スポンサーリンク

2015年08月25日

【天才の思考法】『超ロジカル思考 ―「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング』高野研一


4532320224
超ロジカル思考 ―「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。

下記に登場する7人の人物の思考ロジック中心に、ケーススタディ方式で学ぶことができる内容です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
スティーブ・ジョブズ自身も「実はやりたくなかった」アップルの成功要因とは?
ジェフ・ベゾスが「古い常識」を破壊できた理由とは?
セルゲイ・ブリンラリー・ペイジがグーグルの検索システムにとりいれた思考の仕組みとは?
フィリップ・コトラーが伝えるマーケティングの本質とは?
孫正義がイノベーションを起こすために毎日やっている習慣とは?
鈴木敏文がデータと同じくらい重視しているものとは?
──ビジネスの天才たちの「頭の使い方」を身につけよう!

なお、Kindle版も8月28日に発売されます!





Coke Pepsi Cans / gongus


【ポイント】

■1.伝説の為替ディーラーの考え方
 円安になる材料(情報)がたくさんあるにも関わらず、むしろじりじり円高の方に動いていくという場面がよくある。自分には相場が見えているという前提に立つ人には、「いずれ円安に反転するはずだ」というモノの見方しかできない。
 ところが、A氏のように、「自分に見えていない世界がある」という前提に立てる人がいる。その人にとっては、想定外のできごとは、新しい相場観が存在するというシグナルになる。
「これだけ円安の材料が出ているのに円安方向に動かないということは、もうすでにほとんどの人が円を売ってしまって、これ以上売れないということだ。このため、逆に円高に動く材料が出てくれば、売りに回っていた人たちが一気に買い戻す局面が来るだろう。その時は激しく円高方向に動くことになる」


■2.孫正義氏に学ぶ発想トレーニング法
 まずノートを1冊買ってもらいたい。そして、毎日そのノートを持ち歩き、何か気になったことがあれば、そのノートに書きとめる習慣をつけて欲しい。気になったということは、無意識の世界の検索活動に何かが引っかかっていることを意味する。それを書きとめておくのだ。キーワードだけで構わない。
 その上で、1日に1回でいいから、そのノートを斜め読みしてもらいたい。こうすることにより、無意識の世界の活動を、意識の世界に引っ張り上げることが可能になる。自分の無意識の世界が何を気にしているのかが浮かび上がってくるのだ。そして、キーワード同士がつながって、新しいモノの見方が生まれるまでの時間を短縮することができる。


■3.日本の端末メーカーの多くがスマホから撤退したワケ
 スマホの中には何千という知的財産が入っており、開発には膨大なコストがかかる。そのため、投資したお金を回収するためのプールが必要になる。アップルやサムスンがグローバル市場を対象にビジネスを展開しているのはそこに理由がある。サムスンは新興国に成長ポテンシャルを見出し、そこをターゲットに定めた。アップルは世界中のアーリーアダプターを資金回収源としている。
 ところが、スマホで苦戦している日本企業の多くは、こうした投資資金回収のためのターゲットを明確に設定できていたのかどうかを問い直してみる必要がある。何となく日本の電話会社に付いてビジネスを進めてしまうと、結果的に日本市場だけを資金回収源として限定してしまうことになる。
 その結果、始める前から投資資金を回収できないことが決まってしまう。あるいは小規模の投資資金しか捻出できない中で、iPhoneやギャラクシーのようなグローバルブランドとの戦いを強いられることになる。


■4.顧客の利益を追求するベゾス
 つまり、自分の縄張りや既得権を脅かすライバルにばかり意識を奪われるうちに、顧客が見えなくなってしまうということだ。べゾスはそこにチャンスを見出し、「顧客に最善の判断を行う機会を提供する」ことに自社の価値を見出している。その結果、業界関係者が嫌がることをやったり、時として自社にとっても不利なことを実行に移している。
 否定的なレビューもそのまま掲載することで、出版社や作家と揉めることなど日常茶飯事だ。出版社やメーカーに対して購買力を誇示して買いたたいたり、ライバル企業を買収するために価格競争を仕掛けることをためらわない。それが顧客のためになると考えているからだ。


■5.ペプシが2010年にひとり負けになった理由
 挑戦的な若者とは、何でも新しいことを試してみたい人たちである。それが、ぺプシ・ジェネレーションのときに真っ先にぺブシに飛びついた理由である。ところが、この層は「浮気しやすい層」ということもできる。最近になって新たに登場してきたエネルギー補給飲料やスポーツドリンクに真っ先に反応したのもこの層なのだ。
 一方で、ペプシ・ジェネレーションのときに、結果的に保守的な層の顧客がコーク側に残った。この層はいわゆる「鉄板」といわれる層で、エネルギー補給飲料が来ようと、スポーツドリンクが来ようと、容易にはなびかない層だ。この拠って立つ顧客層の違いが、同じような飲み物であるにも関わらず、ぺプシだけがひとり負けするという現象を生み出したのだ。


