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2016年08月11日

【人間関係】『自分の都合を押しつける人』片田珠美


自分の都合を押しつける人 (角川新書)
自分の都合を押しつける人 (角川新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で平積みになっていた「コミュニケーション本」

著者の片田珠美さんは、本業が精神科医ということで、実際に人間関係の悩みを抱えた方に数多く接してこられてらっしゃるだけに、本書も説得力がありました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
人間関係が難しい時代になる中、相手が何を考えているのか、相手の腹の中を読み取ることができれば、先手を打てる! うまく対処できれば、不快な思いから逃れられ、ストレスをためなくて済む。厄介な上司から迷惑な同僚まで、言葉巧みに自分の欲望、自分勝手な都合を押しつける人への対処法を探っていく。

なお、実際の本書の装丁は、Kindle版で見られる帯が装着されていますので、ご参考まで。





Jealousy / Ktoine


【ポイント】

■1.罪悪感を与える――「お前のせいだ」
 いずれの場合も、自分のさまざまな問題や不快な感情は、目の前にいる相手に責任があるのだと訴えたい欲望が根底に潜んでいる。それによって、相手が「こちらが何か悪いことをしたのかな」と罪悪感を覚えれば、もくろみ通りである。他人の苦悩や不幸の原因を作ったかもしれないと責任を感じれば、その償いのために何かをしなければと、"いい人"ほど思うはずだ。
 当然、罪悪感を与えようとする側は、相手に後ろめたさを感じさせ、償いをしなければという気にさせようとする。相手がそうなれば、しめたものだ。後は、償いのために何ができるかを示唆すればいい。


■2.被害者ぶる――「かわいそうな私」
 いずれの場合も、親に問題があったり、家庭が貧困だったりして、不遇な人生を送ってきたのかもしれないが、自分の不幸や不運ばかりを強調して被害者ぶる人には、そうすることによって何らかの恩恵を受けられるのではないかと期待しているようなところがしばしば見受けられる。
 これは、弱さを武器にした操作術であり、罪悪感をかき立てながら、相手の親切や援助を巧妙に引き出そうとする。たとえば、何かを頼んで、断られた女性が「そんなふうに断るのは簡単よね。だって、困っているのは私であって、あなたじゃないんだから、私の苦労なんかわからなくて当たり前。でも、あなたが私みたいに困ったら、どれだけ大変か、きっとわかるはず」と、目に涙を浮かべながら訴える。
 すると、相手が男性であれば、かわいそうと思い、一度は断ったものの無下にはできないと頼みを聞くのではないだろうか。


■3.自由を与えているように装う――「どうするかはあなたの自由」
・「拒否するのは自由です」
・「参加するかしないかは自由です」(中略)
 あくまでも選択の自由を相手に与えているように装いながら、自分の要求することをさせたり、自分の欲しいものを手に入れたりする手法である。
 こうした手法が有効なのは、何かを強制されるのは誰でも嫌だからだ。その辺りの心理を熟知しているほど、何かを強要するようなことはせず、あくまでも自由なのだという錯覚を相手に与えながら、操作しようとする。とくに、頭ごなしに命令されると反発して拒否する可能性の高い相手に対してこの手法を用いる。「受け入れるのも、拒否するのもあくまでもあなたの自由です」と言いながら。


■4.ナルシシズム上司の対処法
 上司の自己愛の強さに気づいたら、とにかく礼儀正しく接することが大切だ。向こうは、自分が認められているか、敬意を払われているかに敏感で、常に気にしているので、そういう点で機嫌を損ねないように、敬語を使い丁寧な態度を示さなければならない。これは、こちらの自己保身のためでもある。ナルシシズム上司と親しくなるのを避け、できるだけ距離を置くためにこそ、敬語を使うことが必要なのだ。
 また、ナルシシズム上司に「ギブ・アンド・テイク」を期待してはならない。部下は、給料をもらっているのだから、その分働いて当たり前と思っていることが多い。(中略)
 何よりも大切なのは、ナルシシズム上司の前で、あなた自身の成功や人脈などを自慢しないことだ。


■5.敵意や悪意がある人への現実的な対処法
1.すぐには言い返さない

2.具体的な説明を求める

3.向こうの言い分を確認し、こちらの言い分も伝える

4.相手の敵意や悪意をなくすのは無理と割り切る

5.接触や関係をしばらく断つのも選択肢の1つ


(詳細は本書を)


