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2013年03月05日

【こんな方法あったんだ】『伝え方が9割』佐々木圭一


伝え方が9割
伝え方が9割


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、すでに話題沸騰&アマゾンでもランキング入りしたコミュニケーション本。

土井英司さんのメルマガに続いて、丸善の田中さんがHONZで取り上げられており、その影響でか、リアル書店でも激売れのようです。

アマゾンの内容紹介がちと長いので、版元サイトから引用。
入社当時ダメダメ社員だった著者が、なぜヒット連発のコピーライターになれたのか。 本書には、心を揺さぶる「伝え方の技術」が書かれてある。 膨大な量の名作のコトバを研究し、「共通のルールがある」「感動的な言葉は、つくることができる」ことを確信。この本で学べば、あなたの言葉が一瞬で強くなり人生が変わる。

なるほど、これは「人生変わる」かもしれません!?


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【ポイント】

■1.「教科書的に正しいか」ではなく「相手の心に響くか」
「愛している」
「愛してる」
 この2つのコトバを見てください。国語として正しいのは、「愛している」です。「愛してる」は「い」が抜けている口語で、教科書的には正しくありません。旧来からの日本語を大切にしている方々には怒られてしまうことを、これから言います。
 この本での、正解は「愛してる」です。
 それは、こちらのほうが相手の心に届くからです。


■2.「ノー」を「イエス」に変える3つのステップ
ステップ1 自分の頭の中をそのままコトバにしない

ステップ2 相手の頭の中を想像する

ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる


(詳細は本書を)


■3.「嫌いなこと回避」でコトバをつくる
 こんな話があります。チカンが頻発する地域がありました。住民は「チカンに注意」というポスターをつくり貼っていたのですが、ほとんど効果はありませんでした。でも、そのポスターをあるコトバに変えたら、ぴたりとチカンが止まったというコトバがあるのです。なんだと思いますか?
「住民のみなさまのご協力で、チカンを逮捕できました。あリがとうございます。」
 なぜ、効果があったのでしょう? それは、相手の「嫌いなこと回避」からコトバをつくったからです。


■4.感謝が入ると、人はお願いを拒否しにくい
 最近、コンビニのトイレで書かれているお願いのコトバが変わってきました。以前は、
「トイレをキレイに使ってくたさい」
 と書かれていました。でもこちらだと、コンビニ経営者の自分のメリットでしかありません。キレイに使ってくれる人もいれば、使わない人もいたのだと思います。それが最近ではこう変えています。
「トイレをキレイに使っていただき、あリがとうございます」
 感謝が入ると、人はお願いを拒否しにくいのです。最近ではほとんどのコンビニがこのコトバに変わりました。実際に効果があるのでしょう。


■5.「ギャップ法」で心を動かす
 人々を熱狂させたオバマ氏の大統領就任のコトバ。彼がもともと言いたかったことは何でしょう?
 これは、あなたの勝利だ。
 そう言いたいのです。選挙を戦ってきた人々への称賛です。でも彼は、あえて「あなた」の反対側である「私」というコトバをその前に使ってギャップをつくりだしたのです。
 これは私の勝利ではない。あなたの勝利だ。
 このコトバこそが、人々の感動を最高潮にしたものでした。


■6.「赤裸裸法」で体温を感じさせる
 人に「好き」と言うときに、あなたのカラダはどう反応していますか? まずは顔まわりで考えてみましょう。
 顔はどうなリますか?  赤くなリますよね。
 のどはどうなりますか?  カラカラになリますよね。
 くちびるはどうなリますか?  ふるえますよね。

 この、どれを使ってもいいのです。いつもはコトバにしていない赤裸裸な感覚をコトバにするだけで、コトバはイキイキするのです。
「あなたが好き」の前に入れるだけで、こんなに体温を感じるコトバに変わるのです。


