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2013年01月31日

【起業の心得】『そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか』山口揚平


そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、起業のキモが分かりやすくまとめられた1冊。

タイトルからは中身がちょっと分かりにくいと言うか、リアル書店で最初見かけた時には、てっきり「会社生活の送り方」的な本だと思ってしまいましたが、あくまでテーマは起業・独立関係です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
何もビジネスで大成功したいと望んでいるわけではなく、ただ自分が好きなことで社会に貢献し、そのお金で食べていくことができれば、それが求めている自分の幸福だと多くの人がすでに気づいています。
でも、好きなことをただやっても食べていくのは難しい、それが現実――と考えるのは、間違いです。
「好き」で「食う」にはコツがあります。その知識をきちんと学べば、食べていけるだけのビジネスにできるのです。

これがなかなかの掘り出し物でした!


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【ポイント】

■1.「何をやるか」より「どうやるか」が大切
観光地で写真を撮るカメラマンであれば、写真を撮ってその場でプリントして観光客に即売するというモデルもあるし、写真を撮ってあげて観光客に名刺を配り、ここにアクセスするとダウンロードできます、という販売方法もありえます。後者で、ダウンロードする際にクレジットカード払いで100円、というシステムが構築できていれば、どちらが儲かるかというとと後者でしょう。(中略)

 ここでのメッセージは、バリューとシステムを切り離して考えることが必要だということ。バリューはもちろん大事です。でも、システムがないとお金は入ってきません。


■2.ディズニーランドの本当の収益の柱は?
 例えば、ディズニーリゾート(運営会社:オリエンタルランド)の土台は、実は「ワールドバザール」にあるということを多くの人は知らないでしょう。
 もちろん、アトラクションなどのコンテンツが、ディズニーリゾートのバリューの中心ではあります。けれども収益構造を見ると、テーマパーク事業全体の売上高に占める入園料関連の割合は43%と、半分に満たないのです。それに対して、物販は36%、飲食で21%の合計は計57%で、これらが占める割合の方がむしろ大きいと言えます。


■3.さまざまなビジネスに秘められた工夫とは?
以下に紹介するそれぞれのビジネスが、どんな工夫で儲けているのか、考えてみてください。

(1)東京・大手町の花屋で、ほとんど客が入っていないのに儲けているところがある。誰に売っているのか?

(2)ある商店街の弁当屋は、200円で弁当を販売して利益を出している。どんな仕組みがあるのか?

(3)トリンプのネットショップは、下着販売が好調である。いったい誰がお金を出しているのか?

(4)東大合格者をたくさん出しているサピックスは代ゼミに買収されたにもかかわらず、東大合格者がそれほどでもないべネッセコーポレーションが非常に好調なのはなぜ?


(正解は本書を)


■4.プロフィットモデルパターンは複数組み合わせる
 つまり、顧客では「個人」を相手にし、商品は「直球」、すなわち現物の製品やサービス、スキルそのもの、課金の仕方は「スポット」(その都度)、支払い方法は「現金」で、商品を作る資源は「自己調達」というのが、特に工夫のない普通のビジネスのやり方でしょう。
「好き」なことで「食う」ことを考えた多くの人は、こうした基本の組み合わせでビジネスを始めがちです。しかし、このビジネスモデルは雄もが参入可能ですから、当然過当競争が進むわけです。となれば、十分に食えない可能性が高いでしょう。これではいけません。
 逆に言えば、この中でどれか1つだけでも基本のパターンではないものを取り入れれば、ビジネス展開は有利になります。


■5.誰でも最初は一定期間、丁稚奉公せよ
スティーブ・ジョブズでも、学生時代、ゲーム会社でプログラマとして働いていた期間がありましたし、ハーバードを中退したビル・ゲイツやザッカーバーグだって他人の仕事を手伝ってお金を稼いでいたときがあります。
 天才であろうと凡人であろうと、丁稚として社会の中で揉まれる時期が、誰でも必ずあるということです。それが、確実にその後の成功の原体験となります。

 その意味で、自分がニート、あるいは内定がない学生だからといって、働き口がないからという理由で起業するのはもちろんダメです。内定がないならインターンでもボランティアでも丁稚奉公でも何でもして、とにかくどこかに潜り込まなくてはいけません。これはお金の問題ではなくて、職業訓練の問題なのです。


