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2015年10月11日

【戦略的雑談?】『一流の人はなぜそこまで、雑談にこだわるのか?』小川晋平,俣野成敏


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一流の人はなぜそこまで、雑談にこだわるのか?


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日に引き続き先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げたコミュニケーション本

俣野成敏さんの「『一流の人はなぜそこまで〜』シリーズ」の最新刊のテーマは「雑談」ということで、これは読まずにいられませんでした。

アマゾンにも版元さんにも現時点で情報が掲載されていないので、本書の「はじめに」から一部引用します。
 お金になる雑談。これが本書のテーマです。
 この本の出版オファーをいただいたとき、まっさきに頭に思い浮かんだことがあります。それは、巷にあるような世渡りのための雑談術をビジネス書で取り上げてはいけないということ。(中略)
 そのため、この本で取り上げる雑談とは「ピジネス上の意図をもってしかけていく非公式のコミュニケーションすべて」と定義づけることにしました。

果たして、本書で展開されている「戦略的な雑談」の正体とは!?





Leader of the Free World / jurvetson


【ポイント】

■1.相手が構えていないときに意味のある話をする
 会話全体を「雑談風」に見せることによって、相手のガードを下げる。そしてその間に意味のある話(ビジネスに繋がる話)をどんどんしかけていく。見た目は雑談なのに中身は商談。これが本書で提案する「お金を生む戦略的な雑談」の正体です。(中略)
 人はオフタイムだと身構えないので本音を語ってくれやすくなりますし、人の意見に対しても寛容になります。ということは相手から情報を引き出したり、相手の価値観を変えたりしたいなら、会議室で真っ向から問い詰めるより、非公式な場で「雑談風」の会話をしかけるほうが断然有利なのです。


■2.微妙な話題は自己開示をして反応を見る
 離婚、死別、不妊、絶縁、DVなど複雑な家庭背景を持った人は大勢います。そしてこうしたプライべートな話題は、人によってどこまで開示するかの線引きが異なります。それにも関わらず、空気が読めない人ほど土足でどこにでも上り込み、その挙句「オレは誰とでも仲良くなれるからさ〜」とドヤ顔です。
 センシティブな領域に踏み込まないようにする方法は簡単で、まずは自分の話として話題を小出しにしてみて、相手が乗ってくるか判断することです。(中略)
 攻めるときは一気に。しかし、攻めていいか分からないときはエサをまいて、どれが食べたいのかを試す(調べる)。くれぐれも、いきなり根堀り葉掘り話を聞きだそうとする下手な生保営業のような雑談は避けましょう。


■3.過去はダメな話を、未来は良い話を
 自分の過去について話をするなら、いまよリダメな話をするのが基本です。昔の自分を低くみせて相対的に今の自分の評価を上げる、期待値調整が目的です。
  その際、いくら辛い経験をしてきたからといってそれをシリアスに語ってはいけません。(中略)
 逆に未来を語るときはいいところをどんどん見せましょう。
 ビジネスパーソンの交友関係は「期待感」で決まるといっても過言ではありません。自分を上昇気流に乗った風船かのように見せて、「いまのうちに掴んでおかないと」と思わせれば味方は増える一方です。


■4.目的に応じた雑談の選択肢
・相手が何をできるのか知りたい→過去を聞く
・自分の実績を知ってほしい。または共感してほしい→過去を語る
・相手について持っていない情報が知りたい→現在を聞く
・自分について相手が持っていない情報を共有したい→現在を語る
・相手のやりたいことをしりたい→未来を聞く
・自分のやりたいことを相手に共有したい→未来を語る


(詳細は本書を)


■5.相手が答えやすい質問とはなにかを意識する
 たとえば私は講演後の質問タイムなどで「起業されたころ大切にされていた心構えを教えてください」といった質問をよく受けます。もちろん、それっぽい答えはいえますが、それはいまだから言える話であって、当時の心構えなど正直にいって覚えていません。
 でも「起業当時に一番時間を割いていたことってなんですか?」という行動を聞く質問なら答えられます。
 このように「思考よリアクションを聞く」方が答えやすいのです。(中略)
 あとよくあるのは成功者の方に対して現在の話を聞く行為。これもあまり感心しません。「成功したあとより成功する前を聞く」のが基本。「社長が20歳のころってどんなことをされていたんですか?」というふうに、質問者の現在にフィードバックしやすい質問を投げかけられると、答えやすくなります。


