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2015年12月26日

【Excel】『数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術』花房幸範,望月実


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数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だったエクセル本。

この手のテーマは、コンサルさんが手がけた本が多いですが、本書は公認会計士コンビが書いたものだけに、エクセルとの親和性が高そうです。

アマゾンの内容紹介から。
アカウンティングファームで学んだExcelテクニック、ミスを出さないプロセス、センスを感じさせる資料の作り方、「できる! 」と思わせる説明の技術……
本書には「資料作成 → チェック → アレンジ → プレゼン」の全過程を、ムダなくミスなくセンスよく実践するための基本的な技術が網羅されています。
「自己流」から抜け出して、
・仕事が早い!
・信頼できる!
・だれにも伝わる!
エクセルの使い方、資料の作り方、説明の仕方をぜひ身につけてください。

なお、Kindle版なら「20%OFF」と、お求めやすくなっております!






Excel & OpenOffice Calc navigation shortcuts / Till Zoltan


【ポイント】

■1.シートを並べてストレスなく入力する
 エクセルで資料を作成していると、同一ファイルの中にある別シートの情報を使いたい時がありますが、入力のたびにシートを切り替えるのは面倒です。そこで今回は、2つのシートを並列表示することによって、ストレスなく入力する方法を説明します。
(1)新しいウィンドウを開く
「表示」タプの中にある「新しいウインドウを開く」をクリックすると、現在表示されているシートと同じシートがもう一枚表示されます(図1)。
(2)ウィンドウを並列表示させる
「表示」タブの「整列」をクリックすると、「ウィンドウの整列」ダイアログボックスが表示されますので、「並べて表示」を選択して「OK」をクリックします(図2)。


■2.多くのシートの中から必要なシートを素早く選択する
 多くのシートが含まれているファイルを使って作業をするときには、必要とするシートを探し出すのに時間がかかってしまいます。そのような時には、「シートの選択」を使うと目的のシートに素早く移動することができます。
(1)「シートの選択」ボックスの表示
 シートの左下にあるシートの選択をする矢印の上で右クリックをします(図1)。
(2)必要なシートの選択
「シートの選択」ダイアログボックスが表示されますので、必要なシートを選択して、「OK」をクリックします(図2)。


■3.カメラ機能で画像を貼りつける
 エクセルで資料を作成している時に、思い通りのレイアウトができずに困ったことがあるのではないでしょうか。そのような悩みはカメラ機能を使えば解決します。(中略)
(1)クイックアクセスツールバーのユーサー設定
 クイックアクセスツールバーにカメラ機能のアイコンを表示させるために、「クイックアクセスツールバーのユーザー設定」の中の「その他のコマンド」を選択します。
(2)カメラ機能を選択
「コマンドの選択」メニューで「リボンにないコマンド」を選び、一覧の中から、「カメラ」を選択して「追加」を押した後に、「OK」をクリックします(図1)。
(3)表示させたいエリアの選択
 表示させたいエリアを選択し、カメラボタンをクリックします(図2)。
(4)画像の貼り付け
 撮影した画像を貼り付けたい場所で、マウスをドラッグして貼り付けます。図3を見ると、承認者のハンコを押す欄が行と列のレイアウトと関係なく作られていることが分かると思います。


■4.データの流れが分かりやすいようシートを配置する
 また、個別のワークシートの並べ方としては、右から順番に数字が流れるようにし、一番左に最終的な数字が集計されるようにするのがよいでしょう(図4)。水が高きから低きに流れるように、エクセルシートも順序良く並べることが重要です。このようにファイルを作成すれば、かけ離れたシート間を行き来する必要がなくなり、数字をつなげる作業も基本的には右隣(あるいは左隣)のシートを参照すればよいことになります。


■5.合計式の1つ手前に「余裕行」「余裕列」を入れる
 合計式の入ったワークシートに行や列を追加したときに、追加した行や列が合計式の範囲から漏れてしまい、思わぬ計算ミスをすることがあります。図1のように合計式が入力されているセルの前に「行」や「列」がない場合は、追加された「行」や「列」は集計の範囲から漏れてしまいます(図2)。このようなミスは、図3のように合計式が入る行と列の前に余裕行と余裕列を設けておけば防ぐことができます。


【感想】

◆一切図がないのに「(図●)」を連発してしまいましたが、上記ポイントの本書の該当部分には、しっかり図が掲載されています。

……自分で読み返して思ったのですが、図がないとちょっと分かりにくかったですね(スミマセン!)。

というか、ほぼ全てのページに図があるワケで、そういう意味で本書は、以前この記事でお話したエクセル本を2つに分けた場合の「ハウツー本」に近い作り(もう1つは「仕事術本」)。

参考記事:【エクセル】『「あるある」で学ぶ忙しい人のためのExcel仕事術』植山周志(2015年04月14日)

