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2013年11月19日

【対ベルギー戦直前!】『日本代表がW杯で優勝する日』中西哲生


日本代表がW 杯で優勝する日 (朝日新書)
日本代表がW 杯で優勝する日 (朝日新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、スポーツジャーナリスト・中西哲生さんが、その主戦場であるサッカーについて論じた1冊。

どう考えても、10月のセルビア戦、ベラルーシ戦の前に書かれたとしか思えないテーマゆえ、買ってはみたものの積読状態だったのですが、先日のオランダ戦を観て、手のひら返しましたww

    / ̄ ̄ ̄\   くるっ
   / \   / \    n∩n彡
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アマゾンの内容紹介から。
列強を破るために、日本サッカーに必要なこととは?戦術、細やかなテクニック論から精神力の鍛え方まで、来るべき「その日」のための具体的なビジョンを伝授する。日本サッカー界のカリスマとの対談も必読!

ベルギー戦の結果いかんによっては、再度世論がひっくり返りかねないので、速攻でレビューしてみますw




【ポイント】

■1.試合に出られなくとも海外にいる意義はある
ゲーム形式の練習で、プレミアリーグで4度の得点王を獲得したアンリと対峙する瞬間があったが、抜かれるというより「風のように通り抜けていっただけ」だった。足を出せる瞬間が全くなかった。1998年W杯フランス大会で、フランスの優勝メンバーだったビエラのスライディングも「どれだけ守備範囲が広いんだ?」というくらいの深さだった。ただ何日か一緒にプレーしていると選手のスピードにも目が慣れて、何となく少しはやれてくる。試合に出られないとしても、そういうところで日々練習している意味は大きいのだ。


■2.キレと回転でゴールを挙げる岡崎
よく見ると、岡崎はゴールを背にした格好で、左足でトラップしながら、軸足の右足を細かく何度か踏み替え、つま先を時計の針のように回転させていた。そうやって素早く右足の軸をゴールの方向に回転移動させたことで相手DFに反応の間を与えず、シュートを打つことができたのだ。これまでの日本人は軸の方向を変えることがあまり得意ではなかったが、岡崎は回転移動に必要な軸の方向の踏み替えが抜群にうまい。



■3.自分で仕掛ける「一人称」のプレーをする
 長友の話に戻れば、当初、エトーやスナイダーはかなりプレッシャーの厳しい状態で、長友からのパスを受けていた。それは長友が一人称のドリプルで仕掛けてからパスを出すのではなく、誰かに預けてもう一度受けようとする二人称のプレーになっていたからである。それによって彼らもいいパスを出せないし、長友もいいパスを受けられなかった。しかし、長友がリスクを冒してボールを運ぶことによって、彼らは選択肢のある状態でボールを受けられる。それによって、長友はいいパスを受けられる可能性が高まるのだ。
 そういう状況になって、長友のプレーが輝き出した。


■4.ゴールの8割は曲線を描くシュート
 2008年EUROをみると、全77ゴールのうち、へディングによる16点を除くと、曲げたり、柔らかく蹴ったシュートが48点と79%を占め、強烈なストレート系のシュートは13点に過ぎなかった。現代サッカーはGKのレべルが上がり、強烈であっても直線的な弾道のシュートは入りづらくなっているということだ。
 強いシュートなら入る、というのは幻想であって、実際に決まっているのは、柔らかくて精度の高いシュートや曲げるシュートだ。これは、日本人でも蹴ることが可能なシュートなのだ。


■5.軸足を地面から離してトラップする遠藤
 実際に試してみるとわかるが、軸足が地面についたまま止めると、足をボールの速度に合わせてタイミング良く引かないとボールは大きく跳ね返る。ただ軸足を地面から離し、体全体が浮いていれば、ボールは体に吸収されて跳ね返りが弱まる。(中略)
 もちろん、それだけでなく、ボールと同じスピードで足を引かなければ止まらない場合もある。ジャンプと足を引くこと。その2つでボールの勢いを吸収することが「タッチの柔らかさ」にもつながるわけだ。遠藤と香川はその両方ができていて、ボールの回転やピッチの状況によって、どちらを使うかを無意識にコントロールしている。


■6.「緩いクロス」「高いクロス」もダメではない
 また、ともすれば「何でそんなボールを上げるのか」と言われがちな緩いクロス、高いクロスも、一概にはダメとは言い切れない。受け手がうまい選手であればゴールにする可能性を高められる。ゴール中央に到達するまで時間がかかるため、受け手が動き直すことができるからだ。またDFは滞空時間が長いと、ボールを目で追いがちになる。ボールを目で追うということは、マークを外しやすい。つまり受け手が動き直したり、長い助走からDFの前で触ったりすれば、十分に点が取れるということだ。


