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2016年10月31日

【マーケティング】『日本人はこれから何にお金を落とすのか?』坂口孝則


日本人はこれから何にお金を落とすのか? (幻冬舎plus+)
日本人はこれから何にお金を落とすのか? (幻冬舎plus+)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げたマーケティング本

「幻冬舎plus+」という電子書籍オンリーのシリーズの作品ゆえ、Kindleをお持ちでない方には申し訳ない(厳密にはKindle版はスマホのアプリで読めます)のですが。

アマゾンの内容紹介から。
「モノ」を買って満足する時代は終わり、「ヒト」に対してお金を落とす時代となった。
ライブ、トークショー、サロン、有料メルマガ……。
たとえ、モノであっても、有名人が作ったもの、推薦したものなど、そのヒトとのつながりを感じられるもの、つながりを得られるものにお金は使われている。
つまり、かつては、宗教が担っていた分野を、消費が担うようになったのだ。
そんな「宗教消費」が到来した日本では、どんなビジネスが動くのか――?
気鋭のコンサルタントが消費の最新動向を分析した完全書き下ろし版。

昨日お伝えしたように、今なら「『幻冬舎plus』3周年キャンペーン」によって「50%OFF」です!





charisma_interior / vasilemadalin


【ポイント】

■1.いまの日本人の消費は「宗教消費」
 結論をまず述べるなら、日本人の消費は、
●大量生産、大量消費  
●顕示消費  
●社会的消費
 を経て、第四段階に進んだということだ。この第三段階までは、いくつもの論者が指摘している。私の考える次の四段階とは
●宗教消費
 となる。これらの四段階は、特徴を述べたものであり、顕示消費の時代に大量生産や大量消費が存在しないわけではない。あくまで重なりながら、しかし、たしかな変化を帯びている。


■2.コンビニは地域限定商品に力を入れている
 ただし、コンビニエンスストアの狡猾さは注目していい。大手スーパーでは、プライベートブランド商品ばかりで食指が動かない。そのいっぽうで、セブン-イレブンはもちろんプライベートブランドの品質向上には努めているが、同時に、地域限定商品の劇的な拡充を目論んでいる。現在、地域限定商品の比率はまだ10%にすぎないというが、それを2017年までには50%(!)に引き上げる。地域の特性を考慮したうえで、商品仕入れをかなり細かく実施する予定だ。
 以前、コンビニエンスストアが広がるほど、日本は金太郎飴のような均一化が生じると危惧した論者がいた。しかし、現状は、その逆に進んでいるのである。セブンは、大阪の食品スーパー、万代と組むが、なぜ地方部に強い企業と連携したかといえば、その意味は、地域限定商品の点から読み解かねばなるまい。つまり、地域独自商品のサプライチェーンを有すことが、今後の差別化と成長にとって欠かせないと判断したのである。


■3.ハンドメイドの人生哲学を販売するビジネスの登場
 たしかに、通信システム技術の進歩はすべてを変えた。しかし、それにしても、ひとびとが見ているのはネルソン・マンデラの感動的な演説ではなく、たわいもない、YouTuberの戯れというのは、なんという皮肉だろう。
 そして創作対象物は食生活、衣料、小物雑貨、家具類を通じた社会参加を啓蒙するにとどまらない。自分自身といった、生身の自分そのものを啓発する方向に進んでいく。前述の有料メルマガ、インターネット上での有料会員制度、サロンなどでの主催者を囲んだ定期的会合、私塾、多くのカリスマがファンから会費を徴収して小宇宙が多く誕生する。
 米国では「サブスクリプションサービス」といい、次世代のビジネスモデルとして注目されている。しかし、なんてことはない。ハンドメイドの人生哲学を会員に販売する、グル・モデルなのだ。


■4.人を動かす「この人を信じてみたい」という心の揺れ
 社会学者のトーマス・ルックマンは著作『見えない宗教』で、協会に代表される旧来的な宗教から、個人的側面を強めた宗教「見えない宗教」が登場したと指摘した。もうそれは半世紀も前のことだ。
 この「見えない宗教」においては、テーマは個々人の悩みに立脚する。「ワークライフバランス」「仕事、キャリアの成功法則」「配偶者との処世術」などだ。そこでは、かならずしも科学的な法則は必要とされない。第一に必要とされるのは、情報の受け手にとって、情報を発信する側が信頼に足るか、そして信じてみたいか、という点にある。
 私が思うに、「これが正しい」とか「これが善だ」といった尺度は、もはや人間を動かす動機になっていない。真偽や善悪は、もはや建前だけの世界にとどまっている。これからひとを動かすのは、「これを信じてみたい」という衝動に似た、心の揺れだけだろう。


