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2012年04月23日

【話し方】『必ず結果を出す人の伝える技術』佐々木かをり


必ず結果を出す人の伝える技術 (PHPビジネス新書)
必ず結果を出す人の伝える技術 (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、手帳術でお馴染みである佐々木かをりさんの「話し方」の指南本。

下記目次をご覧頂ければお分かりのように、章ごとにポイントが列挙されている構成で、当ブログ的にはかなり「ツボ」でした。

アマゾンの内容紹介から。
あなたが日常的に使っている言い回しや話し方、相手に正しく伝わっているでしょうか?
伝える技術が上達すると、あなたの持っている知識や仕事ぶり、働き方が変わらなくても、相手を動かすことができ、目的を達成できる確率が上がります。
自身の講演や話し方の講座で、軒並み100%近い満足度を得る著者の、全ノウハウを公開!

女性著者のご本は、私自身はあまり積極的に読んでいない方なのですが、本書は性別が関係ない「切れ味」でした!


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【ポイント】

■1.会話ではクロージングを意識する
 会話は全部「クロージング」を意識するのがいいと思います。終着点を具体的にして、そのための会話、そのための知恵、そのための時間を使う、ということです。
 そう考えると、提案がないままに「いかがいたしましょうか」だけのメールでは、「あと何回かやりとりしなければいけない」ということがわかります。
 私は、「いかがいたしましょうか」というメールを受けると、「どうしたらいいか提案ください」とか、「選択肢を出してくださいますか」と、返信します。すべては案件や状況によりますが、意味のない質問をしない、ということが大事です。


■2.会議では目的を意識する
会議で「皆さんのご意見を聞きたい」といって話し始めてしまうこと、ありませんか。これでは、あまりに漠然としています。この始め方では、会議をする目的を達成するのに時間がかかりそうではないでしょうか。
 話をするということは、何かの目的があるはず。その目的をいつも意識してほしいのです。会議の時間を使い、参加者の時間を使い、自分は何をしたいのか。どんな目的で、この会話をしているのか。これを意識すると、話し方はぐっと良くなります。


■3.結論から先に話す
 話すときは、基本的にどんな場合でも、結論からいうことが大切です。
「来週、30分のミーテイィングをさせていただきたいのですが、お時間いただけますでしょうか。というのは、○○社から○○の問い合わせが来て……」といった具合です。
 話の概要がわかるように最初に結論(右の例なら期待する結果)をいうことが、相手にとって親切だと思います。「だから何なのか」を短い文でいう。主語と述語を近づけて、明確な文にして短く伝えるのです。


■4.事実と意見を分けて話す
 論理的に話を組み立てるときに大事なことの1つに、事実と意見を明確に分けて話す、ということがあります。どこまでが事実で、どこからが意見かを混ぜないことが大事です。自分の期待なのか、要望なのか、それとも調査結果から出たことなのか。


■5.アクションを明確にする
「結論は、最初にいう」と書きましたが、話の最後にも、語る必要があります。結論をはじめに語るとなると、話の最後には、何を語るといいのでしょうか。
 私の言葉でいうと、「アクションを明確にする」ということです。いま話してきたことは一体何で、聞き手の方に、具体的に何をしていただきたいのか、ということを、まとめて伝えます。
 つまり、キーメッセージが「この企画を検討していただきたい」ということだとしても、それを、話の最後には、「いつまでに検討するのか、どのようなかたちで知らせていただくのか」など、期限や行動を明確にします。


■6.主語を「私」にする
 アイ・ステートメントという表現方法を、推奨してきています。アイ・ステートメントとは、は、アイ(私)を主語にして、「自分のことに限定して話す」という意味です。
 主語を「YOU(あなた)」では、はなく、「I(私)」にすることで、相手を攻撃することなく、批評や命令をすることなく対話ができるという、訓練方法としての意味があります。「あなた」を主語にする会話は、「あなたのここが悪い」「いつもいっているのに、どうしてあなたはこれができないのか」と、相手を責めてしまいがちです。
 それを、私を主語にすることで「私だったらこうする」「私は、似たようをケースのときに、こういった対応をして、うまくいった」と話すことで、相手に選択肢を残しながら、提案できるという会話方法です。


