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2014年03月02日

【個人ブランディング】『「ご指名社員」の仕事術:「気がきく」「ギブ型」戦略で"声がかかる人"になる』柳内啓司


「ご指名社員」の仕事術: 「気がきく」「ギブ型」戦略で”声がかかる人”になる
「ご指名社員」の仕事術: 「気がきく」「ギブ型」戦略で”声がかかる人”になる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、TBSのテレビマン・柳内啓司さんの仕事術本。

リアル書店で見かけたところ、本田直之さんが帯で推薦文を書かれていたので、即ゲットしました。

アマゾンの内容紹介から。
キー局社員として働きながら、社内外から「ご指名」を受け続ける著者が大放出!新時代に働く人のための「攻めのサバイバル術」。“声がかかる人”になる練習。

「人を押しのけるの」ではなく、「人に押し上げてもらう」秘訣とは?





DSC_7088 / Wonderlane


【ポイント】

■1.「座学マニア」から卒業する
 座学マニアの中でも、一番良くないパターンは、メディアや友人から「これからは○○を学ばないと、時代に取り残される」という話を聞き、慌ててそれを勉強し始めるパターンです。こういった形で勉強を始めると、自分の取り組んでいる仕事と関係のない知識ばかりが身に付いた、ぜい肉たっぷりの脳みそに仕上がってしまいます。「グローバル時代だから英語だ!」「統計学が来ているらしい」といった世の中の風潮に踊らされて勉強を始めてみても、時間やお金を無駄にするだけで、仕事に直接的に役立つことはまれなのです。


■2.「ギブ型」の自己紹介をする
 私の周りのビジネスパーソンで、直で指名を受けるような人の自己紹介を見ていると、初対面の相手に対して「ギブ型」の自己紹介をしていることに気が付きました。「ギブ型」の自己紹介とは、「私はこれが得意でこんな実績がありますから、あなたやあなたの会社のためにこんなことができます」といったふうに、自分が相手に"与えられること"を中心に、自分のことを紹介するということです。
 逆に、指名をもらえない人の自己紹介パターンは「テイク型」です。「こんな仕事待ってます」とか「こんな仕事もらえませんか?」という受け身の姿勢で仕事を"おねだり"しているわけです。


■3.小さな約束を取り付け、すぐに守る
 自分よりも、立場がかなり上の人とご一緒する時、距離を縮めるのに苦労した経験は、誰しもあるのではないでしょうか? そんな目上の人との距離を近づくきっかけとして有効なテクニックがあります。それは、「小さな約束を取り付け、すぐに守る」というものです。(中略)
 小さな約束は、「今度飲みに行きましょう」でも「今度本を貸しますね」でも、どんなものでもOKです。なかなか距離を縮めることのできない相手とは、まず小さな約束を取り付けて、取引をすぐに一往復させることを意識してみましょう。それが突破口となり、相手の懐に入りやすくなるはずです。


■4.無理難題をむげに断らず、代案を考える
出来ない理由を並べて、難しい仕事を断ることは簡単ですが、そこから何かが生まれることは決してありません。そうではなく、相談してきた人に寄り添って、どうにか実現できる方法はないかと頭から湯気が出るまで一緒に考えてみる。そうやっていくことで、相談者との間に信頼関係が生まれ、そこで生まれた「熱量」がいい仕事につながっていくように思います。


■5.自分の価値が高騰する場所を選ぶ
私の大学での専攻はコンピューター科学でした。そのため、私の研究室の同僚のほとんどは、IT系企業に就職をしていきました。しかし、「ITスキルを持ってIT系企業に入っても、競争が激しく、自分の特技が埋没してしまう」、そう考えた私は、ITスキルを持ったライバルが少なく、かつ、これからITスキルを持った人材が必要になってくるだろうテレビ局を受けました。もちろん、テレビの世界に憧れていたことが一番の志望理由でしたが、当時ITスキルを持った学生がテレビ局を志望することが珍しがられるだろうという「読み」もあったのです。その「読み」は的中。今の会社に内定をもらうことができました。


■6.「タグ」を多く持っておく
 土田晃之さんという人気お笑い芸人がいます。彼は「サッカー」「ガンダム」「家電」という自分が興味を持っている分野を積極的に外にアピールした結果、サッカー雑誌にコラムを持ったり、ガンダム関連商品のCMに出演したり、家電芸人としてテレビに出演したりと、多くの仕事を得ることに成功しました。彼のようにタグを多く持っておくと、打ち合わせや雑談で「○○に詳しい人って誰かな?」という話が出た時に、"名前が挙がりやすい人物"になることができるのです。


