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2013年08月18日

【仕事術】『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』戸塚隆将


世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日に引き続き「未読本・気になる本」の記事にてピックアップした1冊。

この手の仕事術の本は、当ブログでもかなりレビューして参りましたが、本書の場合は著者である戸塚さんの経歴に圧倒されております。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ゴールドマン・サックスに新卒で入社し徹底的に鍛えられ、その後ハーバードに留学しMBAを取得後、マッキンゼーでコンサルとして活躍した著者が、それぞれの現場の上司や先輩、優秀な同期から学んだ、世界でも通用する、一生成長し続けるための「仕事の基本」。

上記のような超有名どころでも、タイトル通り「基本」を大切にするのだな、と思った次第です!


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【ポイント】

■1.利害関係を越えた「つながり」を信じる
 たまたま何かの縁で知り合った友人。その友人との関係が、将来どのように発展していくかを見越すことはできません。ジョブズがカリグラフィーのコースを受講した時と同じように、将来何らかの関係に発展すると期待するのではありません。
 直感、運命、人生、カルマ、何であれ、何かを信じることです。利害関係を越えた何かのつながりを信じることで、結果として人間関係は発展します。将来、振り返ってみて点と点がつながることがあります。そのためには日頃から分け隔てなく、幅広い人間関係を構築することを意識することが大事だと考えています。


■2.読んだら3倍考える
元マッキンゼー日本支社長の大前研一さんは、「読んだ時間の3倍考えなさい」と言っています。1冊の本を一気に読み進めた時に2時間かかるとすれば、その3倍の6時間考えることです。(中略)
 1対3の法則を実践する際には、まず、章ごとに手を止めてみることです。章ごとこに要旨を書き出してみます。そして、本を全部読み終えると章ごとの要旨が残ります。
 次に章の要旨を部類分けし、論理構成を整理してみる。さらに、主要メッセージを引き出す。最後に、自分なりの意味合いを引き出してみます。
 重要なことは、いきなり本全体の主要メッセージに飛ばないことです。


■3.紙とペンで思考を整理する
 実は、論理的に考えをまとめ、意見を言う際に頭の中だけで完結できる人は多くはないはずです。マッキンゼーのコンサルタントは論理的思考力に長けていますが、最初から全ての事象を頭の中だけで論理的に組み立て、分解できるわけではありません。
 新人の頃から紙に書いて資料を作る。紙にまとめて発言する。紙に書き出して整理をする。このようなプロセスを積み上げてはじめて、ロジカルシンキング力が高まっていくのです。


■4.帰宅前に翌日のToDoを書きあげる
しばらくすると、何気ないことなのですが、仕事のやり方で私と決定的に違う点に気づいたのです。
 それは、Aさんが帰宅前に自分の机を綺麗に整理整頓していることでした。雑巾がけをして、綺麗にテーブルを磨くということではありません。複数のプロジェクトをかけもちする中で、資料をプロジェクトごとに整理整頓し、机の作業スぺースからファイルに整理する。そして、1枚のぺーパーに明日のToDoを書きあげ、翌朝出社時から全力で仕事に取り掛かれるように、優先順位付けをしてから席を立っていたのです。


■5.3秒で開ける場所に常にノートを置いておく
 ゴールドマンは世界中のどこのオフィスに行っても体育会系そのものです。新たな仕事のアサインメント(プロジェクトへの担当付け)は突然やってきます。進行する複数のプロジェクトについての指示も容赦がありません。手取り足取り指示をもらえることはありません。
 だからこそ仕事の指示を聞き逃さないためには、いつでもノートを手元に置いておくことが重要なのです。ノートを探してモタモタしているうちに指示が始まります。途中で質問をする余裕なく一気に続くこともあります。とにかくメモを取り、指示が終わったところで確認する必要があります。


■6.メールの返信スピード=あなたの評価
多忙を極め、複数の案件が錯綜し、海外出張や重要会議でスケジュールがぎっしり詰まったトップバンカーであるほどレスポンスの速さは際立っています。(中略)
 1日に受信するメールが100通で一定と仮定しましょう。返信をすぐにしようと、3日後にしようと、受信するメール数は変わらないとも仮定します。そうだとすれば、すぐに返信した方が相手にとっては都合が良いし、自分の目の前からも1つ仕事を片付けることができます。
 結果、自分に対する評価も上がります。メールをすぐに返信しない理由は、実は見当たらないのです。