■7.メールは感情30%増しで
 こう比べてみると、同じコトパでもメール文字が冷たく感じられるのがわかると思います。デジタル文字だと、温かみや感情がそぎ落とされてしまうからです。もらったメールでもありますよね。「うわ、なんかそっけない」と。でも相手はそんなふうに思わず送っていることがほとんど。
 あなたのメールも同じです。あなたのメールは、あなたが思っている以上に、相手に冷たく伝わっていることを知りましょう。
 では、具体的にどうすればいいかです。
 感情がそぎ落とされるぷん、コトバで感情を30%増しにするのです。これで、手書きと同じレべルになります。具体的には、語尾です。語尾に感情を加えるのです。

(詳細は本書を)


【感想】

◆本書の第1章には、かつて「伝え方が苦手だった」頃の佐々木さんのお話が登場します。

何でも、大学で機械工学を勉強していたという意外性からか博報堂に入社し、コピーライターになったものの、「文章のへたさで周囲を驚かせた」とのこと。

しかも、その「苦手なもの」を毎日続けるストレスで過食になり、1年で10キロも体重が増えたのだとか。

しかし、名作の詩集や書籍、コピー集を読み漁り、ノートに書き写しているうちに、佐々木さんは、コトバの構造の共通性に気が付きます。

例えば「考えるな、感じろ」(『燃えよドラゴン』)と、「事件は会議室で起きてるんじゃない! 現場で起きてるんだ!!」(『踊る大捜査線』)の構造が似ていることから導き出されたのが、上記ポイントの5番目の「ギャップ法」。

本書の第3章では、この「ギャップ法」のほか、続く6番目の「赤裸裸法」等の「強いコトバ」を作る技術が5つ紹介されていますので、ぜひ本書にてご確認下さい。


◆ところで、本書の「はじめに」に「効果的なデートの誘い方」が紹介されています。

「デートしてください」の代わりに言うセリフが「驚くほど旨いパスタの店があるのだけど、行かない?」

実際、このセリフで、何人もの男性がデートを成立させたのだそう。

ちなみにこれは、第2章収録の『「イエス」に変える「7つの切り口」』の1つ、「相手の好きなこと」に該当します。

また、上記ポイントの3番目と4番目も同様に、この「7つの切り口」ですのでご参考まで(残りは本書にて)。

……この7つ、全部モテネタに使えるんですがww


◆本書の特長の1つが、こうしたテクニックそれぞれについて、具体的な事例がキチンと記載されていること。

さらに第3章収録の『「強いコトバ」を作る5つの技術』では、各技術ごとに「課題」まで出されています。

本書はぶっちゃけ、ネタの数的には、それほど多くはないのですが、1つ1つを確実にモノにさせようとする作りがスゴイな、と。

一番驚いたのは、表表紙のすぐ次あたりに、本書の手帳にはさめるサイズの「超縮小版のまとめ」が付されていたこと!

こ、これは実践的な……。


◆本書の著者の佐々木さん曰く、「世の中の大勢の伝え方は、温泉でお気軽ピンポンをやっているレベル」である、と。

一方、私たちが本書を読めば、そのレベルとは「明らかに一線を画す」ことができるのだそう。

アマゾンの「著者について」を読むと、いかに佐々木さんが国内外で広告の賞を受賞しているのかが分かるのですが、その秘密こそが、本書にあるようなテクニックなのだと思われ。

私も毎回スマッシュを決められるようになりたいものです。


トップクリエイターが、ヒットを連発できる秘密がここに!

伝え方が9割
伝え方が9割
はじめに 伝え方にはシンプルな技術がある
第1章 伝え方にも技術があった!
第2章 「ノー」を「イエス」に変える技術
第3章 「強いコトバ」をつくる技術
コラム 時間にゆとりのある方には、長文全体を強く!
おわりに あなたの宝の地図を見つけよう


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【文章術】『短く伝える技術』山田進一(2010年11月09日)


【編集後記】

◆今日の本の参考文献に出てきた1冊。

広告コピーってこう書くんだ!読本
広告コピーってこう書くんだ!読本

参考記事:【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日)

個人的には、未だこの業界の方が出された本の中ではベストではないか、と思っております。


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