スポンサーリンク

2013年05月07日

【セミナー地獄変?】『「自己啓発」は私を啓発しない』に学ぶ7つの注意ポイント


「自己啓発」は私を啓発しない (マイナビ新書)
「自己啓発」は私を啓発しない (マイナビ新書)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「マグロ船仕事術」で知られる齊藤正明さんの「自己啓発反省本」(?)。

実は齊藤さんとは結構古くからのブログ仲間だったのですが、まさかブレイク前にこんな「黒歴史」があるとは全く知りませんでした。

アマゾンの内容紹介から。
人間関係に悩み、会社も業績不振、いっそ独立でもしようかと…自己啓発セミナー・教材に600万円以上をつぎ込んだ!「マグロ船流仕事術」で成功した著者が語る自己啓発にハマった日々。

「学び」も沢山得られているようなのですが、今回はあえて「Dopeな経験」の方にフォーカスしてみようかと……。


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!





【ポイント】

■1.記憶力向上のツモリが自己啓発のテープを買わされる
「記憶のトレーニングだけではないのですか! 雑誌についていたハガキには、記憶カアップのことしか書かれていなかったので、全然知らなかったです」
栗山「うちの会社は、記憶力をメインにしているわけではなく、人生を成功させるためのお手伝いがメインなんです。成功者の思考を4倍速のテープで脳の潜在意識に流し込み、成功した人生を送ってもらうための手段として、記憶力のアップもお勧めしているんです」

「なんだか、話がおかしな方向に流れてきたな……」と思いつつも、もう相手の巣にずっぽりはまっている私は、「帰ります」とはとても言えず、「あー、そうなんですね」と、深い話にならないよう、あいづちを打ちました。


■2.「できる方法」とはローンによる支払
「齊藤さんに言ってほしいのは、『お金を貯めてからまた来ます』という、普通の方が考えそうなことではなく、『じゃあ、どうしたらいいのですか?』と、常に"できる方法"を考えてもらいたいのです」
 ここまで促されるともう私が言えることはただひとつです。
「ど、どうしたらいいんですか?」
 すると、栗山さんは「我が意を得たり!」という表情で、「じゃあ、今から齊藤さんと私で、一緒に"できる方法"を考えましょう!」
 そうして出てきたものは、ローンのシミュレーションが書かれた用紙だったのです。


■3.学びを定着させるハズが中級コースに勧誘される
面接官「齊藤さんは、このセミナーで素晴らしい学びをしたわけですが、それは、過去の自分に気づいただけです。大事なことは、そんな自分にサヨウナラをして、新しい積極的に動ける自分になる必要がありますよね?」
「は、はい」
面接官「それには、次の『中級コース』に参加して、新しい自分を定着させていかないといけません」

 ということで、このセミナー終了後の面接という「学びを定着させる場」は、いつしか名ばかりとなり、次の「中級コースへの勧誘」になってしまっていたのです。


■4.講師だけでなく全受講生からも総攻撃される
 途中で「講師の言っていることは、何かおかしいな」と感じ、口ごたえをするとどうなるかといえば、「そういう屈折したものの見方をするから、社員さんがついてこないんです!」と、事前課題で提出した弱点をザクッと突かれ、たいていの人はシュンとしてしまいます。
 もし、それにもめげずに反抗すると、「自分の殻に閉じこもったこの哀れな人に、皆さん『援助』をしてあげてください」と講師から言われ、約40名の全受講生からその人に対して、「もっと頑張りましょうよ!」「言い訳しないでください!」「あなたは自分から逃げています!」と、もみくちゃにされて「援助」という名の総攻撃を食らうのです。