■7.日頃から周囲への貢献を意識し、周りから推してもらえるように行動する
 多くの人が手を挙げたがるような人気の仕事は、当然ライバルが多くいます。そんな仕事でご指名をもらうには、周囲からの推薦が決め手となることが多々あります。自分のやりたい仕事を手に入れるためにも、周囲への貢献を普段から意識し、周りから推してもらえるような人物になるよう行動していくことが重要です。


【感想】

◆従来、この手の「パーソナルブランディング」的な本というのは、起業家ですとかフリーランスの方が多く書かれていたと思います。

また、たとえテレビ関係者であっても、放送作家ですとかプロデューサーの方がほとんどだったかと。

というのも、これらの方々は仕事の性質上、自分をブランディングする必要があるわけでして。

それに対して、本書の著者である柳内さんは「IT戦略全般に取り組む」という、もうちょっとスタッフ寄りの部門にいらっしゃいます。

そんな方が、なぜ本書のような「キャラを立てるための本」を出されたのか?


◆まず、柳内さんご自身、「指名されて」局の代表としてビジネス誌のインタビューに応えたり、イベントで講演等をなさっています。

さらに個人としても、本書のような出版活動をされたり、メディアで特集を組んでもらったり、大学で講義もされてらっしゃるとのこと。

そんな柳内さん曰く、仕事をする上では「どうすればご指名で仕事をもらえるのか?」ということを強く意識してきたのだそう。

というのも、「指名される」ことが、厳しい社会を生きぬくための「最強の差別化戦略」であると感じているから。

確かに、特に専門領域を持たない文系社会人は、いざ転職という時に「その他大勢」となってしまいがちです。

また、リストラの危険性も、「その他大勢」の方が高いでしょうから、企業で働く方にとっても、個人ブランディングは考えておいて損のないテーマかと。


◆ただし、個人でブランディングしてキャラが立ったとしても、知られなければ「ただの人」。

本書では何箇所かで、「自分を売り込む」必要性が強調されていました。

柳内さん曰く「現実世界でシンデレラ・ストーリーは存在しない」ので、「そのガラスの靴の持ち主は私よ」ということを、白馬の王子様に上手にアピールせよ、とのこと。

実際、上記ポイントの6番目に登場する、お笑い芸人の土田晃之さんの多方面での活躍も、「積極的な外へのアピール」のたまものなのだとか。

なお、土田さんのような「タグ付け」に成功するためには、「相手に付けてもらう」必要があり、自分(だけ)で「私は○○が得意!」と言っても、普通「ご指名」まではされません。

逆に、1度付けてもらえれば、「○○と言えば……」という流れで、自然と「ご指名」される模様。


◆それでも「会社員に必要な話か否か?」と悩まれる方には、第3章〜第5章辺りをオススメ。

普通に「ビジネススキル」のお話として、出世につながるようなTIPSが収録されています。

また、割愛しましたが、自分のやりたいことと、組織が求めることの「交差点」を見つける「交差点シート」の考え方も要チェックで(ネタバレ自重)。

なるほど、自分の夢を社内で実現させるためには、このような工夫が必要なんですね。


まさに「ご指名」されるために!

「ご指名社員」の仕事術: 「気がきく」「ギブ型」戦略で”声がかかる人”になる
「ご指名社員」の仕事術: 「気がきく」「ギブ型」戦略で”声がかかる人”になる
第1章 これから10年で、日本はこう変わる
第2章 ご指名される力を磨けば、一生食っていける
第3章 会議と「ホウ・レン・ソウ」を究める
第4章 臨機応変なコミュニケーションで、信頼を勝ち取る
第5章 「使えるスキル」を身に付けて、チームに貢献する
第6章 心身を整え、安心感と安定感を与える
第7章 うまく目立って、「名前が挙がる人」になる
第8章 社外にも「つながり」を作り、視野と人脈を広げる
第9章 正しい時間管理で、成長スピードを加速させる


【関連記事】

「パーソナルブランディング」 ピーター・モトンヤ (著) 本田直之 (訳)(2005年06月09日)

【エレメント?】『才能を磨く ~自分の素質の生かし方、殺し方~』ケン・ロビンソン,ルー・アロニカ(2014年01月25日)

【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)

【2軸で考える!】『「キャリア未来地図」の描き方』原尻淳一,千葉智之(2013年01月22日)

【一石多鳥?】『25歳からのひとりコングロマリットという働き方』おち まさと,本田 直之(2012年01月25日)


【編集後記】

◆もうすぐ出る本の中から。

ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(仮) (ワニブックスPLUS新書)
ハーバード大学はどんな学生を望んでいるのか?(仮) (ワニブックスPLUS新書)

これでアナタもハーバードの学生に!(なれるかもしれない?)


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