、該当部分を引用します。
人間は怒っているときは血流が増え、アドレナリンが分泌されて筋肉が緊張する。このとき、怒りの高まりに伴って、一部の生理的機能が低下する。色を数える方法で強制的に視覚機能を回復させ、大脳のショックを吸収して理性的な思考を取り戻すことができる。数えるうちに心が落ち着き、現状への対処法を冷静に考えられるようになるのだ。うーん、知らなんだ!?
◆というわけで、本書はいわゆる「人づき合い」のキモを上手くまとめており、自己啓発書として良くできていると思います。
しいて言うなら、上記の「感情コントロール法」や上記ポイントの5番目のエピソードもそうなのですが、出典や参考文献を明記して欲しかったかな、と(学者が書いているわけではないのでしょうがないのですが)。
あとは、「成功」を「自分の力で成し遂げたい」と思われている方だと、「人づきあい」がテーマな本書にはそぐわないかもしれません……ってそういう方は、本書を買いませんかw
当ブログの読者さんには、主に「メンター」「同僚」「上司」「ビジネスパートナー」辺りを中心に読んでいただきたいところです。
それと私は特にいらないので気にしませんでしたが、Kindle版には「紙書籍付録の小冊子『人生でもっとも大事な「7人」に出会うための48の法則』」は収録されていませんのでご注意を!
成功するための「人づきあい」の指南書です!
成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?
プロローグ 自分自身を"孤島"にしてはならない
第1章 幼なじみ 正しい人づきあいを知り、"相棒"を見つけよう
第2章 メンター 学生時代、人生を導いてくれる“お手本"に出会う
第3章 同僚 社会に出てから、毎日一緒に働く相手はとても重要
第4章 上司 優れた上司との出会いは、いかなる師との出会いにも勝る
第5章 ビジネスパートナー 頼れる仲間と協力すれば仕事はうまくいく
第6章 親友 苦しみも楽しみも共有できる「よき友」を見つける
第7章 結婚相手 人生のパートナー選びは「生き方」選びである
エピローグ 忘れてはいけない、もっとも大事なこと……自分の価値を高める
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【編集後記】
◆本日2月1日までのKindleセールで、こんなのがあったのを失念しておりました。Amazon.co.jp: 【80%OFF】西東社 人気作品フェア(2/1まで): Kindleストア
過去のセールでもおなじみのものが中心ですが、最近Kindleを使い始めた方なら、この機会にぜひ!
ご声援ありがとうございました!
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