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2013年03月21日

【仕事術】『お金という人生の呪縛について』松本 大


お金という人生の呪縛について
お金という人生の呪縛について


【本の概要】

◆今日お送りするのは、マネックス証券株式会社代表取締役社長CEOである松本 大さんの自己啓発本。

1週間ほど前に土井英司さんのメルマガで知って、買おうとした際にアマゾンで品切れだったのが、やっと在庫が復活したようです。

アマゾンの内容紹介から。
10億円の報酬を捨て、新しいお金の流れを目指いた経営者による、仕事と人生の常識から解き放たれるための57のメッセージ。

今回は、本書の中から特に仕事術的な部分を中心にご紹介してみます。


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【ポイント】

■1.仕事は直列に並んでいるので、順番にこなす
 どんなに小さな仕事でも、どんなにつまらない仕事でも、仕事は直列に並んでいるので、その1つひとつを順番にこなしていかなければなりません。部屋の扉を開けて目の前にイスがあったとしたら、誰でもイスをどけてから部屋に入ります。そうしなければ部屋に入れないので、誰でも厭わず動かすでしょう。ところが仕事になると、つまらない仕事、とるに足らない仕事だと思うと面倒がったり他人がやるのを待つ人が出てきます。
 仕事が並列に並んでいるのであれば、仕事を選んでいても、仕事の大部分はこなせるでしょう。しかし仕事はシーケンシャルに並んでいるので、すべて順番にこなしていかない限り前に進めないのです。


■2.やらなくてもよい25%の仕事を探す
 仕事のムダは25%くらいあると思っています。25%という数字は感覚的なものです。実際は20%程度かもしれませんが、それだと好き嫌いだけに左右されそうです。「この仕事は嫌いだから止めよう」では、仕事を減らす趣旨にかないません。かといって3分の1の仕事を減らそうと思ってもそれは割合が大きすぎるでしょう。結局、やらなくてもいい仕事を探す努力を諦めてしまいそうです。25%は目の前の仕事なり作業なりのムダを探す前提としてまあまあ適当な数字ではないでしょうか。


■3.仕事は慣れたことをやるのが1番
 私がゴールドマン・サックスを辞め、マネックスを創業したとき、畑違いの仕事を始めたと思った人もいたようですが、私自身はまったく違う仕事を始めたとは思っていませんでした。仲介手段がインターネットに変化しただけで、仕事の中身は金融なので何も変わっていないのです。
 私のほかにもゴールドマン・サックスを辞め、起業した人がいます。金融以外の事業を始めた人は成功しなかったように思います。人は自分が径験を債むことで得た能力を発揮できる領域で仕事をするのが一番よいということではないでしょうか。


■4.そこに仕事があるから、と割り切って働く
 人は「仕事が好きかどうか」とか、「やりがいがあるのたろうか」と真剣に悩み始めるとどんどん悪循環に陥ってしまいます。そして仕事が手につかなくなります。悩んだり考えてもキリがないのです。
 ならば、仕事は登山のようなものだと思ってしまいましょう。その仕事が好きだからやっているとか、この仕事はやりがいがあるからやっているという考え方はいったん捨てて、「そこに仕事があるから」仕事をするんだと割り切ってしまうのです。


■5.あらかじめ結果が決まっている会議は開かない
 私は会議を短くしようと思っていますが、根回しした会議が好きなわけではありません。会議の目的はいろいろあってしかるべきでしょう。ただし、どの会議でも1つだけ重要なことがあります。結果があらかじめ決まっていては会議にならないということです。正しく言えば、意見をまったく聞かないつもりで会議を開くのでは意味がありません。
 ところが世の中には、あらかじめ答えが決まっていて、耳を貸す気のない会議が相当に多いのです。私はこういう欺罔、もっとはっきり言えばウソが大嫌いです。そういう会議があれば意志を持って減らすようにしなければいけません。


