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2015年01月29日

【努力術?】『努力が勝手に続いてしまう。---偏差値30からケンブリッジに受かった「ラクすぎる」努力術』塚本 亮


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努力が勝手に続いてしまう。---偏差値30からケンブリッジに受かった「ラクすぎる」努力術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の編集後記にて取り上げた1冊。

著者の塚本さんの前作、『偏差値30でもケンブリッジ卒の人生を変える勉強』は好評だったようで、早くも第2作が登場です!

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「努力が大嫌いな自分でもできること、続くことしかしない」という方針で考えだされた「続けるテクニック」に加えて、ケンブリッジで学んだ最新の心理学に基づく数々のメソッド、また、現在主宰しているスクールで毎年多くの生徒をケンブリッジ大学、ロンドン大学ほか世界のトップスクールに送りこんでいる方法を一冊に凝縮。

なお、来る2/2にはKindle版の発売も予定されていますので、そちらもご検討を。





Cambridge University / foshie


【ポイント】

■1.将来の自分を「過去形」でとらえる
 私は高校時代、偏差値30の状態から倍以上の偏差値が必要とされる同志社大学に入学することを目標にしていたわけですが、この目標を持ったとき、私はすでに自分が同志社大学のキヤンパスで勉強している姿を思い描いていました。
 「同志社大学に入りたい」という未来形でなく、もう合格して入ってしまっているという「過去形」で自分の姿をイメージしていました。自分はたしかにこの大学に行くんだという感覚を受験前から持っていたのです。


■2.「方向性×モチベーション×資源」を利用する
 まず努力の「方向性」というのは、目標に向かって真っすぐ努力できているか、ツボを見つけて効率的に努力できているかどうか。
「モチべーション」は文字通りそのままの意味です。目標に向かって自分を駆り立てる力がきちんと働いているか。
 最後の「資源」は、自分はその努力をするのに、どれだけの時間やお金などを用意できているか、ということです。
 この「方向性」「モチべーション」「資源」をうまくミックスさせて仕組み化できれば、そんなに努力を意識して苦しまなくても人生や仕事、勉強でも結果は出せるわけです。


■3.自分に対する「信頼感」を高める
 ケンブリッジ時代、教育心理学の研究で業績を持つリンダ・ハーグリーブス博士に教えを受けたのですが、彼女から叩き込まれた考え方に「自己効力感」というものがあります。
 自尊心などとも近いものですが、「自分は物事を達成できる人間だ」と思える感覚が自己効力感です。
 自分で定めた目標、ターゲットがあって、それが達成できるという感覚を持てているかどうか。自分で自分という人間に対して期待感を持てているかどうかが努力が続くカギになります。「努力しなくちゃ」と気持ちだけ焦りながらも、努力をしたりしなかったりという毎日では、こうした期待感は育めません。


■4.経験から「自分に合う方法」を見つける
 自分がこれまで自然に続けられたこと、大変だったのに乗り越えることができたことを掘り下げていき、「これがあったからできた」ということが見つかれば、いまの努力を続けるためのヒントになります。
 かつて入試の勉強をがんばれたのは、毎日決まった時間に勉強できる環境があったからかもしれません。それなら、いまの環境でも「決まった時間」に努力できる環境づくりをしてみればいい。
 学生のときに毎日ひっきりなしに読書をしていたのは、まわりに本の話をできる人がいたからかもしれません。
 それなら、いまの努力についても、話を共有できるな友人や知人をつくる、あるいはSNSで毎日進捗状況をシェアするといった方法も試す価値がありそうです。


■5.自分の時間をすべて「見える」ように書きだしてみる
自分が時間をコントロールできていないなと感じたときは、自分が何に時間を使っているか、リアルタイムで書き出していってみてください。
 1日を過ごしながら、「いま、何をやったか」を次々と書き出していくのです。
 自分の机の上にメモ用紙などを置いて、やっていることの区切りごとにリアルタイムでログを残していきます。電車などで移動中に何をしていたかもすべて書き出します。
 そうすれば、自分はどういうときにどんな時間泥棒に侵食されていて、本来なら「使える時間」がどこに潜んでいるかということが見えてくることと思います。


■6.自分に約束する
 だれでも仕事の予定や他人との約束はスケジュール帳に書き込むのに、自分の目標達成のために必要な時間をスケジュール帳に書き込む人はあまりいません。
 しかし、他人との約束同様、いや、それ以上に目標達成のための努力の時間は自分にとって大切なはず。そうであれば、スケジユール帳に書き込むという目に見えるかたちで自分に約束してしまえばいいのです。他人との約束を入れるのは、それ以外の空いている時間です。(中略)
努力の時間も「予定」と認識することでまわりに流されにくくなります。人に誘われても手帳をのぞいて「ちょっと予定があって」と言えるでしよう。
 その予定の中身も、漠然と「勉強をする」という予定ではなく、、「この参考書の120ぺージから128ぺージまでと、30分CNNで英語リスニングをする時間」といったかたちで、できるだけ細かく砕いた行動をスケジューリングしておけば、さらに自分への強制カが強まります。


