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2016年10月12日

【プレゼン】『心を動かす話し方』堀 紘一


心を動かす話し方 (SB新書)
心を動かす話し方 (SB新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げたコミュニケーション本

本書は、2015年に多くの読者の支持を集めた『自分を変える読書術』の続編にあたるのだそう。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ボストンコンサルティング時代は、大企業相手に数億円規模のコンサルティングの場数を踏み、徹底した情報収集や調査と巧みな表現力でクライアントを魅了。
かつて「5000万円以下の情報はタダで教えていた」とも語っていた著者が、仕事に、そして人生に効く戦略的話術の本質を説く。
単に話し方を説くだけでなく、表現力につながる理解(読解)力と想像力を総合的に指南する。

なお、新書ですがすでにKindle版も配信されています。





Speech / Varin Tsai


【ポイント】

■1.新しい情報は全体の4割にとどめる
「(2)相手が知らない話×(3)相手が関心のある話」、つまり「相手が知らない新しい情報を伝える」ということをべースに、効果的に話す秘訣は何か。
 シンプルに言おう。
 せっかくの丹精込めたご馳走のような話は、全体の4割までにとどめることである。残りの6割は「(1)相手が知っている話×(3)相手が関心のある話」をあえて話す。
 意外に思われるかもしれないが、この配分によって相手は「今日はいい話が聞けて良かった」と満足する。
 この「相手が知らない話:相手が知っている話=4:6」を私は話の黄金比(ゴールデン・レシオ)と呼んでいる。


■2.前列を定点観測する
 講演では、最初の5分が鍵を握る。
 会場の前列には、その日のテーマに強い興味と関心を持っているオーディエンスが集まる。最前列と最前列から5列以内の4、5人をサンプルとしてピックアップし、定点観測しながら話す。そして、その日の黄金比の中身を定めていく。
 話を聞いているうち、定点観測しているオーディエンスの顔が生き生きとなり、目がらんらんと輝いてくれば、路線変更せずにそのまましゃべり続ける。
 身を前に乗り出してきたら、しめたもの。「話に思わず引き込まれる」という表現があるように、自らの興味と関心のある話をしている人に向かって、人間は無意識のうちに近づこうとするのだ。


■3.話は「13分以内」にまとめる
 私が講演で話すときは、1つの山場が13分以内で終わるように気をつけている。
 1対1でビジネスの話をしたり、大勢を前にプレゼンテーションしたりするときも、同様に"13分ルール"を守っている。
 それはどんなに興味深く、魅惑的な話でも、聞き手の集中力はそれくらいしか続かないからである。13分を大きく超えると面白い話も記憶に残らないし、話が間延びすると逆につまらなく受けとめられる。


■4.プレゼンは「転→結」が効果的
 学者風に起→承とはじめてしまうと、結論までが遠すぎるからプレゼンが間延びする。相手の集中力が切れかけたところで、結論を述べても頭にすんなり入らないから感心も感動もされない。
 そこで起→承を後回しにして、転→結と結論を先に語る。
 そして「なぜこういう転→結となったかというと、そもそもこういう起→承があるからです」という流れで展開すると、「わかりやすい」「さすがですね」「お見事ですね」といったお褒めの言葉をいただく。
 転からいきなり入ると、相手は「?」と意表を突かれたような顔をする。プレゼンにエンターテインメントはいらないが、短時間で相手のハートをつかんでこちらの土俵に引き込むための表現技法は必須である。


■5.「抑揚」「緩急」「強弱」を上手く組み合わせる
 抑揚のない話し方は、シナリオを棒読みするようなもの。心がこもったように感じられないから、相手の心に響かない。声の調子を高めたり、抑えたりしながら、抑揚をつけた話をしよう。
 緩急とは話すスピード。早口すぎると聞き取りにくいが、ずっとスローぺースだと聞き手の集中力が落ちる。聞き手がだれると、こちらの言いたいことも伝わりにくい。一本調子にならないように、ちょっぴり速く話すパートとわざとゆっくり話すパートを設けると良い。
 強弱、つまり声の大きさについても変化がほしい。楽器の演奏記号で言うなら、「フォルテ」(強く大きい)のところもあれば、「ピアニッシモ」(弱く小さい)のところもあったほうが、聞き手は退屈しないで話に引き込まれる。


【感想】

◆初っ端の上記ポイントの1番目で、説明もなくいきなりカッコ付きの話が出てきて申し訳ございませんでした。

実はその前の部分である「話の中身を精査するマトリックス」なるものを割愛しており、要は「話の内容」を、「相手が知っている話か否か」「相手が関心がある話か否か」の2軸4象限で整理している次第(本書には図が収録されています)。

