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2014年07月20日

【真の勉強?】『東大教授が教える独学勉強法』柳川範之


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東大教授が教える独学勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨年末『40歳からの会社に頼らない働き方』のレビューが、はてブホッテントリ入りした柳川範之さんの勉強本。

……と言いつつ、昨日「未読本・気になる本」の記事で本書を取り上げた時には、ジャンルが違うので全然気が付かなかったのですがw

アマゾンの内容紹介から。
高校に行かず大学は通信制、独学で東大経済学部教授になった著者が教える究極の勉強法。テーマ設定から資料収集、本の読み方、ノート・メモのとり方、成果のアウトプットまで自分一人でできる本格的な勉強のコツが身に付く一冊。学者・研究者になりたい人はもとより、教養を深めたい人、趣味を究めたい人、資格試験合格を目指す人、もう一度学び直したい人等々、あらゆる人の知識欲と向学心に応える一冊。

広い意味で「勉強する意味」を考えさせられました!





54/365 - Yet more study / threefingeredlord


【ポイント】

■1.自分の理解に合った教材を選ぶ
 理解のスピードやパターンは人それぞれだという前提で勉強すれば、無用な劣等感に陥ることもありません。また、独学をはじめるにあたって、そういうことを認識しておけば、同じ試行錯誤であっても、先行きの見通しがかなり違ってくるはずです。
「能力のある人は、どの本を読んでもわかる。能力のない人はどんな本を読んでもだめだ」――誰もがそう思いがちですが、それは間違いです。ぜひ自分の理解のパターンに合った本に出合うために、自分なりに探してみる試行錯誤をしてほしいと思います。


■2.自分に合う勉強のコツを探す
 ただ、ここで誤解してもらいたくないのは、勉強のコツといっても前に説明した受験のテクニックや計算のテクニックをマスターする学習とは違うということです。受験のテクニックというのは、勉強のコツというよりも、作業のコツといったほうがいいでしょう。なるべく考えたり悩んだりしないように、頭を使わずに結果を出そうという方法のことです。
 勉強のコツはそうではありません。あくまでも考えるコツのことであり、頭の使い方を工夫することなのです。もう少し詳しく言えぱ、前にも説明した、それぞれの人によって違う理解のパターンやクセを自分自身で把握して、頭に入りやすい勉強の仕方を工夫することです。もちろん、これはそんなに簡単に身につくものではありません。でも、コツを身につけようと思いながら、準備をしたり勉強をしたりするだけで、結果は大きく違ってきます。


■3.要点をまとめたり要約しない
この本で追求しているような、自分が深く考えていくために勉強するというときには、下手に要点をまとめたり要約をするのはマイナスになると思うのです。なぜなら、そうすることで、本当は理解できていないのに、わかった気になってしまうおそれがあるためです。表面をうまくまとめるという作業に意識が奪われてしまい、内容を深く追わないクセがついてしまうのです。(中略)
 逆に、もし深く掘り下げて読もうとするならば、すぐに短くまとめることなどできないことが身に泌みます。本当にその学問の内容をよく理解しようと思ったら、そうした深みにはまっていって、少しの間、もがいてみるといった作業がどうしても必要になってくるのです。


■4.似たものを「関連づけて」いくことで、本質をとらえる
 たまに、まったく違う2つの分野を関連づけていくのに長けた人がいます。先日テレビで、理科系の話とインド哲学の話をリンクさせて話をしている人を見ましたが、その人はまさしく、別々の話に共通することがらを見つけ出して、普遍化しているわけです。
 このように、まったく違う2つのことがらに対して、似ている点や共通した構造があるのだと関連づけるわけです。この能力は、学問をするうえでも、実生活でも非常に役に立ちます。ものごとを深く理解する助けにもなりますし、運がよければ新しいビジネスにつながる可能性もあります。


■5.「応用する力」をつける
学問というのは過去にわかったことを学んで終わりではなく、今、目の前の現実の世界で問題や課題に直面したときに活用できて、はじめて意味を持ちます。
 そして、学問を現実問題に役立てる際、学問と現実を関連づける能力――「応用する力」が必要になります。
 いわば、「応用する」ということと、「自分なりの答えを出す」ということは同義と言えます。(中略)
現実に役立つ勉強のほとんどは、暗記したものをそのまま使うというケースはまずありません。その場その場に応じた応用問題を解かなくてはならないのです。応用が利かなければ、現実社会には役立ちません。応用力こそがその人の独創性や発想力を試されると考えればいいでしょう。


