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2014年01月16日

【文章術】『伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則』山口拓朗


伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則 (Asuka business & language book)
伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則 (Asuka business & language book)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、やはり「未読本・気になる本」の記事にて取り上げていた1冊。

著者の山口拓朗さんは、「出版社で6年間、雑誌編集者・記者を務めたのちにフリーライターとして独立。18年間で2200件以上の取材・インタビュー歴がある」方で、現在はライティング塾の塾長をなさっているのだそう。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、文章を書く準備・文章を速く書く方法・内容を簡潔に書く方法・相手に分かりやすく書く方法・正しく、恥ずかしくない文章を書く方法・読みたくなる文章を書く方法などを87項目でまとめました。 また、「ワードの便利な使い方」や「うけるブログの書き方」など、かゆいところまで手が届く1冊となっています。 企画書・報告書・日報の作成から、メールやSNSの投稿記事などあらゆる文章に対応。

伝わる文章を書きたい方なら要チェックです!





Writing is My Hobby / Charles Jeffrey Danoff


【ポイント】

■1.読む人の反応を決める
 文章を書くときには、読む人の反応を決めましょう。「『決める』ではなく、『予測する』の間違いでは?」と思った方もいるかもしれません。ですが、予測ではありません。読む人の反応は、やはり書き手が決めなければなりません。(中略)
【文章を読んだ人の反応例】
■お礼状をもらう人:ここまで喜んでくれて嬉しいな〜。
■企画書に目を通す上司:おもしろそうな企画じゃないか!
■メモを読む部下:○○課長の指示はいつも分かりやすいな。
(中略)
 もちろん、こうした反応は、読む人(ターゲット)のニーズや文章の目的に即して決めるのが理想です。例えば、企画書を提出する相手(上司)の反応を決めるときは、その上司が何を求めているのかを踏まえたうえで決めるのです。


■2.書くとは「自問自答」の連続
 例えば、「私の趣味はお菓子作りです」という文章の裏には、必ず「あなたの趣味は何ですか?」という自分自身への質問があります。
 仮に「お菜子作り」について引き続き文章を書く場合は、以下のような質問を次々と自分にしていきます。

■どうしてお菓子作りが好きなの?
■いつ頃からお菓子作りを始めたの?
■どれくらいの頻度で作っているの?(中略)

 これらの質問に答えることによって、書くべき素材(情報)が棚卸しされていきます。逆に言えば、質問に答えられないものについては、どう頑張ろうと、書くことができません。


■3.「情熱」で書いて「冷静」で直す
 夜に書いたラブレター(ラブメール?)を翌朝見直したら、恥ずかしくなくなった。そんな経験をしたことのある人もいるでしょう。情熱で書いた文章にはエネルギー(想い)が充満しています。ただし、あまりにエネルギーの強い文章は、ときに読む人の拒絶反応を招きます。そういう意味では、翌朝、クールな頭で、ラブレターを手直しするのは、理にかなった方法です。
 ほてった熱を適温に戻すことで、読む人の心に響きやすい文章になります。


■4.プリントアウトして推敲・見直しをする
 入力した文章をデスクトップ上で読み返す。このときの脳は「書き手の視点」のままです。どれだけ本人が別人になりきっても、脳から「書き手の視点」を消し去ることはできません。
 一方、印刷した文字を目の前にすると、脳が「書き手」から「読み手」にスイッチします。事実、デスクトップ上で推敲・見直しして「完璧になった」と思った文章でも、いざ印刷すると、用紙が修正用の赤ぺンで真っ赤になることがあります。


■5.「修飾語の順番」のまとめ&チェックの順番
(1)「長い修飾語」は先、「短い修飾語」はあとにする
(2)「節」は先、「句」はあとにする
(3)「大きな状況」は先、「小さな状況」はあとにする
「原則(1)と(2)をチェック」→「それでも文章に違和感が残るときは、原則(3)をチェック」というプロセスを踏むことで、修飾語の順番による誤読は、ほぼ防げるはずです。

(詳細は本書を)


■6.「抽象」と「具体」を同時に盛り込む
 具体的な表現と抽象的な表現は、どちらか一方が重要なのではなく、どちらも重要です。文中に両者を盛り込むことによって、説得力が生まれる(高まる)ケースが少なくありません。(中略)
私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。また、英語が堪能なある方は、自宅で子供向けの英語教室を始めました。
つまり、子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして、自宅で仕事をすることができるのです。
 説得力のある文章になりました。逆に言えば、抽象的なことだけを書いた文章も、具体的なことだけを書いた文章も、読む人にスルーされてしまう確率が高い、ということです。


