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2016年01月30日

【鍛錬!】『努力は天才に勝る!』井上真吾


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努力は天才に勝る! (講談社現代新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、WBO世界スーパーフライ級のチャンピオン・井上尚弥選手のトレーナーであり、実の父親である井上真吾さんによる、「世界チャンピオン育成記録」。

私はボクシングは詳しくないのですが、普通に「自己啓発本」「子育て本」としても十二分に楽しめました。

アマゾンの内容紹介から。
できるまでやる、何度でも、何度でも。井上尚弥最年少世界2階級制覇はいかになされたか。日々のトレーニング法からコミュニケーション術に至る秘訣をすべて披露。ユニークな子育て論!井上兄弟による特別対談も掲載。

なお、すでにKindle版も出ておりますので、そちらもご検討を!





Boxing Gloves / KWDesigns


【ポイント】

■1.頭ごなしに叱りつけない
ただ単に「何でできないんだ」「昨日できただろ」と声を上げて叱ることはいけません。叱るにはコツがあります。「ダメだ」「やめちまえ」と汚い言葉は使わないことです。
「そんな練習で強くなれるのか」。
「それ、よくないと思わない?」
 叱るときこそ、上から押さえつけるのではなく、自分がこう言われたら納得できるな、と1回間を置いて考えてから語りかけます。我が息子ですが、他人格です。頭ごなしに叱りつけない。侮辱をするような言い方も避ける。常に聞く耳を持ち、全否定してはいけません。


■2.「1万時間の法則」で世界レベルに
1万時間と聞くと、「えっ、そんなに」と思うかもしれませんが、1日平均3時間ほど練習すれば10年間で世界で通用するレべルまで達することができるのです。もちろん1万時間の練習をしたからといって世界に通用するアスリートになれるという保証はありません。しかし、世間から「天才」と称される方々は、皆それくらいの鍛錬を経ているのです。逆に言えば、1万時間を乗り越えて、ようやくスタートラインにたどり着くことができるということなのかもしれません。1万時間を達成すれば、「それで成功」ではありません。ですが、世界で争えるスタートラインには立てるのです。


■3.自分に嘘をつかない
勝負は他人とではなく自分自身とするものです。「このあたりでいいや。もう歩こう」というのを「あのポストまで走ろう。走ったら、今度はあの電柱まで」と、どれだけ引き延ばすことができるのか。その境目は、自分自身が心から強くなりたい、と思えるかどうかです。どんなに優秀な指導者でも、やる気のない選手を強くすることはできません。逆に言えば「強くなるためにはどうしたらいいのだろう?」と自分で考えられる選手には、指導者はいらないということです。今の尚と拓は限界を超えてもやろうとするので、「今日はもうストップ。休むのも練習ね」と声をかけるだけで済んでしまいます。


■4.相手をイメージする
少し触れましたが、シャドーをするときにも漫然と拳を出すのではなく、相手をきっちりとイメージしたほうが練習になります。例えば、長身のサウスポーの選手であればどうなるか、と考えながらやるのです。サウスポーは構えから左右が異なるので、右構えの選手に比べて頭の位置が遠くなります。さらにこの想定の場合には相手は長身ですから、さらに頭は遠くなる。その選手相手にジャブを当てるにはどういう踏み込みが必要か。ステップでサイドから侵入するにはどの角度が適切か、肩の折り返しはどれぐらい必要なのか、頭でイメージします。これをぼんやりとやるのか、克明に意識してやるのかでは雲泥の差になります。大切なことは漫然とではなく、意識することです。


■5.技術に近道はない
尚はこのカウンターを小学校6年の時点でほぼ完璧に使いこなせていました。
 12歳の少年がなぜ高等技術を使えるかといえば、積み重ねです。
「できるまでやる」
 ――それが自分の教えです。まずは上手にへッドスリップです。相手の攻撃をかわす。かわしたら間髪いれずに自分が攻撃を仕返します。言葉にすればそれだけですが、体現するとなると時間はかかります。小1からはじめ、カウンターを完璧忙使いこなせるようになるまでに、およそ6年の歳月が流れています。1日に2〜3時間の練習をしていたので5000時間くらいでしょうか。技術の習得には時間がかかるものです。近道はありません。


【感想】

◆ボクシングの知識がある程度お持ちの方には「今さら」的な、逆にボクシングを全然ご存知ない方には「誰それ?」的な、井上尚弥選手という「世界チャンピオン」が生まれるまでの秘話でした。

