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2015年06月26日

【オススメ!】『成功する人は、2時間しか働かない: 結果を出すための脳と身体のピークのつくり方』ジョシュ・デイヴィス


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成功する人は、2時間しか働かない: 結果を出すための脳と身体のピークのつくり方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店でたまたま捕獲した「仕事術本」

本書の帯によると、『やってのける』のハイディ・グラントと、『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則』のピーター・ブレグマンの2人が、大絶賛しているのだそう。

アマゾンの内容紹介から。
現代人の多くは仕事に追いまくられ、やるべきことの多さに押しつぶされそうになっている。おまけにそれを解消しようとして、ひたすら効率性を追求してはみるものの、事態は一向に改善されない。実は、結果を安定的に出すためには、自分にとって「ベストな2時間」をつくることが大切だった!本書は、コロンビア流の最新脳科学と心理学で、今日からできる「ベストな2時間」をつくる5つの方法をわかりやすく紹介! 全米話題の書、ついに邦訳!

この手の作品は、結構読み漁ってきたつもりでいましたが、結構「目からウロコ」の内容でした。

思わず付箋も貼りまくり!







Match Pewter Clock / Didriks


【ポイント】

■1.時間をどう使うかを選択できる瞬間に気づく
 私の経験から言えば、私たちはこの決断の瞬間を、「生産的」と思える仕事に早く戻りたくて、あわただしくスルーしてしまいます。ある作業から次の作業に移るときの、この決断の瞬間をスルーしてしまえば、たしかに5分ぐらいは節約できるかもしれません。でも、間違った作業をいったん始めてしまったら、1時間を無駄にしかねないのです。私たちは1分1秒を気にしだすと、たった5分でも大きな痛手に感じます。ところが、無駄にした1時間はほとんど無意識に過ごしているので、さほど気にはなりません。こうして悲しいかな、多くの人が、さほど重要でもなければ、その時間に終わりそうにもない仕事をして、何時間も無駄にしてしまうのです。


■2.マイナスの感情のプラス面
 怒りはマイナスの感情の中でも珍しくアプローチ指向の行動を促します。アプローチ指向の行動とは、私たちを人や物、アイディアに向かって突き進ませる行動のことです。(中略)
 悲しみには驚くような効果があります。悲しいと感じると、人は偏見にとらわれずに意思決定をする傾向があります。たとえば誰を信頼すべきか、ゆっくり時間をかけて慎重に判断します。また自分勝手でない、公平な行動をとることも多くなります。さらに、石橋を叩いて渡るようになるため、安易にだまされずにすみます。そして、相手の心に響く伝え方をしようといっそう心がけます。落ち着いて、よく考え、厳しい目で判断する必要があるときに、悲しみは頼り甲斐のある手段になります。


■3.気が散った時の対処法
 たとえば新しいダイエット法のことが頭に浮かんで注意散漫になったら、その思考が消えるよう願うのではなく、数分ほど意識してその思考に気づきましょう。ただし、思考が自分の行きたい場所、たとえば健康関連のサイトやブログやダイエットの達人のもとにあなたを連れていこうとしても、ついていってはいけません。数分ほど心がさまようままにさせれば、気を散らす要因について無理に考えないようにするよりも、そしてもちろん、今の作業をやめてサイトを見ることにした場合よりも、はるかに速くもとの作業に戻る準備ができるはずです。


■4.べストな1時間後を意識した食べ方(抜粋)
●朝食や昼食は半分だけ食べて、残リの半分は2時間後に食べるようにとっておきましょう。

●すぐに気分を上げたいときは、炭水化物のたっぷリ入ったおやつを食べれば、15分ほど集中できて気分がよくなるかもしれません。もっと長く最高の調子を維持したいなら、炭水化物のたっぷリ入った食事やおやつはいっさい控えましよう。


●タンパク質、低グリセミック指数の炭水化物、良質の脂肪を組み合わせた食事やおやつをとリましょう。

●ここ1、2時間、水を一切飲んでいないなら、あるいはたった今、運動してきたばかりなら、どうか水を飲んでください。
それだけで違いが出ます。


■5.仕事のできる環境をつくる(抜粋)
●照明を明るくしましょう。頭を最大に働かせたいなら、明るい部屋のほうが暗い部屋よりも適しています。

●あなたの職場の照明を、たとえ自分のデスクの照明だけでも青色スぺクトルを多く含む白色光に取リ替えられるか検討してみてください。この光は脳のサーカディアン時計とつながる網膜の光受容細胞を活性化させ、注意力の持続を助ける可能性が高いことが研究からわかっています。

●創造性を必要とする仕事をするときは、照明を少し暗くするか、ふだんよりやや暗い場所を見つけましょう。


【感想】

◆冒頭で申しあげたように、個人的には「目からウロコ」なお話が多々ありました。

まず、上記ポイントの1番目の「選択の瞬間」からして、なるほど確かに!

私たちは、今やっている仕事や作業を効率的に行おうとするあまり、「次に何をするのか」「今この作業を続けていていいのか」については、それほど深く考えたりはしません。

結果、どうでもいい作業に何時間も費やして無駄に過ごしてしまうということもアリ!?

