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2013年10月08日

【受験】『受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る』林 修


受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る
受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「いつやるか?今でしょう!」でお馴染みの、東進ハイスクール 現代文講師・林 修さんの最新刊。

「受験」をメインテーマにインタビューを受けたものを構成したのが本書になります。

アマゾンの内容紹介から。
夢を追いかけて勉強を重ねる現役の受験生、受験を終えてその意味を考えたい元受験生、受験生の子どもを持つ親世代、教育に携わる先生たち…受験の意義を問うすべての人々に捧げる真剣メッセージ!灘校・英語教諭木村達哉先生とのスペシャル対談も収録。

今回は特に「受験術」的な部分を中心にまとめてみました!


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【ポイント】

■1.受験前1ヵ月を全力で頑張る
 でも、この話で本当に伝えたいことは、『ひと月頑張れるということは実はすごいことで、ひと月頑張れる人は1年頑張れる。1年頑張れる人は、それを積み重ねて10年頑張れる。10年頑張れる人は結局、一生頑張れる』ということなんです。
 ひと月ならば俺は頑張れるぞ、いけるぞという自信を持つことは、結局、一生俺は頑張れるぞ、いけるぞという自信の基礎になるんです。それを持てるかどうかのチャンスがこのひと月の頑張りにあるし、それが実は大変な差を生むんだよ、というふうに生徒を励ましているんです。


■2.受験勉強は「創造」と「解決」の能力を高める
 僕は(受験勉強は)、『創造』と『解決』、この2つの能力を高めることに尽きると考えています。社会に出ると、理系の場合は特に、いかに新しいものを作り出していけるかという『創造』力が必要です。一方、文系では社会で起きている問題を『解決』する力が求められる場合が多いでしょう(もちろん、文・理ともに両方の要素を求められますが)。受験というのは、それを鍛える基礎練習になる部分が大きいと考えています。
 社会に出ると、受験とは違って、答えが1つかどうか、いやそれ以前に答えがあるかどうかもわからない『問題』を解かねばなりません。それでも、受験という答えのある問題を解く練習をする中で、答えのない問題を解ける基礎ができる部分もあるのです。


■3.結果が出る科目を作る
 好きというよりは、結果が出る科目ですね。まず結果が出る科目で勝てるようになることが大事です。結果が出ると自信になりますし、やはり1科目も自信が持てないとつらいですよ。不得意なものは不得意なくらいですから、伸びにくいんです。実は、全科目を完璧に仕上げなければ受からないという大学は、案外少ないんです。多少、不得意な科目があっても、一科目入試でもない限り、取れるところを取れば受かるんです。勉強はとにかく得意科目優先でいいと思います。


■4.本気でやっても成績が上がらない理由
 整理しましょう。
 まず、本人はやっているつもりでも、実は単純に量が足りない場合があります。そして、仮に量的には十分であっても、その基礎が抜けていて、実は身になっていないという場合もあります。さらに、単に成果が出るには時間がかかっているだけという場合もあります。こういう見極めを、本来なら教師側が行なわなければならないということになるでしょうね。


■5.受験勉強は「やろう」と思ったら直ちに始める
『受験にはフライングもスピード違反もない』。これは常々僕が生徒に語っていることです。小説『大地』の著者であるパール・バックの言葉に、『私は気分が乗ってくるのを待つことはない。そんなことをしていたら、何もできない。何よりも大切なことは、まず着手すべきことを知るべきだ』というのがあります。本当にそのとおりなんですよ。ただ、ちょっと長いので、これをひと言でいうと『いつやるか? 今でしょ!』ってことになります(笑)。気が乗らないとかどうのこうの言っているようでは、ダメなんです。やるかやらないかというより、今やるだけなんです。『やれるかな?』と迷うようなことは、まずやれるんです。やろう、と思ったら遅疑逡巡せず、直ちに始めてください。


■6.彼氏、彼女はいらない
 率直に言えば、持たない方がいいですよ。特に男子は。女子は、どこかで冷静に計算している部分がありますが、男子は本当に舞い上がってしまいますから。多くの『カップル』を見てきましたが、女子だけが受かったというケースが圧倒的に多かったです。それに、そもそも人生には、禁欲を貫くことで成長できる時期があると思うんです。そしてそれが受験期であるとも。


