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2016年12月18日

【質問力?】『しつもん上司術』松田充弘


しつもん上司術
しつもん上司術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「ビジネス年末感謝祭」の中でも、個人的に気になっていた1冊。

「質問家」松田充弘さんが、ビジネスシーンおいて有効な「質問」の仕方を指南してくださっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書では、具体的なシーンを取り上げて、部下のやる気を引き出す質問のポイントを丁寧にわかりやすくお伝えします。
どんなときに、どんな質問をするのが効果的なのか、この本にはその秘訣が満載です。
ぜひ、質問という最高のツールを手に入れて、部下の成長を促しましょう!

単行本でも読めますが、セール中ならKindle一択だと思われ!





Question mark sign / Colin_K


【ポイント】

■1.自分で考えることで部下が変わる
 実は、人の行動は、無意識の状態で行われていることが意外と多くあります。  
 仕事の上でも、ただなんとなく何も考えずにやっていることがあるでしょう。  
 でも、質問のすばらしいところは、その「無意識で行っていることを、意識化することができる」ことです。(中略)
 たとえば、部下の場合。  
 資料のコピー取りなどのルーティンワークは、何も考えずにしていることが多いと思います。そこで、考えながら仕事をしてもらうために、質問をしてみます。
「より相手が見やすい資料にするために、何ができる?」  
 すると部下は、「どうやって見せようかな」と考え始めます。  
 ただコピーを取るのではなく、全体のバランスや字の濃さなども気にするようになるでしょう。その結果、今までとは違う意識の高い仕事をこなしていくようになるのです。


■2.「どのようにすれば?」は魔法の質問
 質問には、「つい答えたくなる」「答えることがその人のためになる」ものがあります。  
 それは質問者のためではなく、相手のことを思った質問です。私は、これを他の質問とは区別して、「しつもん」と呼んでいます。
「しつもん」はさまざまな形があります。  
 その中でもよく使うのが、頭に「どのようにすれば?」がついているしつもんです。  
 前の例にあわせると、
「どのようにすれば間違えないで済むかな?」
「どのようにすれば書類が期日に間に合うと思う?」
 
 という聞き方です。  
 これらのしつもんの特徴は、その問いかけに答えることで、解決策や改善策、アイデアなどが生まれてくることです。行動するイメージができて、すべきことが見えてくるのが「しつもん」なのです。


■3.部下が大きな失敗をしたら、現状を理解してもらう
 現実として起こってしまったことは、もう変えられません。「なんでこんなことになった?」などと過去に焦点を当てるのではなく、「どのようにすれば、この状況をより解決に向かわせられるだろう?」というしつもんをして、部下と一緒に事態の改善に努めるようにしてください。  
 同じような失敗を繰り返さないためには、部下自身に今の状況を理解してもらうことが大切です。そこを理解しないまま、上司が失敗をカバーしてしまうと、その部下は問題点を見極めないまま、問題の再発を繰り返すことになります。  
 大きな問題が起こったら、必ず「今の状況の問題点は何だろう?」という点をしっかり押さえるようにしてください。  
 このとき、「どう責任を取るつもり?」などの部下を責める質問は避けましょう。これは、部下の問題解決能力が全く高まらない質問です。


■4.「どのくらい」は数値で表させる
 まず部下に意識してもらいたいことは、常に「その時点での自分の達成度を数値で把握する」ことです。
「今、目標の何%達成してる?」
 というしつもんで、数字を認識してもらうようにしましょう。
 もし、目標に対して何%まで達成しているのかすぐに答えられない場合は、現状把握ができていないということです。
 通常、人は意識していないことは行動に結びつきにくくなるので、その状態では目標を達成することが難しくなります。
 80%まで達成しているのか、まだ40%なのか、現状を把握するように促しましょう。


■5.「自分軸」にならない質問をする
 たとえば、自由な服装で働ける会社の場合、女性の肌の露出度が高い服装は、周りを困惑させるケースがあります。服装の乱れなど、仕事以外のことで、職場の同僚のパフォーマンスを下げてしまうのはよくありません。上司としてもできるだけ早めに対処したいものです。
 この場合は、
「周りの人はどう思うかな?」
「どんな服装だったら、周りが働きやすいと思う?」

 と「職場の周りの人」を主語にしつもんをしてみましょう。
 仮に、「あなたはどんな服装がいいと思う?」と部下自身を軸にして質問してしまうと、自分本位の答えしか返ってこないでしょう。
「私はこれを着たい」「私はこれで問題ないと思う」という考えからは、改善は生まれません。
 