そこで、本書で推奨されているのが、「もし〜だったら〜する」というアプローチ。

仕事を中断せざるを得ない「邪魔」(電話や話かけてくる同僚)が入ったら、それを「決断の瞬間」と考え、今の作業を続けるか、別の作業に切り替えるべきかを検討せよ、とのことです。

この「もし〜だったら〜する」という考え方は、先日ご紹介したこの本でも触れられていましたっけ。

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5年後の自分を計画しよう 達成する希望術

参考記事:【希望術?】『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』シェーン・J・ロペス(2015年06月19日)


◆また、上記ポイントの2番目の「感情」の仕事への影響についても、特に「マイナスの感情」の方は、聞いたことがありませんでした。

「怒り」の方は割愛して書いてしまいましたけど、要は「何かに対して一歩踏み出したい」ときに有益なようです。

つまり、何か他の理由で怒っている自分に気づいたら、その瞬間に「踏み出したい問題」について考えてみるのだそう。

さらに「目からウロコ」というより「目がテン」になったのが「悲しみ」の効用です。

本書いわく「何か商品を売りつけられそうになったら、子どもの頃に飼っていたイヌが死んだときどんなに悲しかったか思い出すのもひとつの手です」とのこと。

何か大事な判断をしなくてはならないことがあったら、一度お試しください。


◆上記2つに比べると、やや分かりにくいのが上記ポイントの3番目で、「生産的に心をさまよわせておく」ことと「脱線すること」とは違います。

前者でお勧めなのが、以下のような作業。
●壁にかかった絵や部屋に置いた観葉植物を眺める

●机の上を片づける

●音楽を聴いて、どんな楽器が使われているか聞きとる
これらの共通点は、あまり考えなくてもでき、かつ作業記憶をそれほど必要としないこと。

逆に避けた方がいいのが、次のような作業です。
●書類を整理する

●オンラインニュースやブログ記事を読む

●受信メールをチェックし、返信する
これらはいずれも、作業記憶を使うので要注意!

……今まで気分転換にやってた人(含む私w)も多いのではないでしょうか?


◆一方、上記ポイントの4番目は、下記目次の「戦略4 心と身体のつながりを利用する」から。

この章では、「食事」もさることながら、「運動」がいかに心や頭にプラスの影響があるかについても触れられています。

ここで画期的(?)なのが、「日頃から運動せよ」ということではなく、日頃から何か運動しているかどうかに関係なく、「ここぞというときに運動が使える」という話であること。

つまり、大事なプレゼンや、クライアントとの交渉や、大事な提案がある際、適度な運動をすれば、その後の数分間から数時間にかけて集中力が高まり、思考が明晰になり、気分がよくなる(そして落ちつく)のだそう。

ここで言う「適度な運動」が、具体的にどんなものかについては、本書にてご確認下さい(ネタバレ自重)。


◆他にも興味深いお話が色々とあったのですが、ボリューム的にこの辺で。

原書の方も、本国では軒並み高評価のようです。

Two Awesome Hours: Science-Based Strategies to Harness Your Best Time and Get Your Most Important Work Done: Josh Davis: 9780062326119: Amazon.com: Books

ただし、原題のメインタイトルは、あくまで『Two Awesome Hours』であり、「成功する人は、2時間しか働かない」とは言っていません(もっとも、「2時間をお勧めする理由は、これくらいなら1日のうちで確保できて、その日の重要な仕事に取り組むのにじゅうぶんな時間だと判断したからです」との記述はありましたが)。

ぶっちゃけ、この邦題が盛っているのは事実ですが、サブタイトルの「結果を出すための脳と身体のピークのつくり方」がメインタイトルだと思えばOK!

それよりも、本書は当ブログで積極的に推している「科学的自己啓発書」の1つであり、仕事に直接的に好影響を与える点で、高く評価したいと思います。


これはオススメせざるを得ません!

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成功する人は、2時間しか働かない: 結果を出すための脳と身体のピークのつくり方
はじめに 最高の結果を生み出す脳と心には理由がある
戦略1 決断の瞬間を見きわめる
戦略2 心のエネルギーを上手に使う
戦略3 無理に集中しようとしない
戦略4 心と身体のつながりを利用する
戦略5 仕事のできる環境をつくる
まとめ 結果を出す人は最高の2時間のつくり方を知っている


【関連記事】

【希望術?】『5年後の自分を計画しよう 達成する希望術』シェーン・J・ロペス(2015年06月19日)

【スゴ本!】『決める――すべてを一瞬で判断できるシンプルな技法』スティーブ・マクラッチー(2015年04月19日)

【オススメ!】『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』センディル・ムッライナタン,エルダー・シャフィール(2015年03月01日)

【スゴ本!】『やってのける 〜意志力を使わずに自分を動かす〜』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2013年09月24日)

【オススメ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ(2013年04月26日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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ハーバード流 最後までブレない交渉術 ―自分を見失わず、本当の望みをかなえる

アマゾンの内容紹介を見ると、ジム・コリンズ、ダニエル・ピンク、アダム・グラント、サイモン・シネックといった面々が推薦文を寄せている模様……。

これは読んでみたいな、と。


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