■7.馴れ合いから飛び出す
 やめたらいいのにと思う付き合いは、男に多い、学生時代からの気の許せる仲間たち。建設的な話をする仲間ならいいんですが、そういう集まりは非常に少ない。圧倒的に多いのは、『いつもの店で、いつもの仲間と、いつもの話』……男は、本当に、同じ話を何度も何度もするんです。でも、そこから生まれるものは何もない。そういう馴れ合いのぬるま湯から飛び出せば人生は変わっていくかもしれないのに、居心地のよさを放棄できる人は少ないんです。


【感想】

◆以上、本書の中で「受験勉強」に活用できそうな部分でした。

もちろん、本書は純粋な勉強本ではないので、単純に「勉強法」や「受験術」のみを期待されるとちょっと辛いところ。

また、「受験術」も「大学受験」の話がメインとなるので、私たち社会人の資格試験の勉強には、そのまま実践しにくいものも事実です。

特に私の場合、付属高校上がりで大学受験をしていないため、実質的な受験経験は高校受験を除けば税理士試験のみなのですが、それでも「なるほど」と思うところはありました。


◆例えば上記ポイントの1番目の「受験1ヵ月前」の頑張りの件。

税理士試験は、本試験の1ヵ月ほど前に最後の全国レベルの模試が行われるのですが、その科目の初年度受験生の場合、最後の1ヵ月でグーンと伸びることが多々あるため、たとえその模試の結果がイマイチであったとしても、巻き返すことは十分可能です(順位にもよりますがw)。

逆に、古参受験生は、この1ヵ月での急激な伸びは見込めないのに、本試験前1ヵ月時点での順位を過信して、最後の最後でまくられてしまうということもあるわけでして。

ですから私も、2年目以降受験する際は、この全国模試で圧倒的な成果を修められるよう、必死に勉強したものです。

もちろん、最後の1ヵ月もそのレベルを維持する必要はあったので、結局1年目もそれ以降も、最後の1ヵ月は「ガチ」で勉強した記憶が。


◆同じように「そうそう」と思ったのが上記ポイントの6番目のお話で、私の周りでも、「女性のみ合格」というケースが圧倒的でした。

というより、逆に「男性のみ合格」というケースを見たことがありません。

実力が足りなくて2人とも落ちるか、めでたく2人とも合格することはあっても、「男性のみ合格」のケースは皆無。

他の資格試験がどうかは知らないのですが(スイマセン)、大学受験同様、男性にとっては「恋愛はご法度」でした。

私も当然、受験期間中は恋愛を封印したものです。

「モ、モテなかったからそういうこと言うんじゃないんだからね!」


◆また、意外だったのが、例のキャッチフレーズから、林先生が「アツい」人だと思っていたのが、結構「クール」だったこと。

上記ポイントの7番目も「友だちは少なくていい」というお話からですし、仕事の喜びも「ない」と断言しています。

しかも、合格後にお礼に来る生徒に対して「あまり好きではない」とキッパリ。

というのも、合格した生徒にとっては、予備校は「居心地のいい思い出の場所」であり、お礼を隠れ蓑とした「自慢」であるときすらある、と。

それよりも、予備校の授業という「商品」の購入を可能にしてくれた「両親」にお礼を言えば十分、と言うクダリには、ハッとさせられました。


◆もっとも、もともと林先生は、東進では当初数学の講師をやるハズだったところ、「他の講師に勝てる分野」ということで急遽現代文の講師に転身したというお方です。

先生曰く「やりたい仕事ではなく、やるべき仕事を、そして『勝てる』仕事を選ぶ」。

まさにマーケティング的な思考法そのものですよ。

実際、本書の中でも、ご自身のことや、東大のこと、さらには受験や教育に関して、淡々とロジカルに述べられていました。

……このCM拝見する限りでは、そんなこと考えてるようには見えないのですがw




「いつ読むの? 今でしょう!」←お約束w

受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る
受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る
第1章 受験とは何か?
第2章 林修式・超実践的受験術
第3章 僕の受験生時代
第4章 東京大学は一番いい大学か
第5章 予備校講師としての責任


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【和田版「ドラゴン桜」?】「受験のシンデレラ」和田秀樹(2008年09月05日)


【編集後記】

◆林先生が「50回くらい読んだ」という「影響を受けた」本。

戦略的思考とは何か (中公新書 (700))
戦略的思考とは何か (中公新書 (700))

どうも林先生絡みで、新刊は在庫切れのようです。


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