2013年04月27日
【勉強】『1日1分!目からウロコの勉強法』匠 英一

1日1分!目からウロコの勉強法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、勉強に関する「小ネタ」が詰まった1冊。著者の匠 英一さんは、認知科学が専門であり、本書でもマインド面からのアプローチが数多く見られました。
アマゾンの内容紹介から。
「細切れ時間」で最大の効果をあげる勉強法の秘密とは? 目標設定、時間管理から、記憶力、集中力、やる気まで、「できる大人」がこっそり実践している目からウロコのアプローチを初公開!
先日の『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法 』同様、多少の「ネタかぶり」を気にしなければ、なかなかお買い得かと。

【ポイント】
■1.限界を感じたら「あと少しだけ」がんばってみるたとえば「今日はもう疲れてこれ以上問題を解くのは無理。限界だ!」と思ったそこからあと少しだけ続けてみる。
それがあと1ぺージなのか、あと10分なのかは人によって個人差はあるが、このラストの「あと少し」の積み重ねは時間として貴重なのはもちろんのこと、モチべーションを高めるのに絶大な効果を発揮してくれる。限界より先の世界へ進めたことが、大きな自信にもつながるのだ。
■2.歌にのせて丸暗記する
じつは、メロディーが記憶を定着させる役割を果たすことについては、さまざまな実験結果からも裏付けられている。
新しい歌はなかなか覚えられないのに、小中学生のときに流行っていた曲なら歌詞を見なくても歌えると多くの人が口をそろえるのも、メロディーと結びついて記憶しているからにほかならない。
語呂合わせに使う曲は、できるだけ簡単に歌えるものがいい。「どんぐりころころ」や「ぞうさん」などの童謡はもちろん、いつも口ずさみたくなるお気に入りの曲を選んでみよう。
■3.耳栓で集中力を高める
集中できずに眠くなってしまうような本を読むときには、耳栓をして音読するといい。ふつうの声よりもささやくような小声で読むと、よく聞こうとするからさらに集中力を高めることができる。これを「ウィスパー効果」という。
読書のときだけでなく、テキストの問題を解いたりするときも、耳栓をして設問を声に出して読むと設問の意味がよくわかるようになる。
耳栓は、一組は用意しておきたい勉強の必須アイテムなのだ。
■4.勉強の成果はグラフにする
はっきりとした結果が出ないと焦りばかりが募って、やる気も失われがちだ。
そういう場合には、成果を目に見える形にするのが効果的である。1日のうちでどんなふうに触強をしたか、回数、時間、量などを具体的に記録するのだ。このとき、単に数字を記すだけでなく、グラフにするほうがいい。
というのも、勉強に対するモチべーションが下がってしまう理由のひとつは、自分がどれだけのことを学んだか、どのくらい目標に近づいているのかわからないことにあるからだ。
その点、グラフは小さな変化でもすぐに読み取れるので便利だ。
■5.「10%でもこなす」習慣をつける
さまざまな理由で勉強が思うようにはかどらないことはある。そのたびにやめてしまったら、いつまでたっても三日方主から抜け出せはしない。
こういうときは「オール・オア・ナッシング」から、「10%でもやる」という方向へ気持ちを切り替えてみるのだ。(中略)
気が乗らないときに高い目標を設定する必要はないものの、必ず「10%だけは勉強に手をつけよう」と考えて記録をつけておくようにする。こんなわずかな時間では勉強する意味がないと思うかもしれないが、これは習慣力をつけるトレーニングなのだ。続けることこそが挫折を避けるための最大の手段なのである。
■6.嫌なことや悩みは紙に書きだす
考えているだけだと悩みは際限なく頭の中をぐるぐると回り続け、心の中はそのせいでよけいに波立ってしまう。だが実際に文字にしてみると、膨大に見えた悩みでも無限に書き続けることはできないはずだ。つまり、悩みの悪循環を断ち切れるのである。
もちろん、これで解決策が生まれるわけではないのだが、この行動は心理療法でも「カタルシス効果」として知られるものだ。紙に書いたことで感情を「浄化」させるわけである。
■7.やる気があるのに行動に移せないなら「まず準備する」
やる気はあるのになぜか行動に移せない。この誰にでも思い当たる悩みを解決するのに簡単な方法がある。それは「すぐやろう」ではなく、「まず準備をしよう」という意識を持つようにすることである。
当たり前のことだが、会社に出勤するのに起きてそのまま出かける人はいない。(中略)
勉強も同じで、これから学ぷための環境を準備することに大きな意味がある。机を片付けてテキストを開き、筆記用具をそろえて今日の学習プランを決める。こうすることで、「さあやろう」という気持ちに自然となれるのだ。
【感想】
◆本書は、カテゴリーとしてはもちろん「勉強本」に該当するものの、その中でも具体的な「勉強法」というよりは「時間管理」や「モチベーション」さらには「マインド」に関する記述が目立ちました。著者さんによっては、こうした情報を「本来の勉強法とは違う」とばかりにあまり論じない方もいらっしゃいますが、受験をして合格を目指す「狭義の勉強本」においては、これらもある意味必須。
というのも試験が年に1回だったり、場合によっては受験が複数年にまたがる(私もそうでしたw)場合、イキオイだけで勉強できるわけではないからであり、ある程度の期間勉強を続けるためには、それなりの「工夫」が必要となるからです。
特に税理士試験のように「科目別合格制」をとっていると、「その年受験したものが合格しても、それだけで終わらない」ことがほとんど(しかも当然不合格にもなったりします)。
こうなってくると、「記憶法」以上に例えば「モチベーションを保つ技術」の方が重要になってくるわけで、自分自身、よく途中で挫折しなかったものだな、とw
◆また、冒頭で「ネタかぶり」について触れましたが、上記で挙げたポイントも、2番目の「歌」と3番目の「耳栓」以外は、おそらく当ブログで過去ご紹介した本のいずれかには掲載されていたと思います。
ただ、この辺は繰り返し申し上げているように、「勉強本」の世界ではある意味「当然」というかしょうがないことで、後はどのように手を加えて本にするか、という部分のお話かと。
その点本書では、ご自身の体験等を省き、「見開き2ページで1つの項目について解説」という「量で勝負」するスタイル。
故に、とにかく「ネタは多い」です。
というか、本書は最後の1ページが「参考文献」でして、ここに50冊以上の本(純粋な勉強本だけではないですが)がずらーっと並んでいると言うw
◆折角なので(?)、当ブログでご紹介済みの勉強本を列挙してみます。

