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2016年03月12日

友達には秘密にしておきたい『最後までやりきる力』


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最後までやりきる力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった自己啓発書

当ブログで数年前からプッシュしてきた「科学的自己啓発書」の流れに沿う1冊だと思います。

アマゾンの内容紹介から。
「とにかくがんばる」は間違い!決意しても「やる気が出ない」のは正常な反応、やるべきことをやるのに「まっとうな動機」は必要ない、ビジネス界の偉人を見習ってはいけない、意志の力に頼らない「環境」をつくる、「気が進まない仕事」を解毒する…。全米ベストセラー著者、臨床心理士・スティーヴとエグゼグティブコーチ・クリスによる実践的やりとげる知恵。

なお、書名がシンプルだったので、タイトルは「ホッテントリメーカー」のお世話になりました。






Alarm Clock / phalinn


【ポイント】

■1.自分の決意を真剣に扱う
 まず決意とは何かについて言えば、「好むと好まざるとにかかわらずやると決めた約束や誓い」と考えればいい。または、規則と理解してもいい。他人から押しつけられたのではなく、自分のために自ら制定、適用、執行する規則だ。あなたがそのような規則をつくるのは、あらゆる角度から検討した結果、たとえ嫌でもそれを実行することが利益に最もかなうとわかったからである。(中略)
 私たちが仕事をともにしたことのある大成功をおさめているビジネスパーソンは、自分の決意を驚くほど真剣に取り扱っていて、軽んじることは決してない。自分が何をしたいのかはっきりと意識していて、決意について明確な考えを持ち、かつ頻繁に決意にについて考える。また、決意はすべて、厳粛な誓約であるかのように扱う。


■2.決意を固めるたびに「目覚まし」をかける
 明日はとても楽しみにしているイべントがあるので朝4時に起きようと思ったとする。絶対に起きたいと心から思っている。
 さて、決意さえあれば起きられると思うだろうか? そうは思わないはずだ。たとえ決意に満ちていたとしても、考えを一歩進め、その決意を現実のものとするために目覚まし時計をセットするだろう。いくら強い決意があっても、それだけでは早朝に起き出すのは困難だからだ。
 最後までやりとげる秘訣は、決意を固めるたびに「目覚まし」をかけることだ。決意のとおり行動できるよう、自分を刺激したり、だましたり、強制したりしなければならないのだ。


■3.意志の力を節約する「スイッチ」を設ける
頼りにする意志の力をできるだけ小さくすることが、物事をやりきるためのきわめて重要なポイントである。しなければならないことを実行するときに必要最低限の意志の力しか使わなくてよくなる「スイッチ」をつくる意識を常に持つことが大切だ。(中略)
 クーパーは、運動をするという決意を守るのに必要な意志の力を減らすために使っているスイッチがある。バーニーという名前のラブラドゥードル犬だ。自分の意志の力は当てにならないが、バーニーの「散歩に連れていって」という顔の効果は期待できる。必ずとはいかないまでも、ほぼ毎回それでうまくいく。バーニーのおかげで、雨や雪のときも、あまり散歩に出たくないときも、運動するという決意を、貧弱な意志の力に頼らずに実行に移すことができるのだ。


■4.世界に宣言する
「最後までやりきる力の殿堂」があったら、アンディ・マクメネミーの肖像画が目立つところに飾られることだろう。なにしろ2011年に、66の都市でウルトラマラソンを66日間連続で走ったのだ! ひどい怪我と猛烈な痛みに耐えての偉業だった。
 いったい、マクメネミーはどうやってやりとげたのだろうか? 自らを成功に導いた戦略を彼は「世界に宣言する」というぴったりの言葉で表現する。
「世界に向けて宣言したことは、実現しなければと感じるんだ!」
 そう、世界に向けて正式に誓うことで生まれるやりとげる力は特別だ。誓いを絶対に守らなければと頭ではなく心から感じる。


■5.楽な部分だけする
「まず、するべき行動を細かく分けて、その初めだけ実行すると誓うんです。だからたとえば、ランニングをしなければいけないけど、仕事のあとで疲れているときは、とりあえずウェアを着てシューズを履くことだけ誓って、走ることは考えないようにします」
 ラーニング・カンパニー社の社長でもあるトレイシーは、逃げ出したくなる仕事に直面したときも同じ戦略を用いる。
「そのときも誓うのははじめの部分だけです。細かく分けると、はるかに管理しやすいと思えるんです。それで勢いに乗れれば、あとを続けるのは楽になります」


【感想】

◆本書はまず第1章にて「最後までやりきるのはなぜ難しいのか」について言及しています。

自らの意志の力――「とことん強く念じる」――で目覚ましい成功をおさめるような人は、そもそも「異常値」に過ぎません。

逆に「やるつもりはあるのに実行できない」のが普通である、と。

では、どうすれば「最後までやりきれるか」というと、上記ポイントの2番目にあるように「仕組み」を作ること。

ここの例は極端ですけど、確かにいくら強い決意があっても、それだけで朝早くから起きられるかというと、少々難しいです。


◆本書では、この「仕組み」の具体例が数多く収録されており、上記ポイントの3番目もその1つ。

そう言えば我が家でも、ここ20年くらい運動をしてこなかった私が、週1ペースとはいえムスコと一緒に走ることによって、なんとか運動らしい運動を始めたばかりです。

他にも職場でのスマホいじりがやめられない女性が、携帯電話とタブレットに買い換えて、職場には携帯しか持ってこないようにした、なんて荒療治もありましたw

もっともこれはまだいいほうで、どうしても見込み客への営業電話がかけられなかった男性が、自らの紙幣を賭けて、「週に10件の電話営業」ができるようになった、なんて話もアリ。

具体的には、100ドル(10ドル札10枚)を銀行でおろして封筒に入れ、1回電話をするたびに10ドル札を抜いていき、毎週金曜日の夕方に、封筒に残っている紙幣をシュレッダーかける、というもの。

さすがにこれは、効果があった模様。


◆さて、こういった手法を取り入れる上での最大の障害が「やる気はまっとうな動機にもとづいていなくてはならない」という考え方です。

本書ではこれを「まったくの正論として広く受け入れられているが、まるで的外れ」とバッサリ。

重要なのはまっとうかどうかではなく、「実際に何がやる気をもたらしてくれるかだけ」です。
 やりとげる決意をするにはまっとうな動機が必要だが、実行するにはそれとは別の差し迫った理由が必要なのだ。
なるほど確かに……。


◆逆にハードルを下げるやり方なのが、上記ポイントの5番目。

やりたくない作業をやり遂げるには、「解毒」するのも1つの手です。

たとえば著者の1人であるレヴィンソン氏も、「毎朝40分エアロバイクをこぐ」という目標を立てたものの、気が重くてベッドから出られませんでした。

そこで「エアロバイクはもうたくさんだ!」と思わずにできる最大限のことは何かを考え、「トレーニングウエアを着てサドルに腰かけ、足をペダルに載せる」ようにします。

すると、たいていは実際にこぎはじめ、2〜3分でやめることもあれば、もっと長時間こぐこともあり、それを繰り返しているうちに毎朝40分間こぐようになったのだそう。


意志に頼らず、やりきるために!

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最後までやりきる力
PART1 最後までやりきるのはなぜ難しいのか
PART2 「もっとがんばる」をやめる
PART3 やりとげるための賢い戦略
PART4 「最後までやりきる」を続ける


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【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」から。

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この社会で戦う君に「知の世界地図」をあげよう 池上彰教授の東工大講義 (文春文庫)

中古は底値なんですが、何せセール価格が送料より安いので、Kindleに敵うわけがないというw


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