【感想】

◆上記ポイントの1番目に関連して、本書では2軸のマトリクスで、解説がなされています。

まず縦軸は「会話をしかけるときの相手の状態」で、「ノーガードの状態」か「構えている状態」かの2つ。

一方横軸は「会話の話題」であり、「意味のある話」と「意味のない話」かに分けられています。

この4象限のうち、「相手がノーガードのときに意味のない話をする」のが、俗に言う「雑談」ですが、これは実際には「ただの無駄話」に過ぎません。

対して「相手が構えているときに意味のある話をする」のは、通常の「商談」。

そしてこの中で一番成果が出るのが「相手がノーガードのときに意味のある話をする」という組み合わせで、これこそが「戦略的な雑談」というわけです。


◆さらに上記では割愛したのですが、通常の営業等だと、雑談から入っても「ではそろそろ本題に入らせていただきます」と線引きをしがちですが、これもアウト。

本書が目指すのは、「雑談から入って相手が気がつかない内に、核心をつく話に入っているような状態」です。

そこで「戦略的な雑談」では、ステップを踏むことに。

「初対面のとき」「関係性が少しできた状態」「関係性が深まった状態」の3つの状態ごとに、異なる雑談を仕掛けていくわけです。

とくに初対面のときほど、最終ゴールから遠く見える会話が多いのですが、これも目的を達成するための一手段。

徐々に相手が心を開いてきたら、さらに雑談を通して「相手が絶対に譲れないこと」(「絶対に欲しいもの」と「絶対にイヤなもの」の2種類)を探り出していくという(詳細は本書を)。


◆実は上記ポイントとして抜き出したTIPSは、第1章と第2章からがメインなのですが、個人的には第4章の「交流会・飲み会が有意義になる雑談」も参考になりました。

特に飲食店での振る舞い方は、「行きつけの店をつくる」という意味で参考にしたいところです。

たとえば初めてのお店でターゲットにするのは、お店のボス(店長、大将やオーナー)ではなく、若手のスタッフ。

具体的な会話内容は割愛しますが、本書に書かれているようなことをすれば、確かに次回以降気遣いされるでしょうね。

一方、上司等に連れてこられたお店で、その店のボスが挨拶にきたら、なんと「その場で次回の予約まで入れてしまう」のだとか。

お店の人は「また来ます」という社交辞令を聞き飽きているので、確実に覚えてもらえるし、紹介してくれた上司も喜ぶこと必至、とのこと。

……うーん、確かに戦略的w


◆実は上記で触れたように、今回引用したのは本書の前半がほとんどなのですが、後半にかけては、「雑談」というより「交渉」に近い話が多くなります。

それは本書が、いわゆる「雑談本」と一線を画す目的からなのでしょうけど、この辺は好みが分かれるところかと。

特に第6章は「営業が思い通りに進む雑談」ですから、営業職でない方には微妙かもしれません。

ただ、その第6章にあった「ビジネスシーンの『建前』と『目的』と『本音』」という一覧表はワロイました。
建前→「顔出せそうなら出します」
目的→「社交辞令」
本音→「行きません」
というのは、分かるとしても
建前→「バタバタしていて」
目的→「言い訳」
本音→「優先順位低いんだよ」
というのは、「あるある」ww

こういう「本音」を見抜いてこそ、「一流の人」になれるわけですね。


ビジネスシーンで雑談を活用したい方に!

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一流の人はなぜそこまで、雑談にこだわるのか?
第0章 戦略的雑談とはなにか?
第1章 相手の心が開く雑談の基本
第2章 情報を引き出す質問と相づちの技術
第3章 世代差を飛び越える雑談
第4章 交流会・飲み会が有意義になる雑談
第5章 社内で有利なポジションをつくる雑談
第6章 営業が思い通りに進む雑談


【関連記事】

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【雑談?】『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』松橋良紀(2013年11月08日)

学生のうちに知っておくべき『仕事が9割うまくいく雑談の技術』のこと(2013年08月30日)


【編集後記】

◆久し振りに「Kindle日替わりセール」から。

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世界を変えた10冊の本

今日なら送料より安い時点で、中古が1円でも「買い」なんですけど、しっかりお値段付いているのが流石です。

レビューもかなり好評なので、私も買うだけ買っちゃいました!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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