いつも目標達成している人の勉強術 (アスカビジネス)
参考記事:【勉強本】「いつも目標達成している人の勉強術」福田 稔(2008年10月10日)

脳と心を味方につける マインドハックス勉強法
参考記事:【勉強】「マインドハックス勉強法」佐々木正悟(2008年07月29日)

1日5分 頭がよくなる習慣
参考記事:【学習ハック!】「1日5分 頭がよくなる習慣」佐藤 伝(2008年01月09日)

もっと効率的に勉強する技術!
参考記事:【実直!】「もっと効率的に勉強する技術!」高島徹治(2007年08月13日)

超合格法―最小の努力で結果を出す
参考記事:【勉強法】『最小の努力で結果を出す超合格法』で確認する7つのポイント(2010年10月17日)

できる人の勉強法
参考記事:「できる人の勉強法」安河内哲也(2007年01月19日)

レバレッジ勉強法
参考記事:【レバレッジ】「レバレッジ勉強法」本田直之(2007年09月25日)

「1日30分」を続けなさい!人生勝利の勉強法55
参考記事:【勉強】『「1日30分」を続けなさい!』古市幸雄(2007年07月26日)
……んー、同じ荘司雅彦さんの本でも、当ブログで定番の『最短で結果が出る超勉強法』ではなくて、『超合格法』の方をセレクトしていたり、微妙に疑問な部分もありますが、これはこれで「アリ」かと(偉そうw)。
◆なお本書はタイトルに「1日1分!」とありますが、これは「1日1分の勉強でいい」という意味ではありませんのであしからず。
むしろ上記ポイントの5番目にあるように「少しだけでも手を付ける」ことや、それによって「勉強を継続する」ことを意図しているタイトルなのではないか、と。
ですから、しっかりとした目標やモチベーションを持って勉強を続けている方にとっては、本書は宝の持ち腐れになりそうな。
同様に「目からウロコ」となるかどうかも、当たり前ですが読者の皆さんそれぞれの既読本いかんだと思います。
……って、あまり薦めてないようですが、上記で列挙した勉強本を読まれてないような方なら、結構お買い得なんですけどねw
特に勉強のおける「マインド面」を強化したい方に!

1日1分!目からウロコの勉強法
1 勉強戦略―何を目指すか?どう目指すか?
2 目標設定と時間管理―細切れ時間で最大の効果をあげる
3 記憶力と集中力―あきらめる前にやるべきこと、やってはいけないこと
4 モチベーション―やる気を刺激するにはコツがいる
5 マインド―大人の勉強は「心のしかけ」が決め手!
【関連記事】
【勉強法】『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』清水章弘(2013年04月13日)【心理系勉強法?】『夢をかなえる勉強術』ゆうきゆう(2013年01月21日)
【オススメ】『つねに結果を出す人の「勉強脳」のつくり方』に学ぶ7つのポイント(2012年12月29日)
【東大式】4倍効率がよくなる勉強法(2012年03月01日)
【編集後記】
◆ちょっと前に出た本なのですが。
一生モノの英語勉強法――「理系的」学習システムのすすめ(祥伝社新書312)
私は当分英語を使う予定がないんで買わなかったんですが(ヲイw)、パラパラと立ち読みしたところ、結構面白そうでした!

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