【感想】

◆ボリューム的にちょっと多くなってしまったので、この辺で。

冒頭で挙げた未読本の記事の時にも触れたのですが、最近、文書術の本に関しては、類書とのネタのかぶり具合をリアル書店でチェックして、購入するか否かを検討しております。

何せ、文章術関係だけでも、かなりの本をご紹介してきているわけでして。

カテゴリー「メルマガ、ライティング関係」

時おり、Twitterですとかブックマークコメントで「これだけ文章術の本を読んで、この程度?」というご指摘を頂くことがあるのですが、返す言葉もございません

ただ、文章術が向上していなくとも「あー、これ前に読んだわー」ということは、それなりに覚えているため、あまりに類書と内容重複が多いものは、クオリティが高くとも、スルーせざるを得ず。


◆その点本書は、リアル書店で上記ポイントの1〜3辺りを目にして、購入決定。

私の記憶では、この辺のテーマに言及していた本は、あまりなかったような気がします。

もう1つ購入の要因となったのが、「速く書く」をテーマにした第2章で、ここでは、一般的な「文章術」以外のお話が登場。

「キーボードのキーピッチやキーストロークに注意を払え」何ていう文章術の本は、普通見かけませんってw

実際私は、A4サイズのノートPCを家でも職場でも代々使い続けていて、今までは、キーボードに関して違和感を覚えた事はありませんでしたが、昨年職場用に購入したノートPCのキーストロークの浅いことと言ったら!

キーストロークが違うと、こんなにも入力しにくいは思いませんでした。


◆ところで文章術の本は、ざっくり言うと、大きく2つに分けられると私は思っています。

 ・文章作法関係(「てにをは」「」等)

 ・目的を達成する文章を書く(「広告コピー」「説得」等)


たいてい、どちらか一方に力を入れていて、「前者」は、ある意味「決まり事」ですから、類書同士のネタかぶりも多い感じ。

それに比べると「後者」は、著者らしさが出やすいためか、バラエティに富んでいる印象を受けます。

具体例を挙げると、典型的な「前者」の本はこれ。

伝わる! 文章力が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!
伝わる! 文章力が身につく本 (基礎からわかる“伝わる!"シリーズ)

参考記事:【オススメ】『伝わる!文章力が身につく本』小笠原信之(2011年06月26日)

そしてこちらは「後者」の本。

いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)
いますぐ書け、の文章法 (ちくま新書)

参考記事:【スゴ本】『いますぐ書け、の文章法』堀井憲一郎(2011年09月09日)

どちらがいい、と言うのではなく、必要に応じてお読み頂ければ。


◆本書について言うと、第3〜5章辺りは、上記の「前者」の内容です。

収録された具体例や表現方法は違えど、結局は「ルール」ですから、この辺の本を何冊かお持ちの方なら、若干食傷気味になるかもしれません。

とはいえ、文章塾を主宰されている方が、こういった内容をおろそかにするわけにもいかないですし、これはこれでアリだと思われ。

むしろ本書は、基本的には「前者」の本であるにもかかわらず、「後者」の内容を上手く加味している点が特徴なのではないかと。


「伝わる文章」を書きたい方に!

伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則 (Asuka business & language book)
伝わる文章が「速く」「思い通り」に書ける 87の法則 (Asuka business & language book)
第1章 文章を書く準備をしよう
第2章 伝わる文章を速く書こう
第3章 伝わる文章を簡潔に書こう
第4章 伝わる文章を分かりやすく書こう
第5章 正しく、恥ずかしくない文章を書こう
第6章 読みたくなる文章を書こう
第7章 メール・SNS対策をしよう


【関連記事】

【オススメ】『伝わる!文章力が身につく本』小笠原信之(2011年06月26日)

【スゴ本】『いますぐ書け、の文章法』堀井憲一郎(2011年09月09日)

【文章術】『決定版! すっきり書ける文章のコツ80』高橋俊一(2013年07月05日)

【文章術】『7日で身につく 正しい文章の書き方』高橋廣敏(2013年05月30日)

【文章術】『いい文章には型がある』吉岡友治(2013年03月26日)

【文章術88のルール】『誰にでも伝わる 文章力のつくり方』木暮太一(2012年03月02日)


【編集後記】

◆今日の本の著者である山口さんのご本。

どんな人ともドギマギせずに会話がふくらむコツを集めました!
どんな人ともドギマギせずに会話がふくらむコツを集めました!

こちらも、当ブログ的には需要がありそうです。


ご声援ありがとうございました!

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