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2015年03月23日

【仕事術】『納得させる話力』土田晃之


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納得させる話力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲したコミュニケーション&仕事術本。

以前、竜兵会の本をレビューした際には、有吉弘行氏だけにフォーカスしてしまいましたが、実はこの土屋氏のパートも非常に秀逸だったので、今般即ゲットした次第です。

ちょっと長くなりますが、アマゾンの内容紹介から。
ひな壇では必ず強い存在感を示し、MCから絶大な信頼を得る土田晃之。
ポジション取りの巧さに加え、趣味の知識、トーク技術、プレゼン能力の高さなど、土田氏の武器はそのままビジネスマンが身につけたい要素ばかりだ。
しかし、土田氏はすべて「見せる技術」だという。
果たして、『分かってるな』と思われるテクニックは?
プレゼンにおいて大事なものは?
トークのプロである芸人が「話し方」について説いた必携ビジネス書!

土田氏は立ち位置が独特なため、丸ごと真似するのは難しいかもしれませんが、「なるほど!」と思わせられました!






【ポイント】

■1.苦手な話題は、知ってる知識を持ち出して、自分の得意な話にすり替える
「美容」のように、まったく関心のない話題の場合は、とりあえず、まずは自分の知ってる知識を持ち出してその場をつなぎます。その次に「肌」から「家電」の話とか、自分のもっとも得意とするテリトリーに持ち込みます。「美容」→「肌」→「家電」みたいな。要は自分の得意な分野に話をすり替えて会話をつなげるってこと。僕ら芸人の世界は、関心ないことだからって黙ってたら仕事にならないですからね。(中略)
関心がないことでもテレビで見たこととか、必要最低限のデータだけは頭にインプットしておけば、苦手な話題でもなんとか話をつなぐことができるから、まったく会話にならないなんてことはないんですよ。まずはそうやって話をつないでおいて、そこから自分の得意な話題に持っていけば、会話は成立すると思いますよ。


■2.プレゼンは大声でゆっくりとしゃべる
 プレゼンの基本は、まず大声でゆっくりしゃべること。どうしても緊張するとみんな早口になるんですよ。そうなると説得力がなくなってしまいます。なるべく"でかい声でゆっくりとしゃべる"っていう初歩的なことをやるだけで、全然違います。「あいつ、堂々としてるな!」とか「大舞台で強いな!」って聞いてるほうが錯覚してくれますから。内容が全然なくても、なぜか説得力があるように聞こえるんですよ。
 プレゼンは心理戦です。内容で納得させるんじゃなくて、心理で抑えるほうが手っ取り早いと思いますね。そのためには、でかい声でゆっくりしゃべること。それだけでいいと思います。


■3.いらない説明は、ばっさり削る
 たとえば僕も番組で、自分がとあるエピソードを話したオンエア見たときに「うわ、ひどいな」って思うことがあるんです。それで「このフリがいらない」とか、「この途中の説明がいらないな」とか、「もっと端的に話せばよかった」って考えて、「この接統詞はいらない」、「ここもうちょい削るか」とか考えながら完成させていく。(中略)
 プレゼンも一緒で、どこが必要でどこが必要じやないかを考えて、いらない説明はばっさり削ったほうがいいです。そのうえで、一番言いたいことを際立たせるためには、どういうプロセスでしゃべったらいいかっていうのを順序立てて構成していく。プレゼン上手になるにはその作業が必要です。


■4.ダメ出しする前に、まず褒める
 まずは相手の良いところを褒めた後に、
「でもここはもっとこうしたほうがいいよね」
 そう言ってあげると、相手もすんなり聞けると思います。最初からキツいことを言って注意するより、相手を1回持ち上げてから注意するほうが、こっちの伝えたいことも、素直に入っていくと思います。最初に褒めてあげると、相手も気分が良くなるから。そこで「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」と言うと、聞く耳を持つんですよね。


■5.説教はあえて反論せず聞き流す
 僕らの世界は長く働いていれば給料が上がるわけでもないし、売れなかったら本当にボロ雑巾みたいな扱いされるだけだから。"売れなきゃ損"な世界なんです。だから僕ら芸人は先輩に説教されようが何されようが、売れるしか生き残る道はないんです。
 説教の中には、どうでもいいような話もあるでしょうけど、経験談だから役に立つこともあると思うんです。だから良いと思うことは取り入れればいいし、"それは違う"っていう場合は聞き流せばいいと思います。あえて反論しようとすると、またグチグチ言われるから、そこは軽く聞き流しておけばいいんです。それぐらいの気持ちで聞いていれば、説教されても、それほど苦にならないと思いますけどね。


