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2016年06月30日

【問い】『Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法』ウォーレン・バーガー


Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった「思考術本」。

アマゾンのページにもありますように、ダニエル・ピンク、ティム・ブラウン、アダム・グラントといった著名作家たちが絶賛している注目作です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
全米のあらゆるメディアで絶賛された「驚愕の思考法」がついに日本上陸!
グーグル、IDEO、ネットフリックス、パタゴニアなど、最も革新的な企業で次々と爆発的な発想を生み続けている思考のメソッドの全貌が初めて明らかに!
「たった1行の問い」で、だれもが見たことのないような美しい答えを生む画期的な方法!

現時点では中古にはプレミアがついていますので、Kindle版がお得だと思います!





good question / e-magic


【ポイント】

■1.質問家の行動パターン
 基本の公式は「Q(問い)+A(アクション)=I(イノべーション)」だ。同時に「Q−A=P(フィロソフィー)」となる。
 質問家が問題に対処する様子を観察しているうちに、私は彼らの物語には1つのパターンがあることに気づいた。
・主人公が理想とはほど遠い状況に遭遇し「なぜ?」と問う。
・改善策/解決策のアイデアを思いつきはじめる。多くの場合、それは「もし〜だったら?」という仮説のかたちで現れる。
・主人公はそれらの可能性の1つに注目し、それを現実に移そうとする。多くの場合、この段階には「どうすれば?」を見つけ出すプロセスが入っている。


■2.「正しい問い」にたどりつく6つのステップ
1. 教師が「中心テーマを決める」:たとえば「拷問は正当化できる」など。
2. 生徒が「問いをつくる」:教師は手助けをしない。回答もせず、問いについての討論もしない。すべての問いを書き出す。すべての文章を質問形式にする。
3. 生徒が「問いを改善する」:オープン・クエスチョンをクローズド・クエスチョンに変える。あるいは、その逆の作業をする。
4. 生徒が「問いに優先順位をつける」:たいていは、最も優れている質問3つを合意で選ぶよう指示される。
5. 生徒と教師で「次のステップを決める」:優先度の高い質問を、どう行動に落としこむのか。
6. 生徒は自分が学んだことを振り返る。


■3.イノベーターを目指す人が使う「3語」
 世界の最先端を走っている企業がブレイン・ストーミングを改革しようとしている様子を研究しているうちに、興味深いトレンドが浮かび上がってきた。それは、3語を使った特定の質問形式「How mignight we?」(どうすればできそうか?)だ。これは、イノべーターを目指している人たちが、正しい問いを考えられる簡単な方法だ。(中略)
 バサデューは過去40年にわたつて「How might we?」(HMW)の質問形式をさまざまな企業に教えてきた。バサデューによれば、「人はつい『どうすればこれをできるだろう?』『これをどうすべきだろう?』と問うことから始めてしまいます。けれども、『can』や『should』を使い始めた瞬間、あなたは暗に「自分たちは本当にこれをできるのだろうか? そしてすべきなのか?』という判断をしていることになります」。ところが、「できそうか」(might)という言い回しをすると、「自分の判断を先送りできるのです。すると人は自由に選択肢をつくり出し、多くの可能性を開けるようになります」。


■4.自分や自分の人生に対する大事な問い
 リンクトインのCEO、ジェフ・ウェイナーは、入社希望者に次のような合理的で、極めて率直な質問をぶつけるという。
「いまから20年か30年たったとき、キャリアを振り返って、自分は何を成し遂げたと言いたいですか?」
「この質問に対する答えを持っていない人がいかに多いかを知ったら驚かれると思いますよ」とウェイナーは言う。
 これはたんにキャリア設計に関する質問ではない。「自分は何者なのか?」、あるいは「人生の目標は何か?」という根本的な疑問につながる問いだ。


■5.日々の行動を点検する
 (A・J・)ジェイコブズが行った実験で私たちの生活に近いものの1つが、エスクァイア誌に掲載された「合理性プロジェクト」だ。日々行っていることをすべて書き出して、どんな小さなことについても「なぜ自分はこの決断を下したのだろう?」と考えるのだ。
 たとえば、「なぜ、僕は"クレスト歯磨き粉"を使っているのだろう?」という理由は、これを問うことで初めて気づいた。それは「僕が12歳のときに参加したキャンプで、何人かの友だちが『すごくいい歯磨き粉だ』と言っていたからだ。これこそが、もう30年もこれを使っている理由だった」。日々の行動や選択にも同じことが当てはまった。この実験をすると、「私たちがいかに多くのことを無意識にしているかがよくわかる」。
 私たちは、ときどき朝起きてかから寝るまでの行動を書き出して、そのすべてに疑問をぶつけ、点検してみるべきだ、とジェイコブズは考えている。


【感想】

◆よく、「優れた問いは優れた答えに勝る」などと言いますが、では実際にどのように問うたらいいのか?

