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2012年08月03日

【電博式?】『大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由』本間 龍


大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由
大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、私の職場界隈の某リアル書店では大々的に展開されている1冊。

さすが昔は(今も?)「電通村」と呼ばれていただけのことはあります。

アマゾンの内容紹介から。
博報堂に18年間勤めた著者が見た大手広告代理店のすごい人たち。究極の家内制手工業&肉体労働の世界でおのれの頭脳と肉体を限界まで酷使する大手広告代理店マンたちの壮絶な仕事ぶり。

単なる暴露モノではなく、大手広告代理店に関して多角的に言及しており、なかなか面白かったです!


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【ポイント】

■1.広告代理店は家内制手工業?
 たいてい得意先から提示されるプレゼンまでに許される時間は長くても1ヵ月程度、短かければ2〜3週間、極端な場合1週間で何か案を持って来い、と言われることもある。
 1週間程度で斬新なアイデアを出せ、と要求する方もする方だが、「それは無理です」とは言えないのが広告代理店のつらいところで、渋々ではあっても結局は受けてしまう。そうなってしまっても知恵を絞るのは人間である。納期が短いから頭を3倍働かせろ、なんてことができるはずもない。
 そうなると、結局は無理に無理を重ねて(具体的には、徹夜に徹夜を重ねて)何がしかの案をひねり出して提出することになる。
 ちなみに私の経験上では、超短期間で作った案にいいものがあった試しはない。


■2.明け方3時からの方向転換
「今日のプレゼンは電通が10時、うちは11時からだろ。今からデザイナーに絵を描かせて、協力会社を呼んでボード作らせれば、4時間あれぱできるよ。それを(朝の)8時頃にキンコーズ(コピー専門店)に入れてお手元用資料に追加すれば、9時すぎにはでき上がる。陸連は9時すぎには業務開始だろうから、今からキャステイング(担当)に電話して、9時きっかりに陸連に行かせて確認させれば11時のプレゼンに間に合うだろ? 無駄になったらなったでいいじゃないか」
 と、こともなげに言うのである。
 そりゃあ理屈で言えばそうだが、そのスケジュールを実行するためには、Q氏を含めた制作スタッフはおろか自分もまた完徹しなければならない。
 そして、明朝陸連がダメだと言えば、その作業のすべては徒労となってしまうのである。しかし、エグゼクティブディレクターの言うことは絶対だから、結局はその通りに実行した。


■3.妥協を許さない制作ディレクター
 ある自動車メーカーの競合プレゼンで、「新発売の高級車が橋を渡っていくシーン」を提案することになったときの話だ。
 その頃はまだCG技術が今ほど発達していなかったので、海外ロケを前提に世界中のさまざまな橋の写真が集められ、次々と作業ルームの壁に貼られた。その数はあっという間に数百枚を超え、スタッフたちもこの中から選べばよいと思っていた。
 ところが、そのプレゼンの責任者であるチーフデイレクターは、部屋に入りその壁を一目見たとたんに怒り出したのだ。
「バカヤロー、何だこれは! お前ら、俺は世界中の橋の写真を用意しろ、と言ったんだ。世界中に橋と名の付くものはこれしかないのか? いいか、来週までに世界中の橋を用意しろ!」


■4.代理店のイメージと現実(抜粋)
・基本的に社内でデスクワークっぽい→営業は得意先滞在時間の方が長い

・タレントとお話しできそう→滅多にそういうことはない

・横文字が多くて何だか時代の先端を走っていそう→横文字は確かに多いがやっていることは家内制手工業

・流行を作っていて楽しそう→結果として流行ることもあるが、ほとんどは徒労に終わる


■5.タクシーは体で止めよ!?
「おい本間、なんでこんなバカバカしいことしなきゃならないんだ、と思っただろ」
「……思いました」
「いいか、本間。気持ちよく酔っぱらった得意先との最後の締めが、タクシーにお乗せしてお帰りいただくことなんだよ。そのためには俺たちは何でもしなきゃならない。そういうときにタクシーを止めてみろ、ポイント高いぞ」(中略)
「それはそうですが、もし事故でも起きたらどうするんですか」
 するとCディレクターはニヤリと笑い、目をぎらつかせながら、
「そうなれば最高だよ。得意先のタクシー止めるために体を張って事故ったなんていったら、相手は感激して扱いを全部うちにくれるぜ。ねえそうですよね、部長?」