■5.「上級コース」とは「セミナー勧誘」のこと
「初級」「中級」それぞれの3日間とは違い、上級コースは60日問も行われ(受講料は約7万円)、セミナールームではなく、日常のなかで実践するように言われます。
 この実践とは何か? ひと言で言えば、自分の周りの人たちを「初級コース」に、無償の営業スタッフとして勧誘することです。(中略)
「上級コース」では、友人などを勧誘することを、「貢献」という言葉に置き換えます。(中略)
「仕事で忙しい合間をぬって、友人に『貢献(勧誘)』すること自体が、結果的にはあなたのタイムマネジメント能力やコミュニケーション能力を鍛えてくれるのです。さあ、あなたは何人に『貢献(勧誘)』しますか?」
 と、60日問で勧誘する人数をノルマとして決められてしまうのです。


■6.情報交換会でネットワークビジネスに勧誘される
 このとき初めて、自分がネットワークビジネスの勧誘をされていることを理解しました。その後、複雑すぎて今はほとんど覚えてはいないのですが、ネットワークビジネスの仕組みなどを詳しく説明され、精根を使い果たすほど聞き疲れたところで、女性3人は「どうです?私たちの仲問になりませんか?」と、「空気を読んでくれ!」と思うほど満面の笑みを浮かべて入会を勧めてきました。(中略)

「サンプルとして、無料で1週間分くらいくれるのかな?」と思っていた私の予測は甘く、購入させられることになりました。
 ひと月で約9000円もするサプリメントで、「うわ、高い!」と思いましたが、「この場を離れられるなら、9000円くらい……」と思えるような気分になっていたのです。しかしよく見ると書類には、「毎月のお届けになります」と書いてあります。


■7.知人のセミナーは大赤字
村上「そんなに暗い顔しないでよ。先月は15人来てくれたんだった」
「じゃあ、30万円の売上ですね! よかったですね!」
村上「でも、そのうち13人は無料招待だったから、実質のお客は2人。会場費とメルマガ広告の経費を足せば、それも赤字だね。アハハ!」(中略)

 村上さんがこの後どうなったのか、私にはわかりません。この本を書くために久々に村上さんのブログを見ると、数年前から前向きなことがたくさん書かれている日記の更新が、ある日を境にピタリと止まっていました。本当に、地球のどこかで元気にしていらっしゃるといいな、と思っています。


【感想】

◆そもそも私は、齊藤さんがマグロ船に乗ることになった経緯も知らなかったのですが、当時の上司(研究所の所長)がいわゆる「パワハラ」で、その上司との人間関係を改善するために通い始めたのが、自己啓発系セミナーのきっかけだったそう。

最初は「上司の指示が覚えきれない」ため、記憶力アップを目的としてトレーニング教材を購入するツモリが、自己啓発のカセットテープ(総額150万円!)を買わされるハメに。

その後もコミュニケーションやディベート、コーチング、風水、転職成功等々のセミナーや異業種交流会に通い、齊藤さんは総額で600万円以上使ったのだとか。

ちなみに「自己啓発のテープ」は、齊藤さんとは違う会社のものを、以前私も勧誘されたことがあります。

私は結構キッパリ断れる方なので、事なきを得たのですが、もうちょっと意志が弱かったら、危なかったかもw

その辺の勧誘の仕方というか「外堀の埋め方」みたいなものは、さすがだな、と思った記憶がありますが。


◆その後、研究所の経営不振(と経営に口を出したこと)により、齊藤さんはリストラ対象となり、見切り発車的に「講師」として起業。

しかし自主開催セミナーも人が集まらず、貯金の残高が減る一方なことから、出版することを思い立ちます。

と言っても、齊藤さんのウリである「コーチング」や「会議術」は既に飽和状態。

出版セミナーに出ても、編集者に断られ続けたのだそう。

ところがその後、出版セミナーとは関係ないセミナーにボランティアスタッフとして参加し、その懇親会で「話のネタ」として繰り出した「マグロ船に乗せられた話」にウケたフリーライターさんの活躍(出版社を何社か回ってくれたのだとか)により、世に出たのがこの本。

会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)
会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)

そこから雑誌や新聞に取り上げられる事が激増し、今の活躍に繋がっていくわけです。




◆私自身、このブログを始めた当初は、今では考えられないくらいセミナーに通っていました。

お値段も5000円ほどのものから、数万、さらには泊まりがけで30万超のものまで様々(マジで)!!