……といった「問い」を持って読み始めた本書は、いくつもの重要なヒントを与えてくれました。

まず、上記ポイントの1番目にある3語、「なぜ?」「もし〜だったら?」「どうすれば?」。

これは、デザインコンサルティングファームであるIDEOや、その他トップクラスのデザイナーたちが用いている「デザイン思考」にも通じるものです。

本書では具体例を挙げて、「なぜ?」から「もし〜だったら?」を経て「どうすれば?」に移行する過程を解説。

競走用義肢「フレックス・フット」も、実は事故により自らの左足を失った開発者のヴァン・フィリップスが、「なぜこんなお粗末な義足で我慢しなくてはならないのだろう」と問うたところから生まれたものです。




◆一方、上記ポイントの2番目の「6つのステップ」は、NPO「ライト・クエスチョン・インスティテュート(RQI)」が取りまとめたもの。

RQIは、もともとは、保護者が学校に対して良い質問をする手助けをしていたのですが、のちにその質問指導プログラムは、移民の保護者やホームレス用シェルターの生活者、農場で働く労働者等にも使われるようになりました。

そこで彼らは改めて「成人向けの質問策定プログラムを、学校に通う児童向けにつくり直したらどうなるだろう?」と問い直します。

その結果出来上がったのが、この「6つのステップ」。

教師は1時間でノウハウを把握できますし、生徒もすぐ理解できますが、この公式ができあがるまで、およそ10年かかったのだそう。

それだけに現場の先生方には大人気のようで、教師向けのカンファレンスにおいてRQIのセッションには、行列ができるのだとか。

もちろんこのTIPSは、自分の部下や子どもにやらせることもできますが、問いの書き換え作業等は、1人で考える際にも有効ではないでしょうか。


◆また、本書の第3章では、「質問」によって生まれた製品やサービスの具体例が多数登場します。

「写真ができるまでに、なぜこんなに待たなければいけないの?」という3歳の娘の質問から生まれた「ポラロイドカメラ」。

「私には余分なマットレスがあるのに、なぜ彼はベッドがなくて困らなければならないのか?」という問いから生まれた「エアービーアンドビー」。

一時的に日本でもサービスが使えた「Pandora」も、「優れたミュージシャンが自分に合った聴衆を見つけられないのはなぜだろう?」という疑問から生まれたものでした。

「左右が同じでない靴下をどこかの会社が売り出したらどうなるだろう?」という質問から生まれた「リトルミスマッチ」のお話は、この本でもご紹介済みですね。

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デザインコンサルタントの仕事術

参考記事:『デザインコンサルタントの仕事術』が想像以上に凄い件について(2014年11月07日)


◆こうした「イノベーティブ」な分野だけでなく、自分自身についても「問い」が重要なのは、上記ポイントの4,5番目にもある通り。

ジェフ・ウェイナーの「自分は何を成し遂げたと言いたいか?」という質問に、皆さん答えられますでしょうか?

またダニエル・ピンクは『モチベーション3.0』の中で、「偉大な人物というのは1つの文章で表現できる」という考え(ジャーナリストのクレア・ブース・ルースによるもの)は、誰にでも通用すると指摘しているのだとか。

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モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか

参考記事:【はてブ3000超!】ダニエル・ピンクの新作『モチベーション3.0』がついに登場!(2010年07月06日)

私たちも、自分の「1文」がまだ達成されていなければ、「どうすればいいか?」を考えなくてはなりません。

もっともそれ以前に、上記ポイントの5番目にある「無意識に行っている日々の行動」を確認するほうが先かもしれませんが。


◆私たちがビジネス書を読む場合、何らかの「答え」を求めている、という部分があることは否定できないと思います。

正直、私も本書から、「具体的な答え」を期待していなかったわけではありません。

ただ、それに対しては、「こうすればOK」という安易な答えはありませんから、「クレクレ厨」傾向のある方はご注意を。

上記でも触れたように、「ヒント」や「事例」は与えてもらっている以上、あくまで自分で問うていかなくてはなりませぬ。

私自身、仕事でも私生活でも、そしてこのブログについても、問うべき事項は多々ありそうです。


本質をつかむ問いをするために!

Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
Q思考――シンプルな問いで本質をつかむ思考法
はじめに:「美しい質問」だけが美しい思考を生む
第1章:「Q」で思考にブレイクスルーを起こす――次々と問いを重ねる思考法
第2章:子どものように「なぜ」と問い続ける――質問し続けるアタマをつくる
第3章:「美しい質問」を自分のものにする――Q思考の「3ステップ」をマスターする
第4章:ビジネスに「より美しい質問」を与えよ――あなたの仕事を劇的に変える「Q」
第5章:「無知」を耕せ――問いであらゆる可能性を探求する


【関連記事】

『デザインコンサルタントの仕事術』が想像以上に凄い件について(2014年11月07日)

【理系式アイデア本】『ブレーン・ハッカー 巨人の「肩」に乗れ!』デイビッド・マレイ(2010年07月16日)

【はてブ3000超!】ダニエル・ピンクの新作『モチベーション3.0』がついに登場!(2010年07月06日)

【オススメ!】『インサイドボックス 究極の創造的思考法』ドリュー・ボイド,ジェイコブ・ゴールデンバーグ(2014年05月15日)


【編集後記】

◆本日最終日のセールがもう1つありました(今頃w)!



Amazon.co.jp: 【999円で学ぶ】イラスト / デザイン / DTM音楽制作(6/30まで): Kindleストア

私も一昔前なら、ハマっていたと思うのですが、興味のある方はぜひ!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 09:00
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