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2015年07月28日

【パフォーマンスアップ?】『突き抜けた結果を出す人はなぜ「まわり」に振り回されないのか?』西多昌規


突き抜けた結果を出す人はなぜ「まわり」に振り回されないのか?
突き抜けた結果を出す人はなぜ「まわり」に振り回されないのか?


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、精神科医・医学博士である西多昌規さんの最新作。

書影で見える帯に、大きく「集中力がとぎれない」とあったので、これはチェックしなくては、と読んでみた次第です。

アマゾンの内容紹介から。
オフィスの雑音、感情のざわつき、面倒な人…etc。快適ではない環境の中でも集中力がとぎれない!常に最高のパフォーマンスを発揮するための「頭」と「心」の整理術。脳の処理能力を極限まで上げる30のメソッド。

なお、Kindle版もしっかり用意されております!





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【ポイント】

■1.空間に「区切り」を作ることで仕事の効率を上げる
 オーストラリア、クイーンズランドエ科大学の研究では、騒々しいオフィスで働き続けている人は、強いストレスや疲労、高血圧などの健康問題を抱えやすいと報告されています。自分なりの対策は、科学的にもやはり考えたほうがいいようです。
 いちばんいいのは、デスクとデスクとの間に、パーティションを作ってしまうことです。プライバシーも守られ、自分のパーソナルスぺースが確保されます。シド二一大学の研究やバージニア大学・ノースカロライナ大学の共同研究でも、オープンオフィスで働く人の多くが仕事のパフォーマンス低下を認めることが報告されています。


■2.「ヒソヒソ話」はホワイトノイズで防ぐ
ヒソヒソ声に反応する脳の部分を働かせないようにするには、どのような方法があるのでしょうか。たとえば、耳栓はいちばんストレートな方法ですが、もっとクールな方法はないものでしょうか。
 実は、あります。それは、雨や風の音などの自然音、あるいは自分の好みの音楽などを流して、脳をかき乱す音声を紛らわせることです。脳がどういう音かを判別しない、すなわち不必要な脳活動を起こさせない雑音を、ホワイトノイズと呼びます。集中できないときはこれを聞いて、ヒソヒソ話をシャットアウトしましょう。


■3.イライラしたら物理的に距離を置く
「ここでキレても仕方がない」と感情を処理しようとするのは「合理化」という機能で、前頭連合野の働きによるものであると言われています。この前頭連合野がうまくコントロールできなくなってしまうのが、いわゆる「テンパる」とか「いっぱいいっぱいになる」という状態です。(中略)
 そのようなときは、脳の「働く部分」を変えることです。前頭連合野ではなく、ほかの部分を働かせて感情を整理すればいいのです。
 その部分とは「扁桃体」です。この扁桃体は「闘うか、逃げるか」の反応を司る機関です。この「逃げる」反応を利用するのです。(中略)
 イライラしていたりテンパったりしていることをまわりに悟られるくらいならば、一時的に「逃亡」してしまいましょう。


■4.「メモ」でワーキングメモリを開放する
 仕事や時間に追われていたり、まわりの環境にイライラしている状態では、記憶を司るワーキングメモリに大きな負担が生じていて、普段ならば考えられない物忘れ、いわば「ど忘れ」をしてしまう可能性が大きくなります。
 この原因は、ノルアドレナリン系の緊張が高まりすぎることにより、ワーキングメモリの働きが落ちてしまうことにあります。(中略)
 逆に言えば、ワーキングメモリの負担を減らすことができれば、まわりに振り回されない集中力が必然的に身についてくるということになります。
 対策としては、「メモをする」ということが大切になってきます。覚えなければいけないことを減らす、ということです。ワーキングメモリをまめに掃除し、コンピュータでいう「最適化」をすることで、脳の処理能力を落とさずにすみます。


■5.人間は「気圧の変化」に弱い
 学術的な研究はなかなかない分野ですが、株式会社ウェザーニュースが「雨と気圧と体調調査」という調査を、2012年に行っています。6月の5日間で、気圧が1時間に1へクトパスカル低下した際、そのエリアの人にメールで通知して、体調や気分の変化と過去1時間に天気がどのように変化したのかを報告してもらい、その報告内容をまとめたものです。
 その結果、実に約6割の人が「だるい」「頭痛」など体調に変化を感じていました。40歳代の女性に至っては、雨の日は8割の人が倦怠感を訴えています。(中略)
 気象状況が体調に影響を及ぼすことは昔から経験的に知られていましたが、その原因については解明されているわけではありません。しかし、雨や雪というより「気圧」という物理的な値が影響している可能性は大きいと推測できます。


