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2013年07月29日

【交渉術】『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』石井琢磨


プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法
プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法


【本の概要】

◆今日お送りするのも、昨日の本同様、「未読本・気になる本」の記事にてご紹介済みの1冊。

弁護士さんならではの「ガチな交渉術」を学ぶことができます。

アマゾンの内容紹介から。
現役弁護士は、どのようにして心理学の知識を活用し、老練な相手との交渉に負けずに結果を出しているのか──。それらのノウハウを紹介するのが本書。勝訴もしくは和解というゴールに導く弁護士の「心理学を用いた人を動かす技術」は、日々シビアな交渉の場に身を置くビジネスパーソンに必ず役立ちます。

私好みのテクニカルなお話が多くて、付箋を貼りまくりました!


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【ポイント】

■1.話は我慢してでも聞く
 よくこんなアドバイスを受けます。「人の話は真剣に聞こう」「好奇心を持って聞きなさい」「面白そうに聞こう」と。
 しかし、現実には、面自くない話、好奇心のかけらも出てこない話、真剣に聞けない話が存在します。
 私と同じような、生来の聞き下手はどうすればよいのてしょうか。
 あえて言いましょう。我慢して聞こう。
 相手の話を聞く行為にはメリットがあります。打算的に聞きましょう。


■2.相手と提案をずらす
被害者「いくら積まれても示談しません」
弁護人「差し支えなければ、そこまでおっしゃる理由を教えてもらえませんか?」
被害者「あいつの顔なんて見たくないんだよ。刑務所にぶち込んでもらいたい」
弁護人「顔を見たくないなら、彼らが引っ越すならどうです? もうこの町にいなくなるならば?」
被害者「え? ああ、それなら……」(中略)
 刑事事件の原因が近所トラブルだったことから、このような提案ができました。加害者は引っ越すことに抵抗はなく、刑事処分も軽くなり、被害者も近所トラブルから逃れることができ、安心した生活を送れるようになったのです。


■3.罪悪感を逆手に取る
 交渉相手が待ち合わせ場所に遅れて来たとしましょう。
 イライラしてはいけません。ラッキーです。
 遅れた側は罪悪感を持ちます。これは心理戦で有利に働きます。
 遅れた相手に対して「たしか約束の時間は3時でしたよね」などと皮肉を言うよりも、「大丈夫でしたか? なにかあったのですか? 心配しました」とより罪悪感を抱かせるほうが効果的です。
 人は、罪悪感を解消するために行動を起こすからです。


■4.話を「抽象化」して合意を得る
「そろそろ結婚も考えてよ」と言う女性のセリフに対し「オレはお前と幸せになりたいと思ってるよ」と回答。
「結婚」という具体的な話に即答していません。目的である「幸せ」という抽象概念を持ち出し、それに同意するという回答です。
 根本的な目的は否定されていないため、なんだか認められたように思えますが、具体的な話への回答は先送りにされているのです。
「どうもうまくごまかされてしまう」と感じている人は、この具体化と抽象化を意識してみてください。


■5.「軸」を増やして交渉する
 たとえば、「500万円以下では嫌です」という相手に、「500万円なら10年後の支払でも良いですか?」と質問したとします。すると、別の選択肢が見えてきます。
「え? いや、それはちよっと……あくまで、いますぐの支払ということで」
「では、金額と支払時期とでは、どちらを便先します?」
「うーん、どっちかと言えば……」
 金額にのみこだわる相手に対して、「時間軸」という視点を与えます。
 視点を増やせば交渉の余地が出てきます。


■6.「サンクコストの法則」を使う
 心理戦においては、この「サンクコストの法則」を使うことで、うまく合意に導くことができます。相手に、「せっかく○○したんだから」と感じてもらえれば良いのです。(中略)

 交渉では、簡単にまとまる事柄と、もめる事柄があると思います。時間を使う際、簡単にまとめる事柄を先にし、もめる事柄を最後に回します。もめる事柄の交渉に入った際に、「せっかくここまで時間をかけたのだから」と、もめる事柄も妥協してもらえる確率が上がります。


■7.相手のミスに気づかないフリをする
 相手を納得させたうえで動かすという視点からすれば、相手に「まずい、論破された。でも、まだ向こうは自分が勝ったことに気づいていないぞ」と思ってもらうのがべストです。
 すると相手は、自分の論理が破綻している以上、それを気づかれる前に話をまとめようとします。(中略)
 相手がこうした動きに出てきたときこそ、心理戦を制するチャンスなのです。相手の論理破綻には触れずに、「まあ、その点は脇に置いて、この案でいかがでしょう」とスマートにまとめましょう。