ただし完全に「ハウツー本」かというと決してそうではなく、まず「やりたいことありき」で、そのためのエクセル技を解説していますから、両者の中間と言っていいのではないか、と。


◆ちなみに今回は、特に「私自身がやってみたいTIPS」ばかり集めております。

たとえば上記ポイントの1番目は、わざわざファイルを2つ開いた上で大きさを調節し、並べて作業をしていたもの。

それが一瞬で適切なサイズで並列表示されるのですから、生産性は大幅に上がります(小市民)。

同様に上記ポイントの2番目も、1つのファイル内に大量にシートがあるときは、いちいち左右の矢印で移動した上で選択していました。

……そっか、右クリックすればよかったのかw


◆一方、上記ポイントの3番目は、すぐ上の参考記事で述べた「大きさの違う表をレイアウトを崩さずに並べる」と同じ効果を得られるTIPS。

そのときに私が作ったエクセルの表の画像を下記に再掲載しますが、こんな感じで、本来の罫線とは関係ないサイズのセルを貼り付けられます(違いが分かるよう、グリッド線はあえて残しました)。



なお、ここまでは第1部「ミスを少なく仕事を早く終わらせるExcelの技術」の第1章「仕事が早くなる便利なテクニック」と、第2章「知っておきたい表示・印刷の基本」から引用したもの。

いかに私がどん臭くエクセルを作業していたことが、自分でも良く分かりました。


◆続く第2部は「センスを感じさせる資料作成の技術」と題した、実際のアカウンティングファームでの資料作成に則したTIPS等の解説。

たとえば全社予算の作成などの複雑な作業をエクセルで行う場合には、個別のワークシートをいくつも作成した上で、最終的な数字を計算します。

その際のシートの並べ方に言及したのが、上記ポイントの4番目。

これが自分が作成したファイルなら、まだ並べ方がラフでも分かりますが、他人の作ったファイルの場合、数字の流れる方向にシートが並んでいないと、ワケが分かりません。

また、上記ポイントの5番目の「余裕行」「余裕列」という考え方も、極力ミスを減らすためのTIPSです。

確かに私も、顧問先から送られてきたファイルで、追加された行が合計式に含まれていないことがありました。

なお、これらの余裕分がレイアウト的に気になるのなら、行や列の幅を調節して目立たなくすればいいとのこと。

今後作成するファイルは、このようにしたいと思います。


◆あとがきによると、本書はもともとは「経理作業を効率化するエクセル技術」というコンセプトでスタートしたものなのだそう。

その後「オフィスワーカーの情報共有に役立つエクセル技術」にコンセプトは変更されたものの、おそらく収録されているTIPSの多くは、原案からあったものだと思われ。

実際、今まで当ブログでご紹介したすべてのエクセル本のをタイトルを伏せて、「経理系の人が書いたのはどれ?」と言われたら、真っ先に本書を選ぶでしょうから。

やはりエクセルの本来の目的は「計算すること」ですから、まずこうした「足元のTIPS」を固める上でも、本書を読む価値は十分あります。


エクセルの本領を発揮させるための1冊!

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数字のプロ・公認会計士がやっている 一生使えるエクセル仕事術
まえがき

第1部 ミスを少なく仕事を早く終わらせるExcelの技術
 第1章 仕事が早くなる便利なテクニック
 第2章 知っておきたい表示・印刷の基本
 第3章 ムダな作業を減らすエクセル機能
 第4章 データ集計・分析に役立つテクニック

第2部 センスを感じさせる資料作成の技術
 第1章 センスを感じさせる資料の作り方
 第2章 初歩的な関数を使って資料を作成する

第3部 分かりやすく伝える説明の技術
 第1章 なぜコミュニケーションが難しくなったのか
 第2章 分かりやすく伝えるための説明の技術

あとがき 木を見て森を見る技術


【関連記事】

【エクセル】『「あるある」で学ぶ忙しい人のためのExcel仕事術』植山周志(2015年04月14日)

【エクセル】『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』熊野 整(2015年02月22日)

【はてブ2000超!】『ビジネスプロフェッショナルのExcel術』(2014年09月20日)

【資料作成】『外資系コンサルが実践する 資料作成の基本 パワーポイント、ワード、エクセルを使い分けて「伝える」→「動かす」王道70』吉澤準特(2014年08月20日)

【エクセル】『入社1年目のエクセル仕事術』中山真敬(2014年05月08日)


【編集後記】

◆情報を知ったのが遅かったため、昨夜のうちに記事を書けなかったのですが、どうも幻冬舎さんもKindle本のセールをスタートしたようです。

Amazon.co.jp: 【50%OFF】幻冬舎2015ベストタイトルフェア(12/31まで): Kindleストア

情報元はいつも通りきんどうさん

対象作品が50冊と比較的小規模なものの、当ブログでご紹介している本が結構あるので、時間があるときに簡単に記事にできれば、と……。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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