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2015年01月07日

【上級メール術?】『結果を出す人のメールの書き方』に学ぶ5つのメール術


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結果を出す人のメールの書き方: 読み手の心に刺さるビジネス短文の極意


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久し振りに読んだ「メール術」のご本。

著者の中川 越さんは、「多様な切り口から手紙に関する書籍を執筆している」という手紙のプロでいらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から。
「イマイチな人のメール」と「成功する人のメール」を対比させながら、「仕事相手の心をつかむメール文の書き方」をやさしく伝授!

今回は本書の中から、「なるほど」と思ったTIPSを5つお送りします!





spam gmail / notoriousxl


【メール術5選】

■1.「様」と「さま」を使い分ける

◆これは、私自身がメールを頂く、出版社の編集者さんの何人かが実践されています。
 いうまでもなく、「様」より「さま」のほうが親密度が高い。悪い言い方をすればなれなれしい感じがする。したがって、初対面の相手や後輩や目下の人から「○○さま」と書かれたメールをもらうと、それだけで不愉快になってしまう人もいる。(中略)
 しかし、だからといって、いつでも「○○様」がいいとは限らない。かつて私の新聞連載の担当をしてくださった記者の方は、ある日を境に、メールの書き出しを「中川 様」から「中川 さま」に変えた。そこで私も「様」から「さま」に変えた。
するとどうなったか?
以降は「さま」の関係になった。言いにくいことを少しずつ言い合える関係になり、私は担当者のためにももっといい仕事がしたいという心の傾きが生まれた。
「様」と「さま」。どっちだっていいと感じる人とは、なかなかいい仕事はできない。
私の場合は、自分から「様」を「さま」には変えませんが、中川さんと同じく、相手が変えたらそれに合わせています。

それは、あまり自分から「関係性を変えよう」という意思がないこと以上に、タイミングを測りかねているからなのですが。


■2.書き出しを「お世話になります」ばかりで始めない

◆メールの書き出しは「お世話になります」でも、基本的に問題はないのですが、中川さんのお知り合いのT氏という方は、あえてその書き出しに工夫をされているのだそう。
・何から何までありがとうございます。
・たびたびお騒がせいたします。
・ご配慮ありがとうございます。
本当はこの後もダーッと例が続くのですが、省略w
もちろん、関係がまだ熟していない相手には、「立春とは思えない寒さが続いております」などと、時候から入るのはへンだ。いきなり、「ご快諾ありがとうございます」と始めるのも不作法かもしれない。最初のうちは、「お世話になります」とおとなしく始めればいい。
 しかし、機が熟したらT氏にならい、勢いのあるバリエーションで、いつも新鮮な風を相手に送り込むのがよいだろう。
これまた、それだけのパターンがないとネタ切れしそうなので、実践されたい方は、本書のT氏の例をご参考の事。

確かに、書き出しに変化があると「この人は違う」と認識されそうですね。


■3.「相談にのってください」で相手の心を動かす

◆これは、何か頼み事をする場合、「相談」という形をとると、相手にのってもらえる、というTIPS。
話は変わりますが、実は相談があって今日は連絡させてもらいました。
もし時間があれば相談にのってください
 もちろん私は相談に乗ることにした。若い人に頼りにされるのは嬉しい。私の知る限りの知識や情報を伝えた。そして、何度かそれについてのメールのやり取りをしているうちに、いつしか私はSちゃんの作文の添削者となっていたのだった。
では、こんな言い方だったら、どうなったか?
話は変わりますが、実は依頼ごとがあって今日は連絡させてもらいました。
ぜひお引き受けください。
 たぶんすぐに断っていたはずだ。
依頼している事自体は変わらないのに、ちょっとした言葉のニュアンスの違いで、結果が大きく変わる事もあるのだな、と。


■4.「ご検討ください」より「ご指導ください」

◆上記3番目と同じで、より効果的なフレーズを使うパターンを。
〜こちらのほうがよいかもしれないと思い、ご相談申し上げる次第です。
よろしくご指導ください。
「ご指導ください」と書かれ持ち上げられると、依怙地にはなりきれない。なんだか偉くなった気になり、私のような指導的立場にいる者は、レアケースに固執するより、一般性を採るべきだろうと素直になれた。
同じく違う言い方を。
〜こちらのほうがよいかもしれないと思い、ご相談申し上げる次第です。
よろしくご指導ください。
中川さんいわく、もしこのように書かれていたら、従わなかったかもしれない、とのこと。

