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2017年01月14日

【文章術】『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』池上 彰,竹内政明


書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書)
書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書)



【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本の記事」でも注目を集めていた文章術本

お馴染み池上 彰さんが、読売新聞で「編集手帳」を担当されている竹内政明さんと、文章の書き方について語り明かしています。

アマゾンの内容紹介から。
ついに夢の対談が実現!個性的でありながら、多くの人に読んでもらえる文章の書き方とは?わかりやすく切れ味のよい文章の第一人者・池上彰さんと、「読売新聞の一面を下から読ませる」当代一のコラムニスト・竹内政明さんは、どのようにして文章を磨いてきたのか。テーマの決め方、構成方法、稚拙な表現からの脱出法などを、惜しみなく披露する。作文の魅力がわかり、どんどん文章が書きたくなる一冊!

なお、私はお買い得なKindle版で読みました!





Always Writing / mrsdkrebs


【ポイント】

■1.要素を書きだす
池上 「書くべき要素」を、まず書き出してしまう。全体の構成は、自分で書き出したその要素を眺めたり、何度も読み返したりしながら、全体の流れが通るようにしていくというわけです。  
 文章を書くのが苦手という人の多くは、この「要素を書き出す」ということをしていないように思います。だから、テーマ、中身、そして話の流れまで、白紙の状態からすべてを同時に考えなくてはいけなくなってしまっているんですね。もちろんそれでも書ける人もいるのかもしれませんが、普通は難しい。ラクをしようとするのではなくて、ちょっと遠回りに感じるかもしれないけれども、「材料を書き出す」ところから始めると、結局は、早く仕上がるように思います。


■2.わかっていることを、わかっている言葉で書く
池上 「自分が腹の底から意味のわかる言葉以外は使わない」という方針には、賛成です。これは、「言い換えればいい」ということでもないんですよね。カタカナ語を日本語に書き換えればいいということでもない。例えば、「アイデンティティ」を「自己同一性」とか「自分が自分であることを確認できるもの」とか言い換えたところで、それで腑に落ちていなければ、意味がないんですよね。

竹内 「伝わらない」というのが、一番まずい。「わかりにくい」であれば、まだ「そのわかりにくさがいいんだ」という文章もあるのかもしれませんけれども、「伝わらない」のは救われようがない。「伝わらない」文章というのはだいたいにおいて、自分でもよくわかっていないことを、自分でもよくわかっていない言葉で書こうとするときにできてしまうものだと思うんですよ。だから、わかっていないことについては書きたくないし、よくわからない言葉は使いたくないんです。


■3.ことわざの使い方
竹内 ことわざや慣用句は、私もよく使うんですが、使い方にはちょっとしたコツがあるんです。文章を書き慣れない方は、どうしても「ことわざ」や「慣用句」自体を目立たせてしまうんですね。「天網恢々疎にして漏らさず」という言葉を使うとき、その言葉が立つように書いてしまう。冒頭に置いて目立たせたり、詳細な説明をつけてしまったり。そういうのは野暮だと思うんです。文章の中にあくまで自然に織り込んでおいて、知らん顔して話を進める。  
 あるいは、パロディにして使う。例えば、「敵は本能寺にあり」をちょっといじって「敵は本能にあり」としてみる。実際に編集手帳で使ったものに、「罪を憎んで人を憎まず」をいじって「妻を憎んで人妻を憎まず」としたこともありました。


■4.自分の文章は、時間を置いてから読み直す
池上 自分の書いた文章を客観的に読み直すというのは、なかなか難しいことですよね。自分で書いた文章を読み直してみても、どこがまずいのかまったく見えてこない。そこで、竹内さんが今おっしゃったように、「時間を置く」というのが大事になるんですよね。私の場合は、時間を置いた上に、紙に「プリントアウト」をするか、出版社に「ゲラ」の形にしてもらってから読み直します。(中略)

竹内 ヘミングウェイの死んだあと、家族が彼のトランクを調べると、未発表の原稿がたくさん出てきた。作品を発表する前に、トランクの中で原稿を寝かせていたんですね。彼のような文章家にして、自分を客観視するためには、時間を置いていたということです。原稿を書いているときというのは、どんなに冷静なつもりでも、やっぱり興奮しているんですね。冷却期間が必要です。


■5.名文を「書き写す」意味
竹内 読むだけなら、すっ飛ばしても読めないことはありませんが、書き写すとなると、一字一句追っていくことになる。まずこれが文章修練には効きますね。名文を一字一句追ってみると、自分がいかに手抜きをして書いていたかを思い知らされる。  
 何度も何度も同じ箇所を書き写していると、ふと元の文章を見ないのに、先が書けてしまうときがあるんです。けっして「丸暗記」しているわけではないのに、「この流れであれば、こうなるだろう」というのが自然と見えて、筆が勝手に動いてしまうときがくる。ただ、元の文章を確認してみると、ほとんどの場合は、「元の文章とは違う自分の文章」を書いてしまっているんですよね。それでいいんです。別に試験勉強をしているわけではないんですから。(中略)
 ここまできて初めて、この作家がどんな工夫をして文章を書いていたかということや、自分のクセが浮き上がって見えてくるわけですね。なんとなく、人の文章を読んだり、自分で書いたりしていても、こうした「発見」は難しい。