■7.ホウレンソウは、上司に聞かれる前にする
 上司に聞かれてから報告するのでは遅いのです。自ら先に報告をしにいくことで、ポイントを整理し論理立てて伝えることができます。準備がしっかりできているため、自信を持った受け答えができます。
 逆に、聞かれてから答える場合は、瞬間的に状況整理をして伝える能力が追加で求められます。必然的に受け身の態勢になり、相手に伝わりにくくなります。突っ込まれて反論する。ディフェンシブな態勢になります。ホウレンソウは、受け身になる前の先手必勝が基本です。


【感想】

◆実は本書は、冒頭の未読本の記事の中でも、それほど注目していませんでした。

ところが、記事を書いた翌日に丸善オアゾの田中さんがこんなツイートをされていたことを、後になって知ったワタクシ。
確かに、それぞれ1つだけでも本のタイトルやサブタイトルに入れれば売れ行きに違いが出そうな「ゴールドマン・サックス」「ハーバード」「マッキンゼー」という「キラーフレーズ」が3つも揃っている、というのはあります。

ただ、当ブログのようなネットでならまだしも、リアル書店である丸善オアゾでの売上が爆発的、というのは、肩書き以外にもちゃんとした理由があるハズ。


◆そこで今般、本書を読んでみたのですが、まず感じたのは「突拍子もないことをやっているわけではない」ということ。

例えば、上記ポイントの3〜5番目あたりは、類書でも見かけるTIPSです。

これが「全部頭の中で考える」「ToDoをまとめるのは無駄だからやらない」「ノートは取る必要はない」とかなら、「おー!さすが●●!」となるところ、おしなべて常識的なやり方という。

もっとも逆に、こうした「王道的なやり方」が、結局一番効果が高いということなのでしょうが。


◆また、戸塚さんが3つの環境で学んだことは、共通点はあれど、それぞれ特徴があります。

例えば、ハーバード・ビジネス・スクールでは「人とのつながり」、ゴールドマンでは一般的な「仕事術」「時間術」、マッキンゼーでは「ロジカルシンキング」「プレゼン」といったところ。

ぶっちゃけ、個々の論点でも本が書けるテーマですし、本書においては欲張っていると言うか、内容が多岐に渡りすぎかな、とも感じました。

とはいえ、私たちが実践できるとしたら、たとえ掘り下げてあったとしても、どうしても表層的な部分になってしまうので、本書のように「広く浅く」というアプローチは「アリ」だと思われ。

それが、売上好調の要因の1つなのではないでしょうか。


◆なお、本書の帯には、私が割愛したポイントが3つ収録されています。

アマゾンでは表示されていないようなので、ここでご紹介。

 ・初対面で相手の名前を3回口に出す

 ・引き受けた仕事は、その場で5分間だけすぐやる

 ・ホウレンソウは仮説を入れて、念押し型で行う


わざわざ表紙に持ってきているくらいですし、私も抜き出したかったレベルのクォリティですよ(特に真ん中のヤツ)!


「世界のエリート」に近づきたい方に!

世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
1 人との「つながり」に投資する
2 自分の内面と外見を磨く
3 時間に支配されずに働く
4 決定的なコミュニケーションで成果を出す
5 利益を生む資料と会議で貢献する
6 世界に打って出るキャリアを高める


【関連記事】

社会人なら押さえておきたい『ハーバード式「超」効率仕事術』(2013年07月10日)

【問題解決】『マッキンゼー流 入社1年目問題解決の教科書』大嶋祥誉(2013年04月30日)

【仕事術】『お金という人生の呪縛について』松本 大(2013年03月21日)

知らないと損する『ハーバード流宴会術』(2012年11月26日)

【問題解決】『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人(2010年11月30日)

【オススメ!】『僕は君たちに武器を配りたい』瀧本哲史(2011年09月23日)


【編集後記】

◆「ハーバード」は「人とのつながり」という話を聞いて、やっとこの本も納得できましたw

ハーバード流宴会術
ハーバード流宴会術

レビューは上記関連記事にて。


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