【感想】

◆一般的に「集中力」というと、本人の「能力」や「意志力」みたいなものが肝心なのではないか、とイメージしているワタクシ。

現に、この本で触れられているように、「読書中、声をかけられても気づかないのがデフォルト」という「受験三冠王」こと、弁護士の弥永真生先生みたいな方が、世の中にはいらっしゃいます。

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ハウツー勉強―受験三冠王が語る合格へのパスポート (三育図書教育シリーズ)

参考記事:「ハウツー勉強―受験三冠王が語る合格へのパスポート」 弥永真生 (著)(2005年04月05日)

ゆえに、その「能力」「意志力」を鍛える本ではないか、と先入観を持って読み始めることが多いのですが、本書は違いました。

どちらかと言うと、「それ以外の部分」を整えるタイプと申しますか。


◆たとえば上記ポイントの1番目は「環境」について。

世の中のオフィスは「オープンオフィス化」しつつあるのに、それは仕事のパフォーマンス的にはマイナスなのだとか。

かといって、職場でいきなり机の両側にパーテーションを立ててしまっては、必要以上に角が立ちそうです。

本書では、「デスク両脇に書類ラックなり本を置いて壁を作る」ことを推奨していますが、それも物理的にできる方とそうでない方がいらっしゃいそうな。

一方、イギリス・エクセター大学の研究によると、「オフィスのプライベートな空間を写真や植物などで自分なりに装飾することで、仕事の生産性は15%、満足度は32%上がる」ことが明らかになったとか。

あまり趣味に走るのもどうかと思いますが、ご参考にして頂きたく。


◆上記ポイントの2番目は、下記目次にもあるように「雑音」がテーマの第2章から。

「ホワイトノイズ」で言うなら、私は以前から「雨音」が出せるこちらをたまに使うことがあります(いきなりフルボリュームでスタートするので音量注意!)。

Relaxing rain audio for work, play and sleep

……真夏のクソ暑い時に聞きながら作業していると、涼しくなる気がするんですがw(←気のせい)

また、本書内ではホワイトノイズのアプリの使用も推奨されているのですが、私はスマホユーザーでないため、以前ご紹介したこちらを再度。

集中力を高めるホワイトノイズを手の中に! Androidアプリ「Ambio」(動画あり) : ギズモード・ジャパン

ただし、普段から集中できる方には、逆効果になるかもしれない、というお話もありますので、ご留意を。

教室でホワイトノイズを流すと注意散漫な生徒の学習効果が上がるが、普段から集中できる生徒には逆効果 - GIGAZINE


◆それと、私が苦手な「メモ」については、上記ポイントの4番目で推奨されていました。

「対象となるものを記憶する」ことよりも、それを外部に出して、ワーキングメモリの負担を和らげる、という考え方には、深く納得。

その「メモ」のハードルを下げるために、ふだんからスマホやポストイット、メモ用紙、ボールペンを携帯しておくべきなんでしょうね。

……物忘れがひどくならないように、脳を鍛えるべく「あえて」メモを取らないようにしている自分、涙目の巻。


「集中力のなさ」を自覚している方に!

突き抜けた結果を出す人はなぜ「まわり」に振り回されないのか?
突き抜けた結果を出す人はなぜ「まわり」に振り回されないのか?
CHAPTER1 なぜ「まわり」が気になってしまうのか
CHAPTER2 結果を出す人は「雑音」に振り回されない
CHAPTER3 結果を出す人は「感情」に振り回されない
CHAPTER4 結果を出す人は「世の中」に振り回されない
CHAPTER5 結果を出す人は「体調」に振り回されない
CHAPTER6 結果を出す人は「人間」に振り回されない


【関連記事】

【集中力】『精神科医が教える集中力のレッスン』西多昌規(2014年09月25日)

【集中力】『トップ1%の人だけが実践している 集中力メソッド』永田豊志(2013年09月28日)

【集中術】『東大ドクターが教える集中術』森田敏宏(2013年04月07日)

【東大式】「現役東大生だけが知っている!集中力を高める34のルール」(2010年03月24日)

【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)


【編集後記】

◆今日はちょっと早めに記事を投稿しましたが、それも残り数時間に迫ったこちらのセールのためw

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あと3時間で終了ですので、お買い忘れのないよう!


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