【感想】

◆お恥ずかしいことに、私は本書を読むまで、竹内政明さんという記者の方はもちろん、「編集手帳」自体を存じ上げておりませんでした(恥)。

……と言いつつ、著者名でググると、リアル書店で見たことのある作品もちらほら。

Amazon.co.jp: 竹内政明: 本

ここのタイトルでも一番見かけるのが「編集手帳」なんですが、いわゆる朝日新聞の「天声人語」に相当する読売新聞のコラムが「編集手帳」なんですね。←知らなかった

池上さんは文章を書く上で、この「編集手帳」を大変意識されており、そもそも本書も、池上さんが竹内さんの文章術の秘密を探ろうと対談を持ちかけたのがきっかけとのこと。

結果、「読売新聞記者と、元NHK記者が、朝日新聞の関連会社から書籍を出す」という「異例の展開」(池上さん談)になったワケです。


◆ちなみに「天声人語」と「編集手帳」について、竹内さんは「コンテストの出場部門が違う」と考えているのだとか。

いわく、「天声人語」は「ジャーナリスト部門」で、「編集手帳」は「文章職人部門」なのだそうです。

本書には「編集手帳」からの引用も多数収録されており、「なるほど、これは上手いわ」と、何度も思わせられました。

池上さんの表現を借りるなら
この話はどこへ行くのだろうかと思わせる書き出し。そうか、そう来るかと思わず唸る展開。急転直下、余韻を残して終わる文章。コラムとは、こうあるべきだというお手本になっているのです。
と大絶賛です。

スペースの関係で、上記ポイントでは「編集手帳」からの引用はしておりませんが、読売新聞を購読されてない方は、ぜひ本書で「編集手帳」の妙技を味わっていただけたら、と。


◆ただし、私たちビジネスパーソンにとっては、「美文・名文」を書くことが主たる目的ではありません(コラムニストを目指す方を除く)。

そこで上記ポイントでは、できるだけ「一般的な文章を書く上でも役立つこと」を中心に挙げてみました。

たとえば上記ポイントの2番目の「アイデンティティ」と似たような話は、どなたも心当たりがあるハズ。

私が当ブログで、IT系や科学系の作品に手が出せないのは、これを意識した結果です。

実際、ブログの場合、突っ込まれるとそれが可視化され、無知をさらけ出してしまい、場合によっては炎上しかねません。

かといって、知っているテーマの本ばかりなのも問題なのですが……。


◆また、上記ポイントの5番目の「名文を書き写す」というTIPSは類書でも見たことがありましたが、その理由が本書を読んで、初めて腑に落ちました。

なるほど、「筆が勝手に動いてしまう」くらい書き写さないとダメなんですね。

確かに単に読むだけでは、そこまでの境地には達せないはず。

これはエッセイや文芸だけの話ではないと思いますので、憧れの著者さんや、好きな作品があったら、試してみても良いと思います。


◆なお、当然のように割愛したTIPSも多々あって、すべてご紹介できないのが残念でした。

特に私も多用する「体言止め」は注意が必要な模様。←さっそく使ってるw

語尾を考える手間を省略していることから、竹内さんは「一種の思考停止」とまで言われています。

……本当は、ここぞ、というときに「リズムを整える」ために使用するのが正しいんですね(詳細は本書を)。


今の文章をワンランク上げるために読むべし!

書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書)
書く力 私たちはこうして文章を磨いた (朝日新書)

第1章 構成の秘密―「ブリッジ」の作り方
第2章 本当に伝わる「表現」とは
第3章 名文でリズムを学ぶ
第4章 悪文退治


【関連記事】

【オススメ!】『僕らが毎日やっている最強の読み方』池上 彰,佐藤 優(2016年12月16日)

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【知的生産】『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』印南敦史(2014年11月29日)

【文章術】『文章は読むだけで上手くなる』渋谷和宏(2014年12月25日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた―グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実
世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた―グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実


参考記事:【エリートは見た!?】『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』ムーギー・キム(2013年12月22日)

当ブログでは『最強の働き方』等でお馴染みである、ムーギー・キムさんのデビュー作であり、上記レビュー(ホッテントリ記事になりました)にもあるように、使えるTIPSが満載です。

本日限りなら「64%OFF」で、Kindle版の方がお買い得ということに。




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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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