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2014年07月21日

【プレゼン】『非言語表現の威力 パフォーマンス学実践講義』佐藤綾子


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非言語表現の威力 パフォーマンス学実践講義 (講談社現代新書 2273)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ちょっと毛色の変わったプレゼン本。

著者の佐藤さんは、ニューヨーク大学大学院のパフォーマンス研究学科で学ばれた方で、非言語表現の観点からプレゼン等を分析されています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
あなたは、「話す内容」だけに意識がいっていませんか?
プレゼン・スピーチ・交渉・対話……、さまざまな「伝える」場面で、じつは話の内容以上に重要なのは、身振りや手振り、声のトーンやアイコンタクトといった非言語表現。
聴衆を一瞬で自分に引きつける「ブリッジング話法」、意識するだけで印象が変わる「離見の見」など、学んで練習すれば、誰もが身につけられる方法が満載。

特に人前で話す機会のある方なら、一読の価値アリです!





Barack Obama In Berlin / Matthias Winkelmann


【ポイント】

■1.「二元重複」で強調する
 バラク・オバマ大統領の演説は、英語がまったくわからない人が聴いていても、とても心地よく響きます。そのテクニックの中で誰でも使えるものが「二元重複(コンデュプリケイション、conduplication)」と呼ばれる技法です。大切な言葉を何度も繰り返して使って強調するテクニックです。
小泉純一郎元首相が「構造改革」「郵政改革」「聖域なき構造改革」と、「改革」という言葉を重ねて使ったのも有名ですし、いまでも歴史に残るキング牧師の「I have a dream」における、「夢」という言葉を8行にわたり連続して文章の頭に使う使い方もそうです。素晴らしい言葉、理念の高い言葉については、何回も何回も繰り返していくわけです。


■2.「ブリッジング技法」で人の気持ちを一気に引きつける
たとえば小泉進次郎議員のように、父が小泉純一郎という国内最高の演説上手であり、人気者だった場合、自分には父にない、現代的で、しかも人の気持ちを一気に引きつける、何らかの工夫が必要になります。それが冒頭で聴き手の心を一気に自分のほうに引きつけてしまう「ブリッジング(橋渡し)」の技法です。
 このブリッジング技法はいくつかありますが、一番簡単なのはご当地ネタを使うことです。たとえば2010年6月12日、小泉議員は大分県湯布院に参議院議員選挙立候補予定者の応援演説に行きました。「霧とかけてなんと解く。はい、ととのいました。霧とかけて自民党と解く。その心は、先が見えない」。これで湯布院の人たちはドッと沸いたのです(湯布院は霧の町として知られています)。


■3.「腕の振り」でインパクトを与える
 初心者がスピーチをすると、言葉に気を取られ、顔の表情筋の動きがおろそかになります。それと同時に、腕の使い方もまったくできません。原稿の文章を思い出すのに精一杯で、腕にまで気が回らないからです。
 机の上に置いた両手の手首から先を組み替えたり、なんとか頑張って肘から先の腕の部分をちょっと壇上から上げたりすることはできるのですが、大きく腕を振り上げる動作、たとえば二の腕が肩と水平なところまで上がったり、あるいは、「一番大切」などと言うときにポインティング(指さし)の形にした人差し指が自分のあごの高さまで上がるような大きな腕の動きは、スピーチやプレゼンに自信がないとできないものです。
 だから、腕がよく振れている演説やスピーチには、相手が引きつけられるわけです。


■4.大きな会場では、頭部ごと動かす
 1人に対して話をしたり聴いたりしているときは、ほどよく頭部を振って頷いたり、「いえいえ」と頭部を左右に振ったり、いろいろな動き方、動かし方ができます。ところが相手がたくさんいる会場でプレゼンをしたり演説をしたりする場合はどうでしようか。どうしても頭部の向きが一定方向だけになってしまいます。大きな会場でセンターの人だけを見ていれば、両サイドの人たちは集中力がなかなか保てません。会場全体に目を配っていく必要があるのです。
 そのためには、眼球だけを動かすと不自然なので、頭部ごと動かすようにします。これがへッドムーブメントです。広い会場では、左右のへッドムーブメントが均等であることが聴衆を引きつけていく上では大変大切なことです。


■5.「3つの自己開示」で相手の心を開かせる
 たとえばこんな例を考えてみてください。勉強嫌いで学校に行きたがらない小学校6年生の坊やに、お父さんが「勉強するように」と話したときの例です。(中略)
 お父さんはこう言いました。「実はお父さんもね、小学校時代、とても成績が悪かったんだ。だから、悔しくて悲しかったよ。それで、学校なんてくだらない、学佼なんてどっちみち役に立たないんだと思ったんだよ」。
 さて、この言葉をよく見てください。お父さんも学校に行くのが嫌だったというのは事実の開示です。そして、悔しくて悲しかったというのは感情の開示。さらに、学校はくだらなくて役に立たないと思ったということは価値観の開示です。
 このように何かを提案するとき、自分にもその提案に至る理由があるのだという自己開示をすると、相手が自分に心を開いてきます。


