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2015年09月23日

【傾聴】『アクティブ・リッスン! 「聞く力」を武器にする』澤村直樹


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アクティブ・リッスン! 「聞く力」を武器にする


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の編集後記で触れた「コミュニケーション本」

著者の澤村直樹さんの著作は、過去2作品がいずれも「当たり」だったので、当然こちらもノーチェックでゲットでございます。

アマゾンの内容紹介から。
職場で、家庭で、地域で、よりよいコミュニケーションに欠かせないのが「聞く力」。その基本中の基本のエッセンスを、人の話を聞くプロ・心理カウンセラーがとことんわかりやすく紹介。人を育てて率いるリーダーやマネジャー、老親とのやりとりに悩む中高年、多くの人と交流を深めたいリタイア世代、より深く豊かな人間関係を築いていくために役立つ1冊です。

なお、お値段微妙ですが、Kindle版が用意されているのも、ポイント高いです!





Serious Conversation / mikecogh


【ポイント】

■1.「ちっちゃい否定」で返さない
 前にも挙げた例ですが、テレビを見ながら誰かがこちらに「この女優さん、最近、雰囲気変わったね」と言ったとき、「そう?」と返してしまうと、(こちらに悪気のあるなしにかかわらず)相手は否定的なニュアンスを感じてしまうでしょう。
 自分がその女優さんの大ファンで、ということでもない限り、雰囲気が変わる変わらないということは、こちらにとっては何の支障もないわけですから「そうかもしれないね」と、機嫌良く返していくこともできるのです。
 日常の会話において、とくにこういう何気ない受け止めの言葉はとても重要な意味を持ちます。「そうかもしれないね」「そうだよねぇ」「なるほどね」など、否定のニュアンスを消去した言葉を選ぶことで、聴くスタンスをキープしていきましょう。


■2.相手のトーンに合わせる
相手がノリノリで元気に話しているなら、こちらもノリノリで。相手がポツポツ小声で話しているときは、こちらもポツポツで。さりげない技ですが、それが相手を尊重することにつながります。
 相手が「その課長の経歴がすごいんですよっ!」と、語尾に小さい「っ」がくっつくように軽快で、勢いがあるときは、こちらも、「そうなんですかっ」と話し手の勢いに乗るような気持ちで答えます。
 また、相手が「そこで○○○○と言って、私としては彼を励ましたつもりだったんですけどね……」と、文末が「……」で終わるようなトーンであれば、こちらも「そうだったんですか……」という感じで応じます。


■3.質問で「聴き手モード」を加速させる
 より相手に心を開いて話してもらうためには、こちらから質間を投げかけるアクションも有効です。(中略)
 まず、質問は2種類に分けられます。1つは関連質問。相手が話していることに関連することを尋ねていく手法で、「それからどうした法」とも呼ばれています。「それでどうなったんですか?」を多用して、相手にどんどん話してもらいます。
 もう1つが尋ね返し。相手の「どうしたらいいでしょうか……」に対して、「あなたはどうしたいですか?」と質問で返す手法です。こちらが訊きたいことを尋ねるというよりは、相手がよりリラックスして本音が話せるように導くための手段です。


■4.「Dから始まる4つの言葉」に注意する
「でも」「だって」「どうせ」「だから」。こうしたDから始まる4つの言葉は、自分は聴いているつもりでも、相手は「聴いてもらえてない」と感じているサインだと知っておくと、大ピンチになる前に聴く姿勢を立て直せます。
 なお、Dから始まるこれらの言葉が、一度や二度でなく連発される場合は、聴き手のほうが聴くのを忘れ、何を伝えるかということに必死になっていることも考えられます。相手の話を聴くどころか、自分が話すことにブレーキがかからなくなってしまっている状態です。
 会話に熱中していると、そういう自分の状態になかなか気づけないものです。だから、話し手は「でも」や「だって」とサインを送って、「ストップして、私の話を聴いて!」と訴えているのです。


■5.話し手の「言葉」より「気持ち」に反応する
 愚痴を言っている人の「言葉」に反応するのではなく、「事情はよくわからないけど、そんなことがあればそういう気持ちになるよね」「その状況になったら、僕も悪口言っちゃうかもしれないな」と、関心を示すタイプの共感、想像力によるタイプの共感の視点で聴いていくことです。悪口も同様で、相手のトゲトゲした「言葉」には反応せずに、「一言言いたくなる気持ちはわかるよ」と、相手の「気持ち」をフォローしていきます。(中略)
 そもそも愚痴や悪口が出るのは、解消されない思いを抱えているからです。これを受け止めてもらえないことには、その人は素直な気持ちを取り戻すことができません。