そこで知り合った中には、今でもお付き合いがある方や、その後、著者や起業家として成功されている方もいらっしゃいます。

ですから、こうしたセミナーが無駄だとは思っていません。

ただ、本書の中で齊藤さんが指摘していたことなのですが、セミナーに通っていると、他人と「考え方や人との接し方等が近い場」であるセミナーを過度に評価するようになる傾向があるのだとか。

つまり、「現実である仕事場や家庭がニセモノの世界」であり、「セミナー会場が本当の世界だ」と思ってしまうのだそう。

……セミナー好きで、心当たりのある方はご注意を。


◆上記ポイントでは、「ネタ」というか、自己啓発系セミナーの怖い部分ばかり抜き出しましたが、冒頭で申しあげたように齊藤さんご自身は、そんなところからも「学び」を得られています。

例えば、初っ端の「自己啓発テープ」は結局買わされるものの、『「人生、できない言い訳を考えるよりも、できる方法を考えよう」ということ自体は、今も正しいように思えます』とのこと。

また、異業種交流会では、何度か痛い目にあったことから、「人脈は自分から作ろうとしても無駄」「考えるべきは人が寄ってきたくなる自分をつくること」と悟りを得られています。

そして最終章で結論として言われているのが、セミナーの内容は『「正しいか? 間違っているか?」ではなく、「自分に合っているか? 合っていないか?」で聞くべきである』と(詳細は本書を)。

うーん、600万円以上の身銭を切った方のお言葉だけに、重みがあります。


セミナーに通っている方も、そうでない方も、ぜひご一読を!

「自己啓発」は私を啓発しない (マイナビ新書)
「自己啓発」は私を啓発しない (マイナビ新書)
第1章 人間関係に悩み、自己啓発にハマる
第2章 次々と自己啓発をくりかえす日々
第3章 自主開催セミナー・異業種交流会・ネットワークビジネス
第4章 会社を辞めて起業することに
第5章 講師として起業し、成功をつかむことに
第6章 自己啓発から教わることはない


【関連記事】

【Amazon】ちょwwwおまwww「本を買ってマグロをもらおう」って、何なの?ネタなの?(2009年02月26日)

【自己肯定】『ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則』森川陽太郎(2013年01月30日)

【オススメ】『「悩むこと」が「楽しいこと」になる本 悩む技術 完全マスター』伊東 明(2013年01月12日)

【オススメ!】『走る哲学』為末 大(2012年07月15日)

意外と知られていない『「テンパらない」技術』のテクニック10選(2012年07月10日)


【編集後記】

◆最近気になっている自己啓発本。

うまくいっている人の考え方 完全版 (ディスカヴァー携書)
うまくいっている人の考え方 完全版 (ディスカヴァー携書)

モロに自己啓発すぎて、当ブログではおそらく反応がビミョウなんですけどw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「自己啓発・気づき」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 08:00
Comments(2)TrackBack(0)自己啓発・気づきこのエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
この記事へのコメント
本当に昔から、大変お世話になっております。

書評、誠にありがとうございました。

スムースさんも、テープ、買うかもしれなかったのですね。 (;_;)

あれはあれで、個人的には勉強になるところも多々ありました。

万人向けではないかもしれないですが。


色々、お金つぎこみましたが、こうして、
ていねいにご紹介くださり、報われた気分です。

重ねてお礼申し上げます。


これからも、いち読者として、
勉強させてください。



Posted by マグロ船 齊藤 正明 at 2013年05月07日 16:07
>マグロ船 齊藤 正明さん

著者様直々のコメントありがとうございます。
私は、齊藤さんが著者になる前から存じ上げていただけに、色々と思うところがありました。
あの頃、あんなに苦労なさっていたんですね。

ご本にあるような、様々な体験を経て、今の齊藤さんがあるのかと思うと、感慨深いです。

今後とも引き続きよろしくお願いします。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年05月08日 03:30