■6.謝罪する時には、主張はしない
 現在、年間50件以上のさまざまな記者会見の分析依頼がテレビなどのマスメディアから私に来ます。このときに共通して、この謝罪は逆に聴き手に反感を与えるだろうとすぐにわかるのが、謝りながら主張している人々です。
 たとえば猪瀬直樹元都知事の場合もそうでした。「このことは悪かった。しかし、自分は作家として今後は活躍したい」。
 これは「悪かった」と言いながら次の活動の主張をしているわけで、謝罪よりも主張のほうが心に残ってしまいます。そうなると追求の手は一層厳しくなるわけですから、主張せずにまずはきちんと謝り、相手の許しを請い、許しを得てから次の主張に移ることが肝心です。


【感想】

◆「非言語表現」と言いつつ、そうでもないものも多く抜き出してしまい、スイマセン。

実はこの「非言語表現」については、本書では下記目次にあるように、第3章でしっかりまとめられています。

上記ポイントでは「腕の振り」や「頭部ごと動かす」といった、私たちでも実践できるTIPSを一応抜粋しましたが、他にも興味ぶかいお話もいくつか登場。

例えば、「メラビアンの法則」(本書では「マレービアン」と記述)の実験を、佐藤さんは日本国内で行ない、既に2000人以上のデータを取っているのだそう。

ちなみにここで言われる「視覚情報」とは、本当は「顔の表情」だけを指しているらしく、「Verbal」「Vocal」「Visual」と頭文字を揃えるために「Facial」が「Visual」になったみたいです。

一般的にはこの「顔の表情」は55%と言われていますが、これはアメリカ人を対象としてものであり、佐藤さんが日本国内で調査したところによると、60%になったのだとか。

つまり「高コンテクスト文化」である日本人は、より表情から相手の気持ちを読み取ろうとしていることが分かります。


◆また、佐藤さんは今までテレビで、政治家や経営者やら、さまざまな人の会見や発表を見て、その人のウソを見抜いてきたとのことで、付いたあだ名が「人間嘘発見器」!?

本書では、その佐藤さん流の「ウソを見抜くポイント」が紹介されています。

その際のキーワードは「ズレ」。

まずは「表情」で、表情が表している感情と動作や声の調子のズレ(声は自信満々なのに、目線が泳いでいる等)に注目します。

次に、同じ表情でも「顔の上下」のズレ、つまり口元では歓迎しているようなのに、目に感情がない、といったズレをチェック。

最後は時間的なズレで、たとえば口元で笑って目尻が下がるのは、同じ感情ですが、この表情に時間差がある場合も怪しい、と。

なお、こうした「ウソ」を見抜く方法に関しては、この本も非常に良かったです。

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FBIトレーナーが教える 相手の嘘を99%見抜く方法

参考記事:【99%?】『FBIトレーナーが教える 相手の嘘を99%見抜く方法』から選んだ嘘つき の7つの特徴(2012年09月09日)


◆一方、割愛した中にも、プレゼンやスピーチ等で使えるTIPSがチラホラ。

参考までにいくつか挙げておきます。

●オリンピック招致プレゼン20の技法

●オバマ大統領の「連辞」の技法

●リーダーに必要な3つの段階的ロジック展開

●背骨はよく目立つ自己表現のツール

●唇だけで自信の有無が伝わる

●自己紹介成功の3つの条件
etc...

相変わらず記事を書いてから、「こっちのネタの方がよかったかも」と思ってしまう自分カナシスw


◆1点だけ気になったのが、本書における安倍首相の登場量で、事例としては断トツの扱いになっています。

もちろん、政策等とはまったく関係ない、単なるスピーチやオリンピックの招致プレゼン等におけるパフォーマンスについてなのですが、気になる方は気になるかも。

ただこれも、第一次安倍政権時におけるパフォーマンスから、際立った改善があったことが数値的にもわかりやすいため、事例として取り上げやすかったのだと思います。

画像を貼る訳にもいかなかったので、今回の記事ではカットしましたが、本書では表形式で分かりやすく比較されていますので、これもご確認頂ければ。


人の心を動かすプレゼンをするために!

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非言語表現の威力 パフォーマンス学実践講義 (講談社現代新書 2273)
第1章 人は意図的に自己表現せずにはいられない―─自己表現の基本的仕組み
第2章 世界のスタンダード「LEP理論」──相手に応じて最適な伝え方を選ぶ
第3章 言葉よりも雄弁な非言語表現──本当の仕組みと上手な使い方
第4章 自分の気持ちを言葉で伝える実践編―─自己紹介からスピーチ、プレゼン、交渉まで
第5章 上手に会話を続ける──会話の目的別フィードバック


【関連記事】

【名演説?】『小泉進次郎の闘う言葉』常井健一(2013年06月23日)

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『ツカむ! 話術』が想像以上に凄い件について(2014年04月10日)

お前らもっと『30秒で話を伝える技術』の凄さを知るべき(2013年10月06日)

【話し方】『言いたいことは1分で! 10倍伝わる話し方』渡辺美紀(2013年01月05日)

【話し方】「たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック」アラン・ガーナー(2010年06月06日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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NHKテストの花道 こうして受かった! 花道の先輩の暗記法

個人的にも暗記ネタは大好物であります!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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