【感想】

◆冒頭でご紹介した、著者の塚本さんの前作であるこちらの勉強本ですが。

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偏差値30でもケンブリッジ卒の人生を変える勉強

一応リアル書店でチェックした際には、迷ったのですがパスしました。

というのも、そのメソッドが、今回の作品のテーマである「努力」に偏っていると感じられたから。

これは個人的な考えなのですが、「勉強本」というのは、あくまで「勉強法」がメインとなるべきであり、「時間術」や「モチベーション維持」といった「周辺要素」は、あくまで「補足」であるべきではないか、と。

ただ逆に、「勉強本」としてではなく、「スキルアップ」の作品として扱うのであれば何ら問題がないわけで、山口真由さんの「努力」を扱ったこの本も、同じ理由でご紹介しました。

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天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある

参考記事:【科学的根性論?】『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』山口真由(2014年01月22日)


◆さて、今回晴れて(?)、「勉強」というジャンルにこだわる必要がなくなったため(当ブログのカテゴリーとしては「勉強本」でもあるのですが)、本書におけるそのメソッドも多種多様に。

本書の書影の真ん中あたりに、灰色の薄い縦線(?)のようなものが何本も並んでいるように見えますが、これは実は本書に収録されたTIPSという。

右から挙げていくと、
・「努力ともいえない努力」を身体に覚えさせる
・足場をつくって「できること」を底上げする
・「小さな努力」の無意識化から広げていく
・暗記しようとせずに暗記する
……って、全部今回、割愛していますね(詳細は本書を)w

ちなみに、これらは帯に書かれたものなので、アマゾンで帯がないバージョンの書影が掲載されると、見えなくなります。

後日このエントリーをご覧になった方はご留意を。


◆ところで、上記ポイントの5番目に関連するのですが、最近、もっとも「被害」が多発している「時間泥棒」というのが、スマホなのだそう。

確かに、大事なスキマ時間である通勤・通学中にもスマホをやっている人は、かなり多いです。

この被害を防ぐためには、まずは「ゲームのアプリを削除する」、とのこと。

また、SNSであれば、毎回ログアウトする習慣をつければ、ログインし直す手間がクッションとなって、頻度を減らすことができる、と。

実際、塚本さんの生徒さんでも、勉強に集中するため、SNSのアカウントごと削除した人もいるのだとか。

やはり、「意志」で何とかするのではなく、「仕組み」として何とかするのが正解のよう。


◆なお、本書収録のTIPSですが、おそらく前作とそれなりに「かぶって」いると思います。

今回はボリュームの関係でいつも通り6つしか選んでおりませんが、これらないしは、それ以外でもネタかぶりをしている可能性はありますので、前作をお持ちの方は、一応ご了承ください。

ただ本書は、1つ「大きなネタ」があるタイプではなく、「小さなネタ」が無数ある作品なので、それは仕方ないかな、と。

お約束ですが、1つでも2つでも実践して効果があれば、それで元は取れるワケですから。

もちろん、本書によって「努力」することができても、たとえば受験であれば、正しい勉強法を続けなくてはいけませんけどね。


努力するのが苦手な方に!

4478029369
努力が勝手に続いてしまう。---偏差値30からケンブリッジに受かった「ラクすぎる」努力術
■はじめに:ケンブリッジの心理学×実体験のメソッド
■Chapter1 「努力」という意識を捨てる:自分を「その気」にしてしまう意識改革術
■Chapter2 努力の「仕組み化」7つのルール:努力がラクで当たり前のものになる黄金則
■Chapter3 努力が勝手に「続いてしまう」技術:「あの手この手」で自分を動かすテクニック
■Chapter 4 こうして短期間でケンブリッジに合格した:時間がなくても成果を出せる「超」効率的努力法
■Chapter5 独学でも世界のトップレベルまで行ける:いつまでもめげずに伸びていける簡単な方法


【関連記事】

【科学的根性論?】『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』山口真由(2014年01月22日)

【オススメ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ(2013年04月26日)

【スゴ本!】『やってのける 〜意志力を使わずに自分を動かす〜』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2013年09月24日)

【スゴ本!】『ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣』イアン・エアーズ(2012年10月30日)

【勉強法】『最小の努力で結果を出す超合格法』で確認する7つのポイント(2010年10月17日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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ナンバーセンス ビッグデータの嘘を見抜く「統計リテラシー」の身につけ方

『ヤバい統計学』の著者の新刊ということなので、これは読む予定です!



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