スポンサーリンク

2012年11月18日

【理系の子?】『人気講師が教える理系脳のつくり方』村上綾一


人気講師が教える理系脳のつくり方 (文春新書 889)
人気講師が教える理系脳のつくり方 (文春新書 889)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、理数系専門塾のカリスマ講師、村上綾一さんによる、「理系の子」を育てるための指南本。

私自身「良かれ」と思ってやっていたことが、誤りだったと知って、少々驚きました。

アマゾンの内容紹介から。
理系に強い子は面倒くさがり!?

東大・御三家に教え子を多数送り込むカリスマ講師が教えるわが子の理系的頭脳を育む極意。理系コンプレックスの親が陥りがちな失敗とは?

子育てパパなら、是非ともチェックして頂きたい1冊です!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【ポイント】

■1.長時間勉強は危険


Study hard / bartosz.maciejewski

 小学生の場台、本気で勉強に集中できる限界は、せいぜい30〜40分ぐらいです。学校の時間配分が40分勉強して5〜10分休むようになっているのは、そのためです。
 何時間も勉強漬けにしたところで、子どもの学力は親が期待するほど伸びません。むしろ、適応能力が高いぷん、ゆるい緊張のまま長時間勉強することを覚えてしまいます。ゴムを伸ばしっぱなしにすると、弾性がなくなって元に戻らなくなるのと同じです。


■2.方程式は早いうちから教えない


Gravitational Force Cake / The Eggplant

方程式、三平方の定理、ルートの計算も、早くから教えると、かえって害になります。
 低学年のうちからこうした"便利な道具"を子どもに与えると、自分で考える力や工夫する習慣が身につかなくなってしまうからです。その結果、高学年になってから理系能力が伸びなくなり、計算や平面図形が苦手になってしまう子が、現実にたくさんいます。方程式を教えるなら、6年生になってからにするべきなのです。
 こういうことを知らない親は、「うちの子は1年生なのに、もう方程式を覚えた」と悦に入っていますが、そんなものは自己満足にすぎません。典型的な勘違いです。


■3.東大合格生のノートは美しくない

東大合格生のノートはかならず美しい

 東大に入った教え子や、筑波大学附属駒場(筑駒)・御三家に合格した子のノートを見ると、だいたいにおいて書き方が雑然としています。ただし、間違えてはいない。(中略)
 近年、『東大合格生のノートはかならず美しい』(太田あや著・文芸春秋)という本が話題になりましたが、そこに紹介されていたのは、私に言わせれば「数学のできない女子高生のノート」ばかりです。
 重要事項を箇条書きにしてまっすぐな線で囲ったり、定規を使って詳細な図を描いたり、参考書のコピーを貼りつけたり……。人に見せるノートとしては「美しい」かもしれませんが、本来、ノートは自分さえ理解できればいいのです。大多数の東大生は、あんなにきれいに書いていません。


■4.知的成長を促す玩具を与える

パズリング PUPLE

 なお、おもちゃを買い与えるなら、ブロック、積木、知恵の輪、プラモデルなど、知的成長を促す良質な玩具がお勧めです。説明書や完成見本図に頼らず、好きなように組み立てたり分解したりする方が、理系力は鍛えられていきます。「分解して元に戻す」は、理系・工学系のファーストステップなのです。


■5.合否を決めるのは算数の実力


Aritmetica / My Buffo

 2011年度の武蔵を例にとると、合格者の平均点と受験者全体の平均点には、算数だと21.7点の開きがありますが、国語は9.5点、理科は4.7点、社会は3.5点の開きしかありません。国・理・社は3科目全部足しても17.7点の開きしかありません。つまり、算数1科目でついてしまった点差は、他の3科目でいくら点数を稼いでも挽回できない仕組みになっているわけです。国・理・社で挽回できる学校がないわけではありません。しかし、そういった学校は、大学受験の合格実績があまりよくありません。


■6.「夏は受験の天王山」はウソ


Teenage Summer Programme 2012 / Shane Global Language Centres

どの親も、「夏は受験の天王山」だと信じ込んでいますが、じつはこの言葉は、子どものためではなく塾のためにあります。
 というのは、大多数の塾にとって夏期講習は、年間売上の約3割を占めるほど大きなイべントだからです。夏に売上を伸ばせないと死活問題。
「夏が大切」と塾が言うのは、「塾の経営にとって大切」という意味なのです。そんな言葉に惑わされてはいけません。


■7.「読書好きな子は入試で有利」は大間違い


Summer Reading 7 / KOMUnews

 じつは「読書が好き」ということと国語の得点や偏差値は比例しません。読書が好きな子を持つ多くの親は、「読むスピードがびっくりするくらい速くて、次々と図書館から本を借りてきます」と嬉しそうに言いますが、それで「入試に有利になる」と思うのは早計です。読書好きなのはいいことですが、本のあらすじを追うことに夢中になり、細部をすっ飛ばして読んでいるからです。


【感想】

◆私自身、小学生の娘を持つ親として、大変興味深く読ませて頂きました。

中でも上記ポイントの5番目にあるように、算数の点数によって合否が左右される可能性が高い、というのは衝撃的!

