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2015年07月29日

【質問術】『米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない』ジェームズ・O・パイル,マリアン・カリンチ


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米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、前々回の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。

たまたま『交渉に使えるCIA流 真実を引き出すテクニック』と同時期に買ったのですが、テーマが近いので間を置こうと思って、失念しておりました。

アマゾンの内容紹介から。
「他には?」のひと言が、ビジネスを成功に導く。戦場の尋問現場で磨かれた、隠された情報を見つけ出す科学的テクニック。営業・交渉・会議・接待・販売などの現場で活用できるノウハウが満載!

どうせ遅くなったので、Kindle化されるまで待とうかとも思ったのですが、同じ版元さんが、アマゾンで豪快に在庫切れした『ジョコビッチの生まれ変わる食事』を未だKindleにしてないので、Kindleは望み薄かな、と……。






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【ポイント】

■1.「他には?」で情報を掘り下げる
幼い子に「お昼は何を食べたの?」とたずねたら「サンドイッチ」と答えた。すると、大人は次の質問でつい「何のサンドイッチ?」と聞いてしまう。しかし、会話を発展させる効果的な質問は「他にはお昼に何を食べたの?」。すると、サンドイッチの他に牛乳、桃、クッキーを食べたとわかる。
 そこまでわかったところで「何のサンドイッチ?」と聞く。この流れでいかないと、サンドイッチ以外のメニューはわからずじまいになる。未熟者は、はね返ったボールだけを追いかけてしまう。そうならないための教訓だ。1つの情報を掘り下げる前に、すべての情報が出尽くすまで同じ質問を繰り返すこと。


■2.6つの上手な質問タイプ
(1)ストレート――基本的な疑問詞を1語だけ使った単純な文でたずねる。

(2)工作質問――答えがわかっていることについてあえて質問をする。相手の虚偽、情報不足、注意不足を見つけ出す方法だ。

(3)問い直し――同じ情報について2つの異なる質問をする。

(4)集中追求――欲しい情報を余さず引き出すために、同じ内容の質問を出し方を変えて繰り返す。

(5)要約確認――相手に、先に述べた答えを再考・確認するよう仕向ける質問。

(6)息抜き――求めている情報の本筋から離れた質問。相手が嘘をつきそうにないことを聞く。これにより真相の当たりをつけたり、相手の心を開いたりするのに役に立つ。質問は会話の流れを崩してはならない。


■3.アメリカ陸軍式メモ取り術
 使えるメモを取るには、まず4つの発見領域「人」「場所」「物(事)」「出来事」に分けることだ。もっとも統制がとれた方法は、私が正式な尋問やデブリーフィング(報告聴取)で実施しているやり方だろう。1枚かそれ以上の枚数の罫線のあるメモ用紙を用意して、それぞれに「人」「場所」「物(事)」「出来事」と見出しをつける。「人」に関わるメモはすべて「人」の見出しの用紙に書き、「場所」のメモはすべて「場所」の用紙に書く。「物(事)」と「出来事」についても同じだ。
 私は、緊急な必要性がないかぎり、会話や情報報告をただ流れのままに追うことはしない。1つの領域に焦点を合わせて質問を出し、該当する用紙に手がかりになる事項を書きつける。他の3領域に関することに言及するのは、そちらのほうに重点があると判断した場合だけだ。


■4.声に表れる嘘の手がかり
▼同じことを繰り返すと、嘘を言うのが難しくなったとでもいうように、3回目にキーワードを言うときの声が変わる。

話の進め方が速くなる(「さっきも言いましたよ。話を飛ばしましょう」)か、遅くなる(「また同じことを言うのに、何か意味があるんですか?」)。

ストレスがあるために、のどが締めつけられ引きつったような声になる。

▼無意識に嘘の繰り返しを避けたい、あるいは最初に言ったことを忘れてしまったために、「えー」「あの」といった間合い語が入る。

声の調子が変わり、たいてい興奮気味になる。


■5.身振りに表れる嘘の手がかり
●例証:自分の話を際立たせるためにつける身振り。
●遮蔽:相手を遠ざける身振り。
●調整:気持ちを静めようとするときの神経質な身振り。
●規制:相手の話を制御するときに使う身振り。
 どのタイプでも普段と違う動きが出たら、ストレスを感じている表れになる。
 アドルフ・ヒトラーは、グレッグが「指揮棒振り」と名づけた例証のジェスチャーをよく使った。要点を納得させるときに用いたハンマーを打つような動きだ。あの独裁者には習慣的な身振りだった。ところが、普段はなだめるような穏やかな仕草をする人が、たとえば、浮気を否定するとき突然この動作に切り替わったら、疑問詞を駆使して徹底追及せよという合図になる。この場合の指揮棒振りは、グレッグが基準線(比較的ストレスが低いときの典型的な話し方や動作)逸脱と呼ぶ例だ。


