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2013年06月05日

【本&本屋好きに!】『なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか』嶋 浩一郎


なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか(祥伝社新書321)
なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか(祥伝社新書321)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「自ら書店の経営にも携わるクリエイティブ・ディレクター」嶋 浩一郎さんの新刊。

……と言われて、それほどピンと来なくとも、その「書店」が、様々なイベント等で話題の「下北沢 B&B」と知ったら、食指が伸びる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
いい本屋の書棚は、単に知りたかったこと以上の「想定外」の情報に出会える、すばらしい装置なのです。「書棚を旅するようにめぐる」「買った本は、べつに読まなくてもいい」など、人生を面白くするための、本と本屋の使い方を大公開!

しかも嶋さん、あの「本屋大賞」の立ち上げにも関わっていたのだとか!?


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【ポイント】

■1.いい本屋の条件とは?
 いい本屋の条件のひとつに、店の前に自転車がいっぱい停まっているというものがあります。これはなぜかというと、地元のお客さんに愛されている証拠だからです。買い物客や観光客などを集める書店もすごいですが、やはり自転車でこられるような距離の地元客に愛されていないと、本屋はだめなのです。


■2.棚には文脈がある
 書店の棚は、基本的に大きく分ければ、テーマ別、出版社別、著者別というように本が並べられているのが一般的です。でも、いい本屋の中には「文脈棚」をつくっているところも数多くあります。
 一口に文脈棚といってもいろいろあるわけですけれど、要は単に本を何かの順番や規則性で並べるのではなく、その内容などをゆるやかにリンクさせながら1つのつながりとして並べるというものです。
 たとえば、キリスト教の本のとなりに、修道院がつくったワインの本があって、その本の横にチーズの本、発酵食品つながりで菌類がキヤラクターとして登場する漫画……などといった感じです。


■3.いい本屋は欲望を言語化してくれる
 私がいう「いい本屋」というのは、簡単にいえば、買うつもりのなかった本を買わされてしまうようなところです。ふらっと入ったところで、特に興味もない宇宙の本を買ってしまったり、行ったこともなく場所も知らないのにアイルランド文学を買ってしまったりする。
 確かに買うつもりはなかったわけですが、これは「自分も気づいていなかった、自分が読みたいと思っていたもの」だということもできます。つまり、その本屋で、その本を手に取ってはじめて気づいた、自分の欲望です。


■4.本屋は無駄なものに会いに行く場所
 ネットで情報を探すのはとても便利になりました。わざわざ図書館に通う必要もなくなった。でも、検索結果というのは誰が見ても同じものが出てきます。それを各人の視点で加工して企画やアイデアに昇華していくわけですが、そこに自分独自の情報を組み込めると、人と違う発想を生み出しやすい。
 だから、みんなと同じ武器を持って戦うよりは、無駄なものをいっばい持っている人のほうが最終的には戦力になるような気がします。
 本屋に行くのは、基本的なスタンスとしては無駄なものに会いにいくというものです。この「無駄なものに会える幸せ」は、本屋の本質といってもいいくらいだと思います。


■5.ゴダール式読書術とは?
 ヌーべルバーグの旗手として知られるフランスの映画監督ジャン=リュック・ゴダール曰く「映画は15分だけ見ればわかる」そうです。実際、ゴダールは冒頭の15分を見ると、映画館を出て次の映画を見にいっていたといいます。
 読書においても、このゴダール的手法は使えます。永江朗さんはこれを「ゴダール式読書術」と呼んでいます。初めの数ぺージを読んで、著者が何をいいたいのか、とか何について書かれた本なのかがわかったらパタンと本を閉じて、次の本に向かう。それで全然かまいません。