■6.マスコミが犯罪の減少を取り上げない理由
 では、なぜマスコミがこの事実を積極的に取り上げないかというと、そうした情報はカネ(視聴率)にならないからだ。
 災害や暴力事件など、死傷者が出るような事件は朝から晩まで執拗に報道するが、「犯罪が劇的に減少しています」では視聴率が取れず、結果的にカネにならないと踏んでいるのだ。
 そして、警備会社本体や警備会社・地域の防犯協会に人材を天下りさせる警察、防犯カメラの製造を担うメーカー、防犯設備の充実を謳う住宅メーカーにとっては、犯罪はいつまでも増大してもらうことが大前提で、むしろ犯罪が減ることは、彼らのおまんまの食い上げにつながるから、絶対に報道してほしくない、ゆゆしき事態なのだ。


【感想】

◆最初に申しあげておきますが、上記ポイントの5番目のタクシーネタは、今のお話ではなくて、バブル時代のこと。

最近では、ムスコが横断歩道を渡り始めるのに手を挙げただけでタクシーが寄ってくるほどタクシーは余っていますが、当時はホントに捕まえられませんでした。

特に繁華街の終電間際や終電後の時間帯は、皆、殺気立っていたくらい。

実際私も、職場の飲み会で、部長の乗るタクシーを捕まえるのに、大層苦労した記憶がありました。

しかも接待で捕まえるのであれば、立派な「仕事」ですから、代理店ならこれくらいやっていても不思議ではありません。

本書の第3章では、こうした「バブル時代」の接待のエピソードがいくつか収録されており、当時を知る方にとっては「あるある」となること必至かと。


◆一方、第1章では「今も昔も変わらない」代理店マンのハードな働きっぷりが展開されています。

当初、リアル書店でこの部分を立ち読みして、仕事術本として使えるかな、と思ったんですが、ちょっと極端すぎますかねw?

妥協を許さない働きっぷりは、良くも悪くも、何やらジョブズを彷彿とさせます。

ちなみに、上記ポイントの2番目のプレゼンでは、前日の夜中に、突然当時人気絶頂だった女性ランナーを起用しようとして、スッタモンダ。

何とか資料を準備(もちろん徹夜)したものの、プレゼン開始時間になっても、陸連から許可が出ず、サー大変!?

結局どうなったかは本書をお読み頂くとして、いずれにせよ、ギリギリまでベストを尽くす姿勢は見習いたいものです。


◆こうした和気あいあい(?)とした内容に比べて、第4章以降は、大手広告代理店の「舞台裏」の部分が。

たとえば今開催中のオリンピックは電通が一手に引き受けてますし、それによる実入りはかなりのものだそう(詳細は本書を)。

また、代理店は選挙活動も支援していて、自民党は電通、民主党は博報堂とのこと。

こちらの本によると、小泉元首相に「ワンフレーズ・ポリティクス」をアドバイスしたのも電通だとか。

電通の正体―マスコミ最大のタブー
電通の正体―マスコミ最大のタブー

さらに第5章では「メディアコントロール」の数々の事例が出てきているのですが、正直ここを掘り下げると下手したら記事が荒れかねないので、上記ポイントの6番目以外は割愛致しました(スイマセン)。


◆こうして見てくると、代理店の一営業マンとしてのミクロのお話から、後半にかけてのマクロのお話まで、1冊の本とは思えないくらい(?)、内容が多岐に渡っていることがお分かり頂けるかと。

しいて言うなら、前半がホイチョイの『気まぐれコンセプト』で、後半が苫米地先生の『電通 洗脳広告代理店』みたいなものですからねw

これは、どちらが正しいというのではなく、どちらも電通や博報堂といった大手代理店の姿なのではないか、ということ。

私も今まで、代理店にお勤めの方の本を何冊か読んで参りましたが、こういう泥臭い部分があった上での「華やかな作品」であることが良く分かりました。


電博の実力が窺い知れる1冊!

大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由
大手広告代理店のすごい舞台裏 電通と博報堂が圧倒的に強い理由
第1章 大手広告代理店マンのすごい仕事ぶり
第2章 大手広告代理店マンの素顔
第3章 営業マンのすごい接待
第4章 大手広告代理店の知られざるお仕事
第5章 大手広告代理店のメディアコントロール
第6章 大手広告代理店の黄昏


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「ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる」藤原 治(2007年02月23日)


【編集後記】

◆あの大前先生の『企業参謀』が読みやすくなって再登場!?

企業参謀ノート[入門編]
企業参謀ノート[入門編]

ジャンル的に当ブログが得意とするところではないので、ご紹介は難しいのですが、興味津々です。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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この記事へのコメント
このままでいいの?第4の大手広告代理店。産経新聞を提供している蟾宣社を世へ送り出して下さい。今に大手を賭けて見せますから。
Posted by O.K. at 2012年08月18日 22:28
>O.K.さん

はじめまして。
コメントありがとうございます。

……私に何をお求めか図りかねますが、引き続きこのブログを頑張る所存です。
今後ともご贔屓のほどを。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年08月18日 23:27