【感想】

◆あまり人間関係で悩んだことのない私にとっては、かなりヘビーな内容の作品でした。

たとえば上記ポイントの1〜3番目は、第2章の「どんな欲望が潜んでいるのか?」から抜き出しているのですが、分析はしてくれているものの、解決策がやや弱め。

一応「責任を感じる必要はない」「真に受けて落ち込まない」といった「対処法」はあるものの、まずここでは、相手のパターンを学ぶのが目的だと思います。

他にも
無価値化――「お前はダメだ」
怒る――「もうたくさんだ!」
感情的な脅し――「あなたがいなければ、私は生きていけない」
といった項目が並びますので、ぜひとも「敵」の出方を学習しておいてください。

……それ以前にこの3つのポイントの見出しを見て、それ自体がTIPSだと勘違いされると「真逆」なんですがw


◆一方、1つ飛んだ第4章では、特に「職場の上司」について再び分析。

上記ポイントの4番目の「ナルシシズム上司」のほか、「サディズム上司」「パラノイア上司」といった厄介な上司が並びます。

ただ、ここでの救いは「対処法」が載っていることで、該当する上司の下にいる方は熟読必至かと。

ちなみに、1つだけ耳慣れないフレーズが登場しており、それは「パッシブ・アグレッション(passive aggression)」と呼ばれるもの。

具体的には「怒りをこそこそと表出するやり方」であり、「受動的攻撃」と訳されることが多いのだそう。

そしてその原因は「本人の承認欲求が満たされていないこと」で、現象としては「何かをしない」「ミスをする」という形で現れる、とのこと。

……上司なのに「仕事の足を引っ張る」なんて(涙目)。

この「パッシブ・アグレッション上司」への対処法も本書には収録されていますが、正直「なんで部下がここまで苦労しなくては……」と涙なくては読めませんでした(詳細は本書を)。


◆続く第5章では、「迷惑な隣人」を俎上にあげています。

パターンとしては「虚栄心が強い」「自己中心的」「頭が固い」「怠け者」「意地悪」「卑劣」……って、何だかもう、避けたい人のオンパレードですなw

ただ、上司と違って一緒にいなければならないわけじゃないんですから、距離を取るのが一番かと。

ちなみに、「自己中心的」な人への対処法として勉強になったのが「リミットセッティング(limit setting)」という考え方です。

これは「ここまでは許容できるが、これ以上は許容できない」という限界をきちんと示すもので、「自己中心的」な人は、この「リミット」が普通の人とズレているらしく……。

さらには、こういう人に限って自分の振る舞いが、「相手にどんな影響を与えるのか」とか「どう受け止められるのか」について思い巡らす想像力が欠如しており、それゆえ自己中心的に振る舞ってしまうのだとか。


◆ところで、最終章に収録されていた事例で、1つご紹介しておきたいものが。

片田先生の診療を受けにきた30代の専業主婦の女性は、夫が料理にケチをつけたり、掃除の仕方に文句を言うようになり、連日深夜帰宅、土日もゴルフや休日出勤と称して出ていくようになったのだそう。

やがては夜も帰宅しなくなり、携帯に電話しても「仕事中なのであとでかけ直します」とはいうものの、かかってきたことは1度もなく。

別居状態が1年ほど続いたところで、夫の代理人という弁護士から署名捺印している離婚届を渡され、以前から症状のあった抑うつ状態が一層悪化してしまいます。

その状態がずるずる続いているところで、夫の会社の女子社員から「ご主人の子供を妊娠しているので、離婚届に早く判をついて」と言われたのだとか。

片田先生の助言を受けて、事実関係を調べたところ、この夫が不満をもらすようになる直前に、その女子社員が夫の部署に配属されており、そもそもその女子社員と不倫関係になった夫が、自己正当化するために、専業主婦に問題があるかのように振る舞っていたわけです。

……要は、このケースに限らず、相手からの敵意や悪意に対して、「自分に落ち度がある」と思い込まない方が良い、ということで。


人間関係にお悩みなら要チェックです!

自分の都合を押しつける人 (角川新書)
自分の都合を押しつける人 (角川新書)
第1章:なぜ他者の欲望を読み取ることが必要なのか?
第2章:どんな欲望が潜んでいるのか?
第3章:売り手の欲望
第4章:厄介な上司の欲望
第5章:迷惑な隣人の欲望
第6章:他者の敵意や悪意に気づいたら


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【編集後記】

◆アマゾンでは、現在「最大80%OFF」のファッションセールを開催中とのこと。



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私も旅行用にとりあえずこんなのを買ってみましたw

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結構お気に入りなので、いずれレビューしてみるつもりです!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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