■6.夢や目標は曖昧なほうがいい
社長になるとか、マネジャーになるとか、実現するかどうか分からない夢や目標のために、それを実現するための段取りにあれこれと頭を悩ますくらいなら、目の前の仕事に全力投球すべきです。そうすれば結果はおのずとついてきます。(中略)
 夢や目標は曖昧なほうがいいのです。方向性を示すだけでいいのです。あまり具体的に考えてはいけません。未来のことを事細かに考えたところで周りも変われば自分も変わります。そのたびにまた精緻な行程表を作り直す時間はもったいないと思います。少なくともその間は自分の行動が止まってしまいます。
 方向性だけ決めたら、とにかく走り出してみるのです。


■7.メッセージは絶対分かってもらうつもりで話す
 メッセージを伝えるときは絶対に分かってもらおうという強い意思がなければいけません。私は取材で同じことを何度も何度も聞かれます。分かってもらえているだろうなと、つい話を端折ると言いたいことが正確に伝わらず、反省しきりという場合もあります。
 絶対に分かってもらおうと思って話しても十分に分かってもらえないこともあるのですから、「分かってもらえているかな?」「取りあえず話してみようかな」といった弱い気持ちではメッセージは決して伝わりません。


【感想】

◆私は今回初めて松本さんのご本を拝読したのですが、結構オーソドックスなのだな、と感じました。

世代的には私とほぼ同じ。

ただしその経歴は、中学高校と開成で、大学が東大、とエリートそのものです。

こういう方が無骨に「直列に並んだ」仕事をこなしていて、今回は抜き出しませんでしたが、「1日20時間くらい働いている」というのは、ちょっと眩暈がw

私なんぞは「それでもどこかに抜け道があるのでは?」と思ってしまうのですがw


◆本書は下記目次にもあるように、第1章が「仕事術」、第2章が「時間術」であり、上記ポイントはこの2つの章からがそのほとんどになります。

逆に「投資」「経済」が中心となる第4章はまったくスルー。

同様に「世界」がテーマの第6章も、付箋は貼ったものの、割愛させて頂きました。

……マネックスという会社のトップの方が書かれた本なのに、それでいいのか、と一瞬迷ったのですが、詳細は本書で直接確認頂く、ということで。


◆むしろ興味深かったのが、本書に登場するグッズの数々。

これは松本さんが出張の際に必ず携帯する小道具の1つ。

シュピューラー SP170 【携帯用おしり洗浄ポンプ, 専門科医師推薦の特許ノズル】
シュピューラー SP170 【携帯用おしり洗浄ポンプ, 専門科医師推薦の特許ノズル】

こちらは「中学時代から使っている」というスケジュール表。

rido mini planner - Google 検索

何故かアマゾンでも取り扱いがないのですが、同じものを私の父がかつて愛用しており、銀座の伊東屋で入手していました。

そしてこちらが「心の書」と言われるモンテーニュの『エセー』。

エセー〈1〉 (ワイド版 岩波文庫)
エセー〈1〉 (ワイド版 岩波文庫)

なお、最近はももクロをお聴きになっているそうで、コンサートにも行かれたとのことですw


◆なお、本書はレビューによると、下記の松本さんのブログから持ってきたネタが多いのだそう。

松本大のつぶやき/マネックス証券

また、過去に仕事術本も出されているので、そちらとネタがかぶっているかもしれません。

私は仕事術本が好きで、とりあえず色々な方のスタイルを知りたいため本書にも満足していますが、昔からの松本さんのファンの方は、一応ご留意を。


サラッと読める1冊です!

お金という人生の呪縛について
お金という人生の呪縛について
第1章 仕事から経験を積み、経験を知恵に変える。
第2章 有限な時間を有効に活用する。
第3章 日々の中で小さな改革を。
第4章 個人として経済に参加する。
第5章 忘れないと新しいものは覚えられない。
第6章 世界の中で個人として生きる。


【関連記事】

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【編集後記】

◆こちらも土井さんのメルマガで知った1冊。

リ・インベンション: 概念のブレークスルーをどう生み出すか
リ・インベンション: 概念のブレークスルーをどう生み出すか

三品先生の本は『どうする? 日本企業』が良かったので、これもチェックしなくては。


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