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2013年12月14日

【仕事術】『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』鳩山玲人


桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、今朝の日経新聞に広告のあった仕事術の本

著者の鳩山さんは、三菱商事を経てハーバードでMBAを取得し、現在はサンリオで常務取締役を勤めるという華麗な経歴の持ち主の方です。

アマゾンの内容紹介から。
34歳ときに三菱商事からサンリオに入社した鳩山氏。
海外でのライセンス事業に注力した結果、欧米での収入が大きく伸びたことで(営業利益の90%以上は海外)、会社の営業利益は5年で約3倍、時価総額は約7倍に。
その実績をかわれ、2013年6月には39歳にして、DeNAの社外取締役に抜擢。
鳩山氏は一体、どのようにして桁外れの結果を出し続けているのか。
その秘訣を具体的に伝授。

「ハローキティ」の世界での活躍は、この方によるものだったとは!




【ポイント】

■1.新しい職場では、そこにある本と資料を全部読む
 私が三菱商事に入社したときは、まず職場の外部環境について、入社前に一通りの情報を洗い出してチェックしていました。(中略)
 入社後は、部署内にある本や資料すべてに目を通しました。周囲の人がみんな帰った後、会社に居残りして、キャビネットに並んでいる分厚いファイルや書籍などを読み漁ったのです。これは、自分がこれから仕事をしていく領域について学ばなければならないことを、できるだけ早く身につけるためです。


■2.専門家と対等に話ができるようになる
 どんな仕事にもいえることですが、自分自身が全体像をつかんでいない状態で、「現場のことはよくわからないから現場に任せる」「専門的なことは外部のプロに頼めばいい」という態度では、よい仕事はできないと思います。(中略)
 つねに「自分が責任を負うのだ」という強いコミットメントを持って仕事に臨んでいれば、わからないことがあったときに勉強することは自然に習慣化するはずなのです。


■3.スポーツ同様、仕事も日々のトレーニングを欠かさない
「仕事ができる社会人になりたい」と思ってセミナーに参加したりビジネス書を読んだりするのは悪いことではありませんが、すばらしいセミナーに行ったり優れた本を読んだりしたからといって、急に仕事ができるようになることはありません。
 本当に仕事力を高めたいなら、小さいことを毎日継続することです。
1日に1パーセントの変化を積み重ねれば、365日で1.01の365乗ですから、約37.8倍の変化となります。


■4.誰もやりたがらない仕事にこそ、チャンスがあると見抜く
 私は、チャンスはいろいろなところにたくさん落ちているものだと思っています。問題は、それに気づいてつかめるかどうか。チャンスに気づいてつかむために必要なことは何かといえば、それは「誰もやりたがらないことを、勇気を持って一歩踏み出してやってみる」ことなのです。
 みなさんも、一度振り返ってみてください。「もっとああすればいいのに、こうすればいいのに」と思いながら、「条件が悪いから」「環境がよくないから」「うまくいく可能性が低いから」といった理由をつけて放置していることはないでしょうか。実は、そこにこそ、大きなチャンスが落ちていることが多いのです。


■5.何もしないくらいなら失敗するほうがいい
 何もしなければ失敗しない、というのは、大きな間違いです。何もしないこと自体が、実はすでに大きな失敗なのです。
 何もしないくらいなら、失敗したほうがずっといいと思います。失敗からは学びを得ることができますし、周囲の人も、あがいたりもがいたりして失敗した人には、何らかの評価を与えるものでしょう。
 何もしなければ、学びはなく、評価も受けられません。
 読者のみなさんには、「失敗を恐れて何もしないことが、一番、自分を傷つけるのだ」ということを、ぜひ心に留めておいていただきたいと思います。


■6.用がなくとも顔を見せに行く
 知人の会社の近くにいて、少しでも時間があるなら、顔を見せに行くというのは、1つの貴重な機会なのです。立ち寄らずにすませてしまうのは、その機会を無駄にしているということですから、私にはとても違和感があります。
 こうした行動が1年、2年、3年と積み重なっていくと、「ご緑」に大きな違いが生まれます。