そもそも昔に比べて、ボクシングの世界チャンピオンの知名度というのは、低くなっているのだろうと思います。

まず、テレビ中継が減りましたし、団体も私がテレビで見た記憶がある頃は2つだったと思うのですが、今は4つに増え、チャンピオンも増加することに。

ボクシングの主要団体 - ボクシングファン.net

それでも井上尚弥選手は、アマチュア時代から「天才」と呼ばれ、実際に「最年少世界2階級制覇」を成し遂げています。

井上尚弥 - Wikipedia

ちなみに、このエントリーで「井上選手」と略さずに、いちいち「井上尚弥選手」と呼んでいるのは、本書に弟の「井上拓真選手」(東洋太平洋スーパーフライ級チャンピオン)も登場するから……なんですが、面倒なのでそれぞれ「尚弥選手」「拓真選手」と以降略します。


◆さて、本書はそのタイトルにもあるように、尚弥選手が実は「天才」ではなく「努力」の人であることを微に入り細に入り解説。

まず肉体的な素質については、「持久力」と「体幹の強さ」以外は並みであることが、テレビ番組の数値測定で証明されてしまったのだそう。

特に「柔軟性」に関しては一般人以下と出て、本人はショックを受けていたらしいですw

また、アマゾンの内容紹介でも触れられている「世界タイトルマッチでの左カウンター」も、決して「天性のタイミング」ではない、と断言。

この動画の5分辺りでダウンを奪ったヤツなのですが。



本書の巻末に収録されている対談パートでも、尚弥選手自身がこの時のカウンターについて「努力でできる」「カウンターを打てる選手なら誰でも打てる」「アマチュアからプロに移るときにずっと練習していた」と言われています。


◆結局結論としては、上記ポイントの5番目にもあるように「日頃の努力の積み重ねである」ということかと。

著者であるお父さんの真吾さんは、上記ポイントの2番目の「1万時間の法則」のところで、M・グラッドウェルのこの本について、キチンと触れられています。

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天才! 成功する人々の法則

参考記事:【勝間さん激賞!】「天才!成功する人々の法則」がいよいよ発売へ!(2009年05月13日)

何せ、尚弥選手は6歳から、弟の拓真選手は4歳から、お父さんと一緒にトレーニングを積んできたのですから、その練習量は楽に1万時間を超えているワケで。

もっとも、そんな小さな頃から子どもに練習させるためには、上記ポイントの1番目のような「叱り方」や「褒め方」の工夫もありました。

また、自分の子どもをボクサーにしたいなら、大切なのは自分がやってみせることだそうで、真吾さんは「足の皮がむけても走り抜く」「手の皮がむけても荒縄を登り切る」ことを実践されたのだとか。

……この時点で断念したお父さん達のうめき声がww


◆本書を読んで感じたのは、「ボクシングで世界を目指す心構え」は、「スキルアップを目指すビジネスパーソンの心構え」に通じる、ということ。

「裏ワザ」やら「近道」ではない真っ当なやり方で、日々やるべきことを淡々とこなす……。

何せ尚弥選手は、タイトルを獲った世界戦の翌日には、他団体の同階級の世界戦を観戦しに行き、その翌日からは、もう普通のトレーニングを再開しているのですから、浮かれたり驕ったりとは無縁です。

尚弥選手いわく、練習は「生活の一部になっているので苦にならない」のだそう。

これぞまさに強さの秘訣!

私たちも、仕事や勉強が「生活の一部になっているので苦にならない」境地に達するべきではないでしょうか……と、自戒を込めて言ってみるテストw


自己啓発書としても秀逸な1冊です!

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努力は天才に勝る! (講談社現代新書)
第1章 決戦前夜
第2章 生活のなかに自然とボクシングが組み込まれている
第3章 基礎が大事。近道はない
第4章 ベストを尽くせるように環境を整えるのが親の役割
第5章 どんな挑戦も受けて立つ。わくわくする相手とやりたい
井上尚弥、拓真兄弟対談(ときどきお父さん)


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【編集後記】

◆結局個別で記事を書くことができなかったのですが、現在Kindleストアでは、一部雑誌が99円で提供されています。

Amazon.co.jp: Kindle人気雑誌99円均一セール

なじみ深いところでは、『週刊東洋経済』もありますし、この機会に、新たにKindleで雑誌を楽しんでみるのも良いかもしれませんね!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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