【感想】

◆冒頭で触れているように、当ブログでは著者の澤村さんの作品を2作品ともレビューしているのですが、これらはいずれも新書でした。

もちろん新書だからと言って中身が薄いわけではなく、特にデビュー作であるこの本は、目からウロコが落ちまくった記憶が。

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“聞き上手”の法則―人間関係を良くする15のコツ (生活人新書)

参考記事:【これは使える!】「“聞き上手”の法則―人間関係を良くする15のコツ」澤村直樹(2010年01月23日)

ただ、この本はタイトルにもあるように「15のコツ」を解説することが中心で(当ブログ的には有り難かったのですが)、「傾聴」について多角的に掘り下げるには、「新書」というフォーマット的には限界がありました。

それに比べると本書は「単行本」ですし、より総合的に仕上がっています。

特に「"傾聴"って何?」という方には、最初の2つの章は、しっかりお読み頂きたく。


◆一方、本書のキモは第3章の「アクティブ・リスニング【実践テクニック】」。

こちらでは、23もの傾聴のテクニックについて、解説がなされています。

割愛した中で留意しておきたいのが、「相手の話を取らない」ですとか「傾聴に大切な5つの姿勢」辺りかな、と。

前者は類書でもよく言われていることなのでさておき、後者は次の5つの姿勢とのこと。
(1)見つめる
(2)ほほえむ
(3)うなずく
(4)声をかける
(5)ほめる
こういう態度で聴いてもらえると、話し手は「この人は、聴いてくれる」と思うのだそう。


◆続く第4章は、「このサインを見逃さない! より良く聴くための【傾向と対策】」ということで、話し手から発せられる「サイン」について指南。

ここで興味深かったのが「たいしたことじゃないんだけどさ」という前置きは、実は「たいしたことがある」ということ。

このフレーズに限らず、こうした「前置き」があったら、「聴いてほしい」サインだと捉えるのが大事なのだとか。

また「わからないと思うけど」という前置きは、共感の気持ちから安易に「いや、わかるよ、わかるよ」と対応したらNGです!

これは「わかってもらいたい気持ち」はあるものの、「そう簡単にわかられては困る」という感情も同時に存在するのだそう。

……うーん、めんどくさいww←ダメじゃんw


◆さらに第5章では、傾聴の現場における「Q&A」が登場。

たとえば上記ポイントの5番目は、この章からなのですが、「理屈」ではなく「感情」を理解する、というのは「男女の性差本」で散見されるように、男性には非常に難しい行為です。

同じく男女の性差絡みのTIPSでは、「捨てゼリフのあと、相手が立ち去った場合」には、「女性は追いかけてもいいが、男性は追いかけない」のだとか。

思わずその部分を読み入って、確かに納得。

私のように「えー? 何で?」と思われた方は、本書にてご確認くださいw


「傾聴」をマスターしたいなら要チェックです!

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アクティブ・リッスン! 「聞く力」を武器にする
Prologue 新しい「聴く技術」! アクティブ・リスニング
Part1「聴く力」こそ、最強のコミュニケーションスキル
Part2 アクティブ・リスニング【基本のマインド】
Part3 アクティブ・リスニング【実践テクニック】
Part4 このサインを見逃さない! より良く聴くための【傾向と対策】
Part5 こんなピンチも「心地よい対話」に変わる【Q&A】
Part6 アクティブ・リスニング力を鍛えるには?【トレーニング】


【関連記事】

【これは使える!】「“聞き上手”の法則―人間関係を良くする15のコツ」澤村直樹(2010年01月23日)

【コミュ力up!】『損しない人のほめ方の法則』澤村直樹(2011年03月27日)

【オススメ!】『一緒にいてラクな人、疲れる人』古宮 昇(2015年04月01日)

【モテ?】『大切な人を一瞬で笑顔に変える人の話し方・気遣い方』倉島麻帆(2014年03月20日)

すぐに使える『しゃべらない会話術。』テクニック7選(2012年07月19日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」は、当ブログでご紹介済みのこちら。

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ペンタゴン式 目標達成の技術 一生へこたれない自分をつくる (幻冬舎単行本)

参考記事:【自己啓発】『ペンタゴン式目標達成の技術 一生へこたれない自分をつくる』カイゾン・コーテ(2015年02月09日)

「ペンタゴン」というと身構えてしまいそうですが、中身は完全に「自己啓発系」なので、ご安心を!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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