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2015年10月28日

【仕事術】『逃げる勇気: 「できる人」は九割を捨て、たった一割で勝負する』崇 史


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逃げる勇気: 「できる人」は九割を捨て、たった一割で勝負する


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した仕事術本

著者の崇 史(そう ちかし)さんは、「1万人を超えるビジネスパーソンへのコーチングとコンサルティング実績を持つ」という経営コンサルタントの方です。

アマゾンの内容紹介から。
仕事は逃げるが勝ち! 無駄を省き、安請け合いせず、できる限り誰かに任せよう。いつも結果が出ないのは、「上手に逃げられない」から。才能の発揮を邪魔する、終わりの見えない残業、やっかいな頼み事、一人で抱えてしまうタスク。そこから逃げられない原因の解消法から、理不尽な依頼の断り方、面倒な作業を押しつける技術まで。ビジネスパーソン必読、あなたの重荷を軽くして成功へと導く最高の仕事術。

単なる「現実逃避」ではない、仕事術がここに!





Working late / Alan Cleaver


【ポイント】

■1.うまく逃げられない人の7つの理由
(1)「NO」と言えない、頼まれると断れない
(2)優先順位を付けられない
(3)自分の本来の役割と周囲の期待を理解していない
(4)自分の時間を自分でデザインしていない
(5)発生した仕事に受け身・後手で対応している
(6)良い仕事を目指しすぎる
(7)大事なことほど1人でやろうとする

(詳細は本書を)


■2.仕事はゲームと思いこむ
 読者の皆さんは、ほとんどがどこかの会社の社員として働いていると思います。会社の社員である限り、たとえ仕事でミスをして<義務と責任>を果たせなかったとしても一命を失うわけではありません。よほどのことでない限り仕事もなくなりません。(中略)
 だから、<義務と責任>から逃げて仕事をゲームにし、気楽にチャレンジすべきです。そして楽しみながらアイテム(仕事の能力や実績)を次々とゲットしていき、1つずつステージアップ(昇格や昇級)していけば良いのです。
 <義務と責任>のプレッシャーから逃げれば、体は自由な柔軟性を取り戻し、脳の判断力は向上し、神経の反応はスピードアップします。だから仕事の成功率は高くなります。


■3.「断る仕事」判断マトリックスの例
「軸(1)自分に時間の余裕があるかないか」と「軸(3)自分の知識や能力の向上につながるか、つながらないか」を組みます。
 この場合は、時間の余裕があって、かつ知識や能力の向上につながるなら引き受ける。余裕があっても向上につながらないものは引き受けない。余裕がない場合は一切受けないという基準を作ることができます。
 ただし余裕がなくても、「その知識や能カを以前から身に付けたいと考えており、今回はその<なかなか巡ってこない良いチャンス>である」と判断して引き受けることもありです。それはケースバイケースになります。


■4.仕事を削る5つのステップ
「仕事を適当に済ませる」技術とは、この「仕事を削る」技術のことを指します。そしてそれには、次のような一連のステップがあります。
「ゴールのレべルを下げてみる」
「ゴールを細切れにして小さくする」
「今までのやり方をやめる・変える」
「まとめてやる」
「同時並行でやる」
(詳細は本書を)


■5.<好きで得意>が「才能」になる条件
 そこで重要になってくるのは<好きで得意>のもう1つの要素である<得意>のほうの意味です。「人よりも数倍うまくやれる」、「同じ環境で、人より高い質の仕事ができる・人より早くできる」と説明してきましたが、実はそれだけでは不十分です。「才能」と呼ぶにはそれが「人の役に立つ」こと、もっと言うと「お金になる」=「経済的な価値がある」ことが条件です。<好きで得意>が、「稼げる」ことと重なって、初めて社会で意味のある「才能」となるのです。そうでなければ、それはやはり、「趣味」の領域を出ないと言わざるを得ません。


