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2015年08月16日

【コミュニケーション】『超一流の雑談力』安田 正


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超一流の雑談力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、かなり前の「未読本・気になる本」の記事でご紹介したものの、土井英司さんに先を越されて、そのままにしていた「コミュニケーション本」

何やら思いのほか売れているようで、先日も日経新聞の広告欄にデカデカと載っており、これはちょっと読んでおかねば、と思った次第です(今さらw)。

アマゾンの内容紹介から。
あたりさわりのない無意味な雑談ではなく、「意味のある雑談をすれば、仕事や人間関係が変わる」。そんなメッセージのもと、雑談力を高める方法を具体的、実践的に解説したのが本書です。
たとえば、「声は、ドレミファソラシドの『ファ』か『ソ』」「『なるほどですね』『そうですね』は話を聞いていない人の反応」「『なぜですか?』は愚問」など、全38項目でそのテクニックを紹介していきます。さらに、日常で雑談力を鍛えるためのトレーニング方法も収録しており、初心者からある程度話し方に自信がある人まで、すぐに実践できるノウハウが詰まった一冊です。

ほとんど中古が値崩れしない中、約3割引きのKindle版があるのは、ありがたいな、と。





Having conversations LIKE A BOSS / Infusionsoft


【ポイント】

■1.「高めの声」を出すようにする
 ふだんあまりふり返る機会がないのですか。雑談では基本的に「高めの声」を出すように心がけてください。
 高い声は、話す人のキャラクターを社交的に感じさせる効果があるのです。(中略)
 では、高いといってもどれくらいの音がちょうどいいのでしょうか?
 これにはハッキリと指標があります。
「ドレミファソラシド」と音階を口ずさんでみてください。
 そのうち、ちょうどいい声の高さの目安は、「ファ」か「ソ」の音です。


■2.オウム返しには、話が広がりそうな言葉を付け加える
B「この前、マラソンの大会に出たんですよ」
A「えっ、大会に出られたんですか」
 と、このような受け答えも間違いではありませんが、100点ではありません。
 オウム返しのポイントは、質問形式で返すなどして、話が広がりそうな言葉を付け加えることです。
B「この前、マラソンの市民大会に出たんですよ」
A「えっ、大会に出られたんですか、フルマラソンですか?
 といった具合です。


■3.意見が食い違うときは、「うかつでした!」
 特に自分の得意分野や詳しいことでツッコミが入ると、「いや、そう思われると思うのですが」「お言葉ですが……」などと反論したくなるかもしれません。
 しかし、それでは一流の対応とは言えません。
 そんなときにぜひ使っていただきたいのは、「うかつでした!」というフレーズです。
 仮に自分が正しそうな場面でも、「それはうかつでした!」と、相手の主張を飲み込むのが正しい対処方法です。


■4.「前回教えてもらったこと」に触れる
 まず基本としてお伝えしたいことは、2度目に会ったときは、「1度目に会ったとき話したことに必ずふれる」ということです。
 たとえば、このようなことです。
「先日教えていただいた、『素晴らしき哉、人生!』、あのあとさっそくレンタルして観たのですが。60年以上も前の作品とは思えないくらい新鮮な驚きがあって、教えていただいて本当によかったです!」
 このようにして、前回どのようなことを聞いたか、それをふまえてどうアクションに起こしたか、実際に体験してみて何を感じたか、などを伝えられるようにします。


■5.事前に用意したキーワードで雑談から本題に移行する
 具体的には、自分がしたい「本題の内容」から連想されるキーワードをピックアップしておきます。そして、相手と雑談をしながら、事前に用意したキーワードと相手の言葉をリンクさせていくのです。
 たとえば、新しいウェブサービスを人に紹介したいという場合。そのコンテンツから連想される「いい会社」「人材を育てる」「すぐに見つかる」「手間を省く」「低コスト」「簡単」などの単語と、相手から出た言葉をうまくリンクさせていくのです。
A「○○社長、相変わらずお忙しそうですね」
B「いや、実は経理の子が急に辞めてしまって、いろいろと対応に追われているんですよ」
A「なんと、そんな大変なときに申し訳ありません……お力になれるかわからないのですが、実は本日は、人材紹介の新しいウェブサービスのご提案に伺ったんですよ」