【感想】

◆この手の「質問」「尋問」「嘘発見」ネタの本は、結構読んできましたが、本書で特徴的だったのが、上記ポイントの1番目にもある「他には?」という質問です。

冒頭の書影の右下辺りに、「『他には?』のひと言が、ビジネスを成功に導く」とあるように、本書を通じてこの考えは貫かれており、逆に、今までなぜあまり重視してこなかったのか、と不思議に思った次第。

実際にビジネスでの会話例も収録されており、たとえば「このソフトで何にお困りですか?」という質問に、「画像サイズを変えられないんです」と答えがあった場合において。

失敗例ですと「どの画像ですか?」と聞いてしまうところ、成功例では「他にソフトの問題はありませんか?」と深掘りしています。

結果、顧客からの「他のプログラムに画像を送れないし、色を変えようとするとフリーズします」との回答を入手。

ただし、この答えを聞いても、さらに「他には?」と、成功例では繰り返しています。

要は、「他にありません」と「打ち止め」られるまで、続けよ、ということ。


◆それに続き、上記ポイントの2番目の「6つの上手な質問タイプ」は、ここでは総括部分のみ引用していますが、本書ではキチンと解説がなされております。

この中では、(3)と(4)辺りが、テクニックとしていやらしいな、と。

たとえば(3)の「問い直し」は、同じ答えとなるべき質問を、角度を変えてたずねることなのですが、答えが異なった場合は、もちろん赤信号です。

連続して問われたら、間違えないことでも、ある程度他の話をした後で振られると、もし嘘をついていた場合は、ボロが出る可能性は高そうな。

また(4)の「集中追求」では、具体例として、O・J・シンプソンの殺人事件裁判(先日ご紹介した『交渉に使えるCIA流 真実を引き出すテクニック』でもお馴染みですね)での弁護士の反対尋問が取り上げられていました。

なんでも、ロッシ巡査部長の「足跡が目で見えた」という証言を覆すため、弁護士は執拗に「足跡が目で見えたかどうか」を巡って質問し続けた(「足跡の多くは粉末散布処理しないと見えないことは知っていますか?」等)のだとか。

結果、「ロッシ巡査部長は支離滅裂で役立たず」という印象を作り上げることに成功し、刑事裁判では無罪となっているのですから、このテクニックも強力なのではないでしょうか。


◆さらに、上記ポイントの3番目の「アメリカ陸軍式メモ取り術」は、私たちでも実践できそうです。

情報量が多い場合には、領域ごとに4枚必要ですが、少なければ、1枚のメモを縦横で4等分すれば大丈夫。

ただ、複数の領域にまたがる情報が出てきた場合には、紙が別の方が良いようです。

たとえば、「人」について質問しているときに、その「人」が別の人物とある場所で会った、という話になった場合は、「人」の用紙の下を折り曲げて、その新たな人物の名前と、場所の情報を記入。

そして、「人」についての質問が完了してから、メモの裏を見て、「場所」の質問に移るのだとか。


◆一方、上記ポイントの4番目と5番目は、第6章の「答えを分析する」からになります。

たとえ正しく「質問」したとしても、つかれた「嘘」を読み取れないと意味がないので、そのノウハウを伝授。

確かにどちらも、「嘘」を言ってるケースにはありがちな感じです。

ただ、普段の生活(家族やパートナー間)では「嘘」をつかれるケースはあるものの、ビジネスユースで考えた場合、ちと微妙かな、と。

それは「嘘」に限らず、本書全体を通じて言えることで、やはり本書の「テーマ」から考えた場合、コミュニケーションスキルを高めるための本と考えた方がいいと思います。

……下記関連記事の作品も、皆そうですしねw


質問力を高める1冊!

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米陸軍諜報指導官に質問されたら あなたは何も隠せない
序章 質問テクニック習得の効果
第1章 考え方を変える
第2章 上手な質問の作り方
第3章 質問のタイプを把握する
第4章 領域別に「発見」する
第5章 よく聴き、よく黙り、よくメモする
第6章 答えを分析する
第7章 専門知識はどうたずねるか?


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【編集後記】

◆本書内で、何度か引用されていた作品がこちら。

4799311271
最強スパイの仕事術

中古がお手軽価格なので、Kindle版は、あまりオススメできませんが。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 09:00
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