【感想】

◆本書はそれほど厚い本ではないのですが、その範囲はかなり広いものになっています。

そもそも、余計な仕事や本来やるべきでない仕事を押しつけられている場合であれば、「断る技術」が必要ですし、ダンドリが悪いのであれば「時間術」、過剰品質になっているのであれば、適正レベルを見極める意味での「仕事術」、他人や部下に仕事を振れないのであれば「マネジメント」と、多種多様になるのも当然。

さらに、サブタイトルに「たった一割」とあるのは、上記ポイントの5番目の「<好きで得意>な『才能』」のことで、これは「パーソナルブランディング」の領域になるでしょう。

これを「逃げる」というフレーズに集約させている(最後のは別ですが)のが本書でして、バラエティには富んでいるものの、個々のパートについては、深掘りしきれないのは、しょうがないかと。


◆とはいえ、その中でもなかなか面白いな、と思ったのが、上記ポイントの3番目の「『断る仕事』判断マトリックス」。

図は割愛しますが、この例ですと「自分に時間の余裕があるかないか」を縦軸に、「自分の知識や能力の向上につながるか、つながらないか」を横軸にして、2軸4象限のマトリクスを作成しています。

ちなみに本書では、この軸がその他に4つ、計6つが提示されており、理論的には6×5=30で、合計30通りのマトリックスが作成できるというw

なお、その他の軸としては、たとえば「自分にとって簡単か否か」「自分以外に依頼者が頼める人がいるか否か」等々が。

本書では、その他のマトリックスとして、2×2のマトリックスを2つと、2×2にさらに「第3の軸」を3つ組み合わせた(?)例が収録されていました(詳細は本書を)。

これなどは、「なるほど、そういう考え方もあるのか」と目からウロコ。


◆この辺までは、いかにも「経営コンサルタント」的な切り口なんですが、最後の第4章は少々違います。

それが上記でも触れた「たった一割」のお話。

「好き」「得意」「稼げる」という3つの領域が重なった部分こそが「社会で意味のある才能」である、という指摘は確かにそうだな、と。

具体的なその才能の見つけ方については、この章にて解説されていますので、ご確認を。

一応、以前ご紹介したこの本でも「才能の磨き方」やその探し方について言及していましたが。

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才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~

参考記事:【エレメント?】『才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~』ケン・ロビンソン,ルー・アロニカ(2014年01月25日)


◆ちなみに、本書のメインテーマの1つである「余計な仕事をしない」という部分については、以前ご紹介したこの本も参考になるかと。

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仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!

参考記事:【脱「きれいごと」?】『仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!』上野光夫(2015年06月13日)

また、言いにくいことをお願いしたりするのには、この本も。

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相手を怒らせずに言いにくいことを伝える100の方法

参考記事:【下から目線?】『相手を怒らせずに言いにくいことを伝える100の方法』植西 聰(2014年05月23日)

そして、キッパリ断るのなら、お馴染みこちらですねw

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断る力 (文春新書)

参考記事:【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)

……あ、今さら勝間さんのこの本のレビュー読み返してたら、「何が得意で何が不得意かを認識しておくべき」とあって、なるほどそういう意味では、本書の第4章にもつながってくるのだなと(今さら)。


2015年版の『断る力』がここに!

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逃げる勇気: 「できる人」は九割を捨て、たった一割で勝負する
第1章 なぜ、あなたはうまく逃げられないのか?
第2章 逃げるための極意
第3章 上手に逃げる技術
第4章 絶対に逃げてはいけない、たった一割のこと


【関連記事】

【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)

【脱「きれいごと」?】『仕事で結果を出す人はこの「きれいごと」を言わない!』上野光夫(2015年06月13日)

【下から目線?】『相手を怒らせずに言いにくいことを伝える100の方法』植西 聰(2014年05月23日)

【エレメント?】『才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~』ケン・ロビンソン,ルー・アロニカ(2014年01月25日)


【編集後記】

◆UEIの清水さんが激賞していた1冊。

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シャオミ 爆買いを生む戦略

テーマ的に当ブログではキツいんですが、興味津々。

なおKindle版も出ております。


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