■6.本を読んだら付箋を貼り、ノートに書き写す
 本を読んでいて、「おもしろい」「なるほど」と思ったら、その部分に付箋を貼ります。あとで自分がどの文章にそう思ったのかがすぐわかるように、その一文の上に貼っておくのがよいでしょう。(中略)
 そして、その中からやはりおもしろい情報は、ノートに書き写します。この際に、それらの情報を分類したり、順番を考えたりする必要はありません。そのままひたすら書き写す。私がやっているのは、書き写した情報に順番に番号を振っておくだけです。いわば情報を「放牧」しておくのです。


■7.「本屋大賞」は「欲望の発見」
 実は、本屋大賞は書店員のある不満から生まれました。それまでの作家が選ぶ賞を見て、「今回の直木賞はなんであれなの?」などという人がたくさんいたのです。
 本人たちは文句や不満としていっていたのかもしれませんが、「欲望ハンター」の私には、この発言は欲望の発露に見えました。つまり、この不満は「私ならこっちの作品を選ぶ」「あの作品を売りたい」という欲望の裏返しなのです。


【感想】

◆こうしてブログで、アマゾンのページをリンクしている私ではありますが、実は買っているのは、リアル書店の方が多いです。

ただそれは、「無駄なものに会いに行く」ためでなく、「アマゾンの当日便でも間に合わない」から。

……余談ですが、以前は当日便って、夕方6時には到着していたので、職場で受け取ってその日のうちに読み切れたんですが、最近下手すると8時過ぎちゃって間に合わないんですが、私の地域だけでしょうか?

いずれにせよ、当ブログは「新刊」を「なるべく早く」レビューする方針なので、棚の並びは、むしろ「新刊が分かりやすく別棚になっている」大手チェーン店方式(と言うのか知りませんがw)の方が助かったりします。

本書を読む限り、この書店の使い方は「アイデア・発想」の面で非常にもったいないな、と。

今後は、本書で薦められているように、日頃近寄らない棚も覗いてみたいと思います。


◆実際、「たまたま入った書店」で、「本来出会うはずのない本」に出会ったりするのは、やはりリアル書店の醍醐味だな、と。

以前も書きましたが、例えばこの本は、とある駅のそばの小さな書店で見つけたものです。

サクセスフルエイジングのための3つの自己改革
サクセスフルエイジングのための3つの自己改革

参考記事:【抗加齢】「サクセスフルエイジングのための3つの自己改革」川田浩志(2008年02月19日)

最近、自己啓発チックな健康本をよく見かけますが、本書は版元さんからして、ガチな専門書。

ある程度の規模の書店なら、ビジネス書のそばにはないので見つけようがないものの、なまじ小さな書店だったので遭遇したというw

これは本書の帯にもあるように「想定外」の出会いであり、上記ポイントの3番目にもあるように「老けたくない」という私の「欲望の言語化」だったのだと思います。


◆もっとも、当ブログの読者さんにとっては、第3章、第4章あたりの「読書術」「思考術」あたりが、本書のキモかも。

嶋さんも付箋を活用されているのですが、本書で「オススメ」として挙げられていたのが、ポスト・イットの「ジョーブ」シリーズ。

ポスト・イット(R) ジョーブ エコノパック(TM) 透明スリム見出し、透明ケース入り10個パック 44×6mm 混色 20枚×9×10個 6801MS
ポスト・イット(R) ジョーブ エコノパック(TM) 透明スリム見出し、透明ケース入り10個パック 44×6mm 混色 20枚×9×10個 6801MS

その理由は「付箋の先端半分だけ色がついていて、残りの半分は透明フィルムになっているので、貼った部分の文章を隠さないから」とのこと。

私は経済性を考えて、1枚当たりの値段がもっとも安いこちらを愛用していますが。

【入数:100枚×10】 3M 715RP-K ポストイット スリム見出し ミニ 混色
【入数:100枚×10】 3M 715RP-K ポストイット スリム見出し ミニ 混色