このうち「(1)相手が知っている話×(4)相手が関心のない話」は相手の眠気を誘ってしまうので最悪。

かといって「(1)相手が知っている話×(3)相手が関心のある話」だけでも相手は退屈してしまいます。

そこでもっとも効果的なのが「(2)相手が知らない話×(3)相手が関心のある話」ではあるのですが、こればかり長々としゃべっても食いつきが悪いという。

……というところから上記ポイントの1番目の話につながるワケで、一般的にはこの「4:6」の黄金比を意識せよ、と。

ただし、受ける比率が毎回同じとは限らないので、上記ポイントの2番目にあるように、「定点観測」も必要です。

ちなみに最後に残った「(2)相手が知らない話×(4)相手が関心のない話」の組み合わせは、貴重な情報を含んでいることがあるものの、所詮関心がないだけに、なかなか伝わりにくいのだとか。


◆こうした講演やプレゼン関係のTIPSとしては、上記ポイントの3番目も同様です。

なお、ここでいう「13分」はプレゼン全体ではなくて「1つの山場」なんですけど、どうも堀さんは社内会議や通常のプレゼンも「13分以内」を推奨しているよう(コンサルタントの最終提案等を除く)。

それゆえ、プレゼンシートも3枚まで。

1枚説明するのに3分かかると、3枚で10分であり、それに前置きや結論を入れて13分という計算です。

もちろん、そこまで内容を凝縮する(堀さんは「結晶化する」と表現されています)必要もあるわけで、その辺は本書の第3章の「話し上手は "本質論者"」にてご確認を。


◆一方、上記ポイントの4番目の「転結起承」というスタイルは、類書でもあまり見ない気が。

欧米人には、結論から入って「なぜ結論がそうなるかとうと……」と説明する「結起承転」が良いのだそうですが、日本人相手だと、このパターンはほとんどの場合、失敗に終わる、とのこと。

そこで堀さんは、上記のように「転」から入る「転結起承」を推奨。

正直、「転」から入るプレゼンというのは、あまり想像がつかないのですが、確かに「?」という反応は引き出せるかもしれません。

もっとも、はじめのうちは「起承転結」のプレゼンに慣れておこう、と堀さんも言われていますがw


◆さらに上記ポイントの5番目は、類書でもよく言われているTIPSです。

私自身、会社員時代に新入社員研修で講師をする際、爆睡されるのを防ぐため、「緩急」や「強弱」を意識したお話は、以前何かの記事でも触れたことがありました。

なお、今回割愛した「日本語は同音異義語が多いので早口を慎む」という部分で、「『エンジン01』で資産防衛をテーマに話をした」際に、「話の内容は面白かったのだが、早口すぎる」と思われた「経済評論家でテレビでも活躍している女性」と言うのは、まず間違いなく勝間和代さんだと思われ。

堀さんは「もともと早口だったのかもしれないが、テレビに出るようになって拍車がかかったのではないだろうか」と言われていますが、昔からあのくらい早口だった気が。

そもそも日本語はその構造的に(母音が5つしかない)ために、同音異義語が多く、コミュニケーション上大きなデメリットになっているのだそう。

その同音異義語を判断すべく、文脈を追いやすくするためにも、意図的にゆっくり話すのが良いワケです。


◆ところで、今回のエントリーでは、意図的に「講演」「プレゼン」に関係するネタを選んでみました。

しかし本書自体は、もうちょっと広範囲であり、たとえば「謝罪で押さえておきたい4つのポイント」ですとか「会議は6人までが理想」「1つのテーマを3つの視点で言い換える」のような、必ずしも「話し方」ではないTIPSもあります。

そういう意味では「コミュニケーション全般」、ないしは「仕事術」に分類されるべきテーマを含む作品ですから、ガチなプレゼン本を期待される方、ちょっとご注意を。

それと、ところどころで「俺自慢」が出てきますが、本当に堀さんはスゴイ方(前著をお読みの方はご存知かと)なので、その辺はあまり気になさらぬようw


「5000回以上の講演」は伊達ではありませぬ!

心を動かす話し方 (SB新書)
心を動かす話し方 (SB新書)
第1章 話の中身を決める4要素
第2章 話し上手は聞き上手
第3章 話し上手は "本質論者"
第4章 シーン別の効果的な伝え方
第5章 日本人と外国人を惹きつける話し方の違い
第6章 「話が上手い」と感心される人


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【説得術】『嫌われずに人を説得する技術』伊東 明(2013年02月05日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

コーチング・アクロス・カルチャーズ 国籍、業種、価値観の違いを超えて結果を出すための7つの枠組み
コーチング・アクロス・カルチャーズ 国籍、業種、価値観の違いを超えて結果を出すための7つの枠組み

昨年はじめにプレジデント社さんから出ているらしいんですが、まったく見覚えなく……。

最近当ブログでも「コーチング本」が一定の人気を得ているので、ご紹介してみた次第です。

「78%OFF」のおかげで、送料込み中古より1200円弱お得という。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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