■7.聞き手が誰かを考える
自分が話したいテーマを決める前に、実は、「誰に向かって話すのか」を考えることが、重要なのです。どんな人たちに対して、何人くらいで、どのくらいの大きさの会場で、どんな風に話すのか。これを想像してメッセージを考えてほしいと思います。


【感想】

◆実は著者の佐々木さんのご本は、私にとって本書が初めて。

冒頭で「手帳術でお馴染み」と書きましたが、私自身、手帳にあまり興味がない(オイコラw)こともあってか、書店で本を手にすること自体ありませんでした。

それが今般、「伝え方」「話し方」をテーマにされていたこともあって、初めて読んでみたところ「あら濃厚w」

話に筋が通っていると言いますか、ロジカルと言いますか。

「男性が書いた」と言われても、納得できるような内容でした。


◆こう言ったら失礼かもしれませんが、とにかくいい意味で「空気を読んでない」感じ。

日本人特有(?)の「あいまいさ」についてはかなり手厳しいです。

例えば上記ポイントの2番目の「皆さんのご意見を聞きたい」なんて台詞、会議で今まで何度も聞いてきましたし、私自身、何の疑問を持たずにおりました。

他にも割愛した話ですが、政府関連の会議に出席した際に、出席者それぞれの経験や意見が出た段階で、議長が「議論を積んできたので、ここでまとめたいと思います」と言ったのに対して一言。

「皆さん各自の意見はいいましたけど、一度も議論をした記憶がないのですが」

……その場にいた全員がフリーズ状態になったのだそうw


◆今回のエントリーは、主に第1章の『結果を出す「伝え方」、15のポイント』から抜き出しておりますが、他の章でもこんな「佐々木さんらしさ」がさく裂しております。

特に第3章の『命運を分ける、使ってはいけない言葉22、使いたいことば12』のうち「使ってはいけない言葉」の方は、該当する方も多そうな。

例えば初っ端に登場するのが「作業」

これは佐々木さん曰く「便利な言葉として、多くの人が無意識に使っている」が「心をこめて、知恵を尽くして、熱心に取り組むというイメージがなく」「右から左に流す、ただ物理的なプロセス」に思えるのだとか。

他にも「こなす」「バタバタする」「すべき」等々、私も日頃から普通に使っている言葉がやり玉に挙げられております。

確かに「一歩踏み込んで考える」と、違った表現をすべきだな、と思った次第……って、もう「すべき」って使っちゃったじゃないですか!(ダメじゃんw)。


◆本書はタイトルを見た際には、今一つ内容が分かりにくかったのですが、広い意味での「話し方」のコツがまとめられており、なかなかの「掘り出し物」(失礼!)だと思います。

また、「話し方」だけでなく、日頃自分の使っている「言葉」に対しても、必要性や妥当性について意識するようになれるハズ。

……ちなみに佐々木さんは、娘さんの「ちょっと今日は帰りが遅くなるから」という一言にも、「それは、何時に帰るということをいっているの」と尋ねるそうですがw

ただし、「空気を読む」ことは、ある種の日本のスタンダードなので、目上の方に対しては、一応注意した方がいいかもしれません。


気持ち良いほどロジカルな1冊でした!

必ず結果を出す人の伝える技術 (PHPビジネス新書)
必ず結果を出す人の伝える技術 (PHPビジネス新書)
プロローグ 伝え方には、課題がいっぱい
第1章 結果を出す「伝え方」、15のポイント
第2章 「対話力」を高めるための9のポイント
第3章 命運を分ける、使ってはいけない言葉22、使いたいことば12
第4章 人前で話す「講演力」、13のポイント
第5章 話し上手の人がやってる11の習慣


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【話し方】「たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック」アラン・ガーナー(2010年06月06日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問
ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問

タイトルや装丁は堅めなんですが、著者が『ラーメン二郎にまなぶ経営学』の牧田幸裕さんだと知ると、読んでみたくなるというものですw

参考記事:【ネタ?マジ?】『ラーメン二郎にまなぶ経営学 ―大行列をつくる26(ジロー)の秘訣』牧田幸裕(2010年12月12日)


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