■6.ベストを尽くすよりもべターを積み上げる
顧客に対する価値を上げるためには、「べターを積み重ねる」ことが必要です。自分がべストを尽くして没頭してしまうと、周りが見えなくなってしまいますよね。だから、ベターを積み重ねるということは、常に一歩引いた姿勢で少しずつ歩を進めるということです。
 サラリーマンの場合は、べストを尽くすことに意義があり、1つの業務に従事するというのが基本ですが、独立してこれをやると失敗します。


■7.ロゴス(論理)・パトス(情理)・エトス(倫理)を調和させる
 実際の事業では、この3つがバランスよくないと、長続きしないと思います。ロゴスばかりのビジネスは、共感を得ません。だからといって、NPOにありがちですが、エトスばかりを主張しても現実的には行き詰まってしまいます。パトスが突出した会社は、体育会系的なイべントや祭りを重視し、精神論的な部分が大きいので、ついていけなくなると厳しいです。(中略)
 もちろん、完全にバランスを取るというのは難しいのですが、できるだけどれかに偏ってきたら、足りない要素を意識して取り入れていくべきたと思います。


【感想】

◆冒頭でも申しあげたように、本書の中身はタイトルとはウラハラにガチな起業論です。

それも「プロフィット(利益)モデルの分析」を行うという、結構本格的なもの。

さすが『デューデリジェンスのプロが教える 企業分析力養成講座』なんて本を書かれている山口さんだけのことはあります。

例えば、上記ポイントの2番目にある「ディズニーランドの収益の柱」の件は、ご存知の方も多いかと。

実際、ユーロディズニーの不振の理由の1つが「物販の不振」と私も聞いた記憶があります。


◆本書ではこのディズニーの他にも、「AKB48」「ハーバードやオックスフォード」「ほぼ日」といったビジネスの「稼ぎの土台」を分析。

その際、鍵となるのは、上記ポイントの4番目にも登場する「顧客」「商品」「課金の仕方」「支払い方法」「資源」の5つの領域です。

5つの領域でそれぞれ3つずつのパターンがあるものの、上記で「特に工夫のない普通のビジネスのやり方」と指摘した1つ目のパターンは今からあえて採用する必要はないため、残りの「2つのパターン×5領域」の計10個のビジネスモデルが「これからも使える」ものである、と。

このうち5つの領域はすでに述べましたが、残りの2つのパターンについては、本書にてご確認頂きたく。

本書の第2章の終わりでは、各プロフィットモデルパターンを、このように図解しており、これも分かりやすかったです。




◆第3章では、実際の起業に向けての考え方や心得が。

上記ポイントの5番目の「丁稚奉公」のお話は、一歩間違えればブラックと言われかねませんが、May_Romaさんの言うところの「ジョブじゃなくジョブエクスペリエンス」ということなのかと。

@May_Romaさんによる、「インターンとは?」から始まる諸々に関する本当の話。 - Togetter

ちなみに本書では、「企業に丁稚奉公」するだけでなく、「自分のロールモデルとなるであろう人物に弟子入りする」ことも推奨されていますので、こちらも要チェックで。

一方、第4章では「独立後」の考え方について、サラリーマンと比較されており、これも「なるほど納得」。

ある意味「真逆な考え方」をする必要があるワケですから、今のうちに知っておくに越したことはありません。


◆私は大昔に、『ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか』という本を読んだことがありました。

あの頃は今より知識も少なく、正直「よくワカンネ」と思ったものですが、当時読んだのが今回の山口さんの本だったら、きっとすんなり腑に落ちたと思います。

なお、本書は「『好き』で『食う』を実現するための方法」というセミナーが元になっているのだそう。

このタイトルでググってもセミナーはヒットしなかったのですが、代わりに山口さんのこんな記事が検索結果のトップに。

「好き」で「食う」を実現するには? AKB48とハーバードに共通する成功法則 |混迷日本で幸せになるための“21世紀型”リテラシー|ダイヤモンド・オンライン

あー、結構この記事自体が、本書のキモの部分なので、記事を気に入られた方なら、「本書はマスト」だと思いますw


ビジネスモデル好きには、たまらない1冊!

そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
序章 会社を辞めてニートになっても、食べていこう
第1章 「好き」で「食う」には何が必要か
第2章 「食う」ために使える10のプロフィットモデル
第3章 起業までの3つのステップ
第4章 独立後に身につけるべき3つの考え方
第5章 本当はこれが大切なこと


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【スゴ本】「20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義」(2010年04月06日)

【スゴマニュアル】「完全網羅 起業成功マニュアル」ガイ・カワサキ(2009年06月07日)

【スゴ本!】「はじめの一歩を踏み出そう」マイケル・E・ガーバー(2008年09月10日)


【編集後記】

◆というわけで、上記でも触れた『ザ・プロフィット』ですよ。

ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか

未読の方は、一応お読み頂きたく……。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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この記事へのコメント
http://blog.livedoor.jp/webmarketing127/archives/22616026.html



http://blog.livedoor.jp/webmarketing127/archives/22664664.html

の記事で、好きを仕事にをぶった斬ってますw

今回のsmoothさんの記事を読んで、この本にかなり興味を持ちました。
好きを仕事にをどう実現する手法を教えているのか、興味津々です。

私も、好きを仕事にを実現したいですw
でも、現実的に食えない壁にぶつかっていて、以上のような記事を書きました。
紹介された本で、突破口が開けるなら、幸いなのですが。。。

良い記事、ありがとうございます!

Posted by グラさん at 2013年01月31日 10:13
>グラさんさん

コメントありがとうございます。
記事拝読致しました。

私も本田健さん系の「好きを仕事に」には、多少疑問を感じた(ポジショントーク的に)のですが、本書の場合、「好きだからこそ丁稚奉公できる」と考えれば、なるほどな、と。

またビジネスモデルの辺りは、好きか否か関係なく、利益を生む仕組みを学べるので、読んで損はないと思います。

本書が、グラさんさんにとって、何らかしらのヒントになりますように。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年02月01日 08:14
この本を、86ページまで読みましたが、面白いです!

役立つかはまだ不明ですが、知的刺激は十分もらえそうです。

掘り出し物の本を紹介していただき、ありがとうございます。

ちなみにブログの名前を変更しました。Webマーケティングが最後まで、関係なかったというw URLが意味ない。。。

Posted by グラさん at 2013年02月07日 22:57
>グラさんさん

おー!お読み頂いていますか!
なかなか面白いと思いますので、引き続き、お読みくださいマセ。
そしてできれば役に立てられんことを!

ブログタイトル、確かにURLと違っちゃいましたね〜。
もったいないというか何というか……(涙)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年02月08日 00:06
著者です。この度は感想をありがとうごあいました。

この本は、実は、会社を辞めるとかそういうことではなく、自分の価値をどうマネタイズするのか、そのプロフィット・モデルを紹介するプラクティカルな内容になっています。

この本が少しでも気に入った方には、僕は以下の実践本をお勧めします。

●ザ・プロフィット:http://p.tl/aPsY
利益の源泉がどこから生まれるのか、ストーリー仕立てで説明したもの。何度も読みなおした記憶があります

●はじめの一歩を踏み出そう:http://p.tl/YvOe
もはや独立のバイブルでしょう。起業の初期にうってつけ

●企業分析力養成講座:http://p.tl/8NuV
拙書です。9つの企業のビジネスモデルを分析しています。在庫がなくなる可能性があるのでお早めに。

精神論や抽象論が多い中、具体的な成果に結びつく智恵を教えてくれる本は意外に少ない。
そこで2月12日に急遽、出版記念セミナーをすることになりました。ご自身の趣味を仕事にしたい方、キャリアを伸ばしたい方、ビジネスをシャープにしたい方はもしよかったらいらしてくださいませ。

2月12日、出版記念セミナー
https://ssl.form-mailer.jp/fms/cb796890231805

Posted by 山口揚平 at 2013年02月10日 04:09
>山口揚平さん

著者様直々のコメントありがとうございます。
確かにタイトルについては、Twitterやブックマークコメントでも「?」という指摘がありました。

ご紹介頂いた本のうち、最初の2冊は既読でしたので、山口さんのご本を機会を見て読んでおきたいと思います。
12日のセミナーはお伺いしたいところですが、毎週火曜日は嫁の仕事の関係で私が家にいる必要がありまして(涙)。
僭越ながら、セミナーのご成功を陰ながらお祈りしております。

次回作も期待しておりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年02月11日 06:59