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2013年10月10日

【スゴ本!?】『ルールを変える思考法』川上量生


ルールを変える思考法 (角川EPUB選書)
ルールを変える思考法 (角川EPUB選書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「kawango」こと、ドワンゴ代表取締役会長、川上量生さん初の単著。

川上さんも、てっきりアスキー新書あたりから出されるかと思いきや、新創刊された角川EPUB選書の第一弾ラインナップとして登場です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
会員数3000万人を擁する「ニコニコ動画」をはじめ、「ブロマガ」「ニコニコ超会議」など、常に注目を集めるサービスやイベントを生み出し続けるドワンゴ。
GoogleやAmazon、アップルとは全く異なる路線で、同社が数千万人の人々を惹きつけるのはなぜか? (中略)
異色の経営者として名を馳せる一方、スタジオジブリに「見習い」として入社し、鈴木敏夫プロデューサーの鞄持ちになるなど、独自の発想で知られる川上氏の思考法・経営戦略・コンテンツ戦略をまとめた一冊。

川上さんのご本ならそうなるだろうと読む前から思ってましたが、当然付箋も貼りまくりました!




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【ポイント】

■1.ルールは自分が有利なように変えるもの
「自分が有利なルールを考え、実現する」という能力は、テレビゲームでは非常に身につけにくいのです。なぜなら、テレビゲームのルールは、コンピューターの内部に格納されているプログラムによって、あらかじめ決められているからです。
 テレビゲームをやっていると、「ゲームルールは天から降ってきたもので、みんなが守るものだ」という世界観になってしまいます。そうではなく、ルールとは「変えられるもの」です。それも、自分が有利なようにルールを変えることこそ、現実社会での競争の必勝法なのです。


■2.すべてのビジネスは「時代性」と向き合う必要がある
 アニメの世界でもゲームの世界でも、ほかのビジネスの世界でも同じことですが、「時代性」とはしっかりと向き合っていくべきです。(中略)
 時代性を克服する方法として、SNS系サービスでは、Facebookのような実名べースのサービスにすることは、比較的、効果があるとはいえそうです。
 現実との関わりが薄いサービスであれば、飽きたらすぐにやめてしまう。しかし、実名によって他者との関係性をつくっていた場合には、そのコンテンツに飽きたときにも使用をやめない人は多いと考えられます。メールアドレスや携帯電話の番号は、簡単には変えず、いつまでも使い続けるのと同じです。


■3.人の感情を動かすのは「わかりそうでわからないもの」
 たとえば、いつもの草原を歩いているとき、後ろの草むらから何か聞き慣れない物音がした。見つけたキノコの色がいつも食べているものと微妙に違う気がする。
 それらが気になるか気にならないか、興味を持つか持たないか、そうしたことで人間の生存率は大きく違ったのではないでしょうか。
 人間は「わかりそうでわからないことが気になって興味を持つ」という本能を進化の過程で獲得したんじゃないか、それがコンテンツに興味を持つ源泉じゃないかというのが、僕の仮説なのです。


■4.ビジネスを始めるときは「格好いい物語になるか」を考える
 これまで僕は、何かの仕事を始めるときには必ず、それが"格好いい物語になるか"を考えながらビジネスプランを練ってきました。
 それはつまり、これからやろうとしているビジネスが「社会や業界にどんな意味や役割を持っているか」、あるいはそれが「歴史的に見てどういう意義が見出せるものか」を考えるということです。
 大きな仕事をしている人たちはたいてい、ビジネスの上で何か大切にしているものがあると思います。しかし、「何を大切にするか」という部分において、僕の考え方は少し特殊なのかもしれません。


■5.ブロマガは更新や変化を続けていくコンテンツ
 いま、パッケージビジネスが厳しくなっている背景には、違法コピーの問題があります。商品をデジタルコピーすれば、ほぼ同じものができてしまうのに、それに対抗するガードが脆弱なので、商品力が弱まっているわけです。
 しかし、コピーというものは、"静的な状態"に対して行うのが基本になるので、どんどん変化を続けていくものには対応できません。だからこそ、「更新や変化を続けていくコンテンツ」というものは、デジタル時代、クラウド時代におけるビジネスの鍵を握ることにもなるのです。
 そんな未来型の電子書籍と、ブログやメルマガなどをひとつにしたようなプラットフォームが「できないかな」「あったらいいな」と考えたことが、ブロマガというサービスを考える出発点になっていました。


■6.ユーザーが飽きる前にフル
「フラれる前にフッてしまう」
 恋愛において自分が傷つかないようにするためのそんなテクニックを応用するのも、ひとつの方法です。
 つまり、ユーザーが飽きる前にフッてしまうということです。
 現状のサービスがまだ十分に楽しんでもらえているのに、次のサービスへと移行していく。そういうかたちで、いい意味でユーザーを裏切り続けていれば、「もう飽きた」とはなかなかなりません。


■7.「2つの世界」を知っている人間がいちばん強い
 アナログかデジタルかということに限らず、どんなジャンル、どんな業界においても、両方の世界を知っている端境期の世代が最も有利で強い。僕はそう考えています。
 両方を知っていれば、選択肢も増えることになるのですから、それも当然です。スティーブ・ジョブズがなぜあれだけ偉大な業績を残せたのかといえば、端境期の人間であったということも作用していたはずです。
 生まれながらにして、身近にパソコンやインターネットがあった世代のことを、「デジタルネイティブ」と呼ぶこともありますが、自分でそう名乗るような人たちは、かつてのアナログ時代を全否定しがちです。しかし、それは大きな間違いだと僕は思います。


【感想】

◆元々川上さんの存在を意識するようになったのは、この記事からでした。

ユーザサポートでめちゃくちゃ感謝された経験について話す - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記 ユーザサポートでめちゃくちゃ感謝された経験について話す - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記

この中に出てくる、「苦情の電話が殺到している時に、2回線のサポート電話を1回線に減らして、浮いた1人とマニュアルを作り直した」というクダリには痺れた記憶が。

いやー、これが2009年6月ですから、4年以上も前のことですか。

ついでに続編であるこの記事も、マーケティング的感覚がスゴイ!

