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2013年11月25日

【33のワザ?】『伝わる書き方』三谷宏治


伝わる書き方
伝わる書き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ボストンコンサルティンググループやアクセンチュアを経て、現在はビジネス・スクールで教授を勤める三谷宏治さんの最新刊。

文章術の本にしては珍しく、図解を駆使したユニークな作りである点も見逃せないところです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「切り分ける」「ムダを削ぐ」といった基本から、「根本的な問いを示す」「驚きから始める」などの読み手の心揺さぶる上級テクニックまでを網羅。
また、「“LINE"の成功の秘密をひと言でいうと?」「“日本国憲法"をわかりやすくすると?」など具体的で面白い事例が満載です。
大著『経営戦略全史』を送り出した著者でも、実は昔は書くのが苦手だった!?という意外な過去のエピソードも交えながら、豊富な図解でわかりやすく「伝わる書き方」が学べます。

収録された「3つの戦略」「33の技」とは?




【ポイント】

■1.簡潔なプレゼンテーションのように書く
 書き方のお手本を知りたいなら、実はプレゼンテーションが最適なのです。まずはTED.comにアクセスしましょう。(中略)
 でもそのスライド(書きモノや映像)を真似するわけではありません。真似すべきはトークそのものなのです。TEDはプレゼンテーションを「Talks」と呼んでいます。「お話」なのです。そのシンプルで「聴いてわかる」お話のように、書きましょう。そうすれば、あなたの意思や主張が「伝わる」のです。


■2.です・ます調にする
 文末が「だ」「である」で終わる「である調」は、書き言葉としては本来の形なので「常体」ともいいます。一方「です・ます調」は、もともと話し言葉であり、相手に話しかけるような調子があります。丁寧に聞こえるので「敬体」といいます。
 場合によってどちらを選んでもいいのですが、
・簡潔な表現を迫究するなら「である調」
・わかりやすさを追究するなら「です・ます調」
 と言えるでしょう。文章表現を易しくする、というこの節の目的から見るならば、「です・ます調」に挑戦です。文末が多少長くなったとしても、わかりやすさが上がるのであれば、OKです。


■3.大き目フォントで1行にまとめる
 使うフォントを大きくすることで、自動的に文章は短くなります。パワーポイントだったらへッドライン24ポイント以上、本文18ポイント以上が最低限の目標です。MSワードなら11ポイント以上に設定しましょう。余白は通常設定のままで。
 ビジネス文章は大部分が横書きですから、こうすることでA4用紙だと横1行が38文字になります。五・七・五・七・七の短歌が、旬間のスペースも含めれば35文字分ですから、ちょうど同じくらい。1文は、可能な限りこの1行に収めましょう。


■4.段落の頭に接続詞を付けてみる
 文章全体がいくつかの段落(=塊)でできているとすれば、その塊と塊の間のつながり、をハッキリさせましょう。ふつうにいえば接続詞です。(中略)
 ではとりあえず、全部の塊の頭に、接続詞を付けてみましょう。読んでみてどうですか? とても読みづらくなるはずです。
 その原因はだいたい、「構造自体のややこしさ」です。話が行ったり来たりすると逆接が多くなります。似たようなことを何度も書くと、並列や累加、選択が多くなります。
 接続詞を付けることでそれが確認できたら、構造上、行ったり来たりはなくして、逆接を減らしましょう。構造をシンプルにするのです(左図参照)。並列や累加が3つ以上続くなら、「第一に」「第二に」「最後に」とまとめてアドレッシングしましょう。塊間のつながりを接続詞で明示することで、構造のややこしさをまず明らかにし、そして減らすのです。


■5.素人や子どもに読んでもらう
 専門家以外の人に読んでもらう。これは私が「書きモノ」で必ず、やっていることでもあります。自分で書いたものへの自己批判は難しいものです。特に「わかりやすいかどうか」は、書いた当人にはなかなか判断がつきません。だから、素人さん(特に子どもたち)に読んでもらうことが、一番です。
 そのときの目的は3つです。
(1)全体メッセージが明確に伝わるかの確認「言いたいコトはわかる?」
(2)わかりづらいところを全部指摘してもらうこと「どこがわかりづらい?」
(3)興味を惹くかどうかの確認「面白い?」