【感想】

◆自分自身、あまり「質問」が得意だと思っていない私でも、「どうしてやったんだ?」的な質問が良くないことは、一応知っていました。

本書では、こうした「相手を責める」質問のタイプを「尋問」と命名。

この手の質問だと、された側は、たとえ本当の理由が分かっていても、自分をかばいたくなったり、素直に答えたくなくなってしまいがちです。

また、形式的には「質問」であっても、実際には指示命令であるパターンもアリ。

たとえば、「これをやってみたらいいんじゃない?」と言われたら、それは「これをやりなさい」という指示の婉曲な表現にすぎません。

本書は、こうした質問を「命令質問」と呼び、「尋問」同様、やはり「部下の本当の成長」にはつながらない、と考えています。


◆そこで私たちがすべきなのが、「その質問に答えるだけで、相手のためになる質問」。

本書ではこれを、上記ポイントの2番目にあるように「しつもん」呼んで、他と区別しています。

基本的に本書内では「しつもん」とあった場合は、一般的な「質問」ではなく、すべてこのタイプのこと。

上記ポイントの3,4,5番目の引用文中にある「しつもん」も、皆、この「相手のためになる質問」を意図していますので、ご留意を。


◆本書の第2章では、この「しつもん」を駆使した「しつもん育成法」が、いかに有益であるかを解説しています。

まずは部下にしつもんする前に、自分自身に以下の「4つの質問」をするべし!
その1「あなたの理想の上司像はどんな上司ですか?」  
その2「なぜ、その人が理想の上司だと思うのですか?」      
その3「(2に対して)その要素をあなたに取り入れ、実践するとしたら何ができますか?」      
その4「(3に対して)それに向けて、今日からできる小さな一歩は何ですか?」
これらを考えることによって、自分の考えが整理でき、部下に対するしつもんの効果も出てくるようになるとのこと。

また、部下のタイプによって、響くしつもんは異なるそうなので、具体的なタイプと、そのしつもんについては、本書にてご確認ください。


◆続く第3章では、具体的なしつもん例が多々。

上記ポイントの3番目以降は、すべてこの第3章からになります。

いずれも、もし私が同じような場面に遭遇したとしても、できないであろうものばかり(ダメじゃん)。

実際、上記ポイントの3番目なら「尋問」してるでしょうし、4番目なら数値までは聞かないでしょうし、5番目なら多分、頭ごなしに命令しちゃうと思います。

ちなみに、上記ポイントの2番目の「どのようにすれば?」を使った具体例として挙げられていたのが「遅刻をしたとき」のしつもん。

「どのようにすれば時間どおりに来られるかな?」と聞き、改善策を述べさせたら、「じゃあ、それをやってみようか?」と促せばOK。

松田さんの知人で上海で働いている方が、いつも遅刻してくる中国人スタッフにこのしつもんを使ったところ、次の日から遅刻しなくなったのだそうです。

……中国人にも効く「しつもん」恐るべしw


◆私の場合、1人で事務所を運営しているため部下がいないのですが、多少アレンジすれば、クライアントに対して、この「しつもん」は使えそうです。

もっとも、まずは「子育て」において実践せねば、と「尋問」「命令質問」ばかりの私としては反省しきり。

夫婦間だと上下関係ではないですけど、考え方自体は同じですから、ここでもアレンジして使えそうな。

本の表紙にある「100の指示より、1つの質問」(ここは本当は「しつもん」なんでしょうね)が腑に落ちる1冊でした!


お求めになるなら、今回のセールをお見逃しなく!

しつもん上司術
しつもん上司術
第1章 部下を伸ばすには、100の指示より1つの質問!
第2章 「しつもん育成法」がうまくいく6つの秘訣
第3章 今すぐ使いたい! 部下のやる気を引き出す「しつもん」
第4章 さらに「しつもん力」を磨き、最高の上司となるために


【関連記事】

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『パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術』アンドリュー・ソーベル,ジェロルド・パナス(2013年03月25日)

【潜在意識?】『相手を変える習慣力』三浦 将(2016年05月05日)

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【これは使える!】「キラークエスチョン」山田玲司(2009年08月19日)


【編集後記】

◆そういえば、ウチのヨメが、今度初めてTOEICを受けるらしくて。

ずいぶん前から始まっていたものの、何気にスルーしていた「TOEIC参考書特集」を思い出した次第。



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これもいよいよ「12月22日(木)」までですから、気になる方は、お早めにチェックしてください!


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