なお、上記ポイント6番目にあるように、付箋を貼った部分をノートに書き写して「放牧」した後の手順については、本書にてご確認を。


◆ちなみに、本書はHONZの田中さんのこのツイートで知りました。

確かに田中さんが言われているように、書店員さんには激オススメ

特に、本書の最後の「一度は行きたい名書店」は、必見だと思います。

これは、嶋さんがその後「下北沢 B&B」を一緒にやることになる内沼晋太郎さんとの対談で、下記「BRUTUS」2011年6月1日号に掲載されたものなんですが、登場する書店の寸評や連絡先も、巻末でリスト化されており、タイトル通り、「一度は行きたく」なることウケアイかと。

BRUTUS (ブルータス) 2013年 6/15号 [雑誌]
BRUTUS (ブルータス) 2013年 6/15号 [雑誌]

また、完全に割愛してしまった、第5章収録の「下北沢 B&B」の誕生や運営の裏話等も、本&本好きならきっと楽しめると思います。


リアル書店に行きたくなる1冊!

なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか(祥伝社新書321)
なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか(祥伝社新書321)
第1章 なぜ本屋に行くのか――情報との出会いを増やす歩き方
第2章 人は本当に「自分の欲望」を知っているか?――書店の情報論
第3章 本は読むな! 捨てるな!
第4章 クリエイティブ・ジャンプを生み出す読書的思考法 ――自分の世界を広げる本屋と読書
第5章 新しい書店のかたち――自分たちの書店「B&B」を始めてわかったこと
〈B&Bの目指すもの――対談・内沼晋太郎氏〉
Appendix 一度は行きたい名書店(対談・内沼晋太郎氏)
名書店リスト


【関連記事】

【知的生産】『10分あれば書店に行きなさい』齋藤 孝(2012年10月27日)

>【読書術】『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』千田琢哉(2011年07月30日)

【読書ネタ?】『あたらしい書斎』いしたにまさき(2012年09月22日)

【必読】『土井英司の「超」ビジネス書講義』に学ぶ、本の5つの選び方と2つの読み方:マインドマップ的読書感想文(2012年05月30日)

【オススメ】『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ 』成毛 眞(2010年07月10日)


【編集後記】

◆『もしドラ』のハックルさん岩崎夏海さんの新書が登場。

まずいラーメン屋はどこへ消えた?「椅子取りゲーム社会」で生き残る方法 (小学館101新書)
まずいラーメン屋はどこへ消えた?「椅子取りゲーム社会」で生き残る方法 (小学館101新書)

小説ではなく、当ブログでも取り扱える内容のようなので、チェックしてみます!


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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この記事へのコメント
はじめまして。
私は「読書ログ」という読んだ本の管理やレビューを書くサイトの運営をしています。

ブログを拝見したのですが、ぜひ読書ログでもレビューを書いて頂けないかと思い、コメント致しました。

トップページ
http://www.dokusho-log.com/

こちらでメンバーたちのやり取りの雰囲気がご覧になれます。
http://www.dokusho-log.com/rc/

読書が好きな人同士、本の話題で盛り上がっています。
もしよろしければ遊びにきて頂ければと思います。

よろしくお願い致します。
Posted by 読書ログ at 2013年06月05日 11:06
>読書ログさん

コメントありがとうございます。
なかなか素敵なサイトですね☆

ただ、私自身はろくすっぽTwitterやFacebookもやっていないように、自分のブログを書くのが精一杯なので、残念ですが辞退させてください(涙)。

サイトのますますのご発展をお祈りしております……。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年06月06日 07:53
ご返信ありがとうございます。
当サイトを見ていただいたのですね、ありがとうございます。
お褒めの言葉、嬉しいです!

とても残念ですが、もしよろしければ気分転換にでもサイトをご覧になって頂ければなと思います。

Posted by 読書ログ at 2013年06月10日 16:21
>読書ログさん

ありがとうございます。
お互い、切磋琢磨していきましょうね!
今後ともよろしくお願い申し上げます。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年06月11日 08:09