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2012年06月25日

【働き方】『入社10年目の羅針盤』岩瀬大輔


入社10年目の羅針盤
入社10年目の羅針盤


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ライフネット生命保険副社長の岩瀬大輔さんによる仕事術本。

テーマ的に前作にあたる『入社1年目の教科書』が10万部を超えた結果、「新人だけでなく、入社10年くらい経った人向けの本を」という、多くの人の声に応える形で書かれたのが本書になります。

版元のサイトから。
楽しい仕事はない。でも、楽しく仕事をしている人がいるのはなぜか。毎日の仕事をイキイキと新鮮な気持ちで取り組むためのヒント。

果たして、岩瀬さん流「仕事を楽しくする55の秘密」とは!?


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【ポイント】

■1.何をもって満足すべきかを知る
どんなにいい仕事をしても、どんなに高い給料をもらっても、ただ上を目指し続けているのであれば、いつまでたっても満足感を得ることはできません。最初は楽しい仕事でもそのうちつまらないと感じてしまうはずです。貧欲に挑戦する姿勢はもちろん大事ですが、それでも自分がどこに向かっているかを明確に意識しなければ、自分を見失ってしまうでしょう。


■2.上司に力を借りる
 上司としても、部下に頼られることは悪い気がしないものです。「こんなこともできないのか」と言われるかもしれませんが、それでもアウトプットをしっかり出していけば、上司もいずれ認めてくれるはずです。
 僕は20代のころ、「岩瀬は人の8倍仕事をする」と言われたことがあります。これは僕が人の8倍能力があったわけでもなく、人の8倍頑張ったわけでもありません。
 上司のカをうまく借りていたので、8倍のアウトプットになったのです。


■3.相手の立場から物事を考える
 世の中には、1つの真実、1つの正解があるわけではないということです。誰しもそれなりの知性と経験をもっているわけで、その考えや判断が100%間違っているということはほとんどありません。どちらも一方の立場から見れば、正しいのです。相手の世界観、置かれている状況、持っている知識などを考慮して、「この人なりにこう考えて言ったことなんだな」といったところまで想像するようにしてみてください。寛容さを持ち、相手に歩み寄ることができるようになるはずです。


■4.論理的に話すには、まず紙に書きだす
 自分の考えをうまく言葉に変換できないという人は、自分の考えていることをまず紙に書き出してみましょう。断片的な考えでも、紙の上に並ぺてみると整理しやすくなります。自分の言いたいことは何なのか、そのメッセージを浮かび上がらせることができたら、次にそれを文章化してみます。重要なプレゼンなどが控えているのであれば、それを誰かに見てもらうのがよいでしょう。


■5.自分が能力を発揮できるパターンを見つけておく
 能力の高い人が仕事がデキる人だと思われるかもしれませんが、実際はそうではありません。
 自分の能力を上手に引き出せる人が、仕事がデキる人なのです。

 気分が乗ってこないまま作業をしても効率が悪くなるだけです。自分がどういう状態の時、一番乗った状態で仕事ができるのかを知り、気分を切り替えるための行動を起こしましょう。


■6.手段として選んでいることと、達成したい目的とは別
 例えば、「人の役に立つ仕事がしたいから」と、医者を目指す若者がいるとします。しかし医学部への道は狭き門で、誰もが医者になれるわけではありません。ここで医者になりたいのになれない不幸な若者が1人生まれてしまうと思われがちですが、そもそもその人の人生の目的は「人の役に立つ仕事がしたい」ということですから、別に医者でなくてもいいわけです。看護師や心理療法士でもいいですし、医療の現場にこだわらなければ、消防士や保育士だっていいわけです。
 このように、自分自身の中での目的を再定義して、実現したいことは何なのか、それを達成するにはどうすればいいのか(どうしてもその仕事でなければならないのか)ということを問い直すことによって、選択肢が増えて、より目標に近づける可能性が高まるのではないかと思います。


【感想】

◆冒頭で触れた『入社1年目の教科書』は、本書の「おわりに」で岩瀬さんご自身が言われているように「基本的なこと」を中心に書かれた1冊でした。

入社1年目の教科書
入社1年目の教科書

参考記事:【仕事術】『入社1年目の教科書』岩瀬大輔(2011年05月22日)

もっとも、岩瀬さんの華麗な経歴(東大法学部⇒司法試験合格⇒ボストン・コンサルティング・グループ⇒ハーバード経営大学院、等)から、どんだけスゴイ仕事術が繰り広げられるのかと思いきや、意外と王道ネタばかりだったので、私なんぞは「仕事に近道ナシ!」と妙に納得してしまったのですがw

それに対し、本書は「10年目」ということで、中堅どころのビジネスパーソンが対象。

これはちょうど、岩瀬さんと同世代であり、その世代のビジネスパーソンとのやり取りを振り返った結果、「多くの人が仕事を心の底から楽しんでいない」ことに気が付いたのだそう。


◆そこで本書では、目次の通り各章において「仕事がつまらなくなる」6つの原因について言及。

「コミュニケーション」「スキル・アップ」「モチベーション」「キャリア」「プライベート」「チャレンジ」の各要素ごとに、岩瀬さんが気づいたことや、出会ったビジネスパーソンから得た「答え」を記されています。

少々意外だったのが、マネジメントについて触れられていないことで、普通10年選手ともなれば、部下もいるハズなんですが、本書では掘り下げられていません。

……当ブログ的には、マネジメント本は人気がイマイチなので、それはそれで良かった(?)のですがw

逆に、上記ポイントの2番目のように「上司の力を借り」たり、割愛しましたが「ベテランと仕事をする」ことを薦めているのが面白いな、と。


◆また、仕事術以外のお話でも興味深かった点がちらほら。

例えば、実は岩瀬さんはハーバードを2回落ちており、合格は3度目の正直だったのだとか(知らなんだ)。

さらには、ハーバード時代に一番行きたかった会社にも落ちてるそうですし、現在のライフネット生命でも、「業界最安値」の座を奪われた時には「神頼み」(?)で乗り切ったとのこと(詳細は本書を)。

エリートそうに見えても、色々と苦労なさっていたんですね。

それだからこその本書でしょうし、与えられた場で輝くTIPSが込められているのだと思います。


◆本書は、上記『入社1年目の教科書』に比べると、同じ仕事術本でも、やや自己啓発系成分が多めのようなw

ただそれは悪いことではなくて、本書が「仕事がつまらない」ことに対する処方箋の役割があるからだと思います。

そもそも単に仕事を効率的にこなすだけでは、毎日が楽しめるワケがありませぬ(もちろんこなせた方がいいですけど)。

私のような20年超選手(退職してなければ)でも得るところはありましたし、逆に入社2〜3年の方も、今のうちから読んでも良さげ。

特に前作がツボだった方なら、きっと気に入られるのではないでしょうか?


1日1日を無駄にせず生きるために!

入社10年目の羅針盤
入社10年目の羅針盤
1.仕事は、他人の力を借りれば、4倍楽しくなる
2.勉強が嫌いな人でも人生の「学び」なら楽しめる
3.仕事を楽しそうにしている人の秘密
4.不採用通知は、自分の人生を闘っている賞状だ
5.仕事とプライベートは分けるな
6.目的地までの旅を楽しくする


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【編集後記】

「なんぞこれwww」な1冊。

ダース・ヴェイダーとルーク(4才)
ダース・ヴェイダーとルーク(4才)

これは子供向けというより、子どもを持つお父さんにプレゼントしたいですねw

……って、私が欲しいわ!!


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