【感想】

◆交渉術系のご本は数多くありますが、弁護士さんの書かれた本は、日頃から「一筋縄ではいかない」相手とやりあっているだけあって、変化球的なモノが多い気が。

たとえば上記ポイントの2番目などは、交渉相手が初っ端で「いくら積まれても示談しません」と断言している以上、まともにやりあってたら解決は難しいところ。

それを上手く「ずらす」ことで解決するとは「目からウロコ」です。

同様にポイント5番目のやり方も、真っ向から値下げ交渉するのではなく、「軸を増やす」ことで対応。

弁護士さんなら経験則的に、ある程度のパターンはあらかじめ考えてらっしゃるのでしょうけど、私たちも本書を読んで「引き出し」を増やすことができますね。


◆また、ポイントの4番目のケースは、モテネタで言うところの「グダ崩し」に使えそうなw

例えば「付き合わないとHはしない」という女性に対して、相手の「目的」を探り、その抽象概念に同意すれば(ry

いや、本書では、ちゃんとこのケースでもビジネスネタに対応しており、「ある女性に対してインテリア商品を売りたい」場合の話の進め方に触れられていますのでご安心をw

……と言いつつ、上記ポイントの6番目の「サンクコスト」の具体例では、「40分8000円のお店で、女性を店外に連れ出そうとする"ある弁護士"」が登場するんですが、これ、別に設定として弁護士でなくてもいいような。

ま さ か 石 井 先 生 、 ご 自 分 の こ と ( r y


◆一方、割愛したお話の中で興味深かったのが、「交渉は情報戦」というもの。

例えば弁護士費用でも、着手金という「定額費用」のケースと「タイムチャージ制」のケースがあります。

相手側の弁護士費用の支払方法なんて、通常自分には関係ない話ですが、相手にとっては「時間がかかるほど費用がかさむ」ワケですから、そこを突いて交渉を有利に進めることが可能になるという。

ちなみに優先して押さえたいのは、「タイムリミット」「他の選択肢」の2つとのこと。

これはもちろん、自分のモノが相手に知られると不利になるのは、言うまでもありません。


◆交渉と言うと、つい「どちらが正しいか」の主張合戦になりそうな気がしますが、最終的な目的は、必ずしも「勝つ」ことではないハズ。

こちらの都合の良いように、相手が動いてくれたり、納得してくれれば、それで目的は果たせます。

そういう意味では、必ずしも「ロジカルシンキング」の世界ではないということかと。

場合によっては「ラテラル」と言うか、思いもよらぬ形でも、双方が納得できるなら、それが「正解」なのだと思います。

そして本書は、その手助けとなりそうな印象を受けました。


現役弁護士からのアドバイスが満載です!

プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法
プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法
序章 「心理戦」は避けられない!
1章 この「友好ムード」で手強い相手は〈従順〉になる
2章 ムダな争いを避ける「落とし所」の見つけ方
3章 ムリせず誘導できる「五つの心理技法」
4章 論破されない「交渉術」
5章 経験を肥やしにする! 折れないメンタルのつくり方


【関連記事】

【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)

【誘導話法】『一瞬で人の心を誘導する技術』加藤聖龍(2013年02月07日)

【裏ワザ?】『弁護士に学ぶ!交渉のゴールデンルール』奥山倫行(2013年01月13日)

【反論?】『弁護士が教える絶対負けない反論術』上野 勝(2012年12月26日)

【ウラ技?】『気づかれずに相手を操る交渉の寝技』間川 清(2012年11月25日)

この『最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術』がすごい!!(2012年05月15日)


【編集後記】

◆本書内で推奨されている本が2冊あって、そのうちの1冊は、当ブログでもお馴染みのこちら。

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

レビューは上記関連記事にて。

なお、もう1冊も有名な本ですが、一応そちらはネタバレ自重w


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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この記事へのコメント
smoothさん、著者の石井琢磨です。

詳細なご紹介記事ありがとうございました!うれしいです!

冤罪で疑われる人の気持ちがちょっとわかりました(笑)。本業で活かせそうです。

今後もブログの更新、楽しみにしています!!
Posted by 石井琢磨 at 2013年07月30日 07:25
>石井琢磨さん

連日のコメントありがとうございます!
疑うも何も、あの部分は「ツッコんで欲しい」というフラグにしか見えませんでしたw

是非とも本業に活かして(?)下さいマセ。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年07月31日 06:15