■7.フィジカルコンディションと試合勘が重要
 フィジカルコンディションや試合勘と、相手や味方のフォーメーション、選手の配置によって左右されたりする調子の善し悪しとは、分けて考える必要がある。フィジカルコンディション、試合勘が整っていれば、ここまでは調子が良くなるという範囲は広がり、それらが整っていなければ、調子の良さの上限は低くなるわけだ。コンディションと試合勘が備わってこそ、プレーの調子は上がる。まずは大前提のコンディションと試合勘が非常に重要で、それに比べれば個々の選手の調子の善し悪しの幅は小さい。


【感想】

◆冒頭で「手のひら返し」について触れましたが、これは何も私だけの話ではありません(言い訳w)。

実際、先日のオランダ戦の前までは、ザッケローニジャパンに対して、楽観的に考えていた人は少なかったハズ。

これは本田選手個人に対してですが、2ちゃんねるのまとめサイトにも、こんなものが。

サッカーミックスジュース : 【信じてた!】オランダ戦で活躍した本田への掌返しが凄い件

思い返せば、ロンドン五輪、さらにはその前の南アフリカW杯の時も、直前まではものすごい悲観論が蔓延していたワケなのですが。


◆本書のまえがきでは、今年6月のコンフェデレーションカップの対イタリア戦について言及されています。

本書の著者である中西さんも、この試合を観て「日本がいつかW杯で優勝できるとの想いを強くした」のだそう。



2-0のリードから、最終的には3-4で負けたものの、この試合での日本代表は、確かにイタリア代表に対して、一歩も引かない健闘ぶりを見せました。

ただし、前の試合からの日程が、イタリア代表が中2日で日本代表より1日少なく、ヘロヘロだったのも事実です。

藤田俊哉さんに言わせると、中2日だと「ベストパフォーマンスの半分も出せずに戦う感じ」なのだとか。

イタリアは中2日 疲れていたから.../コンフェデ杯 - 藤田俊哉ノート : nikkansports.com


◆ところが、今度のベルギー戦は、わが日本代表が中2日なんですがww

本田選手も、真っ先に(?)「ポイントになるのは中2日ということ」と発言。

完全アウェーのベルギー戦へ本田「勝算はある」 | ゲキサカ[講談社]

そもそも上記ポイントの最後でも、中西さんご自身が「フィジカルコンディションが大事」と言われているではありませんかww

一方のベルギー代表は、ホームで0-2で負けたコロンビア戦から中4日です。

個々の選手の能力から言ったら、ベルギー代表の方がはるかに上なのに、この日程。

これはチンチンにやられても、何ら不思議はありませぬ(涙目)。

……と、先に予防線を張っておくテストww


◆なお本書は、朝日新聞デジタル版で50回以上に渡って中西さんが連載しているコラム「SPORTS 日本ヂカラ」をもとに加筆・修正したもの。

中西哲生 日本ヂカラ一覧 - スポーツ:朝日新聞デジタル

有料コンテンツなので、既読の方は少ないかもしれません(私も未読でした)。

中西さんは、現役時代から理論派だった記憶がありますが、本書でも、現役選手の中では理論派として知られる、中村俊輔選手、遠藤保仁選手とそれぞれ対談。

また、上記ポイントの2番目の岡崎選手のプレーの分析のように、元選手らしい観察眼も本書の読みどころのひとつかと。


この速さなら言える、「日本代表はW杯で(いつかは)優勝できる(かもしれない)!」


日本代表がW 杯で優勝する日 (朝日新書)
日本代表がW 杯で優勝する日 (朝日新書)
第1章 W杯優勝は、無謀な夢ではない
第2章 日本代表が秘めた知られざる強み
特別対談1 中村俊輔―これからの日本に必要な選手・指導者
第3章 フットボール・インテリジェンスを持て
第4章 W杯優勝のための真の課題
第5章 W杯優勝挑戦元年としての2014年
特別対談2 遠藤保仁―自分たちの一つのプレーが未来につながる


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【編集後記】

◆まだ予約段階なのですが、この本は面白そう。

セレッソ・アイデンティティ 育成型クラブが歩んできた20年
セレッソ・アイデンティティ 育成型クラブが歩んできた20年

香川選手を初めとして、乾選手、清武選手、柿谷選手、山口蛍選手といった面々も登場する(と思われる)セレッソ本です!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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