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2013年10月03日

【暗算】『ビジネスで差がつく計算力の鍛え方』小杉拓也


ビジネスで差がつく計算力の鍛え方―――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック
ビジネスで差がつく計算力の鍛え方―――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ビジネスパーソンにとっての必須能力である「計算力」を高めてくれる1冊。

厳密には、「計算力」というより「暗算力」が向上すること必至だと思われ。

アマゾンの内容紹介から。
上司から「前期の営業利益は8億円だったが、後期は11億で着地しそうだ」と言われたとき、瞬時に「37・5%アップですね!」と言えますか?あなたも一瞬で答えが出せる!今日から電卓いらず!

暗算が苦手な方なら要チェックです!


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【ポイント】

■1. 5の倍数×2の倍数の暗算法
5の倍数と2の倍数のかけ算は暗算できるのです。では、その方法をさっそく解説していきましょう。
(例)35×18

  35×18         18を2×9に分解する
=35×2×9       35×2を暗算する
=70×9
=630
 このように、2の倍数(例では18)を2×□に分解すると暗算で解くことができます。例えば、15×28ならば、28を2×14に分解し、15と2をかけて30、その30と14をかけて420と暗算できるわけです。


■2. 2ケタ×1ケタのかけ算は分配法則で
 先に挙げた部長と社員の会話では、社員は「35万円×7」を瞬時に暗算で答えています。分配法則を使えば、35×7は次のように解くことができます。
  35×7        35を30+5に変形する
=(30+5)×7     どちらにも7をかけてたす
=30×7+5×7
=245
 35×7をそのまま暗算するのは大変ですが、35を30+5に変形して分配法則を使って解けば、計算が楽になります。そして途中式を頭の中で計算できるようになれば暗算でも解けるようになるのです。


■3. 2ケタ×11は一瞬で計算できる
 人事部長と人材会社の社員での会話で人材会社の社員は、27×11=297と暗算しています。このような「2ケタ×11」のパターンは一瞬で暗算できます。27の十の位の2が答えの百の位になり、一の位の7が答えの一の位になります。そして、2と7をたした9が答えの十の位になるのです。
 27×11=297


■4. 25で割ることは、4倍して100で割ることと同じ
 5でわることは、2倍して10でわることと同じであることは既述しましたが、25でわることは、4倍して100でわることと同じであることもおさえておきましょう。
 会話の例では、210÷25=8.4を課長が暗算し、8.4万円→8万4千円であると瞬時に求めています。25でわることは、 4倍して100でわることと同じであることを知っていれば、次のようにかんたんに計算できます。
  210+25
=210×4÷100 (4倍して100でわる)
=840÷100=8.4


■5. 1000から引き算する方法
(ポイント)1000から数を引くということは、 999からその数を引いて後で1をたすことと同じである
 例えば、10000−8214の計算なら、9999から8214を引いて1785とした後に、それに1をたして1786とすればよいのです。


■6. 何の倍数か一瞬で見分ける「倍数判定法」
●6の倍数の見分け方
 2の倍数と3の倍数の判定法がどちらも成り立つとき。つまり、一の位が偶数で、すべての位の和が3の倍数になるとき

 例えば7308は一の位が偶数の8で、すべての位の和が7+3+0+8=18で3の倍数となるので、7308は6の倍数である。

●11の倍数の見分け方
 それぞれの位の数を交互に引いたりたしたりした結果が0か11の倍数のとき

 例えば9295のそれぞれの位の数を交互に引いたりたしたりすると
 9−2+9−5=11であるから、9295は11の倍数である。


【感想】

◆ボリュームが多くなってしまったので、この辺で。

こうした数式を多用した作品は、ブログでレビューするのが難しいのを改めて痛感しました。

実際、付箋は貼ったものの、引用しにくい、という理由でカットしたものもチラホラ。

そうなってくると、お馴染みの表現ではありますが、「詳しくは本書にて」としか言いようがありません。

もっとも、わざわざ「書店でチェックしたい」ですとか「買ってもいい」と思って頂くためには、ブログで頑張るしかないのですが。


◆さて本書は、さすがダイヤモンド社さんのご本だけあって、紹介するTIPSが、ことごとく「ビジネスネタ」に結び付けられています。

これが新書だったら、単純にテクニックの紹介だけで済むようなところ、節ごとに事例が会話形式で登場。

その中で、計算力のある人物が、あっつーまに暗算で計算して「『それは〜ですね!』(`・ω・´)キリッ」となるワケですw

確かに、発言内容に数字があった方が説得力が増す、というお話は、今までご紹介してきた書籍にも多々ありましたし、この機会に計算力を身につけてもよいカモ。


◆ということで、その内容ですが、まず「特定の条件下のみで活かせるもの」と「それ以外」に分けられます。

前者は、上記ポイントで言うと1番目、3番目、4番目、6番目辺り。

これらは、「知っていれば得することもある」程度の話とはいえ、知らない場合と比べたら、暗算スピードが桁違いに速くなります。

……問題は、頻繁に使わない分、肝心の時に覚えていない可能性が高いことでしょうかw


◆後者の「それ以外」のTIPSは、今回あまりとりあげませんでしたが、

・ざっくり概算する方法

・小数点のある計算が素早くできる方法

・計算ミスをすぐに見つける「九去(きゅうきょ)法」


あたりも身につけておきたいところです(詳細は本書を)。

このうち、最後の「九去法」は、加減乗除のすべてについて20ページ以上も費やして解説しており、ある意味本書のキモかと。

ただ、これも、上記で申しあげたように引用しにくいパターン(矢印を多用)だったので、断念せざるを得ませんでした(申し訳ございません)。


◆ところで、当ブログでは以前この本をご紹介しております。

暗算力を身につける (PHPサイエンス・ワールド新書)
暗算力を身につける (PHPサイエンス・ワールド新書)

参考記事:【メモ】『暗算力を身につける』から選んだ5つの暗算TIPS(2011年10月26日)

この本に比べると、本書の方が分かりやすいというか、それほどマニアックではありません。

また、後半にかけて、暗算テクニックとはちょっと異なる内容(「値引きとポイント還元のどちらがお得?」等)も含まれている点も、若干意見が分かれそうな。

純粋に暗算力を鍛えたいなら『暗算力を身につける』でしょうが、一般的なビジネスパーソンなら、本書の方が得るところがあると思います。


タイトル通り、ビジネスで差がつくかも!?

ビジネスで差がつく計算力の鍛え方―――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック
ビジネスで差がつく計算力の鍛え方―――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック
第1章 計算力を鍛えて、一目置かれるビジネスパーソンになる!
第2章 今すぐビジネスの現場で役立つかんたん計算テクニック
第3章 ビジネスの分析で使える一歩進んだ計算テクニック


【関連記事】

【メモ】『暗算力を身につける』から選んだ5つの暗算TIPS(2011年10月26日)

【超脳トレ?】『天才脳をつくる!: 潜在能力をぐんぐん伸ばす、計算と記憶のテクニック』マイク・バイスター,クリスティン・ロバーグ(2012年10月12日)

【数字力】『ウソを見破る統計学』神永正博(2011年05月01日)

【論理的思考】「過去問で鍛える地頭力」大石哲之(2009年07月02日)

「数に強くなる」畑村洋太郎(2007年03月04日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)
勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)

私はタイミングを逸して読み損ねた『勝ち続ける意志力』の、プロ・ゲーマー梅原大吾さんの新刊です。

……今度こそ読まねば!


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