■5.マーケティングの対象はシニアに移る
いま、牛肉をもっとも購買するのは、シニアの女性である。だから、「肉食女子」は正確には「肉食高齢女子」が正しい。しかも、ねじれているのは、購入する先にいるのは、孫たちだ。だから、各社とも、シニアに向けて「孫に買ってあげたい食品」をアピールすることになる。
 高齢化する日本において、この流れは必然だ。そして、マーケティングでは、常に、消費者の悩みや不満にフォーカスしなければならない。これまで若者が中心だったところ、中高年以上、少なくとも、就職し社会に出たひとたち以上が中心となっていく。


【感想】

◆昨日セールをご紹介した「幻冬舎plus+」というシリーズには、ネットで公開済みのコンテンツを書籍化したものもあるのですが、冒頭の内容紹介を見る限り、本書は「完全書き下ろし」のようです。

しかも電子書籍ですから立ち読みもできず(無料サンプルは読めますが)、本来、こうしてブログ等でどこまで公開していいのか迷うところ。

ちなみに下記目次では、本書の冒頭の6項目のみご紹介していますが、アマゾンでは全項目列挙されていますので、おおよそのコンテンツについてはそちらでわかると思います。

なお「電子書籍オンリー」の場合、まだ普通の商業出版にこぎつけられない無名の著者さんもかなりいらっしゃいますが、本書の著者である坂口孝則さんは、鬼のように商業出版されている方ですから、その辺の心配はありません。

Amazon.co.jp: 坂口孝則: 本


◆そして内容紹介や、上記ポイントの1番目でも挙げられている「宗教消費」が、本書のメインテーマと言ってもいいでしょう。

フレーズを最初に見たときは、一瞬、いわゆる新興宗教のビジネスかと思ったのですが、実際は、私たちにとってもお馴染みの「ネット上のカリスマ」の有料会員制度や私塾等のことでした。

ただし、個々の「宗教」や「カリスマ」等については一切触れられておりませんので、そういった内容を期待される方はご注意を。

あくまで、今までの消費の流れから考えた場合、「宗教消費」が必然的であった理由等々について触れられている次第です。


◆その理由の1つが、本書では触れられているものの割愛した「通信費支出の伸び」。

確かに有料会員制度やサロンの運営や発展には、インターネットが大きな役割を果たしているのは明らかです。

まだ現在の高齢者は、今の若い世代ほどインターネットを使いこなしていないかもしれませんが、今後の「高齢者」は、今の若い世代ですから、徐々に「使いこなせる世代」が増えていくハズ。

実際、「離れた所に住む孫の動画がすぐ観たい」という理由で、スマホやタブレットに手を伸ばす高齢者も多いことでしょう。

そういう現在から未来にかけては、どういうビジネスを行うべきか……を考える上で、本書は大きなヒントになると思います。


◆逆に、こういったテーマを「自分ごと」として考える必要が特にない方や、マーケティング等にもあまり興味がない方にとっては、本書の値付けはちと微妙かも。

元のお値段が864円だとすると、紙の本だと考えたら新書に相当するのだと思いますが、新書だとしても結構薄い本になってしまうかと。

……上記の通信費の件を含め、グラフもかなり収録されているため、それでサクサク読めた、という話はありますが。

いずれにせよ、この記事をセール終了後に読まれた方には、その辺を踏まえていただきたいものの、セール中である現在の価格「432円」以上の価値は十二分にあるかと。


これからのビジネスを考えるために!

日本人はこれから何にお金を落とすのか? (幻冬舎plus+)
日本人はこれから何にお金を落とすのか? (幻冬舎plus+)
■「ヒト」そのものを消費する時代の到来
■日本人の消費を描くということ
■いまの日本人の消費は「宗教消費」
■「自動車」と「衣料」の消費の変遷からわかること
■「ロハス」「スローフード」が発明した「正義」としての消費
■ユニクロやマクドナルドでは絶対に満たせない領域
 ほか


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「下流社会 新たな階層集団の出現」 三浦 展 (著)【マインドマップ付】(2005年11月21日)


【編集後記】

◆本日最終日となるセールとして、当ブログでは次の2つをご紹介しておりますが。

【50%OFF!】「ニコニコカドカワ祭り2016」がまたもや延長されました!(2016年10月29日)

【メモ】今月の「Kindle月替わりセール」(16年10月)(2016年10月02日)

実はもう1つ、日経BPさんのセールも非公式ながらありました。

対象作品が少ないので、記事にはしていなかったのですが、この辺は送料込みの中古と比較してお買い得となっています。

いつかリーダーになる君たちへ 東大人気講義チームビルディングのレッスン
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最高の仕事ができる幸せな職場
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よろしければ、ご検討を(今日中ですが)。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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