何故なら、ウチの娘がもっとも苦手なのが算数だから。

以前、九九の練習をつきっきりでやったことがあって、その時だけは一時的に成績が良かったのですが……。

参考記事:【備忘録】資格試験方式でムスメに九九を教えた話(2012年02月01日)

もっとも、好調だったのはその時だけで、現在は「低値安定中」という。

かく言う私自身も実は「ガチな文系」であり、そんな親が子をどのように導くか、という点について、本書からは上記で挙げたポイント以外にも多くのことを学べました。


◆また逆に「理系な父親」も、子育てに関して注意すべきことが!

何でも、こういうお父さんは「自分と同じように算数・数学が得意になって欲しい」と思うあまり、年齢不相応な解き方を教えようとする傾向があるとか。

具体例として挙げられていたのが、「1,2,3の3つの数字を並べて3桁の数字が何通りできるか」という問題。

これを「3×2×1=6通り」と最初から教えてしまうと、「123,132,213……」と書き出すことができなくなってしまいます。

すると、こんな問題が出た場合にお手上げ。
「1,1,2,2,5,0の6つの数字を並べて3桁の数を作ります。何通りできますか」
この問題は計算で解くことはできず、1つひとつ書き出すしか方法はないとのだそう。

ですから、村上さんの塾では、4年までの生徒には書き出ししかやらせていない、とのこと。


◆下記目次の通り、本書は第4章までは理系のお話が続くのですが、第5章では国語力についても言及しています。

と言うのも、国語力がないと算数の文章題が解けないから。

ウチの娘も、読むスピードは速いのですが、私と同じで読み飛ばしているようで、ちと心配……。

併せて国語の問題の解法にも触れられており、「なるほど」と思ったのが「国語で問われるのは道徳心である」というお話。

登場人物の気持ちを解答する際、「物語的」には「アリ」なものでも「道徳的」に「ナシ」(例:恨み、仕返し等)なら、それは違うぞ、と。

子供の頃、国語力だけは「誰にも負けない」と思ってた私も、今まで知りませんでした。


◆なお、アマゾンの書影には帯が掲載されていませんが、実はそこに大きく「入試でも、ビジネスでも「理系脳」がなければ勝てない!とあり、私はてっきりビジネスネタもあるのかと思って本書を購入しました。

しかし実際には、ほぼ全部「子供の教育」のお話が展開されているので、独身の方はご留意を。

当ブログでは、読者の皆さんの年齢層的に、子育てネタは微妙なのですが、個人的には「小学生以下のお子さんをお持ちの方」には、本書は必読だと思います。

特に、有名中学のお受験を考えてらっしゃる方はマストかも。

何で女子校の中で、桜陰が東大に強いのか、なんて「目からウロコ」でしたよ(詳細は本書を)。


算数を制するものは人生を制す!?

人気講師が教える理系脳のつくり方 (文春新書 889)
人気講師が教える理系脳のつくり方 (文春新書 889)

はじめに――「理系に強い子」を育てるために
第1章 「理系に強い子」はここが違う
第2章 わが子の才能を伸ばす親、潰す親
第3章 算数を得意にさせる秘訣
第4章 中学受験にどう向き合うか
第5章 国語力はすぺての土台
第6章 自立し、意欲的に生きていく子を育てる
あとがき――「ウサギとカメ」のウサギたちへ


【関連記事】

【スゴ本】『理系の子―高校生科学オリンピックの青春』ジュディ・ダットン(2012年06月07日)

【備忘録】資格試験方式でムスメに九九を教えた話(2012年02月01日)

【動画アリ】『子どもが体験するべき50の危険なこと』で子供の自由研究をやってみようず(2011年08月09日)

【フィンランド】「受けてみたフィンランドの教育」実川真由、実川元子(2007年09月28日)


【編集後記】

◆村上さんがおすすめしているものの1つが「算数パズル」。

ロジカル思考トレーニングパズル面積迷路 (学研ムック)
ロジカル思考トレーニングパズル面積迷路 (学研ムック)

本書にも例題が出ていたので、娘が興味を持つようでしたら、この本も買ってみようかと。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「子育て・教育」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
Posted by smoothfoxxx at 09:00
Comments(0)TrackBack(0)子育て・教育このエントリーを含むはてなブックマークYahoo!ブックマークに登録BuzzurlにブックマークBuzzurlにブックマーク

スポンサーリンク




この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
http://trackback.blogsys.jp/livedoor/smoothfoxxx/52047275