■6.自分の言葉でアウトプットする
初めての人が論文を書くと、多くの場合、専門書の切り貼りのようになってしまいがちです。とくに立派な論文を書こう、間違ったことを書かないようにしようと、強く思うほどそのパターンになりがちです。
 論文とまでいかなくても、例えば学生のレポートを見ていてもそれを感じます。専門的な内容になればなるほど、他人の文章を寄せ集めたようなレポートが多くなりがちです。
 でも、残念ながらそれを続けていても、考えは深まっていきません。極端に言えば、受け入れた情報や知識を、鵜呑みにして出していることと同じだからです。少しずつでもいい。そして拙い言葉や文章でもいいから、自分の言葉で書いてみること、さらには、できるだけ自分の考えていることを文章にしてみるクセをつけることが大切です。


【感想】

◆本書の各章の終わりには、見開き2ページほどのコラムが付されているのですが、第1章後のコラムのタイトルは、「本書で身につけてほしい勉強について」というものでした。

曰く、私たちが一般的に「勉強」と聞いてイメージするのは、大きく分けてこの2つである、と。
1.明確なゴールがある勉強(受験勉強や資格試験の勉強など)
2.教養を身につけるための勉強(趣味的な世界の勉強など)
確かに私自身、前者を「狭義の勉強」、後者を「広義の勉強」と読んで区別しています。

それに対して柳川さんが本書を通して身につけてほしいと思うのは、それとは違う
3.答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強
であるとのこと。

というワケで、本書では上記ポイントでも挙げたものを初めとして、当ブログで今までご紹介してきた様々なTIPSとは「かなり違うモノ」が展開されています。


◆特に、当ブログで重点的にレビューし、かつ、「勉強本カテゴリー」でブックマークを集めまくった記事の本の内容とは「ほぼ真逆」

ゆえに、冒頭の「内容紹介」の「読むべき人」の中に「資格試験合格を目指す人」がありましたが、これはちと違うかと。

そもそも資格試験を受験する際、私は独学は出来る限り避けるべきだと思いますし、今回割愛したお話でも「本を疑って読む」とかあったんですけど、「そんなことしてたら、絶対落ちますから(鼻息)!」

ほかにも上記ポイントの3番目の「要点をまとめたり要約しない」なんてのも、ほとんどの勉強本と相反すると思います。

……税理士試験の理論暗記は、理論の要点をまとめたり要約せずに「一字一句、全文丸暗記」するんですけど、これとはもちろん違いますがw


◆ただ、上記ポイントの2番目の「受験のテクニックというのは、勉強のコツというよりも、作業のコツといったほうがいいでしょう」という指摘には、目からウロコ。

勉強する際に「できるだけ短時間に」「手間をかけずに」「最高の成果をあげる」ことを目指すのは、しごく当然だと思っていましたが、確かにこれって仕事をする際の「作業」と同じですよね?

いわゆる「作業効率性」というか……。

なるほど、だから「仕事術本」と「勉強本」が私自身好きですし、当ブログでも人気があるのかな、と妙に腑に落ちた次第です。


◆とはいえ、受験では本や器具を持ち込めないのに対し、実社会ではネットでもパソコンでも他人に聞くのでも「何でもアリ」。

さらには受験では普通「答え」があるところ、実社会の問題には「答え」がないのが普通です。

つまり上記で柳川さんが言うところの「答えのない問いに自分なりの答えを見つける勉強」が必要となってくる、と。

個人的には、何らかしらの受験を予定されている方は、本書に惑わされずに(?)、受験勉強という「作業」を極めて頂きたいですが、それ以外のおそらく「マジョリティ」である「何も受験されない方」にこそ、本書を読む価値があると思います。


ビジネスシーンや実生活に役立つ「勉強」をしたい方に!

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東大教授が教える独学勉強法
プロローグ 私の勉強履歴
1章 新しい「勉強」が必要とされる時代
2章 なぜ独学がよいのか
3章 勉強をはじめる前にやっておきたいこと
4章 独学をはじめよう
5章 学びを深めよう
エピローグ 独学でここまでできる


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【編集後記】

◆その柳川さんと、当ブログでも何度かご登場願っているBCGの御立尚資さんの共著が最近出ています。

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ビジネスゲームセオリー 経営戦略をゲーム理論で考える

以前『40歳からの会社に頼らない働き方』を読んだ時にはそうでもなかったんですが、今回の本を読んだ後だと興味津々……。


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Posted by smoothfoxxx at 10:00
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