確かに、結局は相手から「検討」を促されているにもかかわらず、「ご指導ください」と言われると、素直になれる、と言うのは理解できます。


■5.「お会いできることを楽しみにしております」で締めくくる

◆できる人は、メールの締めもぬかりありません。
 面会の約束が決まったあとに送られてきたメールの締めくくりだ。
ありがとうございます。お忙しい中お時間をくださり、恐縮です。
それではお会いできることを楽しみにしております。
「楽しみにしております」と期待されれば、やはり嬉しい。これもまた定型句の1つだが、新鮮なインパクトがある。「楽しみ」というあからさまな感情表現があるためだ。
「楽しみ」が感情表現、という指摘は、目からウロコでした。
 これがもし、次のように「楽しみ」というキーワードがなければ、やはり受け手のテンションは上がらない。
ありがとうございます。お忙しい中お時間をくださり、恐縮です。
それでは当日、よろしくお願いいいたします。
うーん、私は今まで、後ろのパターンで返してましたが、テンション上げてませんでしたか……。


【感想】

◆今回は、本書のタイトルに合わせて、「結果を出す」「人を動かす」ためのTIPSをご紹介しました。

ただし本書は、どちらかというとNGパターンを多く収録しており、その最たるものが「誤字脱字」です。

中川さんいわく、誤字脱字を防ぐためにしっかり読み直す行為こそが、相手への尊敬の始まりとなる、とのこと。

つまりこの手のミスは、単なるミスと言うより、尊敬不足と考えるべきなワケです。

また本書には、誤字脱字のあるメールをもらったことにより、検査機の導入を断念した、中川さんの知人方のお話もありました。

その方曰く「注意力と教養の程度が、検査機の性能とパラレルとはいわないまでも、どこか通底するものがあると推断した」のだそう。

テクニック以前かもしれませんが、私たちも今一度、注意しておきたいところです。


◆なお、TIPSの1番目で「様」と「さま」のお話がありましたが、相手の名前は、ひらがなで書いてはいけません。

中川さん曰く「ひらがなで私の名前を書く必然を、事前に教えてくれない限り、私はバカにされたと思う権利を与えられた気がする」とのこと。

また、自分の名前をひらがなで書く人もいますが、「礼儀」の面ではこれもアウトなのだとか。

私の友人で、メールの最後の自分の名前をひらがなで書いてくるヤツがいるのですが、これはビジネスメールではないですし、そもそも友人なので、私は全然気にしませんが。

ただ、ビジネスメールでひらがなの署名をされている方は、一応相手を選んだ方がいいかもしれません。


◆ちなみに、上記TIPSの3番目や4番目にある「依頼ごと」「ご検討」というフレーズを使われても、私は気にしない方です。

ただし、人によっては(中川さんのように)その言葉の違いによって、動いたり動かなかったりする事があるのも、また事実。

これはどちらが正しい、という話ではなく、目的を遂行するために、どうするべきか、という事なのだと思います。

であれば、もし相手が動かないなら、現状とは「別の手」を使うべきで、それが自分の考えと違う場合、相手に合わせるのはしょうがないことかと。

もちろん中川さんは、世代的には上の方(1954年生まれ)なので、かなり厳しめということはありますが、役員や社長、キーパーソンになればなるほど上の世代が多いですし、そういう方々にメールを出す時こそ、本書が生きてくるはずです。


ここぞの時に効くメールを出すために!

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結果を出す人のメールの書き方: 読み手の心に刺さるビジネス短文の極意
プロローグ 結果を出す人は、ちょっと違うメールを書いている
1章 「いいメール」と「ダメなメール」カギはメールの初歩にある
2章 気持ちがストレートに伝わる敬意の込め方のコツ
3章 その先が読みたくなるメールの書き出し方
4章 読み手の心を一瞬で動かすキレのあるひと言&一行
5章 心地よい距離感を保つ時候・挨拶・追伸のテクニック
6章 手紙の“作法”から学ぶメール文の磨き上げ方
エピローグ あたたかなメールがいい仕事を呼び込む


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【新社会人必読?】『ビジネスメールの作法と新常識』杉山美奈子(2013年04月12日)

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【これは便利!】『ビジネスメール ものの言い方辞典』(2011年06月07日)

【メール作法】「好かれるメール 嫌われるメール」杉山美奈子(2010年03月25日)

【メール作法】「メール好感度」を格段に上げる6つの技術(2009年11月19日)


【編集後記】

◆こちらは一足飛びに謝るための本。

4799315978
謝罪の作法 (携書133)

Kindle版も出ております。


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