【感想】

◆本書はタイトルに「ロジカル」とありますが、いわゆる「ロジカルシンキング」とはまったく異なるものです。

むしろ、本来タイトルとして相応しいのは「直観力」あたり。

実際、アマゾンの内容紹介で割愛した部分には
変化が激しく、先が見えない世界でビジネスを行う場合、ロジカルに最適解を求めようとしても出てこないことが往々にしてあります。そうした「正解のない世界」を勝ち残ってきたビジネスの天才たちは、どのような能力を持っているのか。我々がロジックを超えた直観力を身につけるには、どうすればいいのか──これが、本書のテーマです。
とあって、本書のタイトルの「超」は、むしろ「ロジックとは別の次元の」「ロジックを超えた」、という意味に近いことがわかります。

ただし、今まで読んだ「直観力」関連の本が、アイデア捻出に注力していたのに比べると、本書はもう少し「ロジカル」にアプローチ。

すでに「前例や旧来のロジックに囚われない解決策」を見出せた人々に学ぼうとしており、それが冒頭に登場する7人というわけです。

ちなみに、下記目次の通り、各章ごとにそれぞれ1人ずつ(Googleは2人)割り当てられているという仕様。


◆この7人、それぞれ単著を出したり、彼ら自身をテーマに本が出されているため、そこに含まれたエピソードのいくつかは、本書に登場するお話と重複します。

ただ、キモとなるのは、表面的なエピソードではなく、その下にある「考え方」の部分なので、私はまったく気にならず。

また、彼らやその経営する会社だけでなく、テーマに関係する会社(や人)として、ユニクロ(柳井さん)や、サムスン(イ・ゴンヒ)も登場します。

特に上記ポイントの3番目にあるように、サムスンとアップルは、スマホにおいて争っている(特に特許等で)いるものの、対象マーケットは、実はキチンと棲み分けられているという。

そして、サムスンの真のライバルは、かつてはノキアで、現在は中国の格安スマホメーカーなワケです。

……日本は完全に「蚊帳の外」の巻。


◆ところで、割愛したエピソードで興味深かったのが、カーシェアリングの「ジップカー」というベンチャーのお話でした。

いま話題のサービス、カーシェアリングの大手ジップカーZipCarがIPO - Market Hack

このジップカー、カーシェアリングという「環境に優しい」システムだったり、ネットを利用して車の予約や精算が簡単にできることもあって、アーリーアダプターからは高い評価を得ることができました。

ところが、思ったほど事業が伸びず、黒字化の見通しが立たないまま資金が底をつき、CEOは解任されてしまいます。

そして、新しいCEOが行なったのは、さまざまな黒字化のアイデアを凍結して、「ジップカーのことは知っているが、会員にならないことを決めた人たちに、その理由を聞く」というものでした。

その結果分かったのは、「車までの距離が遠い」ということ。

かといって、採算が取れないため車の台数を増やすことができないのに、どうやって車までの距離を縮めることができるのか?

そこで新CEOの取った施策とは?(ネタバレ自重)


◆……というような「エクササイズ」が本書には多数収録されています。

上記の問題は比較的答えやすいものの、エクササイズの中には若干抽象的な問いや答えがあって、じっくり考える方だと、ストレス溜まってしまうかも。

たとえば「ジョブズの登場によって、世の中がどう変わったでしょうか?ジョブズが社会に及ぼした影響について考えてみてください」なんて問題は、どう答えたらいいものやら。

と言いつつ私は、サクサク読んでレビューしないといけないので、これらエクササイズは、ほとんど考えずに読み飛ばしてしまったのですが(ごめんなさい)。


本書でキチンとトレーニングすれば「ひらめく」頭になるハズ!

4532320224
超ロジカル思考 ―「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング
プロローグ 新しいモノの見方を発見できる人たち
STEP1 グーグル創業者に学ぶ「見えないものを見る」トレーニング
STEP2 孫正義に学ぶ「自分の器を超えた問題に挑む」トレーニング
STEP3 ジョブズに学ぶ「未来を自ら創りあげる」トレーニング
STEP4 ベゾスに学ぶ「常識から自由になる」トレーニング
STEP5 コトラーに学ぶ「人の内面を見る」トレーニング
STEP6 鈴木敏文に学ぶ「仮説を立て検証する」トレーニング
STEP7 4人の天才たちの教え
エピローグ 情報革命後の世界を生きる


【関連記事】

【ベゾスの素顔】『ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛』リチャード・ブラント(2012年10月31日)

【セブン-イレブン流】『売る力 心をつかむ仕事術』鈴木敏文(2013年10月18日)

【速報】『スティーブ・ジョブズ I』が想像以上に濃厚だった件(2011年10月25日)

【骨太】『コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則 』(2010年09月08日)

【仕事術】『天才が集まる会社の仕事術〜グーグル10の黄金律』桑原晃弥(2011年04月27日)


【編集後記】

同じく「未読本」記事で取り上げた1冊が、リアル書店に並んでいました!

4845915693
「クリエイティブ」の処方箋―行き詰まったときこそ効く発想のアイデア86

思ったより厚いと思ったら、「400ページ超」の巻……(´;ω;`)ブワッ


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「マーケティング」へ

この記事のカテゴリー:「アイデア・発想・創造」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 09:00
TrackBack(0)マーケティングこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/52187421