くそなモデムがバカ売れした理由についても話す - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記 くそなモデムがバカ売れした理由についても話す - はてなポイント3万を使い切るまで死なない日記

当時から、この人が本を書いたら、絶対に読みたい、と思っていたわけです。


◆そして、その望みは、この本で一部叶えられました。

ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)
ニコニコ動画が未来をつくる ドワンゴ物語 (アスキー新書)

参考記事:【オススメ】「ニコニコ動画が未来を作る」佐々木俊尚:(2009年12月09日)

サブタイトルが「ドワンゴ物語」というだけあって、上記リンク先の川上さんのモデムの件から、ドワンゴ誕生、さらにはニコニコ動画が始まる前の、ケータイゲームや着メロ事業のお話についても詳しいです。

ただ、一応著者が佐々木俊尚さんである以上、バイアスはかかっているでしょうし、ご本人の書かれる本であれば、この辺りをもっと掘り下げているのかと思いきや、本書ではその辺についてはバッサリとカット!?

ほぼ全てニコニコ動画以降と、川上さんのゲーマーライフが中心となっています。

というのも、本書は「4Gamers.net」で掲載されていたこちらの連載記事をベースにしているから。

ゲーマーはもっと経営者を目指すべき! - 4Gamer.net


◆もともとドワンゴは、立ち上げ時に「廃ゲーマー」を大量に迎え入れていたくらいですから、川上さんもかなりのゲーマーでした。

本書の中でも、「Ultima Online」のサービス開始時に3日間、不眠不休でプレイしたものの、すでに自身が会社経営者であったため「このままでは会社が潰れる」と、アンインストールしたことを悔いてらっしゃいます。

曰く「人生をやり直すことができるなら、起業なんかしないで Ulitima Onlineをとことん遊びたかった」

なんぞそれww

本書では第4章にて、川上さんがドワンゴでいかに『ブラウザ三国志』に取り組んできたか(「会社ぐるみ」でw)が記されているのですが、ゲームをやったことがない私からすると、「この会社大丈夫か!?」としか言いようがないくらいのクレージーぶりです(「資金投入は給与の2割までは認める」とかw)。

ここと、第5章の「川上さんとドワンゴ黎明期のゲーマー社員である中野 真さん&佐野将基さんとの鼎談」は、ゲーマーの方からしたら、たまらないかもしれませんね。


◆ただし、私が個人的に響いたのは、川上さんの子どもの頃の「ボードゲーム」のお話。

川上さんは「戦国大名」というゲームにおいて、対戦相手をゲーム専門誌で募集し、画期的なやり方で「ルールをカスタマイズ」する(詳細は本書を!)のですが、それがやがて流行っていくのを見て感動したのだそう。

その原体験こそが、川上さんの「現実のゲーム」としての初めての勝利であり、その後の活躍のベースとなった模様。

なるほど、本書のタイトルでもある「ルールを変える思考法」は、この頃から養われていたのだな、と。


◆ちなみに本書は、丸善オアゾの田中さんもオススメされています。

上記のHONZの記事で田中さん曰く、「YouTubeという動画サイトの巨人を相手に、ニコニコ動画がどういう戦略で戦い、いまの地位を築くことができたのか。その辺りにとても興味があるので、読むのが楽しみである」とのこと。

もちろん本書では、その辺についても触れられていますので、ご安心を。

ただし、上記でも申しあげたように、ゲームネタの部分は、ゲーム素人の私には少々キツかったです。

どうせなら川上さんのブログの記事再構成して突っ込んでくれても良かった(ry

……まーね、川上さんだけじゃなくて、著名経営者でもハマった方いましたけどねw

小野和俊のブログ:人生で必要な知恵はすべてブラウザ三国志で学んだ


コンテンツビジネスに興味のある方ならマストです!

ルールを変える思考法 (角川EPUB選書)
ルールを変える思考法 (角川EPUB選書)
第1章 いちばんリアルなゲームは「現実世界」で見つかる
第2章 ビジネスというゲームで大切なこと
第3章 人を惹きつけるコンテンツのつくり方
第4章 マネジメントで大切なことは、ゲームが教えてくれた
第5章 特別鼎談―ゲームがうまい人間は頭がいいのか
第6章 ネットの発達は、人間をこう変えていく
第7章 「できるかもしれない」と思うことからすべては始まる


【関連記事】

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【データ分析】『データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」』ディミトリ・マークス,ポール・ブラウン(2013年04月04日)

【スゴ本!】『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』(2013年01月26日)

【クリエイティブ】『「企み」の仕事術』阿久 悠(2012年06月05日)

【アイデア】『自分だけにしか思いつかないアイデアを見つける方法』米光一成(2010年12月27日)

【スゴ本】「ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ」桝田省治(2010年03月21日)


【編集後記】

◆同じ角川EPUB選書から。

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)
アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

こちらも面白そうです!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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