■7.周囲の支持を集めるリーダーシップを目指す
 ビジネススクールのリーダーシップの考え方に従えば、ビジネスにおいては有能な人材を集め、能力のない人はどんどん切ってチームを作っていけばいいということになります。現に、アメリカ企業ではこうした考え方が主流になっています。
 しかし、日本の企業にはこうした考えはなじみません。会社が危機的な状況にあるときなら「非常事態だから」と厳しい判断も受け入れられますが、平穏な状態に戻れば、多くの人の意見に耳を傾け、時間をかけて多くの支持を集めるようなリーダーシップで組織を変革していかなければ、組織運営が立ち行かなくなってしまいます。


【感想】

◆「三菱商事」や「ハーバードMBA」という肩書きは、類書の著者でも目にすることはありますが、「エイベックス」「サンリオ」といった辺りになると、この手の著者さんにしては稀な部類に入ると思います。

それだけに、どれほど変わった働き方をされらっしゃるのかと思って読み始めたところ、初っ端にあったのが、上記ポイントの1番目と2番目という事実。

通常、ビジネス書の類では、最初の方にその本のキモを持ってくるハズですから、要は本書というか、鳩山さんのスタイルは、かなりオーソドックスであるということ。

このような方ですから、当然仕事相手や訪問先の情報も「できるだけ詳しく調べて」臨むそうです。


◆こういったTIPSについては、第1章の「桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか」に収録されているもの。

ちなみにこの章には、ハーバードビジネススクール時代に、サンリオに誘われて入社した経緯も触れられています。

実は鳩山さんは、三菱商事時代に三菱商事とサンリオの提携を目指したものの、実現できなかったという過去がありました。

そこでハーバードでは、サンリオのビジネスを研究テーマに選択。

のちに米国法人で実践することになる「物販事業を縮小し、ライセンス事業にシフトする」という方向性に確信を持ちます。

鳩山さん曰く、「このときすでに、仮にサンリオの米国子会社を任されても困らないだけの十分な準備ができていた」とのこと。

それゆえに、留学中にサンリオの辻副社長から「米国法人のCOOにならないか」と突然誘われた時も、即決できたワケです。


◆そんな鳩山さんですが、エイベックスでは失敗も数多くあったとのこと。

そのうち、最も大きく失敗したプロジェクトが「イスラエルのIT企業と組んだ、3Dキャラクターが動くキャラクタービジネス」というものでした。

本書では具体的な名称が挙げられていないのですが、キーワードでググったところ、これらしい感じ。

ASCII.jp:エイベックス、オリジナルキャラクター“エポケ”の事業展開を開始――3Dアプリケーションソフトを無償提供

全 く 記 憶 に ご ざ い ま せ ん !

失敗の原因については、不可抗力的な部分も大きいのですが(詳細は本書を)、確かにエイベックスもよく最後までやらせたもんだな、と。

その後、鳩山さんは、この時の経験をサンリオのキャラクタービジネスに活かし、一方、エイベックスの社内でも、アーチストのグッズなどを手がける人材が育ったのだそう。

まさに上記ポイントの5番目の通りです。


◆ところで本書の第1章は、上記で挙げたように、本書それ自体のタイトルと同じ。

そして、上記で引用したポイントも、割愛した部分も含めて付箋を貼ったのも、この第1章が一番多かったです。

ですから、リアル書店でチェックするなら、まずここからを推奨。

最近は「あえて奇をてらう」ビジネススタイルで、売ろうとする本もありますが、本書は逆に「地に足着きすぎた(?)」1冊ではないかと。


「『世界のキティ』を実現させた働き方」に学ぶべし!

桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
第1章 桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか
第2章 不安をうまく利用するから、結果が出せる
第3章 人間関係をおろそかにすると、どんな努力も無駄になる
第4章 今の時間の使い方が、3カ月後の仕事の実績を左右する
第5章 現状に満足した瞬間、成長はストップする
第6章 私が新人の頃から徹底してきた仕事の基本


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【編集後記】

◆知らぬ間にこんな文具本が!?

文具自慢 (扶桑社ムック)
文具自慢 (扶桑社ムック)

ただし、いつも私が買っているようなカタログチックな本ではなくて、本当に「文具自慢」の本らしいですw


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