■6.期待をつくって自ら壊す
 あるとき、どんな新しい「事実(ファクト)」を出してもクライアントが「当たり前だ。そんなの知ってる」としか言わないので、役員への中間報告では逆を言うことにしました。
「競合分析をしたら、御社はA社には勝っていてB社とは接戦でした」「市場分析をしたら関東が伸びていました」「顧客分析をしたら中聞層でだけ負けていました」
 全部その会社では常識と思われていた内容で、そのときも役員たちは「わかってる」の大合唱。でも最後、私はそれをひっくり返しました。
「というのは全部ウソ。分析したら逆でした」
 静まりかえる役員たち…。でも社長さんだけは笑ってくれました。バクチは成功したようです。


【感想】

◆ちょっと引用が長くなってしまったので、この辺で。

冒頭で挙げた「3つの戦略」については、アマゾンのページに明記されていましたねw
1.短く書く――伝えることを1行に絞り込む
2.構造化する――全体の中で迷わせない
3.波をつくる――読み手の心に寄り添う・揺らす
まず「短く書く」という点は、類書でも繰り返し言われていること。

本書では逆に「分かりにくい例」として、今年の1月のセンター試験で出題された小林秀雄氏の随筆(鐔(つば))を挙げています。

朝日新聞デジタル:小林秀雄のせい? センター試験国語平均点が大幅ダウン - 受験ニュース - 2013年度大学入試センター試験 - 教育

いきなり冒頭文が「97文字(句読点含む)」からなる1文から始まっており、確かに分かりにくいことこの上ナシ(上記記事に、実際の問題文のリンクが掲載されていますので、気になる方はご確認を)。


◆本書ではその冒頭文を分解するのですが、その際「中核(メイン)」を抜き出して、残りを「サブ」として扱うことを提唱(ちなみに、この「メイン以外の部分を、一段下げてメインの下に付ける」ことを「サブに落とす」と呼んでいます)。

先日ご紹介した、この本とも通じるやり方ですね。

論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)
論理が伝わる 世界標準の「書く技術」 (ブルーバックス)

参考記事:【文章術】『論理が伝わる 世界標準の「書く技術」』倉島保美(2012年12月04日)

なお、この作業を行うときに便利なのが、MSワードにもある「アウトライン機能」。

アウトライン機能で文書の構成をたてる《Word2007即効テクニック》

本書もこの「アウトライン機能」を用いて執筆されているようですし、「今さらワードなんて」という方も、この機能は活用してみると良いかと。


◆本書では上記の小林秀雄氏だけでなく、ユニークな題材を例として取り上げており、上記「3つの戦略」の2番目「構造化する」では、「いろは歌」を調理。

まずは塊に分解し、それぞれの塊にネーミング。

最後にキーメッセージを設定する……と、たった47文字の文章でも、さらに「分かりやすく」しています。

もちろん、こうした「非ビジネスネタ」だけでなく、一般的な文章(報告書、ビジネスメール等)も登場しますのでご安心下さい。


◆最初の2つに比べて、最後の戦略である「波をつくる」は、少々「上級テクニック」のような。

実際、本書でも「ハイリスク・ハイリターン」と言われているくらいです。

例えば、上記6番目のポイントの事例も、社長さんが笑ってくれたからいいようなものの、その後重苦しい沈黙に包まれたらどうなっていたことやら。

本書では「ケーススタディ 刺さるたとえ話」として、三谷さんの上司がクライアントに投げかけた言葉が登場しているのですが、これらもかなり「劇薬」でした。

この部分こそ、まさに本書にてキチンとご確認して頂きたく。


◆なお、本書は、冒頭の「内容紹介」にもあるように、図解が豊富です。

その図もポンチ図とかではなく、プレゼンの資料並みに作り込まれたモノであるのは良いのですが、そのほとんどが横書き。

一方、本文は通常の縦書きスタイルなので、どうせなら全て左開きの横書きにした方が、作りとして自然だったかもしれません。

ただ、左開きの本の読みにくさを考えると、やはりこれで良かったのだと、勝手にあれこれ考えてみたりw

図解が多い本は、当ブログのスタイル的に、その魅力を表現しにくいだけに、読者さんに想いが伝わったのか気になるところですが、個人的にはツボでした!


普通の文章術の本とは、ひと味違います!

伝わる書き方
伝わる書き方
序章 なぜ書いても書いても伝わらないのか
第1章 短く書く―絞り込む!
第2章 構造化する―5つの型で迷わせない
第3章 波をつくる―読み手の心に寄り添う・揺らす
エピローグ 学びを技に変えるために


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【文章術】『文は一行目から書かなくていい』藤原智美(2011年06月06日)


【編集後記】

◆何やらこんな本が登場するようです!

情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版]
情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版]

「全面改訂版のため、以前読まれた方でも十分楽しめる内容になっています」とのことですから、「100円ノート」ファンの方は要チェックで!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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