【感想】

◆本書は月刊誌『EX大衆』にて、2013年1月号〜2014年6月号まで連載していた「サラリーマンお悩み相談室」と、2014年7月号〜2015年5月号まで連載していた「"知ったか"気になるWORDS」に加筆・修正したものなのだそう。

なるほど、上記ポイントだと分かりにくいのですが、実は各項目ごとに「読者からの質問」があって、それに土田氏が回答するスタイルになっています。

そして、本書の「はじめに」で土田氏曰く、「相談者と似たような悩みを持っている読者が、『なるほどな』と思うことがあれば取り入れればよい」とのこと。

ただし、実際に読んでいくと分かりますが、土田氏のスタイルというか生き方が「群れない」「媚びない」「迎合しない」といった感じなので、たとえ相談者と「悩み」が同じであっても、回答をそのまま取り入れるのもリスキーな気がw

そもそも、冒頭で登場した『竜兵会』でも、事務所の大先輩であるダチョウ倶楽部の上島竜兵氏をコケにしまくっている(愛情を持ちつつw)のですが、私たちが上司にこんな対応が取れるわけがありませんし。

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竜兵会―僕たちいわばサラリーマンです。出世術のすべてがここに

参考記事:【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)


◆そんな土田氏が得意とするのは、それほど詳しくないことでも「詳しく見せる」こと。

たとえば、テレビ番組『アメトーーク』でやった「タッチ芸人」に出ていたメンバーの中で、「土田氏が一番詳しいと思った」という理由で、「あだち充さんのマンガ」についての取材オファーがあったのだそうです。

でも実際には土田氏は、そんなに詳しくなく、オファーした人は、土田氏の「詳しく見せる話術」にはまった次第。

本書の巻末には「実践テクニック」と題して、その「詳しく見せる話術」の実践例も紹介されているのですが、確かにここを読むと「どのように詳しいフリをすると相手が納得するのか」が良く分かります。

中でも、アメフトの話を振られて「たった一人の選手しか知らない」のに、それを感じさせないでトークするスキルには圧倒されましたw

正直、解説を読むまでは、ホントにメチャクチャ詳しいと思い込むこと必至という……。


◆ちなみに、その実践テクニックの2番目で「浮気がバレたときの言い訳」というのがあるのですが、これがまた圧巻w

「浮気って何なの?」から始まって、「男女の考え方の違い」やら「メールのやり取りは浮気だと思ってない」等々、煙に巻くというか、言いくるめると言うか(ry

あの真顔でトークする土田氏が、淡々と説得する姿を思い浮かべると、「悪かった」と謝ったり反省する姿は想像できませぬ。

ただ、それよりは、実践テクニックの4番目での、お掃除ロボット『ルンバ』のプレゼンの方が、私たちの参考にはなりそうな。

ウチは、ルンバあるからいいんですが、目の前でこんなプレゼン聞かされたら、買っちゃいそうですよ(マジで)。

……すいません、この実践テクニックは、全文ならびに解説まで含めて読まないと意味がないので、上記では割愛しております。


◆とはいえ、「詳しく見せる」テクだけでも多少触れておくと、まずは「ひとつのことをすごく深い知識でしゃべる」こと。

さらには「2番手3番手の話をする」こと(詳細は本書を)。

また、ちょっとした小ネタを挟むのも効果的で、たとえば電化製品の「ミキサー」の話題になったときに、当たり前のような顔をして「海外では『ブレンダー』ですからね。『ミキサー』って呼ぶのは日本だけですからね」と言う……って確かに詳しそうに感じます罠!

小手先といえば小手先なんですけど、要は見せ方の問題であり、こういうテクニックも、プレゼン等で役に立つかもしれません。


「ひな壇の神」のテクニックがここに!

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納得させる話力
第1章 納得させるトーク術
第2章 納得させる交渉術
第3章 納得させるプレゼン術
第4章 納得させるコミュニケーション術
第5章 納得させる付き合い方
第6章 納得させるモチベーション


【関連記事】

【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)

【ツッコミ?】『最強のコミュニケーション ツッコミ術』村瀬 健(2015年03月20日)

【モテ?】『ひな壇芸人のトーク術』に学ぶ合コンTIPS6選(2012年09月04日)

【ビジネス書?】「THE 芸人学 スゴい!お笑い 戦国時代をサバイバルする30人の成功法則」ラリー遠田(2010年01月06日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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仕事でモテる男はなぜ、体を鍛えているのか?

最近、こういう感じの本が増えている気がするんですが、ブームなんでしょうか。


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