【感想】

◆本書の「はじめに」で問われているのが、「雑談」と聞いて、どんなイメージを持っているかということでした。

もし「どうでもいいことをおもしろおかしく話すこと」と考えているのなら、本書を読んで改めるべし。

そうではなく、雑談とは本来、「人間関係や仕事の質を根本から変えてくれる魔法のようなメソッド」である、というのが、著者である安田さんの主張です。

そこで本書では、雑談力を高めるテクニックについて、「数々の実践例から効果のあった方法を取り上げ、具体的なアクションに落とし込んだ」、とのこと。

「1つでも2つでも、実生活に取り入れて頂きたい」という主張は、当ブログ的にはありがたいところです。


◆たとえば、上記ポイントの1番目でさっそく、声の高さが「ドレミファソラシド」の「ファ」か「ソ」とあって確かに具体的だな、とw

ちなみにこの音階は、正しい音階ではなく、あくまでも「自分の中でのドレミ」のこと。

たいていの人は、「ド」〜「ミ」あたりが地声になっているのだそうです。

特に「ド」の人が「ソ」まで上げたら、かなり印象が変わりそうですが、「親しみやすさ」という点では、それくらいがちょうどよいのだそう。

さらに声に関しては、割愛した中に「よく通る声にするためのテクニック」が収録されていましたので、気になる方は本書にてご確認を。

雑談は、混雑した居酒屋等ですることもありますので、特に「飲みニケーション」される方なら、知っておくと良さげです。


◆なお、テクニックとは違うことなので触れませんでしたが、俗にいう「億単位」の取引での最後の商談というのは、ほとんどが雑談に終始するのだとか。

会談の相手は、もちろん役員クラス。

1時間の商談のうち50分が雑談で、最後の10分で「そういえば今回の件なのですが、こういう話で……」と本題を伝えるパターンになります。

そして、この50分の雑談中で、役員たちは「この人物が本当に信用に値するのかどうか」をチェックするのだそう。

というのも、役員はここに来る以前に、部下の報告等から商談の詳細はわかっているもの。

あとは、その判断が正しいのかどうかを、最後の商談で測るワケなのですから、「たかが雑談」と舐めていると痛い目にあいそうです。

……これまた割愛したお話ですが、「トヨタ」クラスの大きな会社の役員の方と商談する場合、「あ〜なるほどですね」などと言ったら、その時点で商談終了とのこと(詳細は本書を)。


◆ところで当ブログでは、今まで安田さんのご本を何冊かご紹介しているのですが、一番最初に読んだのがこの本でした。

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ロジカル・コミュニケーション

参考記事:【論理的な話し方】「ロジカル・コミュニケーション」安田 正(2008年05月10日)

こういうガチガチにロジカルなコミュニケーションスキルの本を書かれている方が、あえて今「雑談」でブレイクしているのが、面白いな、と。

もっとも、ロジカルに攻める場合、全体像がイメージできていないと問題ですけど、雑談ならば、実践できるTIPSが1つでも2つでもあれば元は取れるハズ。

そういう意味では、本書が今売れている、というのも、うなずける話です。


雑談でビジネスをリードしたい方に!

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超一流の雑談力
第1章 「超一流の雑談」の始め方
第2章 何を話題にすれば、雑談は盛り上がるのか?
第3章 思わず心を許してしまう聞き方
第4章 出会ってすぐに距離を縮める方法
第5章 さらに距離を縮める二度目の雑談
第6章 相手によって話し方や話題を変える
第7章 雑談から本題への移り方
第8章 今日から始める雑談トレーニング


【関連記事】

【これは使える!】『雑談力が上がる大事典---会話に困ったとき最初のひとことがスッと出てくる!』齋藤 孝(2014年04月25日)

【雑談?】『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』松橋良紀(2013年11月08日)

学生のうちに知っておくべき『仕事が9割うまくいく雑談の技術』のこと(2013年08月30日)

【論理的な話し方】「ロジカル・コミュニケーション」安田 正(2008年05月10日)

【出世読本?】『一流役員が実践してきた 入社1年目から「できる人になる」43の考え方』安田 正(2014年05月10日)


【編集後記】

◆こちらも当ブログでご紹介済みの安田さんの作品(Kindle版もあります)。

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一流役員が実践してきた 入社1年目から「できる人になる」43の考え方

レビューは、上記関連記事にて。


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